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どるとるの部屋  〜 投稿順表示 〜


[1384] 記憶の宇宙
詩人:どるとる [投票][編集]


ふと目を閉じると
思い出すときがある
昔の幼い記憶を

僕はいつでも
泣いてばかりいたし
おねしょをして
布団に地図を描いた
だけれどひとつだけ
利口だったのは
誰にでもやさしくできること

思い出のひとつひとつを星を数えるように思い出しては
悲しい記憶に泣いて
楽しい記憶に笑って
荷物ばかりに場所をとられた六畳一間の部屋の中で ひとり
感傷にひたる
まぶたを開ければ
いつもの殺風景な部屋があるだけ
壁にはいくつかの写真が掛けられてる

いつまでも思い出に後ろ髪ひかれ
いつまでも思い出に縛られたまま
暗い暗い宇宙の中をただよう小さな石ころみたいにもうかえれない大切なあの場所に思いを馳せ
さまよい歩く
広い広い記憶の宇宙

どこからやって来て
どこへ消えていくのか
それさえわからない
けど
今日も記憶のページをめくっては
薄れゆく記憶をつなぎ止めるように
新しい記憶でやぶれた部分をおぎなうのです

空がどこまでも果てしないように
花は咲けばいつか散るように
太陽が沈んだなら明けない夜はないみたいに
つよく 前に踏み出せる力がかならず誰にもある

昔は昔
今は今
曖昧にでも
割り切って
生きていけたら
過ぎ行く時間も
走り去る季節も
今まで積み重ねてきた思い出も単に過ぎ去った昔話にはならないはず

目を開けて
そこに見えた
景色に叫ぼう
記憶の宇宙は
今 やっと
終焉に
たどり着いた

物語の終わり
新しい始まり
それはここから

いつまでも思い出に後ろ髪ひかれ
いつまでも思い出に縛られたまま
暗い暗い宇宙の中をただよう小さな石ころみたいにもうかえれない大切なあの場所に思いを馳せ
さまよい歩く
広い広い記憶の宇宙

そしてまた 思い出すときがあればまた 花が咲くように過ぎ去った昔をそれはそれは懐かしく思い出せるだろう

宝石箱開ければ煌めく宝石が。

2010/05/13 (Thu)

[1385] 喜劇と悲劇の同時上映
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同じ世界の出来事さ
信じられないかもしれないけど今日もどこかでは
笑ってる人がいて
そのすぐ隣には
泣いてる人がいる

自分に関係ないことは
よっぽど親しくないかぎり干渉はしないで
赤の他人なら誰かの悲しみ 無視するわけじゃないけど
自分に起こる喜びに笑うのでしょう

それを罪っていうわけじゃないけど
なんだか滑稽な光景

まるで喜劇と悲劇の映画が画面の中でふたつに分かれ同時上映されてるみたいな
そんなイメージが浮かぶ世界
涙と笑顔が混ざり合って ある人の心には雨が降り またある人の心には太陽が輝く
そんなイメージ越しに見る世界

笑い声と泣き声が同時に響く

僕は笑う
君は泣く

明日は僕が泣く番かな
そして明日は君が笑う番かな

なんてこと
考えながら
名前さえ知らない君の涙の近くで僕は笑ってるんだね
それでもなぜか平気なんだね

喜劇の幕が上がれば
悲劇の幕が上がる
別々にはならないよ
この世界はいつでも悲しいことも嬉しいことも同時に起きるのさ

だから 笑顔する人がいれば涙する人もいるのさ
仕方ない

大切なのは他人の悲しみをあざ笑わず自分の喜びにだけ素直に嬉しがること

それがせめてもの
悲しむ誰かへの
礼儀だと思う

そして今日も
何気ない一瞬に
涙と笑顔が同時に咲くよ
喜劇と悲劇の幕が同時に上がるよ

幕開けを待つ君の明日は涙かな笑顔かな
今にわかるよ
今にわかるよ
幕が上がれば
また誰かが泣いて
誰かが笑う
そんな光景がなんの不思議もなくいたるところで起きるよ。

2010/05/15 (Sat)

