詩人:どるとる | [投票][編集] |
道化師みたいに
嘘で固めた
つくり笑い浮かべても
何も楽しくなんかないや
だから
さようなら
消えてく
今日という時間に
幻を重ねて
永遠にさようなら
人ごみに逃げても
どこへ逃げても
逃げきれないさ
悲しみからは
気づけばいつも
そこにあって
僕を包み込む
おだやかな優しさや
芯まで凍るような冷たい雨
僕は、何を探してるんだろう
僕は、何を求めてるんだろう
僕は、何がしたいのだろう
僕は、何が欲しいのだろう
何ひとつわからないのにみんな旅人なんだよ
今まで歩いてきた日々はなんの意味合いもありそうにないけどまるっきり無意味ってことは無いはずと思うからね
今日も探してるんだ
形も名前も色さえもわからない
見えない何かを
さわれない何かを
旅人は探してるんだよ
みんな探してるんだよ
長い長い旅の中で
生まれた時から
みんな旅人なんだよ
誰ひとり旅人じゃない人なんか居ないんだよ。
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あなたには喜びが見えますか?
何気ない日常に隠された幸せが見えますか?
くだらない噂話や
ありもしない嘘に
根拠は無いから
信じる事はできない
交通事故で死んだ
あの子だって
馬鹿な親に殺された
あの子だって
きっともっと
生きたかった筈だから
おまえの願いは
くだらないから
しまいなさい
欲望ほどくだらないものはないから
もっと大切なもの
見える目を養いなさい
半分死んでいるような目をしたおまえの
目には理不尽な最期をむかえた人たちの悲しみなどわからないだろう?
だから おまえは生きなきゃだめなんだ
もっと苦しいことも
悲しいことだって乗り越えて
今が退屈だとほざくだけの力があるなら
それは幸せだという証なんだ
腐ってるのは
世の中じゃなく
おまえの考え方だよ
死んだあの子たちが言う「僕が見えますか?」
僕は言うのさ
歩き出せない
人たちよりずっと
存在感は鮮やかだと
生きている光を失ったら 生きていても
見えないのさ
もうかえらないあの子たちの未来と夢を
背負う誰かはいないから きっと永遠に報われはしないけど
忘れないでいたいんだ
君たちの見た光を
君たちがいたころのこの世界の匂いを
僕は見えなくなった
生きているのにおかしいね
君は死んでいるのに
僕なんかより見えてるのにね
僕は死んだ人より
存在感が無いのだろうか
「僕が見えますか?」
君はここにいるけど
ただいるだけで
生きてるというなら
それは間違いだよ
生きてるというなら
死んだ人みたいに
気配を消して生きるなよ
君が立ち上がったその時 僕の視界には君が映るから
どうか君が生き返ってくれるのを待つよ
だから今は僕の目には君が見えない
君は自分の人生と向き合えていないから
君は自分自身を殺しているから
見えるわけもないさ。
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肥え太った
欲望食い過ぎた
腹をこわした
11月の終わり
見栄を切った
願望薄すぎた
夢を失くした
秋の終わり
今、並木道の木々の葉が散る
寒空にかすかな雪の気配。
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あなたは生きていて
楽しいですか?
あなたは生まれてきて良かったですか?
あなたはこれからも生きてゆくのですか?
生きていくことには後ろ向きで
それでも死にたいとは思わなくて
生きていて楽しいことは特にはないけど
死んでいいこともないと思うのです
星の数ほど 居る人の中で人は光と影を身にまとって生きていくのが宿命だから
今日も悲しいことや嬉しいことは生きている人におとずれるのでしょう
だから僕はたずねられるまでもなく
生きていくことにも
生きていることにも
生まれたことにも
なんの不満もなければ
なんの願いもないのさ
ただ悲しいというだけで
だだ嬉しいというだけで
世界は光にも満ち
世界は影にも覆われ
僕らはそのたびに
生きていることを
悔やみまた喜ぶから
きりのないその繰り返しの中で御託並べるよりも生き続けることを大事にしたい
ここにいることの悲しさや
ここにいることの嬉しさを
誰かに伝えるように
自分に言い聞かすように
今日も明日も僕はきっと生き続けているでしょう
死ぬ理由もなければ
死にたいと思う根拠もなにもないから
僕は生きていくだけ
僕は生きているだけ
そして生き続けてくだけだ
時に悲しく
時に嬉しい
そんな感情を
見えない
手のひらで
転がしながら
今という一瞬を
どれだけ味わうか
それだけに
意識を集め
思ってる
感じてる
目に見える全て
耳に入る全て
思い当たる全て
光と影に生かされて
そして
光と影に蹴り飛ばされて
愛すべき全て
憎むべき全てに
見放された時
僕は死に目を見るでしょう
その日までどうか
お元気で
君も僕も
それぞれの時間を
生きていこう
歳をとってもう何もかも取り返せなくなるころ振り返って
悔やむことの無いような「いい人生」を願っています
生の実感に満ちた今日も君の知る僕でいるから。
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ここは笑うことを忘れた笑顔のない街
表情のない丘で
聞こえるのは
かすかな風の音
虚無感に満ち溢れた毎日よ
何を楽しみに
生きているの?
