詩人:メロンソーダ | [投票][編集] |
あの子がキャンディーの包み紙でつくった不恰好な鶴は
僕は全部捨てないでもっているんだ
そのうちの一羽は僕の筆箱のなかにいるし
あの子のつくった鶴はいつも元気で楽しそうさ
あの子はいつもうれしそうで
あの子はいつも笑顔をたやさない
でも
僕の前で爪をいじるあの子の手が震えているのを
僕は見逃さなかった
それに
あの子が悪戯っぽく鶴の裏に書いたメッセージを
僕は見逃さなかった
胸のあたりに温いものがジワっとしみ込んだ
口のなかのミルキーの甘さと
あの子の笑顔がリンクした
詩人:メロンソーダ | [投票][編集] |
最近
スリルもあいつも僕を訪ねては来ない
家に帰れば
布団の手招きに誘われ
お菓子の誘惑にまけ
MDの子守歌で眠る
太陽は最近早く帰宅してしまうから
外で寒さがいばってる
僕はテレビに吸い込まれて
無感情に事件を否定し
悲しいドラマを鼻で笑う
目尻が重く視界がぼやける
あいつのやわらかい肩にもう一度触れたいと思う
『あの子のことまだひきずってるでしょ』
ひきずってねぇよと強がった僕の顔は
洗顔直後の顔以上にひどくつっぱってただろう
最近僕は
あいつがたりない
詩人:メロンソーダ | [投票][編集] |
手首足首から
寒さが悪戯に入り込んでくる日暮れ
僕はおきにいりの自転車に乗って
ふらふらっとコンビニまで
ご近所さんの晩ご飯のきんぴらごぼうの匂いがする
何だか町が妙に静か
暗い細道はなんだかドキドキする
今日のお月様は何だかとっても色っぽい