詩人:どるとる | [投票][編集] |
もしも誰かにこの思いが伝わるなら
僕はきっと今までずっと黙ってた気持ちを全て伝えたいよ
失敗ばかりしてる僕だけど
完璧じゃないから
でこぼこしてるから
君に優しくできるんだ
三角お屋根にシャボン玉が飛ぶ夕暮れ
どこからか子供の声
夕暮れの帰り道は
つなぐ手もなければ
さみしい ポケットに入れた冷えた手が
かすかにふるえる
記憶という雪に
埋もれた白い思い出
誰かの意見なんて
無意味さ
全ては僕の気持ちひとつでどうにでもなる
夕暮れの帰り道
思わず寄り道したくなるけど まっすぐ家に帰ろう これといってやることもないけど
君が待っていてくれるなら
いつもの自転車でわが家に乗り付けよう。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
いろんなごたごたをかわしてやっとたどり着いた
真夜中のベッド
受話器の向こう側で
君が泣いている
泣き声さえあげずに
僕はそれを聞いてる
愛してるには愛してるけど 僕はいつも不器用です
だから時には君の悲しさをわかってあげられずに
いつの間にか君を傷つけてる
やっぱりわるいのは全部僕だったんだよね
低く唸るような
犬の鳴き声がする
時折 君が甘えるような声を出す
特別なことは何もしてあげられそうにない
素敵なプレゼントも
いつだって給料の範囲内で買える安いものばかり
誰よりもきっと誰よりも愛してる人は君だけなのに
不器用な僕だから
いつも言い訳を盾にしては 君の言い分を聞くふりして聞かないでいたんだね
やっぱりわるいのは全部僕だったんだよね
真夜中を優しくする街路灯の仄かな明かり 遠くなったり近くなったりして揺れてる
いつもいつでも頼りなくって申し訳ないですね
力不足と
不甲斐なさの
ちょうどまん中で
やればできるはずなのに怖じ気づいてばかりいるから
僕は中身から
腐っていくんだね
ベッドに身をあずけ
枕に意識を沈めれば夢は待たずとも始まる
羊が塀を飛び越える
やるせない夜
肩すかしにあうよな
そんなすっぽ抜けた
虚無感が僕を支配していく
ああ 僕の何がわるいんだろう?
気づけるなら今すぐ捨てるのに
疲れ果てた心には
もはや 探す元気さえなく
力不足と不甲斐なさのちょうどまん中で
ため息ともあくびともつかない
声をのみこむだけなのさ
君の背中が
涙で滲むまで
それは繰り返される
丸みを帯びたささやかな悪夢。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
遠い遠い日の記憶を
押し入れから引っ張り出した
アルバムのごとく思い出せば
ひとつやふたつくらいはほほえめるだけの楽しい記憶はある
されどその頃の記憶は雪に埋もれ
今はもう思い出せないくらい遠く遠く果てしない昔話
そこにいた僕も
ピースをして
笑っていた僕も
瓦礫の一番下
燃え尽きた記憶と
燃えカスがまだ
くすぶってる
悲しみも
切なさも
目をそらせば
ないも同じ
僕だけが知る
雨降りの記憶
故意に閉ざされた記憶
それは 忘れられぬ記憶
説明不可能な痛みとなって毎夜僕の心を突き刺すのだ。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
僕が君を愛してるっていうことは
とてもありふれたことだけど
そのわりには素敵なことでもあるんだ
わざわざ愛の言葉を言い交わしたりして
目が合えば 頬赤らめて
自称スマートに生きている僕はそれなりに幸せだよ
関係のない誰かさんにはどうでもいい
ことかもしれないけど忘れないで
ここにある平凡な暮らしがこんなにも僕らの心を穏やかにしてることを
悲しみの雨も上がり
空に虹が架かったら
出かけよう
退屈な暮らしを
輝かせるよな
素敵な場所へ
君とふたりで
行けば
どこへ行こうと
そこは極楽浄土
単細胞が救いさ
僕らの暮らしはこうして続きます
さらさら
流れる小川のように
おだやかな流れをたもったまま
それでもたまに塩気が混ざるのは
雨が心に降るから
生きているから
泥だらけのスニーカーが地図上に足跡をつける
さて、どこへ行こうか?
