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彼女の世界の全てはこの小さな窓辺から見えるだけの世界
その真四角の世界だけだった
彼女は病気で起き上がることさえできなかった
だから時々僕が訪ねていき彼女にいろいろな話をする
彼女の世界の底辺は彼女曰わく僕の話す外の世界の話だった
彼女は言った
あなたの話は下手だけど不思議にどこか素晴らしいわねと
彼女と外界との世界をつなぐものはこの窓辺と僕の話だけ
なんて悲しいんだ
だけれど僕は口にはしない
いつも笑ってる彼女が悲しむ顔なんか見たくないから
彼女をとある少女と言うことは僕はしたくないんだ
みんなとある人間だろう みんないつかそうなるよ 忘れられるのが定めらしいから
この窓辺から見える青空 夕空 雨空
冬の日の雪
そして僕が持ち寄る写真や絵葉書
彼女はそれで喜んでいる
旅してる気分ねと言う
その言葉が僕は一番の救いで一番の痛いところで
やがて、なんでもない晴れの日に彼女は空に旅立った
あれほど行きたかった空に
僕は泣かなかった
彼女が死んではじめて夢を叶えたと思いたかったから
君よ
空の景色はどうですか?
幸せは空の上にもありますように
彼女に翼を与えてあげてください
生きてるあいだになせなかった喜びを当たり前なほどに感じさせてあげて
少女はそれでも外界に憧れはしなかった
あの窓辺とこの僕の話だけが彼女の世界だったから
こんなにも世界は広いのに彼女の世界は小さな窓辺とイメージだけの作り物の世界だった
窓辺の景色をのぞけば
それでも外界に夢を描き僕の話と窓辺の世界だけを私の全てだと言った彼女の言葉を今も強く信じてる
僕は忘れないよ
君と過ごした日々を
今は触れられなくても風みたいに去っても大事なものは変わらず大事なまま僕の心に在るんだ
あの日、君と交わした口づけは切なく優しい愛の味
それこそが君の全てなんだね。
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僕たちは永遠には生きられない
そんなわかりきったことを人は時折本気で忘れる
僕たちは有限なる命をもつ生き物
そんなわかりきったことでも忘れるときは忘れる
永遠にも続くような思いに惑わされながら流れる時の砂に埋め尽くされてる
完全なる無限は有り得ないこと
そして不完全なる有限のもとにいる僕ら
僕たちの命は定められてる
以上の理にて
それでも僕らは忘れたというより忘れたいのかもしれない
刃向かうことなど無謀だとわかりすぎているから
だからこそ僕らは気持ちだけでも永遠に生きようとするのだ
そう想う心のように。
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そんな風に想うこのごろ 寝転がりゴロゴロ スロットみたいにぞろ目じゃないと気がすまない世の中に四苦八苦
世界は僕を見放したのだ
もはや神も仏も無いよ
信仰心はかけらもない
だからかな だからかな
でもあまりにも僕は見放されすぎてませんか?
規則正しくないとまかり通らない常識に促されスロットを続ける
費やすのはコインじゃない
体力 気力 精神力
そして 知力 腕力
視力 聴力 学力
全ての力という力だよ
だから僕はもう空っぽなのさ
ぞろ目なんか出やしないぜ
常識は猛り狂った獣も同じだろう
ゆえに想う
僕は世界に見放されてるのかなと
僕はまだ世界を見放してないのに
なぜ先に世界に見放されてるんだろう
そうだとしたらね
僕は人間ではないのか。
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何万光年の星を僕は今 君と眺めている
願いはいつも大体叶わなくって終わる
だけれど僕は君が望んだ願いを可能なかぎり叶えてあげたいと思う
僕は君の流れ星になりたいから
とある運命に引き寄せられ僕らは出会った
でもそれは最初から決まってなどいなかったと思うんだ
ロマンのない男と笑ってくれても構わない
だけれど運命を作り出すのはそれを選ぶ僕らだろう
切り開かれる運命なんてない
全ては切り開くものさ
だからあの星もきっと自分で流れたくて流れたんだろうぜ
万に一つの運命があるとすれば僕らが生まれたことで
それからは僕らが決めていくのさ
どんな運命でも
僕らが決めていくのさ
明日の行き先は
浪漫スター
今 輝いて
僕らの瞳の中そっと流れた
一瞬の光景が永遠に焼き付いた
忘れられない思い出のように
映画みたいに一瞬なのに焼き付いた
忘れないよ
流れ星よ
君の一生は永遠だ
そして僕らの愛は永遠だ
誓うよ 今
流れ星に便乗してさ
君に愛を誓うよ
何万光年の悲しみさえ飛び越えて全てを受け入れてやる
君とならどこまでも行ける
そんな気がすっから。
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ひとさじの優しさをすくいあげて
君の心に加えよう
