詩人:どるとる | [投票][編集] |
遠い昔 近所の公園で泥にまみれて 遊んでた僕がいた
なんとなく柄にもなく散歩に出たときに
公園に立ち寄ってみた
砂場にあの頃の僕はもちろんいなかったけど
大人になった今も思い出すよ
だだ楽しかった日々
ママが迎えに来ても
しばらくは まだ遊び足りないと だだをこねていたけれど
今晩はカレーだよと聞けば 素直に帰った僕がいたんだ
ママが台所で家族の夕飯をつくってる
いい匂いが家中を包み込んだ
お鍋の中でぐつぐつコトコト
音を立てると
僕の腹も鳴った
ぐーぐー
ママの愛がたくさん 詰まったおいしいカレーライス
いただきますを合図にスプーンで口にはこべば ママのぬくもりがのどを通り抜けてゆく
優しい甘口
具は大きめ
たまに ルーが溶けきってなかったけどそこがまた手作りの良さを出していた
また つくってほしいな
あの懐かしい味
ママ直伝のカレーライス
同じ味にならないのが悔しいけど
また食べたいな
ママのカレーライス。
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さよならグッバイ
またねアディオス
背中で手を振り
今日に別れを告げる
自分はどこもわるくない
全部他人のせいにして
責任から逃れようと
現実から目をそらす毎日
金と愛を天秤にかけて つりあわないならどっちも我がものにしようと企む
貪欲な人間がここにもひとり 高笑いしながら 汚れていくのも気にせずに結局今日もいつもの僕だった
結局いつだって
僕はどう転んだって馬鹿だから考えたって仕方ない
結局僕はなんのために生きているんだろう?
結局僕はなにをしたいのだろう?
結局あの夢はどうなったんだろう
今生きているのも結局のところ しかたなくだろう?
結局なんのために生まれたんだ?
結局なんのために歩いてゆくんだ?
風に吹かれて切なさが吹き抜けていく
いくつもの展開のあるストーリー
不規則に 入り乱れてゆく
結局 今日もなんの答えも出せないまま
明日はまた片付かない問題放り投げたままやって来る
結局 いつも同じ事の繰り返し
悪循環がめぐるだけ
気まぐれな僕の思考回路がやがて 睡魔に勝てず フェードアウトした時
結局今日もいつもの今日になる
そして結局
結局のところ
世界はこれからどうなってゆくの?他人のことはいいよ
大切なのは自分のことだよ
こんなご時世ですから
なんて人のせいにしている僕をぶん殴ってくれ
結局 他人に頼らないと 何ひとつ決断できないのが僕なんだ
今わかってしまったんだよ。
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今日も何かが悲しかった
そして何かが嬉しかったよ
ため息まじりの吐息も白く煙り
平凡で穏やかな毎日 それもいいなとひとりクスッと笑いながら 僕は頷いた
やがて日はとっぷり暮れまして
静かな夜がやって来ました
窓の外には大きくて丸い月がひとつ 浮かんでる
さびしさがひゅるり
吹き抜けてゆく
モテない男のブルースよこの夜に輝く星となれ
言葉になんない
気持ちを ぐっと
受け止めて
黙ったまんま
だだ、今は だだ
風に吹かれて
目を深く閉じた
平凡でもいい
平和ならそれでいい
たとえば今日みたいな幸せな日であれ
僕は天に祈ったよ。
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まだ昨日の余韻が残ってる
忘れ得ぬあのメロディ
まだ昨日の余韻が残ってる
忘れがたいあのメロディ
遠いような近いような昨日に僕を誘う
いつまでも心地よい余韻を残して
いつまでも心地よい余韻を残して。
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『生きる意味が突然わからなくなった。
完全に自分を見失った。だからだからあの世へ先に逝きます。』
そう書き遺して
彼は旅立った
明けることのない
永遠の夜の世界へ
人の考えはいつも
見事なまでに交差して なかなか重ならないね
君と僕の意見は食い違ってばかりだった
君の全てをわかってたようで肝心なことはわかってなかったみたいだ
およそ地面との距離 ざっと150メートル
そこから落ちたら
完璧に死ねるね
だから君は死んだんだよね
君がこの世界に残したものは何もないよ
君がこの世界で生きていた証は 君が最期に書き遺したこの遺書だけ
でもそんなものは
残された僕には忌むべき ものにしかならないのさ
どうして僕は君の隠してるさびしさに気づいてあげられなかったんだろう
どうして君は近くにいる僕に話してくれなかったんだろう
150メートル離れた
このビルの屋上で
僕も上から下を眺めてみたけど 僕には高すぎる 距離だった
君と僕との距離も
このくらいあったのかな
でも愛していたよ
誰より何より
でも死んでしまった
今では何ひとつ無駄だよ
彼の遺書はたとえ燃やしたって僕の心にずっとずっと遺りつづける
彼の死んだこのビルから僕は空を見上げ
彼につぶやいた
ねえ なぜ君は死を選んだの?
