詩人:どるとる | [投票][編集] |
何気なくめくったページの隅
走り書きで書きなぐった言い訳とも卑屈ともとれない言葉
蹴り飛ばした空き缶がむなしい音を立ててへこむ その姿はまるで自分のようだった
途方もない苛立ちに胸をざわめかせ
遠すぎる位置から 未来に白旗あげる僕は負け犬だから遠ぼえ上げる
気を抜いたら どこまでも沈んでいきそうな底のない夜に身をあずけて 夢を見る
つかの間の安らぎと覚めたあとで気づくはかない夢の終わりに心は惑い
ひとり 口笛を吹く
負け犬にふさわしい
つまらない未来が速達で届いたのを僕はもう知っている
開けなくても中身はわかる
ずっと同じ日々さ
地団駄踏む 真夜中
事も無げにはた迷惑な天の邪鬼がにやりと笑えば 夢の中
そんな日々に
僕は今も
とらわれの中
出るに出られない
檻の中。
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僕は今、とても幸せで
僕は今、どこか不満で
時が経つにつれ変わってゆく考えがほらね全てを諦めれば巧妙に自分を偽る力となる
昨日の僕と今日の僕との間に違いはなく
過去の僕と現在の僕の思いも変わらなく
ただ少し理想が高かったためそれをあきらめることで納得したってだけだよ
僕は今、とても幸せで
けれどどこかが不満で
ぬぐえない大きな影が水面にうつった月のように嘘っぱちの歓びが巧妙に僕の脳を操作する
ほらね ただあきらめてしまえば全てがどうでもよくなる
でもね 夢や理想がなくたってやりたいことくらいはある僕だから
僕は今、光と影の間に立っている
重なり合う今日と昨日からそのずっと彼方に消えた日々
後悔はあるようでない気もするけど どこか切ない今を生きてるのは僕でもわかるから
傷跡は見えないだけでたしかにあるのさ
言葉にならぬ痛みを時に僕にぶつけてくるんだ
その時、僕は何を思うだろう?
その時、僕は何ができるんだろう
今日の僕も
昨日の僕も
明日の僕も
きっといつまでも
答え出せないまま
白紙の問題用紙の前
ペンを握りしめ
頭抱えてるだろう。
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大切なものはいつも傍にある全てがそうだよ
大切じゃないもののほうが少ないくらいだよ
傍にある全てが奇跡のようなものならば
大切じゃないものなどこの世界にはひとつもないから
傍にある全てが全て
同様に大切なもの
そう言いきれる自信があるならば
そういうことにしよう
大切なもの そうでないものの区別など測れるものじゃないから
傍にある全てがまたとない奇跡
そして今ある全てが僕もふくめて奇跡
さあ 何もかもが大切なんだよ
目を開ければ見える
世界は どのくらい輝いて見えますか?
君には どのくらい大切なんでしょうか?
お気に召さない奇跡なら それは悲しさむなしさに変わるだけ
嫌いじゃないんだ
きっと ただそれは君や僕にとって少し見苦しいだけ。
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眠たい目を閉じて
夢の岸辺へ足をのばして太陽の光をこの手の中で育てて
幸せになりたい気持ち
夢叶えたいという気持ち
ぜんぶ その全てが夢で終わっても
楽しく 毎日 暮らせればいいから
愛と勇気と その他もろもろあれば
どんな日も雨の日も
きっと自分を信じてさえいれば 乗り越えて行ける そう 信じてるから
僕は夢から覚めたあと理想と現実のはかなさを目の当たりにしてもね泣かずわめかずただ静かにしてるよ
笑いましょ
笑いましょ
福を呼ぶように
元気取り戻すように
笑いましょ
笑いましょ
何度でも何回でも
いつ いつまでも
太陽のように
キラキラと輝いて
心から笑いましょ。
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物語は時間の概念に縛られたまま
いつか終わりを迎える
夕刻 橙に染まる空
20回も見てきた景色なのに幼い日の記憶はあまりにも薄ぼんやりしすぎててわからない
でも僕は今まで20回もこの景色を見てきた
そして今日20回目の夕陽が沈む
さよならというなんの力もない言葉で
みんなが一様に手を振り それぞれの家に向かって別れる道の上
切なさや悲しさがこみ上げるんだ
さよなら以外 言ってしまえば簡単にそれは涙になってしまう
だから僕もみんなと同じようにさよならだけ言ったらあとはよけいな言葉は言わないで ただ家に向かうよ
誰かの影と誰かの影が仲良く手なんか繋いでるアスファルトに影を刻んで
途中から ひとつになってしまうようなさびしさはしょっちゅうだから
今さら泣きゃしないけど
君の影が恋しくなってしまう
僕の影もどこかさびしそうにうつむいてる
夕闇せまる頃
僕は間違わないように確かめていつもの曲がり角を右に曲がる
空き缶蹴飛ばして
苛立ちを隠せなくても
明日になればまた君に会える
その気持ちだけで僕はまたひとりのさびしさを飲み込み
くだらないことでも笑えるんだ
今頃 君は何をしているのかな
夜空に浮かんだ雲がかかった三日月が 綺麗だ
君も見ているのかな
なんてこと考えながら 布団を押し入れから出して 寝る準備する僕は君への恋しさあまり眠れないよ
ああ 君にアイラブユーと言いたくて言いたくて 仕方ないよ。
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あの日 隠した夢の在処