スプーンいっぱい分の愛をあげよう
まるで純愛小説の恋人みたいに互いの心へはこびましょう
それぞれの愛を
それぞれの優しさを
ひとさじずつ
今 僕らは世界で一番愛し合えるその証になる言葉を言い合うよ
今 僕らは世界で一番愛し合うことを許された人にしか言えない言葉を言うよ
愛してる
愛してる
世界一
好きだよ
大好きさ
誰よりも
そんな簡単で素直な気持ちがなぜかまっすぐに届いてさ
涙腺を擽る
純愛スプーンですくいあげた愛の甘さに笑いその奥に隠れた切なさに泣いて
僕らそんなふうに生きていく
またふたたびはじまる今日という一日の中 本を読むように僕は夢を見てるように
君とね 君とね
世界一の 君とね
世界一の幸せの中
世界一の夢を見て
世界一の愛を語り合う
スプーンの上で
時折ケンカもして
それでも
いつも一緒で
毎日が夢みたいさ
朝も夜も ああ。
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人の毎日はいつも穏やかなものではない
上がり下がりの激しい波のようなものだ
波が立ったと思えば
静かな時間が訪れる
気ままな人みたいに
訪れた波に合わせて
生きていく僕らの心
今日と明日を行ったりしてまるで大波小波みたいだ
そんな日々の中
ちょっとの期待と
ちょっとの不安を
揺らしながら
僕らは波に乗る
今日も波に乗ることだけを考えてる
乗り遅れたり乗り過ごしてもへっちゃらとばかりに笑ってグッバイ
明日へ行くんだ
そんな僕に幸あれ
悲しい悲しい今日も。
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こんなに悲しいのにねどうして恋するんだろう
どうして君じゃなくちゃだめなんだろう
今 考えていたのさ
結局答は出なかった
ただ好きでただ好きで
それだけだというまま僕は黙ってしまう
君に恋をしてただ恋をして僕はその理由さえもわからないままただ君に恋してる
君だけに恋している
どうしてかもわからないのになぜだろう
君が好き こんなにもこんなにも君が大好き
この恋が愛に変わるその日には君に何を伝えようかな
今それも考えていた
真っ白な雲と青い空のその下で。
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心に沁み入るようにさよならのチャイムの鳴き声が聴こえる
今日も街にはやはりおきまりの夜がおとずれた
まるで信じられないくらいの早さで僕に与えられた限りある一日はこうして終わる、めでたく何事もなく
今日のうちにやりたかったこと
今日じゃなくちゃやれなかったこと
何かあったかなぁ
いつも何かを果たそうとするけどなぜか何もできずに一日中家に居るだけでだいたいは終わる
気づけば夕暮れ
オレンジ色の空をうつろなまなざしで眺めてるよ
今日の自分にさよならを言おう
また明日もあるのにね
大げさなことだけれど今日は願ってももどらないから
今日の自分はもう死んだのさ
だからさよならを言うんだ
人はね一日一日ごとに自分の命を看取りながら死んでいく今日の自分を背負うものなのさ 消えない記憶として思い出という優しい響きで自分の中で書き換えて
だから
夕暮れの真っ赤な空にさよならを言うよ
夕闇で空が闇にのまれ何も見えなくなるまえに早く言わなくちゃ
もう今日の自分には会えない
夢の中へおやすみという言葉を合図に眠り明日目覚めてからは新しい自分なんだから
グッバイ、何度でも手を振ろう
気がすむまで
夜がこの街を完全にのみこむまで
やがて僕は時間という風に吹かれて飛ばされたんぽぽみたいにどこか知らない場所へはこばれるかな
ならばそれまでの時間を大切にすべきだと誰かは眼光もするどく言い放つよ
だらしなく靴の踵をつぶして
ポケットに手をつっこんでなんとなく出掛けた真夜中
行く宛もなく夜の闇の中を月の光を頼りに歩く
これからの日々を明るいものに変えていけるのは僕の中にどれだけ残ってるかな
それを億劫に感じる気持ちを別としても
こんな日々の繰り返しをもしも未来と言うならば僕はけっして否定したくない
笑えることもあるからね
だからさよならのあとに僕は言う
また会おうねと。
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終わりのない物語の中で終わりのない痛みを抱く
永遠がもしも手に入るなら悲しみも永遠だという事を忘れないで
永遠は誰にでも幸せではない
だからこそさよならは必要で
それは終わりのない悲しみに終わりを告げるから
終わりある
この世界で
ほころんでゆく
この宇宙の片隅で
僕らはただ生きる
朝と夜を死ぬまで
繰り返して
ただそんな連鎖を
人は幸せだ不幸だとか笑ったり泣いたりする
すべてはこのリアルな世界の中でしか感じられない奇跡
常識からはみ出すだけでおかしな奴だと区別される世の中で少し他人と変わってるってだけで変な奴だと言われたりするのが常識的だと思うのかい?