[1386] 道標
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そこに見える道しるべ
彼処まで行けばここにいるより
ずっと 理想に近づける
立ち止まってるより歩き出したほうが
明日にぐっと近づける
そうやっていつか繰り返す日々の先で
最後の道しるべにたどり着くとき

僕はそこが最後の道標だと知る

さあ 夢まであともう一歩
少し 苦しいかもしれない
でもその苦しさが夢に近づいてる唯一の証

さあ 最後まで行こう
あの道しるべを目指して

振り返れば一瞬にもすぎない人生を生きよう。

2010/05/15 (Sat)

[1387] 詩人は静かに口をむすぶ
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言葉にならない思いは黙ったままでもいい
言葉にするのが詩人だけれど言葉にならない思いならば
寡黙になって見送ろう

葉も花もつけない
枝だけの細い細い
今にも倒れそうな木
たまに吹く風に
揺れている
ふるえてる

言葉にならない思いにぶつかったとき
詩人はただの人になる
詩人はただの生き物になる
言葉にならない思いを見つけたとき
詩人は言葉をなくす
詩人はイメージできない苛立ちを抱える
冷静さを欠いた日々
寡黙でいるのも限界がきている

だから詩人は静かに口をむすぶ
そんなときがある

いくつもの思いの数だけイメージはない
どれだけの月日を歩んできても 経験を積まない日々ならば無意味で 中身のないスカスカの 人生だよ

それでも詩人は詩人だから 不器用な言葉でも誰かに届くよう
誰かの心を救えるよう少しは考える
眠れない夜にささやかな明かりともすような
日当たりが悪い部屋にささやかな明かり差し込むような

そんな思いをいつでもどんな詩にも込めて
言葉の海を泳ぎ
輝く宝石をあたりに散りばめて
詩人は今日も言葉を綴るのです

言葉にならない思いに出会うその時
詩人はただの人になる
詩人はふつうの人になる
言葉にならない思いの目の前じゃ
詩人は無口になるよ
詩人はイメージできない苛立ちを抱える
冷静さを欠いた日々
寡黙でいるのも限界がきている

だから詩人は静かに口をむすぶ
そんなときがある

今、綴る言葉の中に
愛を宿そうか
それとも夢と期待にあふれたロマンを散りばめようか
やめておこう
今は言葉にならない思いだから

詩人は言葉にならない思いに出会ったら
そのときは何も言えなくなるから 何を期待されても 美しい台詞さえ 行き詰まる

誰にも責められないように夢の中へ逃げる
言葉に背を向けて
それでも 夢の中でも探してるよ

それは仕方ない位詩人だから。

2010/05/15 (Sat)

[1388] 僕の生活
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なんとなく心は薄曇り
それとなく交わした約束は先延ばし
いつだっていい加減な人です僕は
誰かのご機嫌うかがいのために自分を犠牲にすることほど愚かなことはないと昔から考えてる

部屋中に咲いた
憂うつという花が倦怠感に満ちた香りで
この僕をひとりぼっちにするのさ

ちょっと外に出かけてみれば不思議な景色に出会えるかな

雲の流れを目で追いかけて ちょっとだけお気楽な気持ちで
ドアを開けた1日は
幸せに満ち溢れてる

そんな僕の生活は死ぬまできっと続いてく
危ぶまれるほどに楽しくなる生活だから
どうか うるさいこと言わないで
続けさせてよ
この生活

万年床から飛び起きて
窓を開けたら
そこに見えたのが青空だったら
僕の心も晴れ渡るから

今日みたいに薄曇りでもきっときっと
雨さえ降らなければ
僕の生活はバラ色。

2010/05/15 (Sat)

[1389] 明日に会いに行こう
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明日へ続く扉を開けてみれば
興ざめだけどその向こうには
昨日と何ひとつ変わらない
1日があっただけ
それでも昨日とはひとつだけ違うところがある
それは昨日より今日の僕のほうが歳をとっているということ
無駄なことかもしれないけど 僕は背伸びしてみる

昨日より少し大人になったから
吹きつける風もなんだかどこか新しく感じる

行く宛はないけど自転車に乗って風を感じたくって適当に道を走る
夕暮れが僕の心の涙のあとをきれいに乾かしてくれる

ほんの一瞬まばたきする間のようになんの変化もない1日でも
僕はきっと 少しずつ
見えないところで
大人になっているんだ
誰かがなんて言ってもそんなのは聞く必要はない

