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ここにずっとあるのはありふれてはいるけど特別な日々だよ
昔からずっと変わらないありふれ過ぎてるくらいの日々だけ
茶柱が立ってただけでおかしいくらい
箸が転がっても笑っちゃうくらい
そんな年頃でもないけれど
自分の器が どれほどのものか わかってしまう年頃に達したぼくも自分の器を知る
深い器じゃないことくらいはわかるから
べつに謙遜するひつようもない
小さな器だから 不器用に君を傷つけて
たまに 泣かせてしまうこともしばしば
やっちまったなと悔やんでも仕方がないのにね
仲直りしたくて
でも仲直りの方法わからなくて
少しばかり君がいるから特別なのかな
そのへんがありふれてる中の何パーセントかを占める不思議な部分かな
ごめんね
重なる声が
妙ちきりんな
リズムを生んで
地場さえもを生む
ぼくらはキスをする
そんなありふれてるけど特別な日々
ずっと続けば
ジグソーパズルが出来上がるみたいに
いつかありふれてるけど幸福な人生に変わるかな
振り返る道
思い出すは記憶
そこに見えた
いくつもの今日
ほらね
終わってしまえば
何もかもが笑い話
いつか そうなるまでぼくらは本気の本気でずっと 生きてゆく
今を輝かせる
そのために
HAPPYよりHAPPYな
記憶をつくろう
二人の協同作業でさ。
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生命線をたどり
その寿命以上を
ぼくは生きてみせる
生命線をたどる旅は
はじめからおかしなことばかりだから少しくらい予想外のことがあったってにわか雨くらいにしか思わないさ
手のひらの上で回るミニチュアサイズの地球がいつから嘘っぱちだと気づいたんだろう
支配者の顔で
ただの 幼子だった
わがままは通らない
神経質なこの世界で
まかり通る正義がイヤミなくらい 光る
ぼくのそばで
ぼくには君がこの世界の全てなのに軸はやや狂って
いそがしさに忙殺される毎日
それでも 今もこの世界は君を軸にしてまわっている
君のまわりを 太陽系みたいに くるくるとただくるくるとまわっている
ぼくのそばで。
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何ひとつ いいところなんか何もないのに君はいつもぼくから離れようとはしないね
ただのひとつさえ
人に自慢できることだって何もないのに
君はぼくが落ち込んでればあたりまえのように多彩な言葉と表情で励ましてくれる
大丈夫?という君の澄みきったまなざしは今まで出会ってきた人にはなかったあたたかい愛にあふれていた
いくつもの季節をむりして遠回りしていたよ
わざと忙しさにかこつけてさみしさやせつなさを隠してた
でももうそんなめんどうなことしなくていいんだね
君がこれからは正しい道へ導いてくれるから
『頼りにしてるよ』という言葉さえためらわず言えてしまう
運命というものの力を迷わず信じられる
そのつよさを君から手渡しでもらったから
君が笑えば ぼくもなんだかおかしくなって
一緒になって 笑いたくなるよ
不思議なほど
君が泣いてたらぼくもなんだか悲しくなって
一緒になって 泣いてしまうよ
そんなぼくらの心のからくりは説明すれば長くなるけど簡単にいえば
ぼくと君の心はひとつにつながってる
そうまるで 糸電話みたいに互いの気持ちが伝わり 伝え あうような
そんな ふたりだから今も今までも
仲よく やれてたんだね
愛し君へ 愛すべき人へ
時間はかかるかもしれないけど
いつかはね 伝えるから
感謝をもらいっぱなしにはしないから
この両手いっぱいの愛にふさわしい何かを届けるから
待っていてね
『そんなもの見つからないや、どんな言葉も君の愛にはかなわないや』
思考めぐらすたび弱気になるけど
君と出会い 愛し合えるこの幸せな時間をかみしめながら
ともに過ごすその中で何ができるかを考えてゆくよ
きっと言葉にかえられる感謝の気持ちなどないから
きっと言葉ではなくて
届けたいのはかたちのない気持ちなんだね
たとえばそれがずっと探していた答かもしれない
なんて 想うよ。
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扱い方次第では
触れただけで
壊れてしまう
もろいガラスのよう
心はビードロ
誰かの些細な言葉に
思いもしないほど
傷ついている自分に気づいて
ひとり 黄昏の中
赤く染まった夕空がそっとため息で曇れば
眼球のレンズ越しに淡い切なさが広がる
感嘆にも似た気持ちから流れる涙でにじむ景色は
まるで 水でぼかした 何かの水彩画のよう
ポケットから手を抜いて
うつむいていた
顔をあげれば
そこには涙で見えなかった答と目が合った
遠目に見えるだれたような疲れ果てた色で揺れる明かりに包まれた街がある
足どりも重く
恐る恐る
一歩一歩が
小さくこわごわだけど