それなら悲しみは死んでからもこの世界を包み込んで離さないな
さよなら
もう僕は生まれ変われない
常識が正しい摂理なら何ひとつ不思議なことはない
だから人は生まれれば死んでいく運命さ
そして再び生まれ変わることはなく
さよならをつぶやいたらそのまま土の中へ永遠に埋まってるしかないのさ
悲しみは誰が死んでも生まれても人がいるかぎり心があるかぎり死なないから
僕らはそれからそっと逃げるために死ぬのかな
なんて弱々しい理屈で僕は今日一日を過ごした
ああ、さよなら
もう二度と会うこともない僕より先に死んでゆく今日よ
そして今日を懸命に生きた自分よ
安らかに 眠れ
永遠という棺の中
僕はまたひとつ
死へと一歩向かいながらも光を増して生きていく
生まれ変われはしないがどこか新しい僕になる
みんな みんな
新しい朝がくりゃ
みんな みんな
新しい自分に変わる
それがさよならする意味でそしてより新しくなるために生き続ける理由なのさ
永遠のない僕らに与えられたせめてもの慰めにある繰り返しなのさ
ああ、ならば喜び慎んで生きさせてもらおう 寿命という悪魔が僕の命を喰らうまで言うだろう さよなら…
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僕の中で日々
ふくらみつづける思い
それは君への思い
僕の心の中にあるたくさんのたまご
そのひとつひとつが君への思いなんだ
このたまごが孵ったら中からはきっと
素晴らしい君への言葉が生まれるだろう
君への絶え間ない気持ちは宇宙なんか比じゃない
銀河系さえのみこんでしまうよ
君が僕を呼ぶその何気ない一言が僕の中で勝手に居候してる悲しみを追い出してくれるんだ
そうしてふとした瞬間に心が光り出して
恋のたまごは孵るよ
やがてそれは雛から親鳥に変わるように
君に贈るにふさわしい愛の言葉になるよ
見てびっくり
聞いてびっくり
それは簡単な一言
わざわざ考えなくてもわかる言葉だった
でもそれを信じて僕は言葉にしたんだ
そしたら魔法のように君は僕の言葉を気に入ってくれた
そして僕らつがいになった
同じ巣の中
二人は毎日
互いの盲点をつつきあいながらたまにケンカするもなんとかなかむつまじく暮らしてるよ
卵の中にもう一つあった
それはどんな事があっても好きになった人を最後まで愛すこと
愛とは永遠の証とあった
だから僕は君を永遠に愛すことその時誓ったのだ
祝福の鐘は鳴る
明日へと続く光の道
その道をたどって
僕らは向かうのさ
間違えのない未来へ
悲しみさえ気にしないで互いに信じ合って歩幅を無理に合わすこともなく自然な心で愛だけを心に刻んで歩いていくのさ
いつの間にか
二人の心に新しく生まれた卵
そこからは何が飛び出すことやら
今はそれを楽しみにして未知なる未来に夢を見てる
ふわふわ
ランラン
真っ白い雲にのって青空を飛び交う鳥になるのさ 僕らは
ふくらみつづける思いもやがてしぼむだろう
それでもその時はその時の光を見つけ出すよ
ただ 今は今の光の前 生きるよ
せっかくのこの気持ち死ぬまで裏切るものか
溢れるほどの卵
終わらない産卵。