詩人:どるとる | [投票][編集] |
立ち止まったその時
夕日がゆっくり沈んで
遠ざかる今日はもう永遠に帰らないことを知る
今日会った人や明日会うはずの人
その中で確かに失うもの色あせるもの
ぬぐいきれない涙
記憶にしみのように
いくらもみ消そうとかき消そうとしても
しみは濃くなるばかりで消える気配はない
夜にのみこまれて
すっかり胃におさまった街は「さよなら」という言葉が悲しいほど似合うのさ
揺れる 街の灯
かすむ 意識
途切れる 記憶
スライドみたいに瞬間で朝にすり替わる景色
まぶしさに目を細めゆっくりあけてみればそこには昨日となんら変わらない景色がある
今日は消えてない
ただ今日を新しい明日の今日と呼ぶだけで今日は今日でしかないのさ
ほら、はじまりは死ぬまで何度でもこの心におとずれる
夜が来るように
この瞳の中を何度でも行ったり来たりするちょっとしたスライドショー
それだけの物語
今日もこの世界では
さよならのない物語が誰かが死んだあとでも続いている
それぞれがそれぞれに様々な自分を演じながら
本気のショーは
何よりも何よりも
真面目に続く。
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真夜中より少し前のこの街は昼間よりなぜかおだやかな雰囲気
滅入る夜の切なさや妖しげな暗ささえもビー玉を通して見るように縦に横にのびてゆがんでほらどこかおかしな気さえするよ
悲しいこと
うれしいこと
たくさんあるけど
僕は負けずに
転んでも
立ち上がって
転んだ拍子に
つくったすり傷さえ
なめて 平気な顔で進むよつよくつよく
街の灯をつれて
夜を渡り歩く
手を振り 声をあげ
さあ道をあけろ
この世界でひとりしかいない僕のお通りだ
悲しみに打ち勝つことが当たり前というやつは愚かだぜ
悲しみに立ち向かうことがどれだけ勇気がいることなのかを知っていれば言えないから
ああ 人はひとりきりで生まれ
いつか 死ぬときもひとりきりで死ぬんだ
そして生きていくのも自力で歩くのだ
それを当たり前だと笑うやつは消え失せろ
君の涙拾い集め
夜を練り歩く
誰かが流した涙のあとをたどり行列が街を歩く
そしてやがてたどり着く 君の家に
悲しいこと
うれしいこと
たくさんあるけど
僕は負けずに
転んでも
立ち上がって
転んだ拍子に
つくったすり傷さえ
なめて 平気な顔で進むよつよくつよく
街の灯をつれて
夜を渡り歩く
手を振り 声をあげ
さあ道をあけろ
この世界でひとりしかいない僕のお通りだ
悲しみに打ち勝つことが当たり前というやつは愚かだぜ
悲しみに立ち向かうことがどれだけ勇気がいることなのかを知っていれば言えないから
誰かが流した涙
それは君が流した涙
知ってたよと抱きしめたそのぬくもりは太陽さえも焦がすような限りない愛に満ちていた
そして今日も街の灯をつれて 行く宛のない旅に出るのさ
朝焼けが夜を連れ去るまで 連れ去るまで。
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僕のうたううたはどこに届くのだろうか
僕のうたううたなど誰かの心をふるわせられるのか
屋根の上にのぼってみた晴れた日の午後はまるで時間の概念がないようにゆっくり時間が流れていた
悲しみさえ詩にする僕のこの気持ちを無意味なものにしないでよね
多少不器用でもゆるしておくれ
誰かに問いかけた
雲の流れを目で追いかけながら
名も知らぬうたをうたう僕は
ひとり風に吹かれてる
長い 長い 休みには
長い 長い 安らぎが
必要だって思うから
夏休みなど 僕にはなくてもきっと笑えるから
カレンダーに記された赤い数字
誰の記念日かな
なんの記念日かな
はたまた誰かの追悼をする日なのかな
今日という旗日
束の間に過ぎてく
笑顔をさらい
束の間に消えてく
素晴らしい旗日
ああ 僕には全然関係ないけれど休めた分だけ幸せだから
無関係でもちゃんと祝うよ
旗日よ 旗日よ。