さあ 君の目の前に広がってる道を歩いていこう
君の歩幅と速度で
歩いていけばいい
笑顔の無い街なら
笑顔に満ちた
街へと逃げればいい
生まれたふるさとは
捨てて
親にも夢にも
めぐまれないなら
探しに行こう
風のように旅立とう
心のペダルを踏んで。
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朝は夜の腹の中へ
万事吸い込まれて
暗闇に閉ざされる街
真っ赤な空が
だんだん暗くなる
人の声も姿も消える
「さよなら、バイバイ、また明日会おう」
そんな声でつなぎ止めたつもりさ
僕はひとりぼっちだから 会う人もいないし
約束を交わす人もいないんだ
ひとりぼっち
吹けもしない
口笛を吹き鳴らしたつもり
涙のかわりに
口笛を吹いて
さよならのかわりに
口笛を吹いて
ピューピューって僕は自分に
果ては世界に
何もない空に
口笛を吹く
切なさは死ぬまで
燃えきらないさ
この胸の中で
くすぶり続ける残り火。
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あの窓の向こうには
たくさんの花が咲き乱れ 甘い香りに満ちている
この窓の向こうにはたくさんの人がいてそれぞれの生活がある
君の部屋の窓からは何が見えますか?
四角い窓の向こうには何が見えますか?
そっと教えてくださいな。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
僕は何も知らない
自分の名前さえ知らない
自分の住んでる街の名前さえ知らない
名前の無い花だから
名前の無い空だから
名前の無い家だから
名前の無い石だから
僕も最初は名前なんて無かったんだ
僕を生んでくれた人がつけてくれる前は名無しだったんだ
でも名前をもらってから僕は名前を持った
名前を持たない物たちは名前で呼ばれることはない
同じ花も同じ草も
ひとつの名前でしかないから
その花の名前はその花の名前であってその花の名前では無い
ひとつしかない空だって
空を流れる星だって
浮かんでる雲だって
その物の名前はあってもちゃんとした名前は無い
だから名無しさ
名前の無い何かを名前で呼ぶ時
僕はその物の名前を呼ぶけど同じ物なら
同じ名前で呼ぶから
指を指さなければどっちかわからないね
名前の無い命にもしも名前をつけてあげたら素晴らしいのに
花は花で
空は空で
石は石で
そして人は人で
名前が無ければ
見た目でしか判断できない世界
君の名前はなんていうんだい?
名前は無いんだ…
それじゃ悲しいね
だから名前をつけてあげましょう
素敵な名前を
名前の無い命に。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
この世界でいちばん
安全な場所はどこですか?
この世界でいちばん
住みよい場所はどこですか?
そんなことを聞かれても
僕にはこの街以外わからない
この世界でいちばん
素敵な街はどこですか?
この世界でいちばん空気のきれいなとこはどこですか?
それは僕の街です
僕の街しか知らない
僕にはここしかわからない
空気もそれなりにきれいだし
自然もたくさんある
そして何より人は優しくて仕事もたくさんあるから
きっとここがいちばんいい街です
そんな悲しい嘘は見え見えさ
見ればわかるだろう?
ここはあなたが求めるような街じゃない
微笑みも無ければ
涙も流れない
空虚だけがただよう
忘れ去られた街さ
旅人よ
この街には
あなたの知る幸福は無い
あなたを癒やす花は無い
顔は仮面で隠せても
心までは隠さない
君は何者なの?
僕の生まれた街は
大好きだけど
全部が好きってわけじゃないのさ
だから旅に出る
まだ知らない場所へ
僕の知らない
景色をたずねて
走り出すよ
僕の街に手を振って。
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始まりは突然訪れたんだよ
僕が生まれたこの街の中で
目を開いたらそこはまばゆい世界だった
この街にゃどうやら昼と夜があり
大人は働かなきゃ金ももらえない
悲しくても
さびしくても
人は今日も
1日が始まりゃ
働き
そして日が暮れりゃ
静かに家に帰る
もう何度も繰り返した
過ちも失敗も
明日になれば帳消し
始まりと終わりを絶えず繰り返すこの街には最初から時間の概念なんてあるようで無かったようで
今日もただ
血眼で
働き続ける街
そして夜は来て
人は眠るだけ
生まれたことを
今更悔やんでも
遅いね 遅いね
神様を怨んでも
運命を呪っても
始まりはとうに過ぎ
僕はあとは終わるのを待つだけだ。