詩人:どるとる | [投票][編集] |
心に降る 雨はまだやまずに降り続く
繰り返される季節の中で鳴きやまない
蝉しぐれ
まるでそれは
覚めない夢を見ているような不思議な気分
涼しくなるのは
いつになるだろうか
風当たりの悪い部屋
人当たりの悪い会社
僕の居場所は少しもない
油断したら溶けてしまいそうな夏の暑さにあえぎながら
金魚のように口をだらしなくあけたまま
日陰から出られずにいるよ いつまでも
夏の夢はまだ僕を目覚めさせない
暑さはしばらく続く
忘れたころに消える
夏の暑さも こう続くといやにもなるね
手放せないうちわ
かけっぱなしのエアコン
寝苦しい夏の夜
それは全て夏の夢
過ぎてしまえば幻
だけれど今はリアルよりリアルすぎる夢
僕は早く この暑さが消えてくれるのを待つ。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
なんでも他人のせいにしてしまえば
簡単で手っ取り早いけど
たまには自分の悪かったところ振り返ってみれば案外悪いのは僕かもしれない
散々走り回って
たどり着いた夜の片隅
逃げ場所がふさがれたような 行き場のない気持ちでベッドに倒れ込む
孤独 黄昏
欠けた月
それと誰かが安易に言い放つ言葉
さよなら
僕がずっと探してるものはなんだろう
僕が見つけたいものはなんだろう
さがしてもさがしても見つからないものはなんだろう
色も形も手触りも
何もわからないもの
だけれど確かに
探してる
意識の外側で
今も見つからない
さがしもの
並木道に影を落として
昨日歩いた道と同じこの道をたどって
僕はまた軌跡を追うように 名前のないさがしものを探している
少しだけ心を萎えさせる風に絶えず吹かれて。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
月曜日の夜はテレビを見ながら笑い
火曜日の夜はまあそれとなく過ごすだけ
水曜日の夜は君の笑顔を見ていたい
木曜日の夜は漫画を読みふけるだろう
金曜日の夜は明日休みなのをいいことに夜通し君とお喋り
一週間は長くって
嫌になるけれど
回る 回る 目も回る
めまぐるしい時間のメリーゴーランド
ほっとするのもつかの間また一週間は始まる
同じようなことを繰り返しては
同じようなことで泣いて 笑って
涙に濡れた頬が
乾いても
また悲しいことがあればすぐに元通り
心に雨が降り出す
かばう傘もない
幸せなのか 不幸せなのか
ここにある平穏
そして怠慢
愚かしい僕が築き上げたちっぽけな根城
主は情けない面で
言い訳ばかり重ねて
大人になるのをひたすら嫌がってる
ネバーランドに憧れて 心はまだ子供のまま ゼンマイ仕掛けのおもちゃ
誰かに背中を押されなくちゃ動けないような人
だけれど君が いつもそばにいてくれるから
僕は今日も何ら変わりなく元気で健やかにいられるんだ
ここにある平穏
そこにある退屈
僕が生まれる前の
空白の記憶
とりあえず僕は
生きている
一週間ずっと
不思議な魔法にかかっているように
思い出してはまた忘れて
繰り返す 一週間というストーリー
あらすじは未定です
何が起こるかわからない
でもだいたいは同じだ
ここに僕がいて
そこに君がいて
ふたりで育ててる
鉢植えがあって
空を見上げたら
青空が広がってる
そんなような
当たり前な世界が
ただ あるだけ
偶然という
曖昧な言葉の下
いつしか
僕は運命という
ありもしないような
素敵なロマンを
心に羽織らせていた
物語は中盤にさえさしかかってやいない
まだ僕は若い
人生をあきらめるにはまだ早すぎるさ
だからチャンスが踊る一週間が僕にはある
本のページを開くようにまぶたを開ければ ほらね。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
電線にカラスが群れるように一列に並んでる
日はのびて夕暮れは6時過ぎには夕闇にのまれた
街灯がぽつりぽつり灯りはじめたら
切なさが溢れ出す
今僕ができることはなんだろう
考えるまもなく
夜は来る 窓越しに月が見える
たいしたことは何もできずにただ
いつものように
守備よく 過ごしていただけ
なるべくもめ事には関わらないように
なるべく争い事は避けて 歩いていた
みょうに媚びへつらい愛想笑いで片付けた
ああため息が煙って窓を曇らせたら窓にうつる僕が流す涙をうまく隠せた
とある夜の片隅で
僕はどこまでも嘘つきで悲しいことさえ笑い話にした
でもほほに残る涙のあとが物語る本当の気持ち
答は闇夜に浮かぶ
月ほど明らかだ
言い逃れは出来ぬ
作り笑いも甚だしい。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
きれいごとはやめなさい
目が座ってないぜ
ため息をつくたびに
心に夜が訪れる
泣いてしまう理由は見当たらない
秋がほらね
僕の瞳に
その横顔を
見せているから
もう少しで
涼しくなるかな
秋来たる時
僕はセンチメンタルな気持ちで並木道を歩くかな
ポケットを探って
たまたま出てきた
あめ玉を 舐めながら週末の予定を立てるかな
半袖にはまだ
汗がにじむけど
夜は涼しい
日はいくらか短くなって
秋の風
頬をかすめ
坂道をくだる
バスに乗り
鳴きやむ蝉の声
夜には鈴虫の合唱
蛙のアンサンブル
9月のバラード。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
歩き出すのは苦手さ
だから僕はチャンスを待つ 気長に待つ
朝も夜もずっと待っている
背中で浴びた陽射しが心をあたためて
夜の涼しい風が心を洗う
イメージは繊細な人
だけれど本当はとても愚かしい人
風見鶏が回るように
風が吹くその時を待つのが僕だから
夜明けを遠目に映しながら 僕はチャンスを待つ 気長に待つ
いつまででも
そこにある波が動き出したら 物語は始まる。