詩人:どるとる | [投票][編集] |
仕事からの帰り道
ため息ひとつ
思えばこの頃いいことなんか何もないんだよ 心から笑えずにいます
生きるということは
ただそこにいることで果たされるなら
働くことも歩くことも無意味だね
生きることの喜びもわからないね
泣いて笑って そのうち 誰からの記憶からも消え去ってゆくのが僕らの運命
花のように 散りゆく葉っぱのように
僕はいつでも僕だ
明日も僕が僕であるためにたったひとつの今日を生きるのだ
何度でも何度でも
ひとりぽっちの
さみしい帰り路を歩く。
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春は ひとり
桜並木を歩き
はじまりの風を
感じながら
感慨もひとしおに
別れと旅立ちの支度をそれぞれととのえる
夏は暑さにまいり
けっしてなれない
だるさに ため息をついて汗をぬぐい
緑の中を駆ける
風になる
秋は切ない色に染まった並木道を歩く
紅葉がはじまると
木々は いよいよ
赤に黄色に染まり
見応えのある
景色を見せる
冬はひたすら 寒くて 凍てついた手を
こすり合わせて
こたつの中
丸まる猫になる
白いため息
ひとつつくと
春のあたたかさを
恋しく思う
ただただ何もかもが
あっというまで
なにをしたのかさえ忘れてしまうほど
たくさん いろんなことがありすぎる一年
春夏秋冬 めぐる季節はまるで映画を観ているように 次から次へと移り変わるよ
季節ごとに色を変え
空も木々も人の心も
少しずつ変わってゆく
街も夢も趣味も好きな食べ物も いつの間にか変わってる
その内大人と呼ばれる歳になって
働くようになると
僕は偉そうになる
その内季節の色なんて気にしなくなるほど忙しくなる
自分でもわかってる
そんなの嫌だ
でも僕は大人になってしまった
心も身体も
嫌っていうほど
汚れてしまった
春夏秋冬めぐる季節はまるでシアターのように瞬く間の内に僕の瞳に映る景色をあざやかに変えるよ
僕はいつでも主人公のつもりさ
季節というドラマの中でただ笑ったり泣いたりすることが僕だけに与えられた特別な役割なのさ
ただただ何もかもが
あっというまで
なにをしたのかさえ忘れてしまうほど
たくさん いろんなことがありすぎる一年
春夏秋冬 めぐる季節はまるで映画を観ているように 次から次へと移り変わるよ
あざやかに変わるよ
そしてまたはじまりの風は吹き始める
そしてまたこの街を埋め尽くすほどに美しき桜は咲く。
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死ぬまで人なんて
愛さない
そう思っていたのに
ある日突然どうしちゃったんだろう
雷にうたれたような衝撃とともに胸の中に生まれた切なさひとつ
君が好きなんだ 誰より 何より
はじめて出会ったときからずっと止まらないこの胸の高鳴り
どうしてだろう
伝えたいのに
届けたいのに
臆して何ひとつ
できない
僕がいたよ
今は懐かしいかがやく青春のかけら
僕の胸の中に今でも突き刺さって抜けないよ
君は今 どこで何をしているのかな
幸せですか?
だとしたら 不思議なんだ 心から喜べるようなちょっと残念なような気持ちです
心から君を好きだったから
これからもきっと忘れることのない
青春の古びた記憶
甘酸っぱくて
ちょっと切ない
今だから懐かしく思える青春のかけら
君のくれた小さな笑顔が記憶からだんだん消えてゆくのを望んでるような望んでいないような
不思議な気持ちで何度も君を思い出すだろう
今は懐かしいかがやく青春のかけら
やっぱり幸せでいてほしい
そう願う僕の心にはもう迷いはなかった
心の中に残る君の思い出に手を振るよ
さよなら バイビー
僕の青春のかけら。
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わざと人の目を避けるようにして
生きてる僕を笑えるかい?