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この街は今日も平和な時間が流れてる
誰かがもしもいなくなってても変わらない営みが続くだろう
平穏な 平穏な 時間が流れるそのさまを
ただ眺めている
僕は眺めてる
素晴らしき我が日常
風景描写したくなる景色だ
この街は今日も明日も変わらない時間が流れてる
退屈するくらい平和な営みが続いている世界
大好きな僕の世界
西向きの窓から差し込む西日がほら
心まであたたかく照らすのさ
なんの変哲もない
どこにでもあるただの1日の中
そこにある幸せに今
気づいたよ。
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飛び立つカラスの影
自分たちの巣へと寄り道もしないで帰る
いつまでも悩んでいたことの答など出なくても今さらもういいよと本気で思うのさ
さよならを言うことにもなれてきた頃
さめたような目で沈む夕日を眺めてる
遠ざかる後ろ姿に
声ひとつかけられず
ただ遠ざかるその影が消えるまで 僕はその場に立ち尽くしていた
太陽が去ったあとの世界は僕の心に焼け跡を残した
胸の中がまるで
燃えているようだ
孤独の闇にのまれないように
ひとりきりでもちゃんと笑って生きていけるように
僕は自分の力で明日を探していく
太陽の影が消えたその場所からまた旅立つ
夜が明けたなら 飛び立つよ カラスのように
光と影が交互におとずれる世界に今また夜がおとずれれば 夢さえ見ないことにはとてもいられないけど
やがて来る朝にすべての希望をたくして
僕らはまた明日への扉開けるのさ
そして目覚めたその瞬間で何もかも変わる
さなぎが蝶になるように心は生まれ変わり
昨日とは違う景色がこの瞳に映るだろう
夕日が今日も沈んで光が この街から
出て行けば
夜が街に働きかけるよ
こわいなら早く明かりをつけなさいと
逃げ場をなくして
たどり着いた夢に
安らぎを求めても
そこには楽園などなく
わがままな誰かのつくり上げたくだらない欲望まみれの世界があるだけなんだ。
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たどり着いた未来はどうですか?
たどり着いた未来はイメージしていたものとだいたい同じですか?
それともぜんぜん違ってましたか?
夢見ていた憧れの場所へは行けましたか?
まだ行けてませんか?
抱いている憧れの数だけ
絶望もあり
抱いてしまった憧れへの憎しみと
苛立ちが新しく生まれた
重なり合う時間はまるで こぼれ落ちる涙のように意味もなく
無意味に 消えてく
描かれた明日は見るも無惨な描写で
一度全部最初から描き直したいくらいなんだ
でも人生は一度描いてしまったらそれまで
楽園を探していた
この夢は
あきらめるためにはなかった
叶えるためにあったはずなのに
今ここにあるのは
苛立ちと憎しみだけ
たどり着いた未来
岸にあがれば
そこは荒れ果てた世界
ボロっちい四畳半の部屋で僕は今日も妥協を枕に夢を見てる
仕方ないさ…
何度こぼしてみても
楽園は遠く
逃げ水の幻
窓の外
いつのまにか
沈む夕日
真っ赤なライト
部屋中を照らす
僕に似合うのは
楽園じゃなく絶望なのかな
ふと浮かんだイメージが夜を加速させる
時がすべてを変えるなら抱いた気持ちも醜く変えてしまうのかな
楽園を求めてその先にあったものは
ただどこまでも
どこまででも
変わらない平坦な道だけ
それでも生きる僕の明日が少しでも輝きますように
今は願うだけさ
楽園はさまよい歩くものだから。
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悲しみと喜びが集うこの場所で今日も沈む夕日眺めてる
いつものように君は優しかったから
僕の心はいつものように安らいでいる
まるで心地よいそよ風が僕のからだを吹き抜けていくような
たとえありふれててもいい
ここにある幸せが明日も続けばいいと思う心が大切だから
僕は手を伸ばす
君を抱きしめる
雨は願ったってやまないものだから