今もわからないよ
死んでも
埋まらないこの距離
僕も死ねばわかるのかな?
僕は君のなんだったのかな?
君と僕との見ていた世界その差150メートル。
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今朝届いたニュースペーパーにははたして書いてあるか?
おまえの期待するような飛びぬけて明るいニュース
このごろなんだか
みょうに沈んでるのは
何も今に始まったことじゃないんだよ
ため息の数も多くなり
ついにはなんだか生きてても楽しくないななんて思ってしまう僕がそこにいた
灰皿にたまってる
吸い殻が山盛りのライスのようで おかしくて泣けてきた
むりやり笑顔つくるのも
むりやり明るい話に話題をもっていくのも
なんだか億劫で
明るい話をしようとしても世の中不景気だし
暗いニュースばかり飛び交う テレビもラジオも 聴きたくも視たくもない
今日もどこそかの街で誰かさんが馬鹿なやつに命を奪われました…
そんなニュース
朝から誰が聴きたいか?
真実は聴く者
視る者に 途方もない悲しみを植え付けてゆく
明るい話はわるいけどできないな
でも花を生けるのも趣味じゃないし
安易に誰かさんの死を悲しむのも なんかあれだし
とりあえず
いつものように
いつものように
繕うことにするよ
でも、よくできた
作り笑いはなんだか自分でも不気味なんだ
みんな明るい話で盛り上げてるのに
わざわざ正義感出して
暗いニュースが多いねと言えばすかさず浮いてしまうというのなら
暗いニュースは誰の話題にものぼらない
なかったような話になってしまう
だから僕はなるべく
黙ったまま
誰かの軽率なくだらない話など ハナから聞き流したいのさ
暗いニュースは
明るい話より
ずっと多いはずだから…
ニュースペーパー
開いてる朝
朝食が不味くなるようなニュースは勘弁
今日何があっても何も知らないでいたい
そしてだだ、僕もみんなのように 身勝手なほど 笑っていたい
暗いニュースなどないように
誰も悲しんでないかのように
誰かの涙を把握しながら 笑いたい
そんな事思う朝。
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今日も必ずどこかで誰かが死んでいるのさ
ありそうでないような話だけど本当にあるから悲しい
今日も必ずどこかで誰かが生まれているんだ
元気な声をあげながら 母の胸に抱かれて無垢な笑顔浮かべる
今日も必ずどこかで
朝は誰かを急かして
今日も必ずどこかで
沈む夕陽を眺めて
涙抑えきれない奴がいるのさ
今日も必ずどこかで
誰かと誰かが結ばれて もしかしたら誰かが誰かに愛の言葉
伝えてるかもしれない
そしてどこかじゃ
愛が終わってるかもしれない
今日も必ずどこかで
雨に濡れてる人がいて
今日も必ずどこかで
青空眺めて
微笑む人がいる
大切な人と寄り添って素敵な景色眺めながら
時差も季節も関係なくみんな生きているよ
それぞれ今を精一杯生きているんだよ
広い世界だから
いろんなことがあって当たり前さ
君は笑えましたか?
それとも悲しかったのでしょうか?
僕は今 この世界に生きてるみんなに問いかけたい思いだよ
聞かせてよ
話してよ
君の1日を
君の見た景色を
君が笑う理由を
君がうつむくわけを
君がその人を愛す意味を
君が生きている動機を
今日も必ずどこかで
誰かが死んでいる
だけれど 必ずどこかで誰かが生まれている
不思議だね
人のはじまりと終わりが重なる日もある
どこかじゃ葬式だ
どこかじゃ結婚式だ
どこかじゃパーティーだ
どこかじゃロマンチックな食事会だ
どこかじゃ二人だけの素敵な夜だ
そうさ
今日も必ずどこかで
誰かが 生きている
今日も必ずどこかで
誰かと誰かがお辞儀してさよならと手を振る夕暮れ
さも当たり前のように繰り返す毎日の中でたとえば君なら
一度しかない今日をどう暮らすのですか?