完璧な人の欠点を気づけば探している
そんな自分は自分でも好きになれない
今日も頑張ってるよ
今日も頑張ったよ
何かを耐え抜いたよ
何かを貫いたよ
またひとつ何かなくしてはまたひとつ何か手にしていた
そして言い訳こぼす僕の隣で いつも
街の灯がやさしく
揺れている
美しいとは到底
いえない僕の心
誰かに愛されたいのに
誰も愛せない
そんな矛盾を抱えたまま 広がる闇を感じていたよ
明日も頑張るつもり
明日も頑張る予定
何かに追い抜かれて
何かを追い抜いて
またひとつ何かを学んではまたひとつ何かを忘れてるんだ
そして 涙をこぼす僕の隣でいつも揺れているのさ 街の灯
そして結局いつも
傍にいてくれるのは
君だけ 君だけだね
やっと気づいたよ
やっと気づけたよ
そして僕の長い話を聞いてもまだ聞きたがる君の図太さに愛を感じる 真夜中
そして言い訳をこぼす僕の隣で いつも
揺れている やさしい街の灯
冬の寒ささえ 感じさせぬ 包み込むような君のぬくもりに僕はまた負けてしまう
ああ長い僕の言い訳と涙の夜
いつも いつも
いつも そこにある
嫌いなような
好きなような
人が だんだん特別になってゆく
だんだん一緒にいるのが当たり前みたいになってゆく
それはそれは長い夜だった
それはそれは長い言い訳だった
でも君は少しもいやがることなく聞いてくれた
ただそれだけなんだ
ただ それだけなのに
ただそれだけが僕をおかしくさせた
なぜだろう?
君が誰より
何よりも
愛しくて
しかたないよ
今夜もまた 聞いてくれるかい?
僕の長い言い訳と
情けない
涙のわけを
ああ長い僕の言い訳と涙の夜
迷いのないその微笑みに 僕も迷わずにこたえよう
僕は君が大好きだぜ。
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朝は目覚ましと格闘して 睡魔と戦う
敗北した朝は 二度寝して遅刻する
勝ち誇ったような顔でもその寝癖では情けない
朝ご飯はいつもパン一枚と珈琲一杯
慌ただしく支度して
出かける7時過ぎ
僕の毎日は常に時間との勝負
一分一秒さえ無駄にはできないね
『ただいま』と言って出かけた朝も
気づけば 日は暮れてカラスが鳴き 五時のチャイムがひびく
『おかえり』と小さくこぼして部屋の中
倒れ込めばだいたい僕の1日は もうこれ以上 急かされる事はないさ
風呂にゆっくり浸かり
子供みたいに百まで数えたら のぼせぬうちに出るのだ
これがなんらおもしろくもないただの一般人の生活の記録
繰り返し 繰り返し
時間の中を行ったり来たりして その内
あっけなく死んでゆく
それが幸せかは わからないけれど
とりあえず今は同じ事を何度も繰り返すよ
あくびしては 寝ぼけまなこでカーテンを開けて 身支度ととのえたら いつものように出かける
変わらない生活のリズム 乱さぬように
普遍的な毎日を暮らすのさ
これがだいたいの人間が味わってる言葉にもするまでもない
当然なる生活の記録
これがなんらおもしろくもないただの一般人の生活の記録
そしてまた目覚ましが夢から僕をたたき起こすように朝を告げて 跳ね起きてはじまる ストーリー
流れるように
流されるように
川の流れに
合わせて
僕らは
生きてゆく
徒然なるままに
したためる 日常の原風景
素晴らしき僕らの生活の全記録
死ぬまで どうかおつきあいを。
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あてどもなく日々を旅する旅人よ
これからどこへ行くのですか?
時代がいくら進もうと季節がいくら流れようと歳をどれだけとろうと
永遠に変わらないものを持っていたい
行く宛てなどなく
地図さえない旅だから
不安だらけの毎日
それが当たり前なのさ
暗澹たる思い
浮かんでは沈む太陽
こらえきれぬ涙
ふと立ち止まる
道の上
雲がちぎれてゆく
風に吹かれて
もの思いに黄昏て
帰り道はいつもながら淋しさであふれてる
言い訳ばかり繰り返しては 人のせいなんだと自分の過ちをごまかそうとしてる
そんな僕は僕自身だめだと思うけど
正しさだけを抱きしめていても
見えないものがあると思うから 半分だけ悪魔になるよ
風に吹かれて
柄にもなく黄昏て
自転車ころがして長い長い坂道をくだる
小さな僕の言い分はすぐに僕より大人たちの鋭い意見に押しつぶされてしまう
そんな僕をかわいそうだとか思ってくれるのは うれしいけど
そんなときは限りなく独りきりで泣いていたいのです
生まれたときから不器用で 人の言うことなんてまともに聞けない僕だけれど
愛するものが傍にある
大好きなものを持っている
それだけでなんとなく素晴らしい人生
そういえる
そして今日も日は暮れてカラスが鳴いている
バカにしたように鳴いている
何かを嘆くように鳴いている
僕は街の片隅
夜の端っこで
風に吹かれてる
水銀灯に照らされて
