詩人:どるとる | [投票][編集] |
ただそばにいるだけで何もできない
時々交わす言葉もむなしい
ケンカはないけど
それもまた悲しい
僕らの愛はどこに消えてしまった?
あんなに愛し合っていた昔は幻なのでしょうか?
僕はわからなくなる
何もかも
さよならってそれだけですべてがすむなら
僕はこんな気持ちにはならないだろうね
君を愛していた
君に愛されていた
遠い日の記憶
今さら恋しくなる
胸の中の望遠鏡
どこまでものばして
君の笑顔をのぞいた
その時涙が肌を伝う
遠望の彼方
たしかな幸せがあった。
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いつもの帰り道
空にはお月さま
道の両端に規則正しく並んだ街路灯
誰かが置いていった切なさ
ため息を束ねて
ゴミ箱に捨てたい
吐き出したぶんだけ
心に重くのしかかる
人目を避けるように
掛けたサングラスに映りこむ街並み
夕日が切なく見えたらその日の夜は悲しい
どうしょうもなくあふれる涙で土砂降りでしょう
ちいさな星さえも輝けぬ僕の心の中
明けない夜がおりてくる
9月ももうすぐ半ば
センチメンタルに染まってゆく街並み
この切なさ
どうにかならないかな
お粗末な油絵の中
つづいていく物語
主人公さえいない
頼りないストーリー
今日もただ朝が来て
そして気づけば夜がそこにある
危機迫る現状に
逃げ惑うだけで
手一杯の日常
救われない風景の中でもがきつづける僕は見た目だけならロダンの考えるひと。
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昨日のことは忘れて
今日は今日のことを考えよう
朝はとうに過ぎて
夜にもなれば
静かな部屋でひとりで本を読むのさ
窓から見える三日月が輝いて 切ない光をこの部屋に届ける
どんなに悲しくても
悲しいからこそ
言ってみよう
明日は明日の風が吹くってさ
僕は案外脳天気
それでいて案外落ち込みやすいのさ
だから だから
いっそ脳天気に
生きていこうぜ。
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悲しいことも多い
こんな世の中だけど
生きてさえいれば
いいこともあるのさ
暗い顔していても
立ち直れずにいても
歩き出さなくちゃ
何もはじまらない
だからとりあえずは
歩き出してみよう
今日もあっという間に日はとっぷり暮れて
日が短くなったのかな
6時ごろには真っ暗になった
電柱が並んでる
影も見えないくらい
暗い夜
そんなとき灯りになるのは
優しい人の優しい言葉
なんだかんだいってもわかってるはずだよ
言い訳重ねても心のどこかではわかってるはずだよ
この人生は一度きりの長い長い旅だってこと
目的地にたどり着いてしまえば二度とははじまらない
続きのないストーリーだってこと
落ちた涙が
つめたいアスファルトに
はじけて消えた
その一瞬が
ただどこまでも積み重なっただけの
遠まわしな繰り返しの中で
ずいぶん時間を無駄遣いしてるのは
昔からわかっているけども
何ひとつ
打開策は無いと
言い訳を延々と繰り返すだけ
さあ また1日がはじまる
僕のつまらない詩のような
色味も味気もない
続きのないストーリー
季節のページが少しずつめくられて
そしてこの街が白い雪に覆われるころ
僕は何かひとつでも見つけられるかな
たとえば迷路から抜け出すすべだとか
悲しすぎて もう
何が悲しいのか
わからなくなる位
淡色ストーリー
溶けてはにじんで
傷の痛みも通り越して ただ悲しみに変わる
なんだかんだいってもわかってるはずだよ
言い訳重ねても心のどこかではわかってるはずだよ
この人生は一度きりの長い長い旅だってこと
目的地にたどり着いてしまえば二度とははじまらない
続きのないストーリーだってこと
電柱が並んでる
影も見えないくらい
暗い夜
そんなとき灯りになるのは
やっぱり大好きな自分だけ
心の水面に波紋が生まれる
調和の乱れた不規則なリズム
光と影のしま模様。
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きれいな長い黒髪
栗色の瞳と
適度に長いまつげ
僕より年上のレディ
いつも窓から眺めてる
視線奪われ見とれてしまう
胸が胸がむしょうに痛い
晴れた日も雨の日も
あなたはベランダで
本を読んでる
少し病弱なのかな
ベッドから流れる景色を見つめてる
時々目が合うと照れる
名前も知らないけど
いつからそこに住んでるのかわからないけど
いつの間にか
そこにいて
いつの間にか
越していった
主をなくした部屋あなたのいなくなった
空っぽの部屋には
殺風景の白い壁と窓があるだけ
言えなかった
お話もできなかった
名前も聞けなかった
窓際の彼女
君の越した数年後にはまた新しく越してきた家族があの素敵な窓のある部屋を物置にしたよ
だからここから見えるのは大きな棚の背中
君のあの笑顔が
今も鮮やかなまでに心の瞳にうつる
僕は泣きたくなった。
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並木道に吹く風が冷たくなったら
半袖にさよならする日が来る
主人公にはなれないけど大根役者よりはマシだよね
風がぜんぶさらっていった 思い出もすべて 風の中
過ぎ去った時間の見えない影が揺れているだけなのさ。
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悲しいことがある
うれしいこともある
それが当たり前なのか特別なことなのか
曖昧な視点から眺めてる 空よりも高い雲の上から
朝が来て 夜になって
夢を見て 目が覚めて
また夜になって
また朝が来て
繰り返す 毎日
