詩人:どるとる | [投票][編集] |
おもむろに解き放った窓の向こうには
目を閉じたままじゃ見えない景色が広がる
目を開けたときはじめて見える景色は当たり前じゃない
それは目を開かなくては見えない特別な景色だ。
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人ごみの中に救いはない
どこかに置き忘れた笑顔ももう僕には必要ないのかもしれない
今も昔も何ひとつ変わらない孤独をひとり抱えたまま
僕は暗い闇の中で星ひとつ見えない空を見上げてる
降り止まない雨
それは心に降る雨
雨の止ませ方を知っているのなら 教えてほしい
答はただひとつ
重ならなければ意味がない
だけれど少しの光さえ届かない
この闇の中には出口なんてない
そんな気すらするんだ
光と影の揺れる世界で今日も太陽は沈んでいくんだね
あの太陽さえ帰るべき場所があるのに
僕にはないのさ
たどり着いた
底のない沼の中に
心は沈みきり
もう浮かんではこない
ウセモノひとつ
見つからない光。
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梅雨空の下に咲くアジサイ
五月病にかかる僕と君
赤や青や紫に囲まれ
僕らは少しずつ引いていく暑さを感ずる
ただまっさらな白いノートに書きなぐる思いの全て
暴言や愚痴さえもかき集めれば詩にもなろう
ああ 夏の暑さに溶けていく アイスのような思考を食らい
凛として静かに冷ややかな夜を待とう
朧月夜 夏草 揺れる
第三角の 袂にて
微酔い気分、浴衣 袴で
花火 見上げて
散る花 咲く花
拝もうか
凛として静かに
凛として静かに
夜はしのび
昼はしたたかに
愛を抱き
子を待ちて
切れた鼻緒を
幾たびも結び直す
そんな夏などいかがでしょうか。
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さよならなんて言いたくもないのに
つい日が暮れてお別れの時間になってしまうと悲しみも忘れたようにさよならと言う僕がいる
窓の外の景色が赤く染まっている
僕が子供のころ見た夕焼け空はまるで火事のように見えたんだ
切なさをはこぶ夕暮れのオレンジ色が
この僕の顔に涙を降らす チャイムがその涙を本降りにさせるよ
ああ 空が燃えている
誰か 水をかけてよ
なぜかそれでも流す涙は心地よい雨。
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真夜中の裏側で
誰もが涙に濡れたまま
明るいうちは見せない悲しみを吐き出すのさ
重いため息に押し出されるように
街のネオンがここからでもよく見える
いつもの変わらない夜なのにねなぜかどこかがいつもと違う夜
夜の裏側で揺れてる
僕の心のふるえなんて誰も知らないだろう
だけれど僕は悲しい
晴れた夜の裏側で雨に濡れていた
きっと誰にもあるはずだ。
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ふいに目の前の景色がにじんでゆくときがある
悲しみにはち合わせるときがある
おでことおでこをぶつけたようなめまいが僕をおそう
涙と笑顔できれいに飾られた1日が様々な記憶で彩られた今日が終わっていくことさえ当たり前になった今では僕にははじめてこの世界に産み落とされたときの夕暮れさえ覚えていない
そして今日もオレンジ色に染まる空がなぜか切なくて
にじんでゆくんだ
「さよなら」で締めくくられる ありふれた物語の一ページが静かに今閉じられようとする
小さな星々がまたたくような夜の月明かりにはこばれて この部屋に夢をとどける
そのページをめくるのは 僕じゃないから止められないし
飛ばし読みも戻したりもできない
ただページはめくられる 時間という風に流されて
さあ 人生でいうところの教科書の20ページを開いてごらん
そこには何がある?
生誕20年にしては
厚みのない
毎日があるだけ
涙ばかりの
僕がいるだけ
そしてまたページはめくられて 新しい今日がはじまる
こっちの言い分なんか無視されて。
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なんの意味もないけれどお隣さんと手を合わせて
心までは開けなくても手のひらを開いてみよう
なんでもかんでも飲み込んで 栄養にしたがる人は
よけいなものまで飲み込んでしまう
パントマイムみたいに 言葉は使わないジェスチャーで
相手の気持ちを読み解くゲーム
愛とはすなわち
見えない答を見透かすような 透視ゲーム
風が強い 雨も激しい
人当たりは悪い
涙と笑顔の揃い踏み
足りないものはほとんどないってくらいの幸せな世界
飛んできたチャンスという名前の球を
しっかり見て 振りかぶり 当てたはずなのに
全世界の人たちを飛び退かせるほどのフルスイングも
敢えなく ノーカウントと相成る
くだされた結果は何もしないのと同じ0
それでも それでも
僕は頑張ったんだ
だから 後悔はしない
悲しさとむなしさが
ほどよく混ざり合ったような 不思議な満足感が右脳を刺激する
僕の製造年月日 20アニバーサリー
ノーカウントフルスイング!
