詩人:どるとる | [投票][編集] |
答えのない問いかけにぼくは
何十年も苦しめられている
もう何度時間を費やしたろう
もう答えは見つからない
そんな気さえするんだ
追いかけて
追いかけてゆく
終わらない
夢と鬼ごっこ
つかまえたと思ったらすぐに逃げられる日々
そしてまた
追いかけてゆく
続いてゆく
夢との鬼ごっこ
答えのない問いなどないのさ
そう信じて向かう
明日は光り輝くものであれ
今はただ信じるだけだよ。
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夕暮れにふたつ
細長い影を並べて
8月も中頃になれば花火を買って帰る
夕飯のあと
家族みんなでやろうと毎年のように誰かが言うのです
振り返ればそれはまるで夢のように
花火が散るのと同じにおぼろげな記憶
どうでもいい過去は自ずと消え去り
大切な思い出だけが胸の中にいつまでも残り続ける
それとは逆だから
悲しいんだね
どうでもいい過去ばかりおぼえてて
肝心な記憶はなぜだか薄らぼやけているんだよ
今年も花火やろうか
言い出したのはぼくだったよ
年老いた父と母
そしてふたつ年下の弟
あの頃の思い出を思い出す
少しずつ 少しずつ
引いてゆく夏の暑さ
秋の風 吹くころはもう
夏の暑さは坂道を下るように坂道の下から見上げるような遠い過去だよ
まほろばの夢
花火の音 遥か
日はのびて
五時にもなれば
街は闇の中
暗い海の底
有明の星がまたたくように光る
そしてまた
耳をすませば
風鈴の音が聴こえる
懐かしい夏がよみがえるのさ。
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ぼくの胸の中
ぽっかりと穴があいている
まるでドーナッツみたいだね
でも目には見えない穴なんだよ
切ない恋の終わり
君がつぶやいたさよなら
ぼくになんの不満があったのかな
思えば不満だらけだね ぼくの全部
欠陥だらけ まるでドーナッツ。
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光と影の狭間で揺れる心
落書きで描かれた棒人間のような表情のない顔でこちらを睨むあなた
大切なものなど無いよ
あるのは
嘘のない真実
ノストラダムスは語る
明日の災いを
ほら恐怖の大魔王がぼくの心を滅ぼした
色のない真実など
なんの意味もないから
捨ててしまえ
心の闇は押し寄せる波のように時には引いて時には牙が出る
ほらね 傷つく誰かと傷つけられる人が向き合う 毎日。
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いても邪魔なだけかもしれないけど
いられてもなんの役にも立たないけど
君のそばにいたいよ
君のいちばん近くで君の顔を見ていたい
何度話しても
何度向き合っても
これだけはわからないね
ふたりが向かうべき
善なる未来
ただそばにいるだけが今はぼくの精一杯なんだ
それを君が許すなら
明日も同じことの繰り返しさ
君がぼくを抱きしめて
ぼくが君を抱きしめて
そしてふたりの悲しさや淋しさを分け合う
星の数ほどの悲しみを数えても
いくら数えても数えきれない涙
たまには忘れてさ
楽しいこと
探しに行こう
見つけよう
時間があるなら
少し遠くまで
なんのための時間なのかな
君を愛すための時間さ
大きな理由はわからない
生まれた意味も生きている理由も
だけれど今はきっと
君と一緒にいることがぼくが生きている理由で生きていることの証なのさ
このからだに絶え間なく流れてる血潮に誓って君を永遠に愛すこと約束するよ
眠れない夜は
夜が明けるまで
話し相手にもなるし
君が望めばいつでも
優しい言葉かけてあげるよ
ふたりがここにいることが誰かにとってのあたりまえでも
ぼくらにはそれ以上の大きな意味がある幸せの形なんだよ
悲しみはどんな日にも心の中の鏡に映る
そして涙は流れる
仕方ない
だけれど楽しいこと
なるべく考えて
生きていこう
悲しいことより
楽しいこと考えたほうがいいじゃないか
何をするための
何を成し遂げるための人生なのかな
ぼくは思う
君を愛すことがたとえばぼくが選んだ
生きている理由で
そして
生きていく理由だと
自信をもって言えます
それはすなわち
ぼくがいることの証
いなくてはならないことの証
君を守るための誇り
君だけのヒーローの証
かっこわるいし
不器用だけど
君を愛すことだけが
ぼくをこの世界にとどまらせてくれるただひとつの答。
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君と一緒にいる時
ああ ぼくは思う
大事な人を守れと
父から教わった
それだけはわかる
頑固なオヤジの堅い石頭をかち割る見えないバットが欲しい
でもねそんなのはこの世界のどこにもない
教養のない人
やる気もさらさらない人
ただね君ってただひとりの人を愛すことだけ好きな人
口下手なぼくが精一杯紡ぎ出した
愛の言葉 甘美なる調べ
ラブリー ベイビー
ラズベリー ブルーベリー
甘い甘い甘い甘い
甘い誘惑にめまいをもよおして今にも
初夜をむかえたい
なんてね
おそまつさま!
