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理不尽なことがたくさんある
矛盾だらけの世の中だ
でも頼る場所はこの世の中しかない
働いても働いても
むなしさだけは
変わらないね
なんのために自分は働いているんだろう
愛想笑いしたり
お世辞ばらまいたり
媚び売るため 働いているのかな
そうだとしたら僕が今 働いてる毎日に
意味なんてないだろうね ただ悲しいだけ ただ切ないだけだ
遮二無二 必死で汗だくになってただ言われたことをバカみたいに守って頑張っていても やりがいがなければ そこにいる意味も喜びもない
でもかといって今さらどこか行ける場所もないから 死ぬまでここでこうやって毎日働いていくしかないのかな
遮二無二 がむしゃらに 働いて 安い給料
毎月振り込まれても
なんだか 使い道さえわからなくて むなしくたまっていくだけの通帳には 僕の血もにじむような汗と頑張りがあるはずなのに そこにあるのは
汚いやり方で設けた社長から 渡された
おこぼれの山がただ積み重なってるだけ
仕事の上達よりも愛想笑いの仕方やお世辞言うタイミングが先に うまくなってきた自分が なんだか世の中に首輪で繋がれた犬のような気がして ひどく情けないんだよ
でも世の中に頼らなきゃ僕はこうして寝る場所とかさ 食い物にも困るから ずっとここで どんなに汚く汚れても どんなに醜い自分さらしても生きていくしかないことくらいわかってるんだよ
だからこそ自分見失わないために 時には世の中に刃向かえるように 拳だけはいつも握り固めてるんだ
でもかといって何も反論できずいつでも言われたことに対して『はい』としか言えないでいる僕と同じような立場の人間がこの世界にはあと何人 何万人 何億人いるだろう
そいつらの言い分は痛いほどわかるのに
僕じゃ何もしてあげられることさえできないんだ
ただ頑張ってねとか
そんな励ましにもならない言葉なら要らないよね。
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昨日 夕方 見かけたんだよ
何人もの自転車や人に踏まれて ぐちゃぐちゃになってる 蝶々の死骸
かわいそうだとは思いながらもさわりたくなかったから
僕は無視してその死骸の横を素通りした
醜い自分が心底憎いけど 時々そんな自分がかっこいいとか思ってしまうんだよ
街にあふれてる
そんな醜い感情を背負った人々の群れの中で僕も息をひそめて生きているんだよ
毎日毎日孤独に身をふるわしながら必要とあらば誰かを蹴落としてのし上がるくらいの角張った気持ちで
孤独死したどこかのおじいさんだかおばあさんの手紙っていうようなタイトルで ずっと前にドキュメントで観た
べつに僕には関係ないとほかのチャンネルに回したけど そこには痛切な文字で誰かに救いを求めている年寄りの涙が垣間見えたんだ
きっと誰もが 自分にしかわからない 痛みを今日も明日も背負いながら ずっと生きていくんだろう
冷たい世の中の理不尽で矛盾だらけの風に吹かれて 死を選んだ誰かのことさえもおもしろおかしく語るメディアの心ない番組など僕は観たくもない
その人が生前残した思いだとか気持ちとか形ある何かとか
僕は見たくない
触れたくもない
知りたくもない
その人はそっとしておいたほうがいいのに テレビの中でよそよそしく 取り上げられて その人の何がわかってほしいのか涙さそうような音楽まで流してさ ばかみたいじゃないか
その人の気持ちになれないなら その人の思いを担げないなら
きっと僕や誰かがしたように 現実から目をそらすように
蝶々の死骸素通りしたように その人に関わらないほうが僕はずっと優しい行為だと思うんだ
おかしいかな?こんな僕は
でも僕の気持ちもわかるだろう?
あの群れの中に僕の居場所はきっとないけどまたあの群れの中に身を投げて
僕は明日も必要とあらば 愛想笑いもお世辞もくれてやるんだ
暴風雨に吹かれて。
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あなたがもしも僕の居場所になってくれるなら 愛とかなんとかってもんを捧げてもいい
君と出逢うまで 金より大切なもんなんかこの世にはないと本気で思っていたよ でもあなたが気づかせてくれたね 金よりずっとずっと大切なもんがこの世にはあること
あなたとただ一緒にこんな風に肩を並べて 他愛もない話してるだけで なんだか簡単に幸せになれてしまってる僕がいるんだよ
あなたが笑ってると僕も笑いたくなって
あなたが泣いていると僕まで悲しくなってきて いつの間にか互いの言いたいことまでわかるようになっておもしろいほど二人の心はひとつになっていました
地位も金も名誉も何も要らないから
神様あんたの存在をずっとけなしてきた僕だけどさそんな無礼を許してくれるなら ずっとこのまま 僕と彼女を突き放さないで
生まれてはじめて幸せってどういうもんかってわかったような気がしたんだ
これが幸せってやつなんだね
大凡百年あまりのはかない人生に永遠を感じた人に出会えた喜び感じる中で思ったんだ
僕が君の居場所になってやるから君も僕の居場所になってください
君と二人で眺めてる世界が こんなに美しくて綺麗だったこと
気づいた夜の片隅
僕は口づけを交わした
夢を見てるんじゃないかと何度も疑ったけれど 疑いようのない熱い思いがそれを現実のものにしたよ
特別なことできるわけじゃないけど 君だってそれは同じだから
当たり前なことを当たり前のように僕らは していきながら
愛ってやつを飼い慣らすように 毎日
喧嘩もしたりすれ違うけれどだんだんと愛ってもんの 深さってものをわかってきたんだよ
だから今も底のない愛ってやつの腹をえぐるように模索してるんだ あるはずもない愛の最下層を
愛なんて言葉じゃわからねえ
愛に答えなんかない
だから僕らは描くんだよ 自分たちだけの愛を死ぬまで。
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いつか ここに生まれたひとつの命がある
ある時、名前をつけられて いっぱしの大人として歩き出した頃
少しはまともな人間になれたとき
常識ってものをひたすら疑っていた 僕の瞳に映った汚れのない天使
どうして人は生きていくんだろう?
