詩人:どるとる | [投票][編集] |
春の陽気に誘われて
どこからか吹いてきた
春イチバンのような君はぼくを何かと振り回して
いつも 自由にさせない
まるで ぼくらは恋人なんかじゃないのにね
多分 友達っていうにはあまりにもいつも一緒に居すぎるね
もし恋人なの?って聞かれたら
きっと ジョーダンでうなずくことより
否定することのほうが難しい
いつの間にかぼくらは
そんな感じになっていて
今さらポテサラって感じで
恋人ってたいそうなものじゃないとは思うけど
互いに互いを大事に思ってることは確かだから
ぼくらはきっと否定するまもなく恋人なんだろう
まるで 君は無邪気な子どもみたいな恋人
君の唇 多分 誰かに奪われたらぼくは怒るから
だからきっと ぼくはきみの恋人でいたいんだろう
恥じらいは乙女のもの
ぼくはただきみを愛せばいいだけなのだよ
そう君は不適に笑う
後ろ手に隠したネックレスは君によく似合う
桜の花びら象ったかわいいネックレス
渡したいけど
君は いつもぼくのタイミング 絶妙に奪う
でも いつか いつの日か 言ってみせるよ
今まで ずっと ごまかしてた気持ちを打ち明けるよ
いつの間にか こんな気持ちに変わってた
膨らんだつぼみが花ひらくように ほら
君への気持ちはもう桜より早く 咲き始めてる
春うらら うららかな日和 桜日和
ぼくは もう 桜色にほほ染めて 駆け出す 道玄坂
君と 手を繋いで
笑い合う
今のようなこんな時間ももう少し いいかなとも思う
ああ放し飼いの君は
まだ誰のものでもない
でもいずれはぼくのもの
誰よりいち早くそう決めてるのさ
春が去るまでには
君に伝えたい
春はなんせ短いから
儚い恋にならないように 咲いた花なら枯らせないようにしっかり抱き止めていよう
桜日和 なんて なんて あたたかいのかな
ぼくは君が好きで君は誰が好き?
胸がしきりに痛い。
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はじめての恋はぼくを笑顔にした
今までこんなに 人前で笑えなかったのに
それが嘘のようにぼくの顔には笑顔があたりまえのように今では 咲いて枯れない花のように ほらね
満開なのさ
恋って素晴らしいね
一人じゃないって心強いね
素敵だね
今まで知らなかった
君が教えてくれるまでは
つぼみをつけた桜の木のように
ふくらんだつぼみはやがて花を咲かせるだろう
ぼくの恋がたとえば花ならば つぼみはきみと出会ったあの時に 膨らんで
ぼくの中で花を咲かせたのかな
いつのまにか
咲いた花ならば
けっして枯らしてはいけないのさ
このまま綺麗な花をきみと枯らさぬように育てましょう
つぼみにはもうもどれないし
一度枯れたらもとにはもどれない
儚い花だから
百年桜どころか永遠に枯れない 恋という桜だからね 覚悟してて
今に もっと 大きな幸せ きみに運び届けるから
今はその香りや匂いに鼻をひくつかせてて
春はもうすぐ
いろんな意味で訪れるから
はじまりを汚さないような スタート切ろう。
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素直になれない心
いつでも嘘を盾にして誰かのキツい言葉を 避けたくなる
パントマイムで悲しいことを伝えようとしても うまく表現できずに涙ぱらぱら
無意味な時間が砕け散るパズルのようにバラバラ落ちてゆく
うまく笑えないなら
うまく笑おうとしなければいいのに
どうにかしてうまく笑おうとするぼくがいる
無理をしてつくった笑顔はひどい失敗作だった
ひきつって
パントマイムはやめてさ 素直になれる人にだけ 言葉で伝えよう
ぼくはこんなに悲しいんだよって 歌でもいいからね
世知辛い世の中
唾を吐いて蹴り飛ばした正しさ
パントマイムやりたくなるのもわからなくないね
だけれど大切なあの人にだけは
パントマイムはやめてさ
ちゃんと言葉で会話しようよ、ねえそうしようね
多彩な色でみんな
それぞれの好みの
服を 選んで着られる世の中さ
ぼくだってオリジナルの服を選んで着る資格があるんだから 何も、みんなと合わせる必要などないさ
身を守るものがないからみんなパントマイムで雨を避けるしかないのかな
それでも忘れないで
きみはこの世界にただひとりしかいないってこと
パントマイムヒューマン
今日もただひとり
何を しているのか
パントマイムヒューマン
晴れた日も雨の日も
パントマイムヒューマン
一生懸命に生きる
モノクロの街にいろんな色をした人々があふれる
ほら みんな 素敵な色だね
ぼくだって
素敵な色だ
パントマイムはもうやめて ぼくは 本心で語る 読唇術や腹話術なんていらねえ
言葉と言葉で語り合う真夜中へ滑り込むのさ
パントマイムヒューマン
明日から生まれ変わろう
パントマイムヒューマン
夜明けとともに抜け殻残して
生まれ変わったぼくは見違えるほど素敵になる
昨日よりもずっと素敵になる
モノクロの街でせめてぼくらだけは
七色の夢を抱き
そして生きよう。
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ねえ ぼくの代わりにぼくの言いたいこと代弁してよ
