詩人:惑い人 | [投票][編集] |
何故 気付かなかったんだ
全て 私のためだったというのに
君が 私を救おうとしていたのに
君が 私を解放しようとしていたのに
蒼い命を 削りながら
私を 自由にしようと・・・
あの時 気付くべきだったんだ
なのに 私は君を傷つけ・・・
礼を 言いたいのに
心から 詫びたいのに
今頃 気付いた
この気持ちを 伝えたいのに
私の 瞳に
蒼い 残像を遺して
君は いってしまった
もう 私には
蒼い 空を見上げ
涙を 流れるに任すしか
術がない
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春の夕暮れ
ぬるい風に誘われ
歩きだす
これは何
焦り 不安
どこか心地よい ざわめき
思い出したように現れる ときめき
胸に渦巻いて
気がつけば
空に 桜
うずもれそうなほどに
苦しくなり 肩を押さえて
君がつけた
薄桃色の
小さなあざの
疼きを確かめる
呆けたように
空の 桜
見上げ続けながら
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お願い もうやめよう
私きっと 限界
前は 平気だった
まるで 二人
刺だらけの鎧を着て
加減もわからず 抱き合って
お互いに 串刺し
それでも 嬉しかった
傷つける 痛みより
傷つけられる 痛みより
君の 体温が
君は 悪くないの
でも だめなの
抱き合うのが
痛いの
辛いの
怖いの
だから ごめんね
そばにいられないのを 許して
君を避けるのを 許して
そうしないと
私 壊れるから
そうしないと
君を 壊すから
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我先に 空へ届こうと
手を伸ばして 突っ立つ
摩天楼の 群れ
そんなに 必死で
何を掴もうと いうのやら
空の 星の光たちには
届くわけも ないのに
忘れちゃったの?
「バベルの塔」の言い伝え
手に入らない ものだから
あんなにも 美しい
掴めない ものだから
こんなにも 焦がれる
いい加減 気づいたら?
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薄々分かっているのだけれど
どうにも君のアンテナは
こちらを向いてくれないようで
いつも私は 圏外
どんなに強く想ってみても
ずっと私は 圏外
想いを持続させるのには
それなりの反応も必要で
どうやら私は疲れたらしい
やっぱり私は 圏外
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僕は空を飛べる
と
確信を持って言うのは
傲慢だろうか
だって仕方ないじゃないか
ひと月前から始まった
肩甲骨のむず痒さ
今や最高潮
翼が僕の背中の皮膚を
突き破りたくて
駄々をこねてるんだ
だから今ここにいる
屋上の柵を乗り越え
コンクリのわずかなでっぱりの上
下がうるさくて嫌になる
さっきも言っただろ
飛び降りるんじゃない
飛ぶんだと
さあ行こうか僕の翼
ほんの一歩踏み出せば
一緒に自由になれる
出発・・・!
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悩んで 苦しみ
傷つき 疲れ果てた
分かっている
悪いことばかり
あるわけじゃないって事くらい
だけど 思い出せない
光の見つけ方が
長い間 暗い中にいたせいか
身も心も 諦めに浸かり続けたからか
それでも もし思い出せたら
そして 光を見つけだせたら
きっと 言うに違いない
ここにいてよかった と
生きていてよかった と
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誰が 何を いつ どこで
どう 間違えたのだろう
一つだけ 分かっている事は
子供の頃に抱いていた
明るい21世紀のイメージは
幻だったという事
今は 懐かしい未来の
イメージを抱き締めて
混沌とした道を 進むだけ
もう 戻れない
世界の全てを
無邪気に信じていた
あの頃には
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事実は一つ
でも 真実は人の数だけ
真実は それぞれの心の中に
だから お願いだ
何も言わないで
勝手なのは 分かってる
でも 僕には僕の真実がある
相容れないのは 寂しいけど
守らなきゃいけないんだ
僕だけの 真実を