詩人:どるとる | [投票][編集] |
手足をもがれた蝶は
ただの芋虫さ
這いずり回って
やがて 息絶える
虫かごの中に 閉じ込めた世界
生態系を脅かす人間の狂気たる美の乱れ
串刺しにして
標本の中に
生態系を築く
虫の息もない
蝶を愛でる
悪趣味な人間は
かすかな灯りの中
やがて自分も棺桶の中
闇に喰われる宿命。
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天へ召される
魂へ語る
ほんとうの言葉
しどろもどろに
話す 会話の中
君はそれでも
ちゃんと
聞いてくれる
現実が天国なら
僕らは天使だね
翼はないけれど
幸せの光が見える
白い天使だね
君がいるから
この世は第二の
天国になる
あの世へ召されても
君がいなければ
そこは地獄と同じだ
君がいるから
そこは天国になる
君がいないなら
どんなに美しい場所でも地獄に見える
だから君がいる
この世界は
まぎれもなく
僕には天国なのさ
それだけをずっと
いつも 伝えたい
朝から 夜まで
夜から 朝まで
繰り返し 届けたい
そんな 気持ちを
天に召されるそのあとも 僕は君といたい。
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遠い昔の僕はきっと絵本の中のピータパンみたいに自由自在に空を飛んでた
今ほどは嫌なこと
きっとありはしなくて 笑顔もよけいなくらい振りまけていた
大人という概念と
成人という枠を
はみ出した時から
僕はピータパンじゃなく きっとただのおじさんになってしまったのだろう
夢の中で玉手箱を開けたように覚えもなく老けたね
もうピータパンのような無邪気さは必要なくなったのかな
それでも
それでもね
ネバーランドに憧れて
だからね
だからこそ
ピータパンに戻りたくて
必死になって
あの頃の匂いを
見えていたはずの
ティンカーベルを
探すトムソーヤとハックルベリー・フィンの気持ちになって
ピータパンは中太り
少し肥満気味
体脂肪が気になる年頃さ
それでも ピータパンだったから 憧れは消えないさ
ネバーランドに帰りたい 帰りたい
僕はピータパンだったから
遠い昔憧れていた
ピータパンはもうここにはいない
散らかった部屋を片づけなくちゃ
強迫観念に押しつぶされそうになる日々
夢やロマンなど微塵もないね
楽園は海の底
もう手にも届かない
僕だけが知るピータパンはもう目覚めない
不思議な声も聞こえない。
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祈ったって染み着いてしまった長年の不運は変わらないね
明日もあさってもほかの人には見えないだけでずっと雨は心に降り続く
僕は雨を呼び
君は晴れを呼ぶ
見比べなくてもわかるほど違うね
どっち転んだって
僕は所詮雨男
君とは正反対の悪魔だ
駆け出したよ真夜中
まだらに照らす月の光の隙間をすり抜けて
君にこの声を届けるため僕は死ぬ気で愛を叫んでる
呆れるくらいに不器用で
慌てふためくそのさまはまるで無能の愚か者
降り続く雨の中
無謀なくらい出かけた
少しくらい濡れたって乾けばまた笑えるように心はうまくつくられているんだと君に精一杯の笑顔を振りまく僕だ
いつも迷惑かけて
いつも君は優しくて
それに甘えてばかりの僕だけど
言葉は思いをこえて
言葉以上の何かを
心に刻んでしまう
だからたやすく
人を傷つけ
時には
人を救える
ものなんだよ
君の名を呼ぶ
僕は雨男
英語でいうなら
レインマン
ふざけてるつもりはないよ
ただ僕は心に降る
思いを言葉にしてるだけだよ
泣き虫なところや
ネガティブのところは変わりそうにないけどこれだけはわかってね
僕はいつも君を愛しているよ 世界一
背中と背中を重ね合わせるだけでは何もわからない
だから目と目で見つめ合おう
僕は雨を呼び
君は晴れを呼ぶ
見比べなくてもわかるほど違うね
どっち転んだって
僕は所詮雨男
君とは正反対の悪魔だ
駆け出したよ真夜中
まだらに照らす月の光の隙間をすり抜けて
君にこの声を届けるため僕は死ぬ気で愛を叫んでる
いつも
好きだって
好きだって
こんなにも
好きだって
好きだって
叫んでいる
それでも
伝えきれない
思いがあるけど
いちばん伝えたいのは僕は雨なんかには負けないというつよい意思だよ。
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君はまるで太陽のように僕の目の前でいつも輝いている
燦々と 燦々と
その笑顔は醜いくらい まぶしすぎて
直視できない
君は誰より 明るくてまぶしくて まるで太陽というにふさわしい人
晴れ女よ
今日も 僕を照らしてこの涙を乾かす手ほどきしてくれる
でも時々その明るさがうっとうしいんだね
でもまぎれもなく僕は君を心から愛しているんだ
夏の暑い日の中でも
君は元気だね
変わりなく元気だね
ちょっとくらい
元気ないほうが
ふつうだというのに
君はちょっと
明るすぎるね
君はちょっと
まぶしすぎるね
僕には
大げさすぎる太陽
燦々と 燦々と
