詩人:どるとる | [投票][編集] |
行き交う人の流れを
眺めてる僕と眺められてる人の視界に降る雨の違いに嘘はない
見る人によればそれは冷たくもあって優しくもあるのさ
ふつうの幸せ 求めただけなのに
届いたのは 宛名すらない未来
たどり着いた 岸辺で昔を振り返り 思い出し笑いする僕を行きずりで出会った君が遠い目で眺めてる
そんな構図が成り立ってる
「さよなら」とつぶやくだけで物語は一気に序盤へと移る
さよならの向こう側に見えるいくつものストーリーのその全てを投げ出したときから僕の未来は決まっていた
ナマケモノの末路
それは路地裏への追放
思いはひとつもつつがなく流されてく
手を振る僕と
手を振り返す君
アングルはいちいち二人の細かな動きをとらえ涙までも鮮明にうつす
記憶の砂嵐(モザイク)が落ち着きを取り戻したら
川をわたって君に会いに行こう
さよならの向こう側にあるはずの続きのストーリー
描き途中の人生をふたたび描いてゆこう
今日のために
明日のために
自分の脚で立ち上がらなくちゃ何も見えないから…
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人に恋する歳はもう過ぎた
人を愛する歳はもう過ぎた
ただ 今は人らしくいたいと勝手に思ってる
人だから
不器用だし
人だから
不完全なんだ
何か欠けててふつうだし
何か足りなくて素晴らしいことだ
だからこそ僕はただの人になりたがる
人はいつでも人だから
それ以下でもそれ以上でもない人だから
人にあこがれ
人に夢見る
僕はそんな人。
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アナがぽっかりとあいたような僕のムネの中風が吹くたびにからだの中フュルリ通り抜けて切ない気持ちになる
意中の君に見事にふられてさ
落ち込む僕を励ましてくれたのは笑顔だけはまぶしいあの人
今までずっと傍にいたのに気づかなかった僕は鈍感なのかな
てくてく歩く僕の後ろ 君は後ろ手に何か隠して 気づかれないようについてくる
でもバレバレなのさ
僕がねえって声をかけたら君はびっくりしたように 飛び跳ねて笑っていたけど…
恋したあの子とは打って変わって男勝りな君の気持ち
箱を開けるように知ったのは君が僕にいきなり抱きついてきて好きだって言ったから
涙があふれるくらい
僕は嬉しかった
ひとりはさみしいからね
ドーナッツみたいに
心にあいた僕のこのアナをふさいでくれるような人がもしも一番好きなあの子じゃなくても僕のこと大事に思ってくれる君ならば それは適任なはずなのだ
もしやあの子よりも
これは運命なのか
はたまた偶然なのか
君は僕の幼なじみ
トントン拍子に僕のドーナッツは埋まって 代わりに愛であふれているムネの中
気づいたその瞬間が素敵な恋のはじまり
今はほら手を繋ぐことさえもためらわず僕からできるよ
少し大人にしては背の小さな君だけど
僕には最高のエンジェル
ドーナッツみたいに
心にあいた僕のこのアナをふさいでくれるような人がもしも一番好きなあの子じゃなくても僕のこと大事に思ってくれる君ならば それは適任なはずなのだ
もしやあの子よりも
出会いひとつが永遠にもなるってこと
僕が一番知ってるから
悲しいとき 切ないとき 思い出すあの失恋
ハートが欠けたみたいな はじめての痛み
でも今は君っていう愛すべき人がいるからぜんぜん悲しくないよ
さよならドーナッツ
手を振り お別れ
一度埋まった穴はもうあくことはない
心に風が吹く夜は別さ。
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人が生まれるまえの
誰もいない世界で
君と踊る名ばかりのワルツ
恋はワルツのようなもの ふたりで歩くから互いのペースだけでは 足はすぐにもつれ 転んでしまうから
難しいのさ
わざわざ 恋をする
僕らは相当の愚か者さ
それでも踊ろう
はじまりのワルツ
時々転んで時々発情
その一歩でドラマチック
つぎの一歩でミステリアス
さあ 我艶やかに狂い咲き
僕はあなたに身をまかす
もつれる足も絡み合って
揺れる吐息も絡み合って
はじまるワルツ
踊ろう踊ろう
はじまりのワルツ
時々転んで時々発情
そのステップは神懸かり
その足おくりはエロチック
恋はワルツのようなもの
そしてワルツは恋のようなもの。