ぼくは動物みたいに
ほとんど感覚だけで生きてる
まるで腹話術の人形のように
誰かの会話に合わせて話す ダメな奴
世の中の流れに逆らえず 流行りに流されやすい人
ほら 腹話術の人形みたいに 企業に操られている一般人
笑うのは いつも
流行りをつくりだす考案者
ほら 世の中の腹話術師が君らを人形のように操るそのさまを幾度となく見てきたよ
世の中が右といえば
ぼくらは右へ曲がる
そして今度は左といえば左へ曲がる
その時流行りに押し流されず 人に左右されず 右なら左へ 左なら右へというように逆らう勇気さえあれば オリジナリティも出るってのに
ぼくらはなんだか
集団を好み
孤独になるのを嫌う弱虫ばかり
世の中という腹話術師がほら 金儲け企んで
君らの声や仕草を真似て流行りを街にばらまく
今日も君らは 流行りについてゆくのさ
チンドン屋みたいに
ほら街を行き交う同じような流行りの服身にまとったぱっと見かわいい女の子
でもなんかつまらない 女の子だな
腹話術のショーはつまらず流行り過ぎるは早し
めくるめくスピードで 世の中の様相を変える
ほらこの街も流行色に染まってる
ぼくだけが ただひとり 古臭い服を着て
化石のように突っ立って
流行りに媚び
流行を追いかける
人々を見つめては
腹話術の人形のようなイメージを見てしまう
教えようか
君ら、腹話術の人形みたいだよ?
今に自分らしさ失くすよ?
それでもいいなら
何も言わないけど
閉幕と相成るその時
奇怪な声で
さよなら言う流行りはまた新しい流行りを街にばらまこうとしてる
止まらない流行りの波が人々を飲み込む
そのさまをぼくはただ遠くから遠い目で見ている
そのさまこそが
今の現状なのです
雑誌めくれば
なんだかみんな同じ人に見えてしまうから。
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明日起こることを事前に知れたなら
きっと悲しむ人喜ぶ人 いるだろう
明日は知らないほうがいい
予測できる明日でも
事実を知ったなら
きっと 生きる気力さえなくなるから
明日は見えないほうがいい
未来予知など できなくても ぼくは迷いながら 恐る恐る 崖の下に落ちないように進むさ
ほら それが楽しみだったりするんだ
モザイクが掛かってたほうが楽しい。
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ぼくはひとりなんだ
ほら、いつ迎えに来てくれるんだい
いつになればぼくはふたりになれるのかな
このさみしさは思うより辛いよ
いくら 君が為とはいえ
ひとりのさみしさはあの宇宙より果てしない悲しみにあふれている
それでも 君が為ぼくは待つ
君が迎えに来てくれる
そう信じたいから
ぼくはひとりの寒ささえ 笑い話にして
おもしろおかしく
涙さえ 偽り
君が為 仮面を被る
滑稽な ダンスでおどけて
観客さえ居ぬ舞台上でひとり笑う
君が為、君が為
何度も何度も騙すように繰り返して
何度でも何度でも
朝から夜へと
繰り返して
ぼくはそれでも君を待つ
疑心暗鬼を 押し殺し
君が為 ぼくは今もただひとり いつともわからぬ 夢を待つ
さみしき待ち人。
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憂うつな雨が朝からぽつぽつ降り止まぬ
小さな雨粒のひと粒ひと粒はひとりひとりの悲しみなのさ
ぼくは今とても悲しい
雨の冷たさがからだの芯まで冷やすから
何も言えず
何もできず
ただ 立ちつくす
雨の中ひとり
あまりの静けさにいたたまれず誰も知らない歌
たまらなくなり口ずさむ
鼻歌混じりのため息
曇天に 浮かぶ 青い月
照る照る坊主も無意味になりそうなどしゃ降りのバッドデイ
トンテンシャン
雨が屋根の上
はじけては
規則正しいリズムをきざむ
退屈紛らすにはあまりにもつまらないけれど やることもないからぼくはずっとその音色に耳を傾けていた
食いしん坊な夜が朝をのみこむまで
ぼくはひとり 夜の腹ごしらえが終わるのを待ちながら
だんだんと胃袋におさまってく朝を眺めてる
月が 闇に浮かび
煌びやかに目立つ その時まで
やまない雨の音を聞きながらぼくは面倒くさがることの言い訳としてこう呟くのだ
トンテンシャンと雨が降るから
ぼくは殻に閉じこもるみの虫になるのだと。
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何がというわけじゃないけれど
どこかが絶対的に冴えない日々を生きてるよ
倒れそうで倒れない
不安定な建物みたいに
いつ倒れてもおかしくないような毎日だよ
精神はやせ細り
肉体は痩けて
心はボロボロ
傷だらけ
べつに誰のせいにしようとも思わないけれど
絶対的に不健康だ
生きたくもないのに生かされているような毎日は
生きざるべくして
生きている
そんな使命感で生きてはいない
いつでも仕方なく
生きているのだ
そんな愚かしき日常は愚かしき気持ちを交えこの先 いつまで続く?
