詩人:どるとる | [投票][編集] |
夢か幻のように
今日も日が暮れてゆく
僕はどうでもいいようなことにいつまでもムキになって
ひとりがいいと誰かの慰める声に耳をふさいだ
「さよなら」という言葉が悲しいほど似合ってしまう 空の色
過ぎ去ってしまうこの時間はもう二度と帰らない
だけれど 帰るべき場所は形こそ変わるものの失われずに いつまでもここにある
チャイムが鳴り出したとき 僕はなぜだか恥ずかしいくらい
涙あふれてしまったよ
たとえさよならでも
明日があるんだから
さよならなんて言わないで 黙ったまま手を振ろう
涙でにじむ景色を眺めながら 平熱を保てない熱い心を 抱きしめよう
そして気づけば
また夢か幻のように
時間なんて 過ぎ去るのも早く 全て終わる
振り返るその時にはもう 悲しい夢のあと
あしあとさえ残らない
でも記憶にはとどめられる
それが僕がここにいた証になる云わばあしあと
今日もたくさん残したはずだろう
それがたとえ悲しい記憶でも変わらないはずなのだろう。
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まっすぐ引かれた線の上を歩くのは
吐き気をもよおすほど嫌いになる時があるのさ
モノカゲに身をひそめてこちらをうかがう不安がいつもうかがえる
隣は何をする人ぞ
顔も見えない隣人
僕はひとりぼっち
口笛を吹き鳴らし
外界の眩しさに顔を覆う
このまま孤独な旅は続いていくのさ
誰にも会わないでいられる道ならば
いいのに
この世は ひとりぼっちが似合う僕には
あまりに騒がしすぎて にぎやかすぎるのさ
だからなるべく静かなモノカゲに逃げるように身をひそめて
自分を 狂わないように守る僕はモノカゲにひそむモノノカゲ。
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せり出した誰かの傲慢で 僕の意見は風に消えてゆくよ
枯れ枝から落ちる枯れ葉のように 地面に静かに舞い落ちる
黄昏 孤独 孤高の私
せみしぐれ 遠く きこえる 祭りのお囃子
どれもがどれも美しさからはかけ離れた
夏の景色だ
それでもなぜか心には影ばかりじゃなく光もまたたく
希望はないはずなのに
期待はされないはずなのに
なんだか不思議な高揚感がわきたつ
せみしぐれがだんだん近づいて
やがてそれが夏の足音みたいに僕の真ん前で 立ち止まれば
夏のはじまり
溶け合って混ざり合ってやがてひとつの物語になるから
どんなにあたりまえな日も忘れないで
すぐそこにある輝きを。
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季節はずれの雷にうたれたこの胸ズキリ
あなたの瞳はまるでメデューサの瞳
僕はあなたに見つめられただけで何も言えなくなって 強がりさえ石みたいに固まってしまう
カレンダーは日々
数字を変えて
昨日が今日に
今日が明日に
時間は進む
その中で抱いた思いはいつの日か言えるのかな
だけれど伝えても届かないのなら言う必要もない言葉もある
でも伝わらないとはわからない
どうでもいいような人の名前なのに頭から離れない 消えない
どうでもいいような人ではないけれどただの名前でもないけど胸がしきりに苦しいんだ
それが初恋なのかなあ
的はずれの結論に言葉を濁しては
いつだって何もかも諦めてきた僕だけど
誰かを愛することは誰にでも許されたことだろう
人を愛することと
人に愛されること
どちらがどれだけ
どんなふうに難しい
そんなもの わかるわけもなくわからないほうがいいのかもね
どうだっていいような
どうだってよくないような
不思議な名前を僕はいつまでも忘れられないでいるよ
初恋という名の覚めない夢にうなされて
どうでもいいような人の名前なのに頭から離れない 消えない
どうでもいいような人ではないけれどただの名前でもないけど胸がしきりに苦しいんだ
そんな初恋をしている
ため息で曇る 窓硝子
頼みの心は死んだように
なんの返事もしてくれない
どうだっていいような
どうだってよくないような
不思議な名前を僕はいつまでも忘れられないでいるよ
初恋という名の覚めない夢にうなされて
どうでもいいような人の名前なのに頭から離れない 消えない
どうでもいいような人ではないけれどただの名前でもないけど胸がしきりに苦しいんだ
恋わずらい 特効薬はいまだない。
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涙を流せるのは優しい人だからだよ
血も涙もないならこんなに泣けないだろう
カンタンな答さ
優しい涙は流れる
優しい人のほおに
優しい涙輝く
優しい人が咲く場所に
優しい涙はあるのです
優しい形であるのです
優しい涙があるのです
優しい色してあるのです
ほらここに。
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たくさんの評価やそれと同じくらいのたくさんの反響を夢見る日々
誰よりも高くありたい
誰よりも輝いていたい