今日も照りつける日差しはまるで
狂った夏の日差しのよう
晴れ女よ
たまには黙って
本でも読んでいなさい
おしゃべりが過ぎたらかわいいものもかわいくなくなるよ
晴れ女よ
今日も 僕を照らしてこの涙を乾かす手ほどきしてくれる
でも時々その明るさがうっとうしいんだね
でもまぎれもなく僕は君を心から愛しているんだ
暗い僕は月のよう
夜空に浮かび
ひそやかに
誰かのさびしい
帰り道を照らすだけ
君は太陽
ギラギラと輝くような目立ちたがり
違いすぎる二人は愛し合う意味も手をつなぐ理由もただ本能だというけど
僕は知ってる
愛する意味を
手をつなぐ理由を
それは心の中にあること
晴れ女よ
僕が際立つ夜は
君の普段見せない
涙を乾かす手伝いをさせておくれ
僕は月のように
照らし
そのかわり君は
太陽のように
僕を照らす
役割は決まってる
だから僕らは
月と太陽なんだね
そうやって
お互いを照らしあって
お互いのいる意味が消えないようにしてる
はかない影をもつ存在さ
結局僕も君も夏の道に踊る陽炎
誰かと一緒にいなけりゃさびしくって無口になる。
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思いきり伸ばした手がやっとつかんだ未来は素朴な趣
思いつめていつも僕は地面にうずまきを何重にも描いていた
なにしてるんだろう
大切な君はさみしそうな顔してる
ずっとそばにいるよ
そばにいさせてねと言ったのは僕なのに
僕から君を遠ざけている
そんな僕なんてすぐに嫌われちゃうかな
そう思ったけど君はずっとそばにいてくれる
そのあまりの愛らしさに今までの僕はなにやってたんだろうって思えるのさ
ずっとそばにいよう
僕はまた言うんだよ
今度は変わらない
今度は嘘じゃないから
ずっとそばにいてね
ずっとそばにいるよ
言い交わすその言葉は永遠にもつづく約束
ずっと ずっと ずっと。
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人形は動かない
しゃべれない
失った日々はもう戻らないよ
小さな灯りに群がる羽ある虫たちのように
社会の中枢で今日も 本音隠してさ
嘘ばかりの人たちが
お世辞振りまいて
仮面で自分をごまかしてる
壊れそうな
壊れそうな
思いを抱えながら
人は人のあいだを
微妙に避けながら
歩くのさ
笑うことが仕事のピエロさえも泣き惑う世界。
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思いつめてはいつも
灯りのない夜に沈む
タイトルもない
映画のような
ぱっとしない
日々に名前をつけておくれ
寝不足の毎日
寝れない理由は特にはないけどね
思いつめていつも
何か 探してるようさ
鏡にうつった僕自身を僕が眺めてるような不思議な場面に
ほら アングルが移り変わると待ってたようにうそつきのスマイル浮かべる役者さん
会う人会う人
みんな同じ人。
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はじめての手紙です
うまく優しく書けるかな
恋文綴るように
絵を描くように
今 僕は君を思う
たくさんの星が降り注ぐ夜に
いつもいつでも言いたいことはね決まってるはずなのに
なぜかなぜだか言い出せないままここまで来てしまったよ
君が優しく 笑うだけでとても幸せなのに
なぜだか 心の中じゃその笑顔をひとり占めしたくて
僕のものだけにしたくて 少しいらだっているよ
つよがらないで
弱さ隠さないで
素直に好きと言えたなら苦しくないのにね
それはとても難しいことに見えてしまうんだよ
痛みと迷いと現実と夢とロマンにあふれた世界の中
踊るように
可憐に生きる君は素敵だね
どんどん手が届かなくなっていくような気がしてる
つよがらないで
弱さを隠さないで
素直になれたなら
僕は君と恋人になれるのかな
いつもハッピーエンドの隣には絶望的なバッドエンドが不気味に笑う
君が好きだよ
何度でも
心の中なら
言えるのに
なぜだか
君の前じゃ
無口になる僕さ
つよがってしまうのさ
本当は悲しくないわけないのに
元気なふりで笑ってみせても
つよがってしまうのは
僕の中の何がそうさせてるんだろう
本当は言いたくて仕方ないはずなのに
つよがらないではいられないもどかしさ
抱えながら
抱えながら
あと一歩が踏み出せなかった遠い日の初恋の残り火幽かに。
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どんな言葉なら
好きな人は僕に優しくしてくれるの?
たとえば僕は君のことが好きで
でも君は僕じゃない人を好きで
そんな悲しい物語が目の前に広がってるとしたら
君は僕には遠い人なのかな
片思いという魔法にかかって
何も言えない僕だから
君から何か言ってほしいのさ
愛という言葉の意味を調べたって
辞典には君を落とす裏技なんて書いてない
答えは闇の中
君は上の空
そしてこの物語の続きは見送られるのだ
君を好きでいるかぎり僕の中ではこの物語は終わらない。