詩人:惑い人 | [投票][編集] |
上昇する鉄の塊に縋りつく
ぼろぼろの機械の体を持つ君
ケリー 君は何を願うの
燃え上がる我が家を見上げ
弟と誓った あの日の約束
いつか 争いのない宇宙へ行こう
だから その手を離さないで
だから 強く強く願って
君の願いが一瞬秒でも
宇宙に届いたなら
君は 星になれるから
穏やかで静謐な世界の
住人になれるから
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昨日 あなた宛ての手紙を書き
今日 送りました
あの日は 本当にありがとう
少しだけれど 言葉を交わし
何もかもを包み込むような
あなたの手に触れることが出来て
私は またひとつ
あなたの優しさを知りました
でも 一番伝えたいことは書けませんでした
それが あなたの重荷になることだと
それが 叶わないことだと
分かっていますから
それでも あなたを見ています
体には 気をつけて
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深い河の水の底
とろーり とろりと
眠っていたら
体が溶ける感じで 目覚めた
水になっていた
水が自分で 自分が水
何て素敵なんだろう
このまま 君の住む街へ
流れていこうか
とろーり とろりと
微睡みながら
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駆けて 駆けて
跳んで 跳んで
敵を倒し 薙ぎ払い
ひたすらに 駆け抜けて
君が残すのは 風にのった血の匂い
そして かつてヒトだったものたち
その先に 何があるの
その目には 何が見えるの
君の望むものは どこにあるの
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しゃり かしゃり
しゃり かしゃり
回すたびに 二度とない
世界を見せてくれる万華鏡が
少年は大好き
ある日 中を見たくなり
金槌で何回も叩き 壊した
そこにあったのは
三枚の鏡板
薄っぺらな色つきセロハン
屑物のビーズたち
失望した少年は 血を流した手でそれらを掴み
地面に投げ捨てた
夕日に照らされたものたちを 少年は見つめた
“このほうがずっときれいだ”
家路につく少年を
血に染まり なお夕日を吸い取る屑ビーズが
見つめていた
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何が欲しいの?
“わからない”
何を望むの?
“わからない”
何をしたいの?
“わからない”
誰を愛しているの?
“わからない”
生きていたいの?
“わからない”
問われ 答えるたびに
灰色のやるせなさが 満ちていく
真の満足など 得られないのかも知れない
永遠に
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もしも全てを
投げ出したい程
疲れたら
いつでもおいでよ
私のところへ
ここは君専用のドライブイン
背中にしょった荷物を置いて
たまには一息いれて
たわいのないお喋りも
吐き出せない愚痴も
ここなら何でもOK
長い道だもの
休憩は必要さ
元気になれたら
また行けばいい
私は笑って見送るよ
いつでもおいでよ
この場所へ
ここは君専用のドライブイン
何もないけど
休んでいきなよ
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かわいそう?
誰が?
私が?
どうして?
あなたに何がわかってるの?
自分のことは さておいて
一段も二段も上から見下ろして
わかったつもりになってるだけ
その証拠に
あなたの目に満ちているのは
優越感
人より上に立っている
錯覚からくる
悦び
教えてあげる
本当にかわいそうなのは
あなたなのよ
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握手を してください
それで 充分です
とりあえず 今は
一瞬だけ 強く
握って ください
私の 手を
大丈夫
折れやしません
見た目より 丈夫です
ありがとう
その手の 感触
心に刻まれました
あなたの ぬくもり
私の一部になりました
本当に
ありがとう