詩人:どるとる | [投票][編集] |
だらしない部屋に
散らかってる雑誌蹴飛ばして
適当に並べ立てた言い訳を鞄に詰めてまた僕は啖呵きって
身勝手な自我を通した
もともと僕は何のやる気もない無気力な人間なんです
明日の予定なんてめったに決めないし
通常風まかせ 運まかせ
自由もいいとこ
僕の名前はミスターナマケモノ
暢気にあくびしながら
晴れ渡った空の下を我が物顔で歩く
でも隠し持った爪は意外に鋭い
未来を期待させるような未知の力で
いくらだって
いくらだって
これから光り輝くダイヤの原石だ。
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本当は僕だって独りじゃさみしくて
本当は僕だって誰かと笑い合いたい
だけれど目の前にいつもそびえ立ってる
僕にしか見えない
孤独という壁を
乗り越える
勇気がないだけさ
遠くのほうでかすかに見える灯りは
希望というにはとても小さすぎて
ため息くらいしか
出ないのです
僕は今 僕のために何をすべきで
僕は明日、僕のために何をしていけばいい?
自分のことさえ
まともにわからない
思考という名の迷路の中で絶え間なく
出口を探す日々
無意味とも思えてしまう時間が積み木のようにどこまでも積み重なってゆくだけ
鏡に映る僕に今夜も話しかけるよ
ねえ なぜ僕は泣いているのかい?
ねえ 何がそんなに悲しいのかい?
支障がないなら話してごらんよ
話せるのならば話したほうが楽だよ
孤独な僕には自分だけが話し相手だ
眠れない理由なら
いくらだって思い当たるから 今夜も眠れなくたって何も不思議には思わないけど
涙は別物さ
よっぽどじゃないかぎり流れないもの
涙の理由は
悲しいからじゃないさ
その理由さえわからないことが胸にくるんだ
涙の理由さえ
わからない僕は
ただあふれる涙を
抑えきれず
戸惑うばかり
それなのにね救いの光は
今もなお乏しいな
自分さえ良ければ
それでいいなんて
思う人たちの群の中
自分を守ることも
うまくできない僕にできるのはただ
きりもなく涙を流すことだけ
つめたい世界に
今日もなすすべもなく僕はしてやられる。
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この声は届いていますか?
あなたの心に
闇の向こうへも伝わるように
夜の静けさをじゃましないように
少しだけ空気をふるわすような
そよ風のような唄を唄う
今日はあなたにとってどんな日だった?
悲しかったこと
うれしかったこと
聞かせてよ
聞いてほしいよ
悲しかったね
うれしかったね
同じ時間を過ごせる喜び
少し離れただけで感じるさびしさ
君の知らない
僕の一日を君に
話してあげたい
そして
僕の知らない
君の一日を僕に
話してほしいよ
悲しみも喜びもこの歌声も
夜に沈んでいくよ
包み込むような夜風が心地いいから
苛つくことがあっても怒る気にもならないね
明日は僕にとってどんな日になるかな
泣いちゃうかな
笑っちゃうかな
楽しみだけど
不安なんだ
悲しいような
嬉しいような
不思議な響きさ
僕の心をふるわせる
メロディー
静かな夜に奏でられる唄
悲しかったな
嬉しかったな
同じ時間を過ごした分
束の間離れた時さびしさは増す
君の知らない
僕の一日を君に
話してあげたい
そして
僕の知らない
君の一日を僕に
話してほしいよ
悲しかったこと
うれしかったこと
いやだったこと
笑っちゃうような
くだらないこと
その全てはまるで僕の知らない君が詰め込まれてるおもちゃ箱
ふたを開ければ
たくさんのきらめく
一日が僕の心にあふれるよ
だから聞かせて
悲しかったことも
うれしかったことも
無理に隠そうとせずに開けっぴろげて
話してごらん
何ができるかは
それから考えるから
聞かせてよ
僕の知らない君の一日を
そして
聞いてよね
君の知らない僕の一日を。
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ありがとうの一言で救われることがある
