詩人:どるとる | [投票][編集] |
昨日から帰ってきました 今日という家まで
遠い過去から帰ってきました 現在という家まで
こうして目を閉じるとまぶたの裏に浮かび上がる 思い出という記憶が光る
どこからの帰り道だろう?
僕はいつか帰路をたどります
死という名のはじまりの旅へ旅立ちますす
それはすなわち人生のかえりみち
誰もがたどる道です
さあ帰ろう
今日も帰ろう
悲しみはあるけど
いらない心配は
道端に置き去りにして
さあ帰ろう
家に帰ろう
先のことよりも
今を見つめるのだ
それはすなわち生きるコツです
さあ行こう
帰ろう
人生から
人生へと
今日から明日へ飛び移るように
僕は行っては帰る
旅の途中。
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あてどない旅だ
行き先なんか知らない
明日の予定など
面倒だからわざわざ立てない
雲行きはいつも
あやしいけれど
いちいちこわがりもせずに
僕は今と向き合ってつもりだよ
手のひらで隠した
悲しみの大きさは手のひらの隙間からこぼれる
隠しきれない涙が克明に物語る
宛のない航路
気まぐれに進路を変えてはまた逆戻り
白い帆は少しずつ
時を重ねるごとに汚れてゆく
そして
孤独という名前の宇宙の中で僕は叫びつづけるのさ
救いなどという大げさなものじゃないけど
僕にしかわからない痛みがはたして君にわかるのかな
でも君が見せてくれる優しい笑顔は僕の最後の光
どんな闇に手招きされても 君に照らされてるから
僕は生きてる
夢も理想も 愛もぬくもりも正直くだらないものと思っていた
だけれど君に出会ってから少しはわかった
不器用だけど
少しずつ笑えるようになった
それはおごそかに
ひどく繊細に
僕の心を揺り動かす未知なる光
この僕の瞳にうつる景色と君の瞳にうつる景色の相違点と共通点を探す日々
永遠であれ
答えなんか見つからないでも構わない
このまま曖昧に
僕らは愛し合うだけ
窓の外に広がる夜を
見つめていると飛び立ちたくなる
君は夢の中で
僕と大空を羽ばたく鳥になるのさ
暗闇に閉ざされた宇宙はやがてひとつの出口を僕に示した
永遠なんて僕だってないものだってわかってるけど君といるとそんな概念さえ
どうでもよくなって
永遠でも一緒にいたい そう思える
そんな気持ちにしてくれた君は僕の全てだ
先のことなんかわからない
いつ
どこで
気が変わるかもわからない
でも君を傷つけることはどんな罪より重いから
多分僕は君と死ぬまで一緒にいるよ
立ち止まる風の中
夜はどこまでも透き通って僕の嘘さえ見通すよ
嘘なんかつけないね
僕も君の光になれたならいいな
ささやかな愛の唄。
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くだらないことで
いら立って
ばからしいことで
すぐカッとなって
蹴り飛ばした
雑誌の山
片付ける姿
鏡にうつるたびに
ため息
薄汚れた窓の外には 赤い夕日が 誰かが奏でるピアノで より切なく見えたよ かといって涙は流れない
人の痛みをわかる人になれと 教わったはずなのに平気で誰かを今日も言葉で傷つけて
あとから悔やんで
結局バカをみる
静かすぎる夜だ
好きなコーヒーさえ不味くてのめたもんじゃないや
明日は晴れるらしいが僕の心はこのままゆけば高確率で雨だろうね
名もない花に名前をつけて
名もない場所に名前をつけて
名もない風に名前をつけて
名もない命に名前をつけて
僕はそうやって
名前のないものに片っ端から名前をつける
そして自分にちゃんとした名前をつけようとするのに
名前が思いうかばない
親がつけてくれた名前はあるのに
僕は何者なんだ?
自分がわからないよ
僕は誰ですか?
ご存じですか?
名もない唄をうたいながら僕は生きてゆく
このふき畑に囲まれた田舎で
名もない唄をうたいながら一人生きてゆく。
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僕のつく嘘は
誰も救えない
誰も助けられない
所詮、この世は本当のことだけじゃ生きていけないから嘘が必要だけど
やっぱり本当のことがなければわからないことがある
たとえば嘘つくなら
誰かを助けられたり
誰かを救える嘘をつきたいんだ
どうせバレる嘘をついても 無駄なら
僕は本当のことだけ言うよ
嘘だけで会話するのは簡単かい?