目の前に広がる
いくつもの明日へと繋がる扉のひとつを選んだら
僕はその扉のノブをつかんで未知の明日へダイブするのさ
その先に待ってる
輝く未来に会いに行く

高層ビルに囲まれた都会を走る 電車が終電へとたどり着いて
たくさんの人波に押し流されながら 改札を出る僕を
待っていた夕暮れのように 走りつづければ きっと 素敵な景色がいつか僕をお出迎えしてくれるのさ

だから 明日に会いに行こう こちらから会いに行こう
待っていたって 何も始まらないのさ
会いに行けば きっと待っていてくれる
それが明日なのさ
たとえすべてが思い通りにいかなくても
それはそれで頑張った証じゃないか
傷だらけでも泥だらけでも 頑張った証じゃないか

それを笑う資格なんて誰にもないから
誇りと自信を持って
明日に会いに行こう

たまに降る雨にこの世界の無情感じても
喜びに出会えば雨の冷たささえ忘れてる
僕はかぎりなくその喜びに出会うために
悲しみの消えない世界をおそれないで歩く

生きていくことは決してうまく歩くことじゃないからね
不器用だってたどり着ける明日が必ずあるから。

2010/05/15 (Sat)

[1390] 大切な人へ
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はじめて会った日のことを覚えてるかな
僕たちは恥ずかしさ
隠せなくて 下ばかり向いて ロクに話もできずに 日が暮れるまでベンチに座ってた
デートだなんてそんな立派なものじゃなかったけど 僕たちは確かに 恋人だった

いつでも情けないのは僕だった
いつだっておろかなのは僕だった
いつでもありがとうや愛してるなんて言えたのに 月日を重ねてゆくたびに
君という存在が僕の中から 消えてしまうのさ

君が思い出させてくれたんだよね
僕の手を握りしめて 思い出させてくれたんだよね
今なら 言えるよ
愛してるもありがとうも 君はここにいるから

今 大切な人へ 伝えたいことや届けたいことは あるにはあるけど たくさんありすぎて どれから伝えたらいいのかわからない
だから ずっとそばにいて少しずつ 少しずつ伝えていこうと思うのさ

大切な人へ 世界中でこんなに 大好きな人が僕にはいる
あたりかまわずみんなに 言って回りたい
それくらい今は愛してるんだ

はじめて会った日より
心がどうにかしていたときより
今が何よりも君を大切にできる僕だよ

今 大切な人へ 伝えたいことや届けたいことは あるにはあるけど たくさんありすぎて どれから伝えたらいいのかわからない
だから ずっとそばにいて少しずつ 少しずつ伝えていこうと思うのさ

わかってくれるよね?

懐かしいベンチは今はない
だけれど二人が腰を落ち着かせられる
家はそこにある
そして永遠に冷めない愛がここにある

くさい台詞も
愛に満ちた言葉も
何もかも抱きしめられたなら きっと愛は永遠に続くさ

さあ 手をつなごう
恥ずかしさなどなく
今なら 今なら
君だけを抱きしめられるさ。

2010/05/15 (Sat)

[1391] 石ころのうた
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石ころころころころがってどこへ行くのか
石ころころころすり減って やがて跡形もなく消えるのに
何を笑ってるのか
死ぬから笑ってるか
死んだら笑えないから今のうちに笑っとこうってことなのか

小さな石ころは坂道を一生懸命のぼり
やがて土煙にまかれ
下り坂にさしかかるころには だいぶ小さくなっていてさ
ころころ下り坂をくだる石ころはだんだん小さくなる
ここからはもう時間の問題だよ

僕は悲しい石ころ
時には涙の川を泳ぎ
ずぶ濡れで泣いちゃう
それでも石ころはつよくつよく生きて
それでも石ころはいつか訪れる運命を知りつつも 終わりまで生きる

そんなそんなそんな僕は石ころ
ただのちっぽけなのね
みんなただの石ころ
生まれたことが
運のいいことなのか
それとも
運の悪いことなのか
何ひとつ答出せないまま
石ころは少しずつこうしてるあいだにも小さく小さくなっていく

