詩人:どるとる | [投票][編集] |
ずっとここにいて
いいんだよ
優しい日だまりのような絶望が
僕に言うよ
平凡が何より幸せだって
規則正しい狂いのない時計回りで時間が進む、鈍い音立てながら
それをもう何周も繰り返すだけで誰かが生まれ 誰かが死ぬのです
それは悲しいような
それは嬉しいような
不思議な気持ちで
眺めてる 景色
だいたいたとえば
全人類が一億万人いたとしたら
その一億万人の瞳に映る景色のひとつひとつが永遠じゃなくて限りある景色だから 大切にしなきゃいけないんだよ
君が見てる僕や
僕が見てる君は
ほんの一部の
景色にしか過ぎない
誰かが見てる誰かや
誰かが見てる誰かは
ほんの一部の
世界にしか過ぎない
それぞれの瞳に映る明日が鮮やかな輝きを持ちますように
願って 僕は 手を合わすけど無意味なものだってことくらいわかってるからこそ手を合わす
歩いていこう
僕は僕で
君は君で
自分の瞳にしか
映らない
夢を
はしたない
妄想を
果てしない
イメージを
今 僕は抱きしめて
未来という名の
スタートラインに立って
出発の合図で走り出す
一億万人の悲しみ
一億万人の喜び
それぞれがそれぞれに感じる 様々な思い
すべて同じで
すべて違う痛み
さあ 今
僕と君は
背中を向けて
別々の未来へ
歩き出すのさ
一億万人の瞳は
いっせいに
未来を映し出す
どんな未来が
見えることやら。
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生まれたときから
僕は怠け者ではなかったけど
なぜかいつの間にか
怠け者になっていた
鋭い爪を隠し持った
怠け者は無口だから
他人には変人のように見られてる
ミスターナマケモノ
飛び上がるほど嬉しい日は神様が僕にくれた素晴らしいプレゼント
孤独な旅はつづく
空が真っ赤に
錆びつく夕暮れも
優しい風が包む
ビードロの夜も
僕は変わらない気持ちで生きてるよ
ミスターナマケモノ
隠し持った爪は誰かを守るための守り刀
だから僕は優しい怠け者になりたいのだ
だから僕は人の痛みのわかるやつになりたいのだ
なんとなく空を見上げ
その美しさに
その眩しさに
心奪われて
立ち尽くす
僕は立ち尽くす。
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純文学に親しむ人
エロと狂気の螺旋
回り道 遠回り
僕の人生の図式は
全くのでたらめ
道筋は立たない
古本屋めぐりだ
日曜日の僕は
共感と感嘆の連続だ
新しいものにしか目がいかない若者にはわかるまい
ゴミをリサイクルするなら人の思いやりとかもリサイクルに回すべきだ
愚痴れメロス
たまには
走るその足を止めて
友のために
日暮れ前に駆けつけて間に合ったら
僕と踊りましょう
僕と笑いましょう
武将たちの宴
カラオケ祭り
歌い出せば
悲しい気持ちも
ぶっ飛ぶさ
さあ 夢から覚めて
妄想の中の王国を滅ぼして
メロスはエロスになってやがてイカす男になる
愛が僕を走らせてる。
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どこまでも
どこまでも
延びた道の上に
影を落として
僕はふるえながら
誰も待たない家に帰る 帰り道
途方もない
寂しさを
果てしない
むなしさを
抱えたまま
反省の色なんて見せないまま
僕は僕で
傷ついていく
たたかれていく
笑いたきゃ笑えばいい
僕の涙はやがて大きな海になるから
その海を泳いで
僕は涙に溺れて
潮騒がさわぐように
僕は明日という岸をめざしていく。
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ここに生まれてなかったら
僕はこんなに笑えてなかったね
僕はこんなに泣けてなかったね
あの時何かをあきらめてなかったなら
もう少しマシな日々を送れたのか
それはわからないけど大切なのはいつでも今このときだから
今に精一杯になって
今を精一杯見つめて
先のことは先のことさ
今は今だけ見つめていたい
鏡に映ったとぼけた僕の顔は光の加減でゆがんで あまりにもおかしくて笑ってた
気づけば日が暮れて
すっかりあたりは暗くなって 雲の多い空に三日月 昇ってた
後悔の数は 人より多いけど 後悔してないといえば嘘になるけど
後悔したって仕方ないと思うからね
僕は新しい朝を
夜明けを待つんだ
ここにある新しい朝
ここにある新しい夜
ここにいる新しい僕
ここにいる新しい君
古めかしい昨日の残り火に 手を振って
僕はさよならするよ
たとえこの先何度転んだってすり傷なんてあるようでないようなものさ
千の後悔より百の夜明けを待つ僕は夕暮れの風に抱かれて
言葉を綴るとき
文字を書くとき
なぜ、思いもよらず正しさだけが言葉になるんだろう
僕はこんなにへそ曲がりで愚かなのに
正しさが詩になる
明るい気持ちが詩になる
不思議なものさ
僕は紙の上では
悪者にはなれない
言葉の素顔は隠せない
だからこそ僕は夜明けを待つんだ
夢なんか叶わなくていいと思うこの嘘をもう一度
本当のことにして
さびしくないというこの強がりを捨てに行くため
歩道橋から見える
夜明けにまばたきひとつせずに