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まぶた 閉じれば
いつでも
君の微笑む
顔が浮かぶよ
いつの日だったか
出会い恋に落ちた
青春とでも呼ぶべき物語
心さえ 凍えてしまうような 冷たい風に吹かれて
立ち止まる黄昏の中 帰り道の途中
隣には君の姿は…無い
それじゃさよなら
そう、言い交わすだけで終わる恋
積み重ねた
何年もの月日は
手を離すように
あっという間に
終わったよ
あっけないもんだね
君の背中 だんだん遠くなる あの場面が今でも頭からますます消えないよ
芳醇な思い出よ
なぜにぼくから
離れようとしないのか
優しい風が髪を撫でて そろそろ夏も遠ざかる予感
あの恋はきっと運命じゃない
そう、決めつけて 忘れたことにしても
君を好きなぼくがまだ死んでないんだよ
昔を振り返るたび
君がこちらをむいて笑うのがとてもつらいんだ
いつでも
君が浮かんでは
涙ににじんで
消えてゆく
水に溶けた絵の具のように画用紙のような記憶の中で君がつぶやいたさよならが胸を突き刺すよ
この痛みは言葉にもならないくらいぎゅっとせつない
それじゃさよなら
そう、言い交わすだけで終わる恋
積み重ねた
何年もの月日は
手を離すように
あっという間に
終わったよ
あっけないもんだね
君の背中 だんだん遠くなる あの場面が今でも頭からますます消えないよ
絡まった糸のように
ほらほどけないくらいぐちゃぐちゃになった消せない記憶は無修正
消したい真実が裸のまんまだ
さよなら
さよなら
風に吹かれて
どっかに
消えちまえ
忘れたいのに
忘れたくない
不思議な気持ちで
今も残る君の笑顔とあのさよなら
この気持ちはなんだろう
特別な思い出で
悲しい思い出で
だから いつまでも忘れたくなくて
それでもどこかで忘れたくないと思う自分がいる
そんな不思議な気持ち
今もたまに
浮かぶよ
君のあの笑顔。
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遠く離れた
恋人よ
お元気ですか?
また君宛ての手紙書くよ
時間はかかるけど
いつか会おうね
単純な言葉の羅列がだらだら
文面に並ぶよ
言葉と言葉の狭間にちょっとした気持ちの変化や切なさが見え隠れする
遠距離じゃなかったら
たとえば同じ街に住んでたなら
ぼくらはこんなに
愛し合えるのかな
遠距離だからこそ
たとえば何十キロも離れたふたりだから
心は離れないでいられるんじゃないのかな
秋が来るころには
君の街に行くための
予定を立てるよ
新しいカバンと靴を買うよ
遠い街に思いを馳せて
頭の中に描くまだ見ぬ
君の笑顔 そして君の声
膨らむ夢が破裂しないように
ぼくは少しずつ
イメージの君に近づいてゆく
イメージという風景などたかがしれたものだけど君に会えるなら 君に会えるならどうでもいいや
ただその日を待つだけ
離れ離れの運命のふたりが出会う
赤い糸を手繰り寄せるストーリー
なんて素敵なんだろう
ぼくはその日を待つんだ。
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産声があがる
7月の半ば
暑い陽射しの中
ぼくはこの世界に生まれた
ママに抱かれて
優しい笑顔に包まれて
たくさんの愛に囲まれて
ぼくはなにより幸せでした
お母さん
いつまでも
元気でいてね
だんだん
年老いてゆけば
やがてあなたは空へと昇ってしまうけど
ママ
何度でも呼んだ声を
あなたは聞いたんでしょう
そしてその声は確かなぬくもりになってきっとあなたを包んだのでしょう
だから また そんなぬくもりをあなたに届けたい
あなたが抱いてくれたようにそのぬくもりを届けたい
ママ
うたうように願う
あなたの健やかなる
輝けるこれからを
背広姿のおじさんは
年老いた母を労る
出来損ないだけれどあなたは言ってくれる
私の宝物と。
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次の言葉など
もう必要はない
ぼくはもう
大丈夫
ひとりきりでも
生きていける
それは強がりじゃない
やせ我慢でもない
それはこれからの生きていくための自分への誓い
たとえばそう気張って行くぜ
みたいな感じ。