それはそれぞれ違うかもしれないけど
僕はあなたをその意味にできるなら
明日から生きていける気がするんだ
愛してるってどんなふうに 言ったらいいのかな
迷っていたんだ
簡単なことなはずなのに 愛してるが言えなくて
いつも口から出るのは くだらない世間話ばかりさ
灯台の光 見失わないように 僕は天使に囁きかけた
愛してるが言えないんだ
あなたは言った
もう言ってるじゃない
僕は付け加えるように言ったんだ
あなたにだよ。
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曖昧なことでごまかす世の中は 理不尽というマスコットがかわいく手を振る
ひとつのテーマパーク
今日も満員の世の中には 連日連夜非常識な奴らが押し寄せて
散らかすだけ散らかして優先席に陣取って 我が物顔で笑ってる
当たり前なことすらわからねえガキみたいな奴らが群がって
黄色い声で 言いたい放題 わけのわからねえ ことをほざく
ここはテーマパークじゃねえ 動物園でもねえ 世の中という神聖な場所だ
猿みたいに吠えて
バカみたいに
騒いで
良識のない
奴らがいるから
僕はおちおち
正しさを
叫べない
声は届かない
テーマパーク
その名は動物園
動物園化してる若者の密集地帯
言いたいことはそれだけか?
くだらない理由だ
くだらない言い訳だ。
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みんながみんな同じ態度をとる中で 冷静を装うのがいちばん難しいことかもしれない
愛想笑い浮かべ
お世辞をこぼし
誰もがみんなそうやって生きてる中で
刃向かえる人は
きっとヒーローになれるだろう だけど会社では生き残れない
みんなヒーローなるより 会社での居場所を守りたいんだろう
媚びを売り
プライドを売り
心も売り渡し
あとは何を
売りさばけばいい?
僕には何もない
何もないから
誰かに従ってる
何もないから
世の中に飼われてる
飼い犬が牙をむくこともあるけど僕にはそんな勇気なんてないから いつまでも
餌に飛びつきしっぽ振るような 飼い犬のまま 世の中にいいように飼い慣らされてるよ
今日も悲しいくらい
僕はサラリーマン
帰り着く場所は
いつも 飼い主である世の中の犬小屋みたいな会社の中
おどけたようにしっぽ振って ご機嫌とってみせる 疲れることだけど 金のためにとため息のみこんで 今日もサラリーマンやってるよ
べつにえらくなんてなりたくないけど
居場所がほしいだけなのさ
サラリーマンは今日も瞳に涙をためて 頑張ってる
誰に認められまいとも誰にほめられまいとも サラリーマンは様々な事情に苦心してる
ただ口にしないだけで言いたいことはたくさんあるんだよ
それが今も昔も変わらない サラリーマン事情だよ。
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感情渦巻く この大都市東京
たくさんの人がいる中であなたは今日泣いていたの?笑っていたの?怒っていたの? 生きてるの?死んでるの?