それを悲しいことだと考えるよりせっかく授かった貴重な時間をありがたく思う
たとえいつか死が訪れても 僕はまがりなりにも頑丈な石頭の石ころだから

歳をとって いつか
お迎え来るまで
生きる 僕は石ころ
すり減ってゆく命
無くなってゆく時間
それはどうにもならないことだとあきらめたら なんだか肩の力も抜けてきたんだ
そして 誰かと笑いあうことの意味も誰かと愛しあうことの意味もわかった気がしたんだよ

いろんな悩みで眠れない夜も
空気が抜けたようなさびしい朝も

石ころなりにころころところがってゆく
たどり着く場所はいつでも明日という駅

昨日より年老いた瞳には何が見えるだろう?

でもいつまでも変わらないのは 僕が石ころだってことだよ。

2010/05/16 (Sun)

[1392] 空は晴れでも心は雨降り
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持ち得る言葉をすべてなくして
何も言えなくなった
そんなときが誰にもあるように僕にもあるのさ

とめどない涙の止め方を知っているならばおしえてほしい
今日はこんなに晴れているのに心は裏腹に雨降り

期待どおりにいかない日々が続くと
苛立ちもそれにあわせてつのっていくよ

面倒くさくって
何もやる気はしないけど
僕はきっと生きていくことだけはやめないから
それだけはやめないから
悲しくても生きていくから
誰にとはなく誓ったんだよ

また僕に夜が来て
僕はただ月を眺めて
揺れる町の明かりを
ぼんやり眺めてる

数々の心配事も
不安なこともすべて
消し去ることができるなら幸せになれるのにな
そんな無理なことを考えながら僕はただ生きていたんだ

そしてまた持ち得るすべての言葉なくしたとき
僕は何を語るのか

移ろい変わる季節の中で空は色を変え
この僕にまた新しい季節をはこぶ
あざやかな色をした風が吹いて
深呼吸したら
イメージは生まれる

なくしながら
生み出しながら
今日もここにいる
僕はここにいる。

2010/05/16 (Sun)

[1393] 僕の影
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人の波から逃げるように路地裏に身をひそめた夕暮れ
なんとなく口ずさむリズムだけの鼻歌が僕の心を唯一あたためてくれる

そばにあるものは役に立ちそうにない
誰もが持ってるちっぽけな幸せとあっても意味もない不安ぐらいさ

立ちつくす 僕の影が少し不安そうに 揺れた刻(とき) ブロック塀にうつりこんだ影がその場をはなれたら
きっと僕は素敵な景色を探しに旅に出たあとさ

気づけばいつも夕陽が沈んだあとで
間に合わず
眠っているあいだにすべては終わっているのさ

暗がりのその中で何かを探すように
なくした自分の心を取り戻すように
遠い思いが恋しくなったら その思いは恋しさが導いてゆくように 僕の心に帰ってくるよ

歩き出す 僕がいれば僕の影もまた歩き出して 明日という誰もがたどり着く 場所へ僕は胸張り行くのさ
旅はまだ続いていく
夕陽をバックに 風に吹かれている 僕の心にはもうさっきまでの不安は無いのさ

そばにいる人や
そばにある思いに
感謝できる心
感謝しようとする心
育むためにある心
様々な思いには心がなければ何ひとつ生まれないから

立ちつくす 僕の影が少し不安そうに 揺れた刻(とき) ブロック塀にうつりこんだ影がその場をはなれたら
きっと僕は素敵な景色を探しに旅に出たあとさ

手を振る夕陽に
さよならを告げたなら
夜まで 本でも読むかな

人の波から逃げるように路地裏に身をひそめた
孤独を生み出したのは僕だけど 今はもうそんなさみしさなど笑い飛ばせるんだ
さあ 歩き出そう

歩き出す 僕がいれば僕の影もまた歩き出して 明日という誰もがたどり着く 場所へ僕は行くのさ
旅はまだ続いていく
夕陽をバックに 風に吹かれている 僕の心にはもうさっきまでの不安は無い
涙は止まったよ

僕の影は しっかりと着実に明日に向かってゆっくり右足から歩き出す。

2010/05/16 (Sun)
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