少しずつ
少しずつ
明日に向かってる
夜明けに近づいてる
ガラスのように
砕けたもろい心は
何度 砕け散っても
原型をなくすことはない
ほら 破片を拾うように 一晩 眠れば
大抵は 元どおり
そうしなくちゃ いられないって こともあるけれど
ぼくはただ
また 砕け散った
破片を拾い
ケガしないように
ひとつに 重ね合わせ また 何事もなかったかのように使い古された愛想笑いとお世辞で世の中を泳ぐ
スイスイ…
そしてまた気を抜けば ビードロの季節は何度でもぼくの心におとずれる
悲しみのない季節などない
一瞬の隙でさえ
入り込む 余裕があるなら 悲しみは 容赦なく ぼくらを襲うから
どうか肩の荷をおろして安心するのも ほどほどに
何かと 気兼ねする
この世界
ガラス工芸のように
ぷくーっと膨らんで
苛立ち 隠せずに
いっそ たまには
壊れたい 壊れたい
そんな気持ちを必死に こらえて こらえて
ぼくという人間は割れそうで割れない冷たいガラスを抱いたまま生きる
何度でも同じような季節を行き交いながら
思い出にあたためられながら
冷やされたり
あたたまったり
せわしく 暮らすよ。
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つぶした靴のかかと
途中でうっとうしくて蹴り飛ばした夢
机に投げ出した両足
墓石の上であぐらをかく
そんなだらしない生活の中で
何が幸せなんだろう
何が楽しいのかな
とりあえず開ける扉
向かえば何かしらは持ち帰る
悲しみとそれと
たとえば 素敵なビー玉
それらを眺めながら
巣へと向かう途中の帰り道
夜の胃袋にすっかり沈んだ 街
その胃液で溶けたように意識はとろけて
やがてぼくら夢の中
あ、あ、あしたに出会おう
楽しい楽しい 明日に
悲しみは残念なことにどのあしたにもあるけど
喜びもどのあしたにもあるから それをいいことにたまに大げさに 笑えたならばそれは幸せな証
さあ いつまでも落ち込んでないで
雨がやむように悲しみが通り過ぎたら
涙はぬぐって
微笑みの太陽
キラキラ輝かせよう
ぼくがいる
だから あしたがある
ページはめくられて
夜明けがおとずれて
眠ってるあいだに
時計はまわり
朝が はじまる
日付も変わる
日付が変われば
新しい 今日が
おごそかにはじまる
昨日のことは忘れて
今日は今日の1日を生きよう
つぶしたかかとを
履き直して
投げ出した両足を引っ込めて
墓石から腰を上げて
ほら 罰当たりな
自分を戒めて
ほら のぼる太陽に
朝一番の言葉 言い放つ
お、お、おはよう
すがすがしい気持ちじゃなくても生きるんだって気持ちでさ
会いたがってたあしたに出会おう
今こそ
会いたかったあしたに出会おう
今は繰り返し
頑張って
会いたい
あしたのために
いつか
会えるはずの
あしたのために
頑張って
ただ頑張って
夜と朝を行き交う
夢とうつつを行き交う
ぼくはそういう生き物。
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歩くスピードは人それぞれ違うから
自分のペースで歩いて行くのがいちばんその人にとっては楽だ
だけれどたまにはそのペースを崩して誰かのペースや世の中のペースに合わせて歩かなきゃいけないときもある
ぼくの歩くスピードは他人には遅すぎるかもしれないけど
それでもこれがぼくの生きるスピードなのさ
無理して走るのならば そのぶん得るもの逃したって手ぶらで歩く人生のほうがぼくには似合う
そんなに急いだってしかたないじゃないか
いつか、涙流しても流しても癒えない悲しみは誰にもやってくるんだから
ゆっくり のんびり生きて 何が悪いの?って話だよ
何を急いで どこ行くの? 行き交う人の波に向かってぼくは言うも急ぐばかりの人たちにはぼくののんびりとした話し言葉は聞こえない
今を生きるのに精一杯で
今を歩くのに手一杯で
明日を見通す余裕はない
ただ ぼくは『今』だけを見つめてさ
繰り返し 歩く毎日
1日一本 牛乳を飲み
繰り返し 歩く人生
1日一度はなんでもいいから必ず笑う
それを約束にして
ぼくは生きる
地道に生きる
ゆっくりゆっくり
亀のよにのしのし
一歩一歩をかみしめ
歩く人生 歩む人生
最後まで 変わらないスピードで 歩く人生。
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マイペースなスピードで駆けめぐる季節
煩悩も邪念もためらわず抱くのだ
精密機械を狂わせるぼくの割り出した答
誰かが落とした偶然のおこぼれにあずかる日々
明日に会いに行く
足どりは極めて重く
傍目から見ても
きっとブルーに見えるのだろう
夜を見つめるこのまなざしは あらぬ方向に泳ぎ
意味深な言葉を残したまま ぼくは眠る
『明日を生きることできっと今日を生きた意味が見つかり昨日を生きた意味を持たせるのさ』
そんな方程式を
頭ん中描きながら
ぼくは哲学者の顔で
さりげなくなにげなくつづきをつづける