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すっかり日が暮れ闇に落ちた窓に映る悲しそうな自分の顔
蹴り飛ばしたつもりでいる常識
ふりきれてやしないのにまるでこれからの長い人生には関係ないかのように話すぼく
べつにいいじゃないか
人よりずっと苦労するくらい いいじゃないか
笑って受け入れるよ
とにかく 1日一度は何か笑える出来事があればそれで今のところは幸せだぜ
今もまだ胸の中から
離れない さみしさ
百年にも続いていそうな果てしない孤独があけた心の穴にいかにもといった切ない風が吹き抜ける
真っ黒で ごめんなさいね わびる言葉もなく ぼくはずっとぼくのままで
悲しいほど 傷つきやすいから 今日も誰かのささいな言葉で酷いくらいに打ちのめされてるぼくがいる
そいつは知らないだろう ぼくの悲しみもぼくのさみしさも
黄昏る 切なさも
窓に映る
今にも涙という雨が降り出しそうな
かわいそうなぼくを
少し腹立たしいが
何もかも今は忘れて真っ白に透き通る
むなくそ悪い感情を黙らせて
明日もどこかで笑うそのためにぼくは一時透き通る
夢の中へ 沈むまえに思うよ
人生はとても時に悲しすぎることもあるけど 幸せなことも確かにあるからね
すべてをうらまず
なるべく笑って
生きて行こうと
無理はしないで
歩いて行こうと
夜空に輝く月が幻なのか夢なのか
優しく 微笑んでくれた気がしたよ
明日が透けて見える
ほら、ぼくは笑えてる
悲しみ 乗り越え
強く 笑えてるさ
だからぼくは生きるのかもしれない
明日の笑顔を
確かに 勝ち取るために
今日のぼくを証明するために。
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朝から晩まで
晴れた日には
縁側で 日向ぼっこ
雨が降れば降ったで
テレビを見てる
通学路の横断歩道
散歩してるおばあちゃん
腰の曲がったどこにでもいそうなおばあちゃん
子供たちに 優しく微笑む
たまには 公園でゲートボール
無邪気な子どもみたいにはしゃぐ おばあちゃん
そして日が暮れたら
いつもの 縁側で
夕空 眺めながら
お茶をすする
繰り返し 繰り返し
おばあちゃんの1日は始まっては終わる
働いている人よりずっとずっと家にいる時間が長いから
先立ったおじいさんの いなくなった家はひとりで暮らすには広いけど
それでも変わらないおばあちゃんの日常
今日も てくてく
カレンダーの数字を飛び越え元気に生きる
春夏秋冬 いつでも
優しい 優しい
笑顔の素敵なおばあちゃん
夕暮れが好きなおばあちゃん
昔、駄菓子屋
今はただのおばあちゃん
残り少ない
時間の中で
さみしさ 悲しさ
切なささえ
笑い話にして
けっして 顔に出さないおばあちゃん
きっと 本当は泣きたいんだろうけど
おばあちゃんは泣かないかわりにたくさん笑う
それがおばあちゃんの1日
なんでもない日常の切れ端なのだ
明日も明後日も
おばあちゃんはきっとあの縁側に座って日向ぼっこ
雨の日にはテレビ鑑賞
長生きしてね
おばあちゃん
縁もゆかりもないけど
その優しい人柄がただとても好きだから。