ありがとうの一言で
報われるときがある
いろんな人たちに
今日も助けられて
いろんな人たちに
時には傷つけられて
罪のなすり合いは醜いからいっそ僕から謝るけど 不本意だ
それでもあなたという理解者の隣で笑いあうときだけは優しい気持ちになれるんだ
時には悲しいのが人生だけれど
悲しいことばかりじゃないのも人生だ
愛してるの一言で
救われることがある
愛してるの一言で
報われるときがある
どんなに疲れ果てても愛が癒してくれたなら傷跡なんて忘れたように笑えるから不思議だね
たくさんのありがとうが積み重なって
僕の中で
そして
君の中で
あったかい
ぬくもりに変わる
それは言葉じゃ言えない気持ちだから
泣きたいときも
眠れない夜だって
きっと心ではわかってる 素直になれないとき僕を抱きしめてくれる 迷いのない愛に
ありがとうの一言は
僕を救ってくれる
ありがとうの一言が
僕の努力の賜物
今、素直にやっと
言えるよ
ありがとう
そして
愛してる
世界中に咲いてる
笑顔も涙も
ありがとうとつぶやけばそれは何よりあったかい気持ちに変わる
悲しいときも
眠れない夜も
ひとりぼっちの帰り道も
渋滞してる道を横目に僕は空を見上げた拍子に 一番星を見つけたよ
どうでもいいことだけど君にも見せたいな
そう思う今日にも
僕は言うんだ
ありがとう…
自転車はまっすぐに
君の待つ家へ
向かっていく
車輪は軽快に回る
時の流れのように。
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さよならのない国には
別れることで生まれる悲しみは無い
さよならのない国には
出会えることで感じる喜びはありふれている
さよならのない国の住人たちはさよならする悲しさを知らないから
出会える喜びの尊さも知らないのです
さよならがあるから出会える喜びがある
さよならがなければ
出会える喜びは無い
いつかさよならするから一緒にいる時間を大切にできる
あなたとはもう
多分それきりだから
さよならのない国に生まれなくて良かった
さよならは悲しいけど出会える喜びが無い国ならば
そのほうが寂しすぎるから。
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夢の中に沈んでも
眠れてないような
そんな気がしてさ
ちっとも安らげない
忙しくもないのになあ
急かされるように
流れていく時間の速さに戸惑いながらいつも
あれ、もう終わっちゃった
あれ、もうこんな時間ですか
まだ、終わらないのかなあ
まだ、こんなしか経ってないのかな
そんな時の中で
僕は走ったり
歩いたり
繰り返して
やっと家の布団の上でバタンキューできるんだ
そしてまた朝になって一日は繰り返される
しかるべき時の上に
降り積もる時の砂
経てば経つほど
人の一生は
重みを増していく
その圧力で押しつぶされないように
人はたまに背負ってる時間の重みを捨てに行くよ
今日も僕は時をいくつも背負いながら
よたよた 歩いてる。
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春夏秋冬
一周めぐってはまた同じとこに戻ってくるローテーション
春がはじまりの季節なら冬は終わりの季節かな
そんな順番さえどうでもよくなるほどに
時間が経つのは早いものです
ポケットに手を入れて寒さを少しでも和らげようとしても
心まではコートを着てもマフラー手袋着けてもあたたまらない
暑い夏も寒い冬も
あたたかい春も
過ぎ去った季節は
なごりを残していく
置きみやげのように
心に切なさを残していく
さよなら 手を振った季節の終わりも
悲しみだけは残り続けて僕の中では降り止まない雨が降り注ぎ
時折、過ぎ去った季節の色を僕に見せるのです
季節はなごりを残して
その思い出の深さを
伝える
誰の心にもある
小さな記憶をしまうポケットにたくさんの涙、笑顔を刻みつけて
降り止まない雨にまぶた閉じる
現実はブラウザに埋もれ
モザイクの砂嵐
思い出せるのは
楽しかったことより
悲しかったこと
