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誕生・躍動・始まり
それは陽が昇るということ
万物が色付くということ
あさ目覚めるということ
桜の花が咲くということ
仕事を始めるということ
生命が誕生すること
それは やがて
ときの流れとともに
引退・沈静・終わりへ
変わりゆく
それは陽が沈むということ
万物に彩がなくなるということ
夜眠るということ
桜の花が散るということ
仕事を辞めるということ
生命が終わること
しかし それは
ほんとうは
終わったのではない
あらたなる姿で
また躍動するために
みな平等に与えられた
自然の哲理
始まりは終わりのつづき
終わりは始まりのつづき
人間が生きること
人間が老いること
人間が病むこと
人間が長い眠りに就くこと
幸福ということ
それは
このくりかえしを
知るということ
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昼下がりの光を浴びて
メトロの狭い石造りの階段を上ると
石畳の歩道とガス塔が目に飛び込んだ
10余年前のとある秋の日
スーツ姿の私は
緊張と不安に包まれながら
人々の波に熔け込んでいった
老舗百貨店を左に眺めながら
前方に高速道路を望み
ビアホールの前の
細い路地を左に入った
葉っぱを茂らせた木々が
長いトンネルをつくり
その木々の間からは
うっすらと
木漏れ日がさしこんで
舗道に影を落としている
少し歩くと右前方に
赤いレンガに被われた
7階建ての瀟洒な
建物の前に辿り着いた
社会という大海原
漕ぎ出す許可を得るため
人生のひとつの分岐点
それから半年後
卒論に国家試験という
厳しい冬を越えて春を迎えた
この街もまた
舗道の木々は
桜花のトンネルへと変わり
私を祝福して迎えてくれた
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2004年 GW
晴れ渡る空に強い日差し
真夏のような暑い名古屋での1日
同業の友人と半年ぶりの再会
案内された診療所から望む
広大な工場敷地と木々
名古屋港に面する大通り
黄緑に輝く街路樹
5月の爽やかな風に吹かれた
心地よい日差しの1日
東京都港区六本木
外国人や老若男女を越えた
カップルやファミリーで賑わう
東京の新名所
FM局のイベントが盛大に開催
計画的に造られた花壇に咲き誇るツツジ
それを包み込むように広がる
街路樹の若葉たち
東京都北区赤羽
ふと立寄ったお洒落なカフェ
桜ブレンドティー
大きな窓から望む
駅前ロータリーと街路樹
日差しと強い風に吹かれた1日
東京都文京区後楽
東京ドーム・プリズムホール
骨董フェアでひとときのタイムトリップ
歴史と最先端の情報文化の交じわる街
水道橋・神保町・秋葉原
街路樹が懐かしさを感じさせる
台風の如き風雨に見舞われた1日
自宅でレポートに取り組む
どんより曇った肌寒い1日
雨上がりの午後の街を歩く
初めて立ち寄る老舗カフェ
銀座みもざ館 そして日比谷公園
最初で最後の出会い
ビルの谷間に広がる新緑と噴水が
自己を省みること
原点に返りことを教えてくれる
葉っぱの一年はひとの一生
芽吹き 黄緑に輝き 青々と茂り
色付き 枯れて土に還る
1枚の葉っぱにも喜怒哀楽の人生がある
葉っぱも人も温かさや試練があって
成長していくことを新緑が教えてくれた
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戦争は
ひとのこころのなかに
うまれるものであるから
ひとのこころのなかに
平和のとりでを
きずかなければならない
2003年 夏
この言葉を知ったぼくは
何とも言えぬ感動と
使命を自覚せずには
いられなかった
お互いの風習 生活習慣
知らないことで生まれる
疑惑と不信
二度の大戦
そして今なお続く
民衆の悲惨な叫び
いま必要なものは何?
それは教育・・・
大人や教師は
何のために教えるのですか?
そして 子どもや学生は
何のために学ぶのですか?
いい学校に入りたいから?
いい会社に入りたいから?
いい生活をしたいから?
それはとても大切なこと
しかし それだけで
本当に全てが幸せになれると
思いますか?
英知を磨くは何のため
君よそれを忘るるな
高度な知識や技術
それは暮らしを豊かにする
反面 ひとを不幸の底に
落としてしまう
いま大切なものは何?
それは
ひとりを大切にするこころ
ひとりと向き合う行動
まわりに流されない勇気
そして
生涯 学び続けること
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美しき京の月
その昔
江戸から京の都まで
十二昼夜の道のり
旅人たちは
日夜にわたり
歩きつづける
つかれた旅人を癒す
京の都の夜空に
輝きわたる
美しく優雅な月
しかし
十一夜にして
その歩を止めたならば
どうして美しき月を
眺めることが
できるだろうか
最後まで決して
あきらめることのない
完全勝利の方程式は
いまも むかしも
変わらない
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ひとつの出会い
一人との出会い
それは
小さな二つの
点かもしれない
しかし
自己の持ち味を
大切にしながら
お互いを認めながら
理解し合いながら
価値を創造していけば
やがて
小さな“点”は“線”となって
そして“面”となって
ひろがってゆく
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世界に羽ばたく国際空港
大都市の主要空港
地方の小さな空港
いろいろな表情を持った
"おおぞら"への玄関口
ながくのびる滑走路
その多くが
向かい風になるように
つくられている
それは飛行機が
おおぞらへ
舞い上がりやすいため
ぼくらの人生
夢や希望という
幸せの人生への
旅立ちは
悩みや困難に
立ち向かうところから
はじまる
向かい風が
つよければつよいほど
走り抜ける勢いが
つよければつよいほど
ぼくらの人生という
たくさんの希望をのせた
飛行機は
"おおぞら"へ舞い上がってゆく
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さまざまな風景
さまざまな芸術
音楽 絵画 文学
さまざまな文化
衣装 生活 食事
それは
違いがあっても
すべての人に
与えられた
平等なもの
政治・経済では
けっしてできない
国境を越えて
互いに理解しあえる
素晴らしき
平和の武器
芸術の対話は
平和への対話
芸術のひろがりは
平和へのひろがり
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アリガトウ
サンキュー
メルシー
ダンケ
グラシアス
スパシーバ
シェイシェイ
日夜この地球上で
交わされる奇跡のことば
それは
口に出せば元気になる
耳に入れば勇気がわく
相手への敬意
おおいなる人生への肯定
これを言うとき聴くとき
ひとびとは
こころのよろいを
脱ぎすてる
このことばをたくさん
はなす国や地域には
たくさんの
笑顔と安らぎと平和に
満ちあふれている
家庭も職場も国も世界も
敬意を払えばうまくいく
さあ
今日からでも
あたり前のことを
あたり前と思わず
言ってみよう
感謝のことば
それは
一つの謙虚さ
たくさんのひとびとの
たくさんの謙虚な姿勢
これこそが社会の発展
これこそが世界の平和
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道端に植えられたアジサイ
6月の雨のなか彩りも鮮やかに
真夏の陽気に誘われて
梅雨の空につつまれて
日々 変わりゆく築地の街
爽やかな春との別れ
心踊る真夏の日の待ち遠しさ
水無月の始まりの一日
二つの想いが入りまじる
きょうという一日
季節とおなじく
我が胸中の想いも
懐かしき思い出
あたらしき期待へと
入りまじる
きょう出会う
あらたな仲間
きょうからはじまる
あたらしき仕事
別れと出会い
いつまでも
原点を大切にしたい
きょうという一日