無情なんて思わずに笑っていよう
それをかき消すものはここにいつでもあるから
ほらそれこそが輝く宝物
振り返るまもなく
僕は気づいたよ
なんてことない
夕暮れに
空がほおづき色に色づけばさよならの声が響くから
それさえ優しく聞こえるように君が言うのさ また明日も会おうねって
その言葉
その仕草
思えばすべてが宝物
宝物じゃないものなんてなかったんだ
目に見えるすべての輝くものが宝物
価値なんてあるようでないかもしれない
曖昧でも僕にはそれが何よりも宝物。
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もしも君が何かをきっかけにして
自分で責任をすべて抱えてしまう時があるなら
その時は僕がいち早く気づいてその手に抱えてる悩みや迷いを半分わけてもらうのさ
それでも何かわだかまりが消えないなら
僕のせいにしていいから
こんな情けない僕でも
君のために何かお役に立てるならば それは素敵なことだから
いつでもお呼びがかかるのを待ってるよ
僕は自分のことを世界でいちばん情けなくてだめな人間と思ってる
だけれどきっとすがりついてくるその手にはそんな気持ちはなくてそのかわりにあふれ出る愛がこぼれんばかり
こんなに僕のこと必要にしてくれる
誰かがいたことに今まで気づかなかった自分が恥ずかしい
そしてそれが君だったことがとても嬉しい
ためらいもなく今なら言えるんだ
「君は僕の全て」だよ
やがてオレンジ色に染まった空が泣き出した
雨が降った途端にオレンジの空に灰色が混ざり込んだ
何があっても君だけは僕がまもるから
そう言う僕の心にはもう気恥ずかしさなどみじんもなかった
誇りを持つ
それは時としてドラマみたいなキザなセリフ回しも必要になってくるんだな
過ぎ去った朝の数だけ
僕は君を知ってきた
明けた夜の数だけ
君も僕を見てきたんだ
わからないはずはない
今がどんな気持ちかとかあれとかこれとか
何すべきかとか
僕は自分のことを世界でいちばん不器用でだめな人間と思ってた
だけれど君に出会いはじめて愛の素晴らしさを知ったからこんなに熱くなれる
ちっぽけだったはずの僕のこと大事にしてくれる
可憐な花がこの冷めた世界に咲いていたこと濁った目にはうつらなかった
そしてやがて君のほうから僕の手を握ってくれた
ためらいもなく今なら言えるんだ
「君は僕の全て」だよ
迷うこともなくいつでも言えるよ
ありがとうも愛してるも
ちっぽけなようだけどこれが僕の全てなのです。
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君は青空 見上げながら目の前に見えない壁を作り出し
ここから先は私の領域よと僕の立入を禁じた
何ひとつ悪いことや気に障ることはしていないはずなのに
君はいつも不機嫌さ
パントマイムしているみたいな君のその手つきは まるで目の前に本当にこえられない壁があるようだ
重いものも 持ってないのにね心なしか胸のこのあたりがなんだか ずしりと重い
パントマイムしてるわけじゃないのに
いつも僕らは互いに合図だけのやりとり
言葉のない会話
青空が今日も果てしなく広がってる
そしてただ平凡な日々が穏やかに続いてる
それだけの毎日が見えない壁を通して
ほら君の瞳の中を泳ぐ
家の玄関を開けた途端に流れる 無声映画のようなしゃべっちゃいけないムード
声に出さないのも
疲れるね
でも僕はこえられないし壊せない
あの壁 このルール。
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この世界でただひとりの人のためにうたう詩がある
この世界でただひとりしかいないその人は僕の最愛の人
不器用で情けなくて
力もなくて
頭もなくて
それでも君は僕を誰より愛してくれたんだ
抱きしめたそのぬくもりのあたたかさだけで
つかの間の悲しみなんて平気な顔で笑い飛ばせる
涙色の明日を
晴れ渡らせる
君の笑顔が今日も
太陽みたいに輝いている
にじんだ明日を
輝かせてくれる。