孔子説いて曰わく
論語とは…
そんなことどうでもいいや
ぼくに言わしたら
人生とは
ただ、生きること
意味をなくしながら
意味を探しながら
繰り返し繰り返し
ただ生きること
気難しい顔で
筆を 握りしめ
難しい漢字を並べた論語なんか 使わなくても簡単にわかる
すなわち人生とは
ただ ひたすら
生きて生きて
生きぬくこと
孔子の教えを乞うまでもないのだ。
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ほんとはすごく弱いのに
弱みを人に見せたくなくてやたら強がっているだけでけっして強いわけじゃないのさ
雨にうたれ 風になぶられ 平気でいるはずはないね
背中も見せずに
立ち尽くす勇ましささえ みんな抜かりなく嘘なんだ
ほんとのぼくはいつまでも誰も知ることはなくぼくからも明かすことはない
手に負えないくらい大きな悲しみを抱く
そんなぼくがいることさえ
人は平気そうに笑い飛ばして 自分の幸せにあははと笑う
ねじ曲がった心はかぎりないさみしさとわびしさに満ち溢れてるけどそうなってしまった人の悲しさもわかってほしいな
降り注ぐ雨のその中に わざと濡れるために 屋根も何も防ぐもののない
空の真下に ぼくは立つ
服はたちまちずぶ濡れ
悲しみはあふれる
とどまることさえ知らない 雨はぼくがどれだけ悲しもうと関係なく全ての人を濡らすんだ
容赦ない 悲しみを
誰にも 公平に与え
平等という名目で
ぼくらに涙を要求する
なぜだか いつもその要求からは逆らえないのさ
言葉じゃなく感覚的な要求だから
ぼくらは 従わざるを負えないのかな
束の間の晴れ間を信じすぎた早とちりなぼくにはもしもの悲しみを怪しむ
考えなどなかった
あんなに晴れていたのに嘘みたいに遠く 低くたれ込めた雨雲
目の前の出来事にただ素直になれすぎて目にうつるものだけを信じすぎたんだな
ほら案の定
火を見るより
明らかな空模様
曇天、雨を降らす
傘などないから
濡れて帰る
確証はやがて
現実になって
雨の兆し そのままに
ぼくは悲しみに沈んだ
誰かのささいな言葉でその誰かが思いもしないほどぼくは深く傷つき
ガクッと落ち込んで
心に突き刺さったようにその言葉から逃れられなくなる
縛られた 時間
自由はそこにはない
どんな明るいニュースもどうでもよくなり自分のことしか見えなくなる
出会い頭の悲しみ1つで。
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虚空を仰ぎ
めいっぱい振りかぶって用済みと遠く 色褪せた夢を投げる
とびきり明るいニュースはやがて暗い話題へ
様相を変えて
ぼくらはいつでも
さくらんぼみたいに仲良しなんだって
嘘も 甚だしい
そんな ふたりのたしかなほつれを うまいこと隠す 口実は何事もなく簡単にまかり通って ぼくらは何かが間違ったまま
正当なる愛を 汚しに汚すのだ
部屋にひとつしかない小さな窓から見える
ぱっとしない景色
日当たりは最悪
あるのかないのか
わからない幸せのありかをなぜだかいつも探す
ゆっくりと 着実に腐ってゆく ぼくらの心
でも それさえ よしとして 罪や罰さえ受ける覚悟でいた
あるがままの自分を
いつでも守りたくて
ありのままのふたりでずっといたくて
今日も 明日も きっといつまでも
なんらかの気持ちの変化がないかぎり
ぼくらは 清純を 冒す
ふたりで分けた 腐りかけの りんご
ふたりで決めた 暗い 暗い道
ふたり選んだ 孤独な未来
あなたがいれば
君がいれば
いつでも ふたりはお互いを求めて
それでいいと本気で想ってる
いつかぼくらは土に還るだろう
だけれど気持ちだけはずっと生きてる
ほら ぼくは 君を永遠に愛しているよ
何か 形のないもの
残すなら
そんな永遠を君に
あげたいな
いつまでも
世界 滅びようと
けっして 消え去らない
ほんとうの永遠を
あげたいな
命の短そを悲しむ時
涙は絶え間なく頬を行き交う。
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さよならのページをめくるときが来たんだね
『思うより早かった』
来てしまえば誰もがそう言うだろう
さよならの時
さよならの
悲しみ
さよならの
切なさ
さよならの
むなしさ
さよならの
はかなさ
ぼくらは 当然のように手を振り
まるで 観ているだけで悲しくなる
映画のようにぼくらは左右に背中を向けたまま画面の端に消える
あとにはただ木の葉舞い上げる幽かな木枯らしが吹いているだけ
時間は過ぎて夜が来る
さよなら交わしたその通りにはもう誰ひとりいない
そこにはただ来る者を遠ざけるさみしさが残っているだけなんだよ
用意されてない続編
つづきは無いらしい
ぼくらの恋はまるで
1話だけで終わるなんの変動もないつまらないラブストーリー
俳優など必要はない
ぼくらはただの通りすがりだから
気づけば、木枯らしがつれてきた木の葉 画面の隅に 踊る。