そして そんな今日もいつか 遠い昔話のように語る日が来るね
明日には何事もなかったかのように
笑ってる僕がいて
今日のことをおもしろおかしく話してる。
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凍えた 両手を
ポケットに入れて
とぼとぼと帰り道を歩いてる
さびしさが吹き抜けていく
ひゅるりらら
誰もが 無愛想な顔しながら世知辛い世の中と闘いながら行き交う人生という交差点
僕も芯まで凍るような冷たい風に吹かれて
言葉さえ僕を見放した
今夜は容易には眠れないと想う。
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あなたが明日
もしも 視力を失うとしたら 最後にどんな景色を見ますか?
そんな明日をひかえたあなたにとって 明日になるまでに見る景色は全て 最後の景色になる
時間を惜しみながら
1秒さえ 無駄にせずに眠ることもなく
一日中 家を空けても明日には 何も見えなくなる
死ぬわけじゃないけど 死ぬよりももしかしたら 悲しいかもしれない
美しいもの
輝くもの
醜いもの
何かわからないもの
何ひとつ 目には映せない 映らない
そんな明日が来たら
君ならどうする?
僕ならどうする?
最後の景色を見たときに想う 見えない目からこぼれ落ちる涙さえ見えない
最後の景色は
君になんていっている?
君になんていっているの?
少しずつ失われてゆく視力はまるで
世界が暗闇に包まれていくようで
とてもこわいな
世界から黒以外の色がなくなる瞬間に
人は何を思うのだろう
死んだわけじゃない
植物状態みたいに意識がなくなるわけじゃない
僕は生きている
生きているのに
何も見えないという事実の重さ
結局最後の景色は
なんだったのだろう?
まるで無意味で
じつにいい加減だ
視力がなくなる瞬間同時に僕の中から
純粋さも消えた。
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たとえばここに画用紙が一枚
もしもあったならば
僕は何を描こうかなあ
そうだ君の顔を描こう
真っ白な紙の中に
まばゆい愛を閉じ込めて
笑った顔も
怒った顔も
泣いた顔も
全部 好きだよと言いたいな
柄じゃないけれど
たまに思うんだ
僕が世界一愛してるのは君だけだって事
見えない花束を贈るよ
永遠に忘れられないメッセージ添えて
流れる 題名のない愛の唄
まるで魔法のように
さっき喧嘩していたばかりなのにもう仲直り
青いこの地球に生まれて もうはや20年あまり
いろんなことそれなりにあったけどね
思えば何ひとつ変わってないな
大人になっても
幼いままだ
でもそれが時に自分を助けてくれるんだな
だからこのままでいいや
変わらないことの素晴らしさも
変わってゆくことのはかなさも
全て 整理なんてつかない 散らかったままがふつうなんだよ
乱れた精神状態を正常と呼ぶならそれは間違えなんかじゃないんだ
星ひとつ今視界に横切るよ
永遠に忘れられない夜がもし今夜なら
唄おう 題名のない愛の唄
そうさ種も仕掛けもない摩訶不思議な呪文を唱えればたちまち
距離は急速に縮まるのです
紙に描いた君の顔はどことなく 悲しげだった
いつもいつでも一緒にいられるわけじゃないから 寂しい思いさせるけど
もしもこんな馬鹿な僕を待っててくれるなら わるい思いはさせやしないよ
星が綺麗な夜に
君の家のドアをノックするよ
そしてとびきりの笑顔で君にこの愛を届けましょう
題名なんか必要ない
かっこつける必要もない
僕は僕のまま
馬鹿なまま
愛されて
ありのまま
愛されている
ほらね、こんなことしてる間にも
星はいくつも夜空を流れていく
今わかったんだ
いちばん大切なこと
頷く僕と君の心の中にはもう迷いなんかひとつもない
たどり着く明日は
今日なんかより
ずっとまばゆいぞ。