そう思う気持ちが大切だけれど
僕は聴きたい人にだけ届く言葉を紡ぐよ
僕は読みたい人にだけ伝わる思いを打ち明けるよ
戯れ言は風に消え
大切な言葉だけ
置き去りにされた
荒野で僕は風に吹かれてる
たどり着いたこの場所で僕は歌うよ
誰かに届くと信じながら かかしのように強く 強く 立ち尽くしてる
誰かの涙と
誰かの笑顔に
支えられ
そんな毎日は
ざんねんながら
ここにはないけど
言葉は届くべき人のところへと届く
思いは必要とするべき人の心へと流れる
そう信じている僕の日々も意味があるのならきっとちっぽけな思いさえ誰かの助け舟になっているんだろうね
だから 言葉のちからを信じたい
言葉がもたらす大きな ちからを 愛したい
そして 誰かを 救ってあげられたなら
それは僕の言葉も望んでいたことだから
幸せだろうね
夜も朝も昼も
何時でも何日でも
地球が何周していても
言葉のちからは衰えず聴く人聴く人に言葉は訴えかけるのさ
たしかな熱を伝えるのさ。
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僕が明日もし死んでも
誰もそのことに気づかないだろう
街はいつもと変わらない風景そのままに
風も空も海さえも
何も変わらない世界がそこにあるだろう
結局僕が死んでも
生まれなかったとしても変わらない
何も変わらない
僕がここにいる意味なんて何もない
きれい事に埋め尽くされた世界に僕は立ち尽くしてる
風が時々この僕を黄昏に包む
死んでもいい人なんてきっとどこにもいないけど
生きてたっていいことなんてありそうにないのはたしかだ
だから無理はせずほどほどに口笛吹いて
叱られたその時はすみませんと謝ればいい
公園のブランコが
風が吹くたびに
さびしく 揺れている
ただそんな景色をずっと眺めていたら
カンタンに答が出たよ
そうさ 僕らが生まれた運命だなんてあのブランコが風に揺れて少し 動いただけのくだらない出来事
地球が回るように
いつか 止まるように
僕らもいつか 死んでゆくのさ
たしかなことはいつでも悲しみを引き連れて歩くもの
明日死んでも
死ななくても
変わらない運命の手のひらの上で
下手なくせに踊るワルツは続いてゆくんだよ
結局僕がいる今も
必死になって積み重ねる毎日もいつか死んだら全て消えてゆく
そしたら悲しみだけが残るんじゃないかな
きれい事と片付けてしまったあの日のキミの言葉も今じゃなぜか恋しくて
無理に生きることの素晴らしさだけ語ることはないさ
死を語ることも時には大切なことだ
いつも無理はせずほどほどに口笛吹いて
叱られたその時はすみませんと謝ればいい
たとえ明日死んでも
本望だと思える
光ひとつ あれば
天国へも行けるよ
だって僕はもう死にたいなんて思わないから。
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僕の人生は駄作の詩のようさ
人と比べなくてもすぐにわかるくらい
光からは遠く気迫乏しい 毎日
べつに誰かのせいとかそういうことじゃないけど
時々 涙が止まらなくなってしまう時がある
燃えるような真っ赤な夕焼け空に誓った約束ひとつ
どんなに悲しくても
生きていくよ
最後まで
だって まだまだ
僕は元気だから
生きる権利はまだまだあるから
悲しみは消えない
不安なことも消えない
こうして歩いているけど正直目的はないし夢もない
遠い幼い昔夢見た
未来とはまるで
違う 地味な四畳半の片隅
ビードロみたいな涙がこぼれる夜には
流星群さえ 美しいとは到底 思えない
ポケットにつめこんだ 切なさが いよいよあふれて 僕は立ってるのもままならない
燃えるような真っ赤な夕焼け空に誓った約束ひとつ
どんなに悲しくても
生きていくよ
最後まで
だって まだまだ
僕は生きたいから
歩いてく力はまだまだあるから
涙をまたぬぐって
ぬぐいきれない
涙さえ 泣き止んだ
ふりして 歩いていく嘘さえ 大切なもの
風に吹かれて
ページは
ふたたびめくられる
新しい旅ははじまる。
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魔法みたいにもし誰かをドキドキさせられたなら
僕にだって魅力的なところがあるのに
なぜか魔法も何もつかえないただの人
マジカルポップミュージックで聴こえたあの歌がよみがえる夜
ほらここに
キミを呼んでる
小さな口笛。
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さよならの言葉は…
僕らは仲が良すぎるくらいいつでも二人だったね
それでもやっぱり僕らを阻む壁は乗り越えられなかった
年齢という壁 飛び越せず キミは泣き顔
涙が止まらない
さよならのベルが鳴り出したら
二人を引き裂くようにアナウンスが鳴る
悲しい言葉のはずなのに
また会えるよね
そんな確証もない言葉は二人の忘れられない言葉になる
明日と今日をつなぐ呪文に変わるよ
手を離した
その瞬間
世界が黒ずんだ
まだ好き
今も好き
それなのにキミはあの頃よりずいぶん遠くなった。