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黙ったまま さっきから何も言葉が出てこない
真実はいつでも人に厳しいから それを知ったときに心に雨が降るときもある
いくつもの記憶の中に
埋もれていく記憶
だんだん忘れてゆく記憶
そしてまた薄れてく 記憶
模範となる答など何ひとつない
僕はここにいるからここにいるだけだ
生まれた意味も生きていく理由もない
だから どんな生き方でも間違いはない
正解もない
答は ひとつじゃなく
全てが答なんだよ
肯定も否定もできない
それがこの世の仕組み
見えない目を必死に凝らして
何を見ようとしているのか
明日の天気も誰かの尖った言葉も 全てが僕に意味のあるものならば僕は悲しみに涙することさえも意味のあることなのかな
行き場のない思いを
やり場のない悲しみを
ただ心の中で ためこんで
いつか破裂してしまう不安を 抱いたまま
今夜も正解なんかあるはずもない 答を探してる
僕の中に
無意味な答など何ひとつしてない
僕は生きているから生きているだけだ
働く意味も歩いてく理由もない
だけど どんな人間でも生きることだけは自由さ
答は 例外なく
存在する全てが答だ
肯定も否定もできない
それがこの世のお姿
影は揺れ
光がまたたき
人は様々な
思い抱え
時に
死にたくもなる
それでも
ただひとつの
揺るぎない答を
心に決めて
生きていくのさ
その時決めたその答がただひとつの答だ
疑う余地がないなら
さあ 迷わず抱きしめて 歩いてゆこう
行き先は風が吹くほう
宛のない旅は危うくもつづく。
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とくに思い出もない母校の真横を駆け足で通り過ぎて
夕方から降り出した雨に傘を開く
家に帰ってもなにしても切なさは変わらない
なんとなく このごろ吸うたばこの量も多くなった
机の上の灰皿は山盛りの吸い殻とやり場のない切なさであふれてる
この行き場のない思いはたばこの煙とともに空へ舞い上がる
吐き出した溜め息が肺よりもまず心を蝕むだろう
まだ癒えてなくて触れられたくないような傷跡に重なるように
悲しみは連続的に僕を涙させる
傷跡に雨は降る
しみわたる切なさ
空は淡い あめ色
遮二無二 走り続けた過去が思い浮かぶ
グラウンドに太陽の抜け殻みたいな影が落ちる
夕闇にのみこまれる街
激しさを増す雨
そして まぶた閉ざす僕
雨音に耳 塞ぐ夜
まだ癒えてなくて触れられたくないような傷跡に重なるように
悲しみは日常的に僕を涙させる
傷口が開いてく
気休めの光
はけ口のない日々
ラジオから流れる誰かさんの機械的な歌声と雨音だけが心を通り過ぎてく
そしてまたたばこをふかす 悪循環のサイクル
まだ癒えてなくて
触れられたくなくて
一人になりたくて
気づくといつもの路地裏の日影
この世の楽園は
こんな近くにあるのに
悲しむために走り
僕はわかりきった
明日に泣くのさ
そしてまた傷跡に雨が降る
死ぬまで何度でも雨は降る。
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誰かに届けたい
気持ちならいくらでもここにあるのに
届けるべき誰かが僕にはいない
愛っていつも素敵なもののはずなのに
ひとりじゃ築けない
ひとりじゃ手に負えない
流れ星ひゅるりたなびくような夜はひとりでいることになぜだか淋しさ抱くよ
でもこの世界には
運命という繋がりで結ばれた人が誰にもいると信じてるから
この気持ちを届けられるその日を待ちわびて僕はいつか誰かと築くだろう愛をひとり守ってる
僕が誰かを思うような
誰かが僕を思うような
そんな思い合いに満ちた未来を夢見て
まだ会ってもいないその人に永遠を誓う
たとえばそれが
早とちりでも
限りない優しさならば
僕は誓うのさ
そしていつか出会えたとき永遠誓う約束は君と出会う前からしていたんだよと言うんだ
たとえばそれが
信じられなくても
紛れもない事実だから大切にしてゆく
大切にしてゆく
流れ星ひゅるり流れるようななんでもない出来事も単なる偶然では終わらない
そんな気がするから
僕が
誰かを思うような
誰かが僕を思うような
そんな思い合いに満ちた未来を夢見て
まだ会ってもいないその人に永遠を誓う
たとえばそれが
早とちりでも
限りない優しさならば
僕は誓うのさ
そしていつか出会えたとき永遠誓う約束は君と出会う前からしていたんだよと言うんだ
過去の約束と
現在の約束を
重なり合わせて
少しの違いもなければ
それは今も昔も愛は永遠という証になる
嘘でも作り話でもない
それはただ限りない
優しさにあふれた
僕なりの誠意なんだ
永遠誓うならば
出会う前も出会った後も同じ
だから僕はためらいもなく誓う
永遠はずっと前から永遠だったから
あたりまえのように大切にしてゆくよ。