それは僕の心の中
なくしたよと嘘をついて今まで 知らん顔してきた
でも夢はあきらめようと思って簡単にあきらめられないことくらい 当たり前のことだから
旅人は今も人知れず
夢を探してる旅の中
旅は明日も続いてゆく
はるかな荒野を歩くように
自分の足だけが知ってる場所へただ向かって
旅は宛もなく続いてゆく
なんの根拠もないけど
旅人のゆくえは旅人自身さえわからない
だって旅なんていつも気まぐれで身勝手なものだから
風だけが知ってるんだ
宛てなんて決めないで
旅は始まるものだって
思うから
でも本気で僕は何かを絶対に探してる
見つけるために
見つけるために
僕は身を削り
歩き続けてる
旅人のゆくえは神様でもわからない
創造主はだんまりを繰り返し 旅人はその間もどこかも知らぬ場所を目指す
答えのない問いに
延々 語りかける日々
今も終わらない旅の中
旅人は無謀で無意味だと思われるくらい
歩き続けてる
この足で この足で
ゴール地点なんてまるで無い旅の中
終わりなんてなさそうな旅の中
果てない旅は続く
突然始まっては終わるような旅は今も。
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難しいな言葉は必要ないからね
簡単でも思いをこめた言葉だけ君に伝える
いつもやることなすこと不器用な僕だけど
君がこの世界でいちばん好きだからいえることさ
ひとりぼっちの夜
ラジオから流れるヒット曲
いくつになっても仕方のない人だといわれても君にだけみとめてもらえれば
僕はいいから
君の瞳がまっすぐ僕を見つめてくれるように頑張って
見えないトロフィー
君の心に捧げたいな
銀色に光る涙のような輝きをいつか君に。
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ありがとう
ごめんね
さようなら
言葉はいろいろあるけど僕が今君に伝えたいのは
愛してるだよ
恥ずかしがることなんて何ひとつないのに
なんだかね 言い出せずにこんな気持ち抱いたときから いくつも季節が流れた
君の心はまるでたんぽぽの綿毛のように
僕の心に恋心という種を植え付けた
知らないあいだに
君は僕をとりこにした
もう捨てられない
引き返せない
君は恋人じゃなくても僕の大切な人さ
いつまでも 永久に
あの日 君がとばした綿毛が 僕の心の中に初恋という花を咲かせたんだ 今も枯れずに 元気に 咲いてるよ
たんぽぽのような恋だから どこかあたたかい雰囲気さ
暑い夏に遠い春を呼ぶように記憶が返り咲くような思い出の中の淡い恋
黄色く 黄色く
僕の中に 咲くたんぽぽよ
揺れながら
揺れながら
ここにある記憶
目覚めるように
はたと気づく痛み。
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太陽とお月さまみたいに背中合わせの僕らは向き合うこともしないでずっと黙ったまま
散らかりっぱなしのこの部屋の中で
会話もなくただ壁を見つめているのさ
時々大きなため息がこぼれるけどお互いにそんなことさえ記にしないで
いつも素知らぬ顔して うつむいている
さめきった家庭には
さめきった夕飯が並ぶ
年老いた夫婦の形
昔は愛しあっていた二人も今ではもう見つめ合うこともなくて
白髪をかぞえて
ため息をつくくらい
ケンカをするのも疲れるから空からのお迎えがくるまで二人は黙っているつもり
あの頃の情熱はもう見る影もなく
悲しい 悲しい 日々で
心まで 老いたように
ファミリーは今日も背中合わせで暮らす
犬はおばあさんから
餌をもらい
小鳥はおじいさんから餌をもらい
植木鉢は誰も手を出さないから枯れきり
そのうちおばあさんもおじいさんもいなくなって この家は空き家になって
取り壊されて
数少ない二人の思い出は瓦礫の下
そして犬も小鳥も今はゆくえもわからない
おばあさんはおじいさんに何を伝えたかった?
おじいさんはおばあさんに何を伝えたかった?
言葉もなく 旅立ったどちらかを 忍んだ夜は長く続いた
あの満月の夜に
流れた涙はどちらの涙だったのか
それは誰にもわからない
この家にあった愛は本物だったのか
それもわからない
ずっとわからない
記憶は行き場もなく
さまよう 闇の中
ここにあったはずの
愛を探し続けてる。
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先の読めない展開を期待していた僕がバカだった
現実はいつでもつまらないくらい リアルすぎて
お助けツールも
素敵な展開も
あまりなく
僕の理想だけが
ロマンにあふれてて
無駄にロマンチックで夢見がちさ
昔々とある 村におじいさんとおばさんが…
みたいなありふれた始まりでもかならずそこにはあるロマンが現実にはないのか
いつもいつも 昔話のような世界に憧れて
無理だとは思っても昔話のような世界に憧れて
僕は探す 街の中
こんなに広々とした街なのにロマンの欠片もありゃしないな
先の読めない展開は
僕の毎日には無縁だね
どこまでも単調だから
視界は良好
どこまでもわかりきった未来
ロマンはひとつもない
ビデオの中に探してる
ロマンくらいならあるけど そんなのはくだらないロマンだ
昔話のような世界に憧れて 少し思い上がりすぎた僕は 地に伏せた
そんな週末のエンドロール 絶え間なく
流れては消えてく
輪廻にも似た デシャブ。