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票など要らないと思いながらも
どこかで票を欲しがる僕がいる
詩に価値などないのに
価値をつけたがる僕がいる
詩に輝きを与えるのはいつでも詩人の思いだけなのに
票や人の評価に惑わされる僕がいる
所詮僕もただの人
欲望にまみれ金に群がる愚かな人
ふと詩と向き合えば詩を今までどんなふうにどれくらい汚してきたかと思うんだ
「ごめんなさい」の言葉も無いままに僕は今まで歩いてきたな
よくもまあたくさん書いてきたものだな
今さらながら思うのです
感謝をする対象は票にじゃない
票をくれた人になのに
なぜか僕は欲しがる
形としての感想や人の賛同やあんたにゃかなわないよと白旗をふる姿を
見失ったあの日のただ純粋な思い
大人になって思います
ずいぶん汚してきたな
気づけば詩は背徳の極み 真っ黒け
涙を流すよ
言葉もないよ
あんだけ書いてきたのに詩に詩をぶつけられないよ
僕はただの愚か者だ
ごめんなさい
今、はじめて思う
詩は道具や金に換算するものじゃない
純粋なひとつの芸術なんだね
言葉は僕をきっと信頼している
僕は裏切り者だった
ふと詩と向き合えば
いろんな言葉が生まれるけどどれひとつ当てはまる償いの言葉はない
ああ こんな言葉さえ詩になるのかな
ああ どれだけ書けば満足できるかな
わからないから
わからないまま
僕はなすがまま
流れるままに
詩を汚し
詩を使い回す
そんな姑息なやり方で歩いたこの数年を僕は大きな罪と知る
これからはもっと純粋なありのままの詩を書きたい
僕という名の罪人の名を 少しずつ詩人という名の聖者にもどしたい
ただひとりのただの詩人になるために
僕は今まで 生きてきたはずだから
さあ 読んでください
僕という名の人が語る戯れ言のような本音を
何ひとつ くだらなくても目障りでも嘘はないから。
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くり返す日々はまるで夢を見ているように
過ぎ去ればまるで幻みたいに思える
つかの間の安らぎに喜ぶ僕らはふとした瞬間に見上げる空にまた雨の兆し感じる
この物語は表紙をめくる前からもう決まっていたのさ
結末さえも
それでも雨上がりに架かる虹を僕らは待つしかできないのさ
運命に縛られた翼じゃ少しさえ飛べやしないから
きっと信じるべきは運命じゃなく自分自身なんだ
ほら目覚めよう
口笛 軽快に 吹き鳴らして まるで悲しみなんか見えてないように強がる僕でさえも輝いてゆく
この物語の旅立ちの一ページに刻まれた
華々しい名文句が出発の合図
さあ 海原へ出よう
選んだ船に乗って
雨上がりの虹に会いに行こう こちらから
この物語は表紙をめくる前からもう決まっていたのさ
結末さえも
それでも雨上がりに架かる虹を僕らは待つしかできないのさ
そして夜明けは来る
僕らの心におりたとばりを取っ払う
太陽が昇れば 全てのまやかしは明らかになるだろう
虹がおしえてくれる。
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終わりの時が来たようだね
何をしても免れない現実が僕に覆い被さる
むだにあざやかな記憶だけ残したままで
君の「さよなら」の言葉がいつまでも胸の中ひびいてる
君のさよならは涙混じりのさよならだったから
物語のラストに降る雨
ずぶ濡れの僕
つぼみのようにかたく閉じたまぶた
僕は今君にふられた
つぼみのままの恋が咲くこともないまま
今 終わりを迎えた
ほら 君はもういない
背中すら見えないよ
ただ僕は雨に濡れながら 立ち尽くす夜さ
小さな灯りに照らされて。
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不器用なこの僕でも君に何かできるかな
試行錯誤の果てはいつも諦めに変わるから
僕はいつも空っぽでひとりぼっちのままさ
とても切ない夜だから
おしゃべりな口をふさいでよけいな言葉はしまって
楽しいことイメージするなら独り言にはしないでイメージだけ抱いて目を閉じよう
ふわふわ 浮かぶ風船が七色に輝いて
僕を素敵な夜の旅へいざなうから
夢の中で 風船を追いかける 僕は主人公のつもりだった
なんの脈絡もなく
開け放つ窓の向こうに 広がる世界は僕には地獄にも見えたよ
だから 見えない風船をずっと追いかけていた
目には見えない
幻の風船。