だけれど
悲しみの影には
僕の素敵な笑顔が光っていたんだ
そして今日も
ポケットの中に
思い出がひとつ増えて
またひとつ忘れてく
そして僕は忘れたぶんだけ大人になれる
誰かを心から思える優しい大人に。
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舞い落ちる枯れ葉
色あせ そして
季節は動き出す
出発の合図なんて
塵ほども聞こえないけど
僕は知っているんだ
ここからはじまり
そして
ここで終わること
裸になった木々が
雪で埋もれれば
まるで
服を着たみたく
見えるんだ
ここははじまりの場所
そして終わりの場所
枯れ葉が舞い落ちるようにそれははかなく終わってゆく物語
ページを捲るように
ページを送るように
それは繰り返される
はじまっては終わる日々の川
その流れ
けっして緩やかじゃないけれど
それでいいんだ
そんな気がするから
僕は並木道
帰り道の途中
目を伏せて
小さく手を振るんだ
さよならの場所に
人と人が出会うように
人と人が別れるように
はじまりの場所は
終わりの場所になる
その時が来てしまえば
だから暑さも彼岸まで
寒さもきっと
忘れたころに和らぎ
やがて過ぎ去った季節をしのぶのさ
暑さを呪い
寒さを呪い
振り返れば
結局名残惜しくて
涙を流すんだ
たとえば
冬の道の途中
白い息を吐いて
歩いてる今も
やがて
あとから考えりゃ
寒いけど
楽しかった
そんなふうに
人は振り返りぎわ
遠く思い出す
ヶの季節。
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この歳になって
お母さんのこと
ママ!って呼ぶのは
恥ずかしくもあるけれど
僕のお母さんは
お母さんっていうよりもやっぱりママって感じなんだよね
いつも傍にいてくれてさり気ないように僕を確かに見つめている
その小さな背丈よりずっと大きな大きな愛で僕の言いたいこと思ってること簡単に読み取って
包み込んでしまうよ
叱られてもなんだかあたたかいね
叱られたあとの優しさがまたにくいね
だからこそあなたは僕のママなんだよ
だからこそ僕はあなたの子供なんだよ
生まれてきて良かった
あなたの子供で良かった
あなたがいつかお腹を痛めて生んでくれたあの日の喜び
そして今ここにいる喜び 感じながら
僕は今日もあなたに返しきれない感謝の気持ちをさり気なくこっそり唄にしちゃうのさ
でも、いつかあなたと別れる日が来ることは確かみたいだから
子供みたいに
僕は涙流して泣いちゃうけど
あなたが生きているうちに精一杯傍にいて甘えて じゃれて
迷惑をかけまくる
そしてたまにはなれない孝行したりするのね
口では乱暴言っても
きっときっと心ではわかってるのさ
僕らは親子だから
いうなれば雛に厳しくあたるのは親鳥のつとめ
そう思えばあなたのたまの平手も愛しい痛みなんだよ
ママ!
ママ!
僕のママ
いい響きさ
何度だって
そう何遍だって
僕は言うのさ
僕は本当は
幼い頃のほうが良かったよ
だって今よりずっと甘えられたから
大人になっちゃって一番悲しいことは
ママって呼べないこと
でも忘れないよ
あなたがくれたぬくもり
教えられたようなことも多分ほとんど
破りまくってきたけど僕は思うのさ
あなたがママで本当に本当に良かったって
だってあなたがママじゃなかったらきっと僕はこんなに強くなれなかったよ
こんなに優しくなれなかったよ
それも全部あなたに似たからかな
これが僕のママの唄。
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あとから思えば
何もかも
素晴らしかったね
特別なものや
物価的な価値あるものはないけど
家族がいて
家があって
寝る場所があって
三食食べられて
衣服も揃って
僕は幸せ
人は欲張りだから
普通以上
それ以上
いつも求めるけど
僕は気づいたよ
遅いかもしれないけど
心の中に幸せはあるものだって
まぶた閉じりゃ
果てしなく広がる
幸福という名の風景
気づいた人はみんな幸せ。