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惑い人の部屋


[6] 少年は万華鏡を
詩人:惑い人 [投票][編集]

しゃり かしゃり
しゃり かしゃり

回すたびに 二度とない
世界を見せてくれる万華鏡が
少年は大好き

ある日 中を見たくなり
金槌で何回も叩き 壊した

そこにあったのは
三枚の鏡板
薄っぺらな色つきセロハン
屑物のビーズたち

失望した少年は 血を流した手でそれらを掴み
地面に投げ捨てた

夕日に照らされたものたちを 少年は見つめた

“このほうがずっときれいだ”

家路につく少年を
血に染まり なお夕日を吸い取る屑ビーズが
見つめていた

2005/03/23 (Wed)

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