詩人:どるとる | [投票][編集] |
赤信号 無視して渡る勇気もない僕は
この先の物語不安の雲立ちこめてる
不正を許さず
ひたすらに
正しさを提唱する
世の中で
僕は何を思うのだろうか
今日も横断歩道にさしかかると僕は反射的に青でも左右を見てしまうんだよ
汚れたい
汚れたい
心の底から
一度だけでも
汚れたい
汚れたい
綺麗すぎる自分に
嫌気がさして
体中に張り巡らされた操り糸断ち切れぬ
自分に反吐が出る
またたく信号に
ほら また不安は募る
こんな気持ち
積み木のように
積み重なってゆく日々
名もないうたが流れる
君が少し僕を避ける。
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もう僕らは会えない
会っちゃいけない
僕と君のあいだに降る雨はたぶんもうやまない
優しい言葉ひとつでやり直せるならとか
今さら傷つけたこと傷つけられたことをなかったことにして明日から笑いましょうとか
もう無理な気がする
だって僕らはほんとうに愛し合ってたから
他人には少しの心の行き違いでも僕らには何万光年もの距離にも感じてしまうから
深すぎた愛だったね
愛し合い過ぎていた
互いに互いを許しすぎていた
背中向けて 別々の道 歩き出す僕らはもうきっとどこかでばったり出会うこともないから
最後の言葉を言うなら君に出逢えてほんとうによかった
そう言いたい
愛していたから
今も変わらないから
君を傷つけた記憶は消せないのだから
僕らはきっと
あの日出会ったように
今日別れるのも
また運命だったのだろう
けっして間違った出会いじゃなかったし
けっして間違った恋じゃなかったけれど
さよならを言い交わした時 悲しくて悲しくて涙あふれそうになった
振り返らずに
振り向かずに
君に出逢えたこと
あの日から今まで
そのすべてを思い出しながら 僕はつよく微笑んだよ
街の明かり 切なげに僕の背中をそっと撫でた
風は優しく吹いてた
7月の終わり
僕らの物語の
表紙はそっと
静かに閉じられた
もう読み返すこともできない
僕がしたはじめての恋の結末
さらりと髪に降りかかる雨はまるで二人のかわりになったように泣いていた
それは、僕の我慢していた涙のようでもあったよ。
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さよなら 恋人よ
ふられたのは僕だけど
恋人でもないけど
ただかっこつけただけ
揺れる街明かりが
僕をしんみりさせて
しんみりさせておくだけしてあとはそのままさ
夜よ つれないな
街明かりよ 味気ないな
僕はこんなに
僕はこんなに
悲しいのにね
その悲しみさえ
お飾りにしようと
している
まるで愚かなジェントルマンさ。
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あの日見た
夜空に散った
花火をまだ
君は憶えてるかな
着慣れない浴衣姿の君は帯を締めて
かんざしをさして
くるりと回って
似合う?って聞いたね
僕は見とれて
ぼんやりしていたから
君はムスッとした顔で不機嫌になった
何発も 何発も
夜空に打ち上げられる七色の花火を君と見ていた
僕は花火より君に夢中だった
君と見たあの花火なんて僕の中ではほんとうはどうでもいい思い出で
それより君の美しさに記憶は埋め尽くされて 七色に散った花火よりずっと
君の笑顔に夏を感じたよ
花火が打ち上げられるたび子供のようにはしゃぐ君を
隣で見ていた
僕は君と花火を美しさを基準に比べたよ
断然 君が勝っていたね
ひゅるりと夜空に花火が今年も舞い上がるかな
記憶の中のあの笑顔はまた咲くかな
あのときよりも少し大人びた君の笑顔が見れるかな
なんてこと考えながら暑苦しい日々を歩く
浴衣選びに夢中な君の横で思い出し笑いする僕だ。
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言葉さえなくして
何も言えずにいる
僕はまるで
宇宙の片隅
置き去りにされた
ちっこい小石
廃材かき集めて
出来上がった未来
なんとなく
夢見ただけ
だから現実には到底届かないイメージで終わった世界
僕が夢見ていたのはただの下書きに過ぎなかった
たどり着いた岸辺で
待っていたのは
どこにでもあるようなありふれた毎日
金を貯めて 貯めて
働いて 働いて 働いて
毎日 同じ道 同じ景色 もう見飽きてるのに 笑ったりして
感情のない人形みたいな人たちに囲まれて心のほころび見つけてはつれない日々をチクチクと縫い合わす僕だ
言葉なくして
声もなくして
ここにあるのは
お世辞にも笑えない幸せと
平穏の裏側に隠された
言い様もないもどかしさだよ
涙はすぐ乾いて
しまうから
言い訳にはできないね
僕はただ心の中で不満をグチグチもらすだけだ
そして青く果てしない空は今日も見た目以上に遠いな
モノクロのアナクロ
白黒 無声映画
いつからか動かなくなった古時計
そんな喩えが似合ってしまう現実なのさ。
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僕は君に憧れて
君は僕に憧れて
あなたはあいつに憧れて
あいつはあなたに憧れてる
自分にはない光
自分にはない特技