でも本当のことだけで会話するのは
話したくないこともあるから嘘がなけりゃごまかしさえもきかない
嘘は本当を隠すためにあるけど隠しちゃいけない本当のこともあるから
なんでも隠せるのが嘘だけど
嘘は本当は本当をかばうためにあるんだ
だから嘘だけじゃ
誰も救えない
誰も助けられない
嘘は本当のことがあってはじめて
誰かの為になる
そして
本当は嘘があってはじめて
誰かに伝わる
だから嘘も本当も
人には必要なんだ
嘘と本当を混ぜ合わせた答えが一番正確なんだ
嘘の中の甘さと
本当の中の苦さを
重ね合わせた言葉で
誰かを救えたら
誰かを助けられたら
それは素晴らしいね
嘘と嘘を合わせても嘘にしかならないけど嘘と本当を合わせればマイルドな答えになる
伝えたいのはそんな嘘のような本当のような曖昧な答え
わかるようでわからない
そのもどかしさが僕は好きだ。
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透き通った
景色の向こうに
何が見えますか?
嘘はつけないね
全てが明るみになるなら
心のバランスを保つのは思うより難しいんだ
平均台の上に乗って
まっすぐ落ちずに
渡りきるように
引かれた線を歩くのもいろんな障害がある
楽な道なんてない
どこを通ろうとも
かならず谷があり
山があるんだよ
所詮この世界は
まやかしの世界
鮮やかな今日も
明日には幻
現実だったのかもあやしいんだ
それでもまた僕は平均台の上で落ちそうで落ちない
不安定なようで安定した日々を暮らしてるんだ
はるか向こうに輝くゴールもまた幻だろう
平均台はまだまだ長い
それでも僕は進む
向かい風にあおられても根性の悪さを武器にもがいてあがいて
我が道を断固進む。
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しずんでいくのさ
深く澱んだ闇の中へ
言葉はもういらない
ネットの海で
たたかれて
たたかれて
傷だらけの僕のうたは死骸だから
文字通りネットの墓場へ葬る
はじめてやろうか
僕の擬似葬式
言葉は死んだ
僕は死んだ
詩人は死んだ
ならば
僕の今までのうたは全て死人の創作物か
寄ってらっしゃい
観てらっしゃい
僕の命の詩
誰かが踏みつけた
足跡つきのうたたちを
しずんでもしずんでも這い上がってくるのさ
沈められたときよりずっと輝いて
沈められたときよりずっと美しくなって
沈没した船の中の財宝みたいに
時を経て蘇るんだ
誰の詩より
どんな詩人が描く世界より
素晴らしいうたになって
でもきこえないんだ
僕の奏でるうたは無音のメロディだから
でもきいてください
心で 感じてください
耳をすませばきこえるはず 深い深い海の底から
屍となってもまだ生きたいと願ううたたちの声が
きこえない声でうたっている。
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思ってみよう
明日は晴れると
考えてみよう
明日の天気
下駄なんかじゃわからない
照る照る坊主も無駄だよ
必要なのは
自分自身の考え方さ
さあ 行こう
悲しみのない世界へ
さあ 羽ばたこう
見えない翼で
答えは足元にある。
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蹴飛ばした空き缶 にぶい音を立ててへこんだよ
だらしない 散らかった部屋にこもる空気を 窓から逃がすのさ
それは夢のような幻のような
現実味のない悪夢
僕は悲しくたって
泣けない
泣けないんだ
明日は曇り
心も曇り
言葉は死んだ
無音でひびく
僕のうたよ
もういいよ
お眠りなさい
言葉の海に。
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大人になっても
心が子供のままじゃしょうがないんだ
大人の身体になるのはみんな一緒だけど
見た目だけ 形だけ
大人になってもしょうがない
何も難しくなんかないんだよ
心を大人にするっていうのは小さなことからはじめればいいんだよ
昨日は誰かのことを深く深く傷つけたなら
傷つけたぶんだけ明日は誰かを助けてあげよう
ふてくされていた昨日の僕は子供だったね
でも今日僕は大人になれたんだ
頭がいいだけの大人になるよりも頭なんかわるくたって誰かのことを思える人のほうが素晴らしいから
人間として完成した人間になるより
不器用でも
遠回りでも
誰かのために
走れるような
誰かのために
汗かけるような
そんな心を育てて
そんな心に育てて
今はつぼみでも
やがて美しい
花に 変わるから
小さなことから
全てははじまるのさ
言いたいことはなかなかうまく言えないけれど
君に優しくしたい
君を助けたい
そう思えたら
それは大人になれたことのあかしさ
胸を張ってごらん
勇ましく 歩いていこう
君はもう子供じゃない
誰かを傷つけるより誰かを思える立派な大人だ
飛び交う情報に
振り回されて
あわただしい日々だけど人は誰も大人になる
せっかくなら心も大人になろうよ
人間として完成した人間になるより
不器用でも
遠回りでも
誰かのために
走れるような
誰かのために
汗かけるような
そんな心を育てて
そんな心に育てて
今は向かい風でも
やがて 追い風に
変わるから
そうして咲いた花の名前は『夢』
優しい風が吹いてきた
冷たい雪を溶かすような
さあ新しい季節の扉を開けよう。