精一杯今を感じてる
僕は馬鹿じゃないんだ
ただ人より不器用なだけなんだな
涙は仕方ない
泣くだけ泣いたら
歩き出そう
新しい明日を迎えに行こう。
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たとえばここに画用紙が一枚あったら
何を描こうかな
そうだ、君の顔を描こう
笑った顔 怒った顔
泣いた顔 すねた顔
全部僕の好きな君の顔さ
この世界中で僕が一番大好きな人は
わがままだけど
憎めない人さ
いつも
一番君に届けたいのはありふれた気持ちだけさ
簡単なことだよ
とどのつまりは
アイラブユー
君が大好き
君が泣くと
僕は画用紙に
笑った君の絵を描けない
不思議だけど
泣いちゃうくらい
僕の心は君のことでいっぱいなんだ
だからだから僕は
不器用なりに
頑張って
君を笑わせるよ
君を喜ばせるよ
ずっと
一番君に伝えたいのはありふれた気持ちなんだ
くだらないことさ
行き着く答えは
アイラブユー
君を愛してる
これだけはいつまでも
揺るがないよ
震度なんの地震がきても崩れやしないさ
今日も僕は君と笑ってたまに泣いてる
画用紙の中に描いた
笑顔の君と僕が笑ってるから。
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絶え間なく川は流れ
空は色を変え
だんだん暗くなる
だんだんさびしくなる
昼間の道は人であふれるのに
夜にはみんな家に帰るお腹が空くから
カラスの一声で
人は切なくなる
家に帰りたくなる
夕日が沈むから
僕も家に帰りましょう
もう遊ぶのは終わりさ
誰もいなくなった公園には街灯が照らすすべりだいと 小さなブランコの影があるだけさ
子供たちはもう
いない
街は死んだように
静かだね
誰にいうわけでもないがさよならを言うよ
僕は窓辺の壁に寄りかかり
夕日の脳天が空に沈むのを見送る
言葉は何もいらないよ
黙って手を振ろう
さよなら 夕日。
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風が僕の胸にぽっかりとあいた穴をおじぎもせずに通り抜けるたび切ないな
傘を差してても
悲しみは透明だから
傘を突き抜けて
からださえ突き抜けて
僕の心を容赦なく濡らすんだ
行きずりの旅で出逢った名前も知らないふたりはゆらゆら揺れながら
ぼそぼそ小言こぼしながら
不確かな愛を
有らん限り全力で受け止めた
冬がだんだん寒さ際だたせて
その色も鮮やかになってゆく
ただ一面に真っ白な世界だ
見えるものは
白い雪と
白い時間と
その白さの中で
唯一鮮やかな色を持った
君という一匹の蝶々
自由気ままに
飛び交っている
僕はマフラーを
きつく締めすぎて
苦しさに
あえいでいる
そんな姿を
見たとき君は
そんな僕でも
大好きなんだと
手を握ってくれる
それがきっと愛なんだね
ただ一面に真っ白な世界
白い思いは
やがて
鮮やかな色に染まり
君に届くだろう
桜色の雪がこの街に降り注ぐまで
君は僕の胸の中で
泣いていればいいよ
君は僕の胸の中で
笑っていればいいよ
やがて春はふたりを迎えに来るから
その時が来たなら
手を繋いで
分厚いコートも
邪魔なマフラーも
脱ぎ捨てて
ふたりで
桜を見に行こうね
そんな約束さえ
今は白く染まってしまう
ため息さえ隠せない
純度100%透明な冬
ただ一面に真っ白な世界
嘘も言い訳も
透き通ってしまうね
だから僕は本当の心で君に言うよ
ひとつしかない愛を
ひとりしかいない君にあげよう、と。
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何もない部屋に
時計だけがひとつある
それは僕らの命の時間を刻む
大切な時計さ
重力に逆らって
赤いりんごは
宙に浮かぶ
そんな
夢の中
僕はいつだって
浸っていたい
現実の僕はさえない
サラリーマンだから
誰かに愛想笑い振りまくのもお世辞を言うのも
僕の本来の仕事じゃないのに
こんな安月給じゃ割に合わないね
時計が告げる
6時ジャスト
子供たちの笑い声も闇の中じゃ聞こえない
時計が告げる
さよならの時刻には
僕はここにはいない人だから
生きてる今のうちに
精一杯泣きたいよ
目一杯笑いたいよ
そしてカチカチと
時を刻む時計の針の音が聞こえなくなったら僕は夢の中
回ろう
踊ろう
喋ろう
笑おう
泣こう
怒ろう
空を飛ぼう
いろんな夢の中でも
君の声だけは鮮明に僕を現実へと引き戻す
ノクターンメロディー
目覚ましのように
遠い夜明けを呼ぶんだ。
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悲しい気持ちを胸の奥に隠したまま
笑うことなんてできるわけもないね
見えないギターを抱えて
僕は歌を歌うように
弾けないピアノの鍵盤に
適当に指を添えて鳴らしてみる
僕は独りぼっちでもさみしくないんだよ
いつまでそんな言い訳が通るのかな
涙を流さなくても
下手くそでも
笑っていても
胸の中はどしゃ降りの雨
君は僕の照る照る坊主
雨を止まさせてくれよ
君は気持ちよくは笑わない
やっぱり僕は独りぼっちだね
雨は止まない
止む気配もない
連日連夜降り続く
僕の胸の中。