その人やその生き物が持っていると自分にはないものに憧れる僕はわがままなのかな
でも僕は自分にはないものを持っている君に憧れる人
人は誰も憧れの人に憧れる人
輝いているね
まぶしいくらい
僕は憧れている
だけれど
自分ってものも
大切にしたい
だから所詮憧れは憧れ
気になっていただけ
だけれど憧れの君は
ずっと憧れの人
振り向くけど
その目には
僕は映らない
べつの人
探してる
君は僕の視線にも気づかない
ただ君はあの人に憧れて
僕はずっと君に憧れてる
君が思う人のこと思ったら君に憧れるなんてすてきなのに
君が憧れるあの人は君じゃなくべつの誰かにまた憧れてる
少しズレながら憧れは遠ざかってゆく
重ならない ロマンス
生まれない 運命
憧れは憧れのまま
形も変えずずっとそこにある
変わらない形のまま
ずっと憧れていた
君という人は
僕の中で鑑賞するだけの絵画のように
ただ客観的なイメージでしか見れない
しずかに目を伏せてさよならするだけさ
それが 憧れの人。
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偽りの笑顔を振りまく人の傍らで
何笑ってるんだってふざけんなよって黙ったまま
身をふるわせてる
僕の心は複雑だった
それでも皮肉って笑ってその場は繕った
世の中にお世辞振りまき
愛想で本音隠すなんて 僕にはとても苦しいけど反論なんてできない
ピエロの顔して
実は泣いている
胸の中
夜空に浮かぶ
月を眺めながら
誰も見てないところで泣く以外は
笑顔で日々過ごす僕はうそつき
うそつきピエロ
笑顔で本音を隠して
悲しい気持ちさえ
ジョーダンにして
笑い飛ばす むなしさ
仕方ないねって
また笑ってみせるその顔にはいつの間にか涙があふれて
ピエロのメイクは落ちて 本当の僕がいた
声をあげて泣いた
夕暮れよ
僕はまた明日になればピエロにもどるけど
言いたいことはなるべく言うよ
自分を前に出して
時には 誰かの理不尽な言葉に牙をむきたい
そのための拳もある。
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君の声が聞こえてるよ
それはまるで心に直接語りかけるような具合に
猫のように 気づけばそこにいて
何気ない優しさでたやすく僕の迷いをすっかり解決してしまう
君はとても頼りになるね
僕みたいな頼りない人の背中に身をあずけるのは勘違いじゃなかったのかい?
私の中の愛を信じて
偽りなんてみじんもありはしないから
この手をあなたから握ってよ
そう言うから握ったまでの恋なんだ
はじまりは単純
だけど
掘り下げれば複雑
あのねのね
僕らはね
ただ空を見て
脳天気に
人生を
歩いてきたわけじゃないんだ
傷跡だって 見えないだけで たくさんあるんだ
星の数ほど
あのねのね まだ君に話し足りないこと
たくさんあるんだ
聞いてくれるかい?
明日も明後日も
いつまでも
あのねからはじまる
大事な言葉を
そりゃ情けないさ
そりゃ頼りないさ
でも君のこと
好きなんだ
大好きなんだ
これだけはわかってね
いつか輝く
価値ある宝石に代わる
思い出になるから。
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恋は花びらのように
散り際さえ美しく
去るものも追わず
ただ見送るだけが
本当と 声をあけず泣く
どうして僕は言わなかったんだろう
違うよ僕は言えなかったんだよ
自分の中でいろんな言い訳つくっては言えなかったことにモザイクかけたくて
セコいやり方で
今まで 歩いてきた
本当の気持ちに気づいてしまった時は
君とふと目を合わす瞬間さえ愛おしく輝いてゆく
忘れたはずの恋を想う
別れ別れの旅
君は北へ
僕は南へ
運命さえも
遠く離れたら
赤い糸だって
切れちゃうかな
なんてこと
考えながら
心の中じゃ
また会えないかなとか考えてるよ
だって君が好きだから
だって今でも気持ちはどうして変わらないから
時々ね
君の笑顔が
頭の隅 ちらつくよ
切なくて
もどかしくて
また会いたくて
胸が痛いよ
忘れられてなんかなかった
傷はまた開いたよ
血のかわりに滲み出した思い出が淡く滲む。
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ただ好きなだけで僕は君とはいないさ
いつもいつでも大事なことは心の中さ
触れられたくない秘密や
聞かれたくない過去さえ
知りたくなるけど
僕らは黙って
ただ手を繋ぐ
唇重ね合わせても何も伝わらない夜は
背中越し へたくそな口笛吹いて おやすみもいわず眠るよ
何もできない
ただそばにいるだけの僕なのに
君はいつもまるであたりまえのように愛してくれる
だから
君は誰より 大事だ
何を失っても君だけは失いたくない
僕の最後の光さ
口には出さなくても
僕にはわかるよ
そのしぐさ
その笑顔
時折風にのって聞こえてくるその声に今心はあたたかく包まれてる
残業の帰り道
靴音も静かに
なだらかな
坂道をゆっくり
のぼる僕の耳に当てた携帯から聞こえてくる
素敵な君の声
それはどんな音楽よりも素敵な素敵な音色さ
僕の心を癒してくれるんだよ
いつだってマイダーリン
そりゃそうさマイハニー
飛び交う言葉が今夜も四畳半を幸せで満たすんだ。