こぼれた涙も
浮かべた笑顔も
その時だけは鮮やか
過ぎ去ればすべて幻
金色に光る 月夜
誰かの帰り道を照らす
月が落とす光が道になって それをたどればそれぞれの家に帰れる
さあ 少しずつ少しずつ深まる季節の色を
感じながら 想いながら 歩いてゆこう
帰り道は切ないものだから
鼻歌などをうたいながらゆこう
明日の出来事を思い描く 勝手なイメージがみょうに広がってゆく
絶望的なシナリオをうまくよけて希望に満ちた夜明けを待つ僕なのさ
さあ 黄金の夜明けよ
僕の心に広がる
明けない夜を終わらせて
そのまばゆいばかりの光で照らして
悲しいことも
うれしいことも
僕がここにいるかぎり
こちらの思うようにはならない
だけれど悲しいことがある うれしいこともある
だから生きてる
ここで何度でも
夜明けを待ち
無謀な期待も膨らませるよ
それはただ 一概に
僕が生きているから
夜明けの珈琲
淹れたての渋さ
深みのあるコクと味わい
至福の時にもてあます心の余白はないから
悲しみの入り込む
隙はないぜ。
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さよならっていってるみたいに 並木道を風が吹き抜ける
風の帰る場所はやっぱり同じ風の中
ポケットをさぐれば
色違いのビー玉が二、三個手の中で転がる
少しつめたい
誰かの背中が切なさをはらんでる
黄昏色の夕空が輝く
胸を突き刺すこの痛みには名前さえないけど
もしも名付けるなら
なんて名付けようかな
思いもつかないな
夕暮れ並木道
僕はただひとり
色あせたベンチに座り 目をとじるのさ
僕もさよならっていうように風の中に消える
単純なストーリー
ただそれだけの物語
さえないあらすじ
だけれど素敵な物語
手を振るまもなく
終わってしまうよ
夕日の背中が見えなくなるまでお別れをしよう
夕暮れ並木道
風が吹き抜けた
あとにはただ
名前のない切なさが
忘れ物みたいに
残ってるだけだよ
雨上がりにも似た
澄み渡った景色
無意味なものは
なにもない。
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いつもそばにいて
その気になればなんでもできるのに
僕はただあなたの背中を見つめるだけ
何かしようとするけどいざって時にかぎって何も思いつかないんだよ
君は優しいから
見返りなんて気にしないけど
その笑顔の裏にはきっと見せられないほどの涙があるはず
僕だってやっぱり
優しさをもらうばかりじゃもういられないよ
だから時間かけても探してみせるよ
僕だからこそ
君にできることを
一緒に笑いあったり
時には泣きあったり
同じ時間を過ごす中で同じ気持ちになれる喜び感じながら
いつもそばにいるなら できることはすぐに見つかるはずだ
何も特別なことじゃなくてもいいはず
たとえばあなたがしてくれるような気配りだっていい
ありがとうって笑ってくれればそれが何よりの宝物だよ
だから僕はいつも君のそばにいたい
繰り返す毎日の中で少しずつでも
優しさとかぬくもりを分けあえるなら
僕は幸せさ
あなたと見る景色ならばどんなありふれた景色でも素敵に見える
ほら今目の前で沈む夕日にしたって
何より素敵な景色のひとつだよ
たとえば僕に何かひとつでも君にできること あるならば
死ぬまでずっと
僕が君のそばにいて
片っ端から思いつくことをしてあげるだけでもいいよね
そばにいて話を聞くだけでもそれは立派な 僕が君にできること
誰でもいいわけじゃない
僕だからできること
怒らないで 嫌な顔しないで 君の言いたいこと 素直に吐き出してくれるなら
真夜中だって朝早くたって話を聞くから
言いたいことがあるなら
言ってほしい
それだけでも僕が君にできること
一緒にいる意味なんてそれでたやすく果たされる
君が笑ってくれるなら。
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言葉にできない夜は何も言えない
吐き出したため息が風に流されどこかに消えてゆく
こぼれ落ちる涙のそのわけは僕だけが知る僕だけにはわかってもらえること
でも見過ごしていいものでもないはずだろう
ひとりぼっち 夜の片隅 電柱の影の上たたずめば
何か見えてくるかな
暗闇の向こうに輝く星のような光が
とめどなく 絶え間なく流れてゆく時間
きりもなく 終わりなくめくられていく季節のページ
僕だけが置き去りのまま 冬が過ぎたのにいまだ来ぬ春
春はまだ遠いよ
僕はここにいるよ
夢か幻か 五番目の季節
木枯らしが吹きすさぶ最果ての地
ありもしない
生きる意味を
探してしまう人
行き場を失った旅人が最後にたどり着く場所
やまない雨が
降り続いてる
傘のない人は皆
否応なしに
濡れてしまう
月が輝く真夜中に
誰かが人知れず涙を流していても誰もそれを知らない
とめどなく 絶え間なく流れてゆく時間
きりもなく 終わりなくめくられていく季節のページ
僕だけが置き去りのまま 冬が過ぎたのにいまだ来ぬ春
春はまだ遠いよ
僕はここにいるよ
夢か幻か 五番目の季節
木枯らしが吹きすさぶ最果ての地
生きる意味なんて
自分で探すほかにはない
生まれた時から意味なんて最初からないのさ だから決めるのさ
自分が
言葉にできない夜は何もできなくていい
いつもより早く寝てしまえばいいのさ
たどり着いた真夜中のような暗い未来で
僕は何を探してるんだ?何を見つけたいんだろう?
教えてくれる人はいるわけもない
僕が探す以外無い
吐き出されたため息のような僕が
流れ着いたのは
暗い暗い夜の片隅
とめどなく 絶え間なく流れてゆく時間
また季節のページはめくられて はじまりがひそやかにはじまる
新しい風が吹く
さあ 歩き出そう
夜を抜け出して
夜明けが来たら
旅立とう。