東京の街 ビルがそびえ立ち 日々繰り返される生産と消費
無駄を省き
利益を得るため
無駄なものは消え
必要なものだけが残る
そのわりにはいらなさそうなものもたくさん残ってる
本当に必要なのは
ビルや便利な道具な施設じゃなくて 人の優しさやぬくもりじゃないのかな
無意味なもので溢れかえったこの世界の中にある お金じゃけっして買えないものがあるよ
笑う人も泣く人も
怒る人もみんなみんな それぞれのそういうものを持っている
何も言わず
何もせず
何も見ずに
いたんじゃ
つまらない
だから
今日も人は
笑うんだ
悲しいことがあれば泣くし腹立たしいことがあれば怒る
だけど誰にでも変わらないものは優しさやぬくもりが必要だってこと
電車の窓から 見えた燃えるような夕焼け空が涙さそうよ
当たり前な景色の中にこそ 本当に残さなければならないものがあるってこと
みんなわかってるはずなのに いつもいつも気をぬくと忘れちゃうんだね
だから優しさやぬくもりなんてそこら中に誰かが捨てた空き缶みたいに拾われることもなく 足でけられへこんでいつの間にか道の端っこに追いやられて錆びておしまいだね
笑う人も泣く人も怒る人もみんながみんないつでも 怒りの感情隠しながらなるたけ冷静に生きてるんだよ
だからこそそれを 発散するために 誰かが今日も罪を犯しても僕は知らないで済ませば僕にはなんの罪もない
1日の罪の数その死傷者の人数
報道しきれない
ニュースと膨大な情報群
そんな世の中の闇をわざわざえぐり出すような
リアルな歌を
歌う 路上シンガーの歌はその辺の流行りの歌よりずっと優しかった愛があったよ
東京の街の夜は
どこまでもどこまでも僕に優しかった。
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灰皿にたまる吸い殻ほどに 僕の中の満たされない気持ち
理由のない苛立ち
何が皮肉で
何がそうさせてるんだろう?
曖昧な供述ばかり繰り返す世の中や
常識を知らない
若者たちの横暴さや
やけに仕事にはうるさいくせに理不尽なことばかり繰り返す頭のおかしな大人たちのすべてに僕は怒りを感じてるよ
もういっそ全て消えてしまえばいい
肺が 汚れてゆくように 全ての人の脳みそが ストップすればいい
そしたら いっそ余計なことや 面倒な計算しなくてすむのに
なぜ僕らは
なぜ僕らは
こんなに
生き方にこだわるんだろう?
躁鬱の人ほどは
沈んではいないと思うけど気づけば危うい領域に近づいている僕がいるよ
積み重なってゆく
要らぬ妄想に
押しつぶされて
極彩色の夜明けに
僕の瞳は 焼かれ
やがて 何も見えなくなればいい
妄想の彼方にある楽園は絶望というオアシス
そこには皆が願ってる幸せはない 一抹の光も届かない暗闇なのさ。
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何が不満だとかいうわけじゃないけど
なんだか最近思うことがある
泣いてるのはいつも弱い立場の僕らさ
理不尽なこんな世の中にいくら叫んでみても 何がどうなるってわけじゃないけど
若いからって言って
偏見の目を向けないで 若さだけで全てを判断しないでおくれ
人間なんてみんな
若さをやがて失って
いろんなことを学んでさいつかは歳をとって みんな死んでゆく
若くたって素晴らしい人たちはたくさんいるから 全てを若さだけで判断しないでおくれ
僕らは若くたって 心は傷つきやすくて
悲しみに対する免疫力だってそんなにないから 時にはほめられたいし 時には慰めてもらいたいんだ
老いも若きも
みんな同じさ
誰だって一人じゃ悲しいし
誰だってみんな悲しみに抵抗力なんてないんだ
だからこそ
誰かの愛情や優しさを必要とするんだ
そこでその人の背中押すのは 誰だろう?
僕にとってその人があなたならいいのに。
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東京に上京してきて
はじめて住んだアパート 四畳半の狭い部屋月二万の曰く付きの一室
風呂がないから 流し台でからだを洗った
シャンプーなんて洒落たものはなかったから ふつうの石鹸で頭まで全身洗った
仕事は月に十数万の安定した仕事に就けた
月に一度は必ず
田舎の実家にお金送った
毎月送られてくる
仕送りの箱の中に
母と父の応援の手紙
僕は泣きながら最後まで読んだ
遠く離れた父と母を心配しながら
毎日毎日僕は頑張っていたよ
励まされたり
慰められたりすることなんてめったになかったけど
東京の街で暮らし始めて十数年が経った頃 はじめて僕にも彼女ができた
あまりかわいくはなかったけど僕にふさわしく まあまあな彼女だった
やがて長年暮らしを支えられてきたこの四畳半のアパートから出て お風呂つきの綺麗なワンルームに暮らしを移したよ 引っ越しをする際に押し入れの奥に見つけた何枚もの御札に青くなった
まあお父さん お母さん
僕は不器用だけど
なんとかうまく
やっています
愛する人と二人
二人三脚で
雨の日も風の日も
暑い夏も寒い冬も
この東京で生きてる
明日も明後日も
きっと何十年後も
この東京で生きてる
第2のふるさと
東京の街23区をいつか制覇するぜ デートといえばまず思いつくのは東京タワー
古いかな
でも僕はあのタワーの展望台からの眺めがいちばん好きだ
そんなこんなで
続いてゆく彼の
上京物語
時々実家に帰って
彼女と父と母と僕で飲み明かせば
話は尽きない
歳なんだから
からだには気をつけろよと僕は父に言ったけど 父は照れ隠しのように横を向いて泪酒をあおった
空には満月がぽっかり浮かんでた
そんな物語。