切なさに押しつぶされて
言葉の死骸を抱きしめて
持ちうるすべての策は失敗に終わって
ただただ僕は打ちひしがれてる
押しては引くような
時の波にさらわれていく1日を見送って
小さく手を振るよ
避けようもないさだめのような風に 吹かれて
青い夜を見つめてる。
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ヘタクソな僕の相づちに怒った人は
そのまま 怒りの矛先を むやみやたらに向けている
愛する人はちょっと変わっていて
一筋縄じゃいかないけどまたそこが好きなんだ
マシュマロみたいなやわらかな手触り
抱きしめたその瞬間に悲しみなんてすぐに消えてゆくのさ
世界の人 全員に伝えたい
僕が愛する人はこの人だけ
恥ずかしさなんてみじんも感じさせない強い自分でマシュマロ食べたい
ひとくちで丸飲みさ
マシュマロ 待ってて
その白い笑顔を今食べに行くよ
マシュマロ 待ってて。
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世界中の人が 今日も僕と同じ一度きりの1日を生きている
誰にでも同じ 時間が与えられてるけど
もしかしたら 悲しいけど 誰かが今日もどこかで いち早くリタイアしてしまってるかもしれない
だけれど僕は僕の1日をただ生きていくだけさ
与えられた時間の中で笑ったり泣いたりするだけの1日もまた 素晴らしいのさ
僕が今日ふとため息ひとつついたこの瞬間にも 世界のどこかで誰かが 命を失うとしても 僕は何も知らないで 笑っているでしょう
くだらない話をしている時間でも 誰かがどっかで 苦しんでるかもしれない
それでも僕は何も知らないことを良いことに笑ってるでしょう
でも笑っているのが僕にとっては普通なんだ
悲しいときは泣くけれど 僕は僕の1日だけを見つめてる
だから もしも世界のどこかで誰かが死んでいるとしても
気にせず笑うよ
気にせず話を続けるよ
僕が馬鹿みたいに笑ってる時にもしも誰かが死んでも
君も馬鹿みたいに笑ってる時にもしも誰かがどうなってても
それを知らなければ
僕はいくらだって笑えるさ
無神経なほど
異常なほど
僕は僕の1日だけを見つめてる
それが普通だ
良いんだよ
でも考えてみれば
なんだか不思議さ
この瞬間にも
こうしてるあいだにも
誰かがどこかで死んでるのかな?
知りたくもないけど
悲しいほどあり得る話しだね
誰ひとり目をそらせない現実の話だ。
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権力を振りかざして
あなたは誰を今度は黙らせるつもりなのかわからないけど
本当に黙ったほうがいいのはあなたのほうじゃないかい?
テレビで熱く思いを語る政治家たちは決まり文句のように口を開けば言うのです
私こそがこの日本を根底から立ち上がらせてみせる
でも結局誰ひとりまともに夢果たせず 辞めていくのが実情
大口叩いただけ無駄だったよね
もうこうなりゃ投げやりに 僕は高らかに言いたい
戦争でも起きりゃもっと 退屈しなさそうだ
でも僕は平和主義者
本当は静かに眠っていたいのです
僕はまるで 長い舌で小さなアリを食うように 少ない貯金をくずしながら 眠れぬ毎日を不安に暮らす 一般人
未来は誰の手の中にあるの? 僕らの願いは本当になんの意味があるのでしょうか?
僕はアリクイ
ちゃちなプライド
ぶら下げ 歩く
小さな 期待に
胸躍らせる
安っぽい一般人
大衆の中の絶滅危惧種
弱々しくも
叫んでいるのさ
人ごみの中から
最早消されようとしてる 本当の思いを。
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近くにあるものにもまんぞくに手をのばすことさえ面倒くさがるナマケモノでも
いっぱしに誰かを愛したいと本気の本気で思うのです
白い雲が青い空に浮かぶような晴れた日の朝に
錆び付いた車体の自転車に乗って近くの河原に釣りに行く
さて何が釣れるかな
楽しみだけど
何が釣れても
何も釣れなくても
心は青空
はるか向こうの世界にもゆけてしまえる
ゆらゆら 揺れながら僕の心ここにあらず
魂だけ どっか旅してるとでもいうような
そんな土曜日の朝
持ってきたサンドイッチは たいして美味しくもないけど
そんな事さえどうでもよくなるほど
心は青空なんです
何もいいこと
なくても
心なしかツイテなくても いいんだよ
僕は笑ってやるよ
明日の空まで
晴れ渡ってゆく
そんな気がする
土曜日の心
鮮やかな青い空
真っ白な綿雲
道を遮るものさえ
ただのひとつもない
どこまでもまっすぐな道を自転車で行こう
ペダルはいつもよりずっと軽いさ
心は青空
はるか向こうの世界にもゆけてしまえる
何が起きても馬鹿みたいに笑えてしまえる
つまり心は青空なんです
すべて面倒だ 単純に 並べ替えてしまおう。