詩人:風端 | [投票][編集] |
クマのぬいぐるみを公園に置き去りにする
(あれは爆弾だ)
ベンチに腰掛け俯く可愛いあの子
(けれど安い布とフェルトのカタマリ)
どんよりとしたお空はまだ大丈夫
(湿っぽい空気)
とある月曜の朝
何の変哲のないぬいぐるみは爆弾となった
(でも何の変哲もないぬいぐるみだったので爆発しなかった)
最期に犯人が
その小さな口で小さく微笑う
詩人:風端 | [投票][編集] |
禍々がきたる
(それは唐突に)
白い白い時計兎は逃げ遅れ
(白い白い尾をもった)
まわる世界は万華鏡
(くるくると)
ガラス製の絵本にヒビが入り
(ゆっくり、しかし確実に)
世界は崩れてゆく
(飲み込まれてゆく)