詩人:どるとる | [投票][編集] |
夜空に輝く 星のように僕も輝きたい
人を憎むことも
人に傷つけられることもないから
人は人をすぐ憎んで
人は人をすぐ嫌いになれるけれど
人の良さも知っているけど だけど
星になればいつでも輝き続けられる
夜空というひとつの舞台で すべての星が順位もなく 等しく輝いている
そんな星になりたい
僕は人間をやめて
人を憎むことも
人に傷つけられることもない星になりたい
遠い昔神様が何もない銀河に 蒔いた星の種が芽を出し 星という花になり きれいに咲いたように
僕も光の花になりたい
ああ さみしさも切なさも 胸をつらぬくような人と人にはさまれて与えられた痛みも 逆に与える痛みも何もかも 僕は捨てて ただ夜空に輝く星になりたい
そして大好きな君の夜を照らしてあげたい
窓にあたたかな光を差して さみしげな夜も切ない夜も
僕を照らしてくれた星のように 僕も
君を照らしたい
やさしい やさしい
星になりたい
せめて いつか
この世界から跡形もなくなったあとで
星に生まれ変わって
輝いていたい
あの夜空の片隅で
世界を照らしたい
すべてを照らしたい
君を照らしたい
命そのものが光る
星になりたい。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
神様が 振ったサイコロの目が 僕らの人数の数だけ出たから僕はこの世界に生まれ気づいたら目覚めたときには僕は僕だった
遠い昔、哲学者たちが解こうとした愛という謎は今もって謎のまま
ただ僕らは意味さえ知らず愛し合う
浮かんでは消えてく
はかないうたかたの日々 わずか数秒たらずのまばたきの合間に視界からいなくなるだけで さみしくなるなんて僕はなんて愛にほだされているんだろう
『人生は驚きと発見の連続』 コロンブスの卵的理論 なんやかんや 言いまくる 哲学者の傍らで 僕は何物にも縛られない歌を歌うんだ
まるで風のように
とらえられない
自由の翼 心に生やして
僕の中の時計が完全に止まってしまうまで これが夢だとも現実だともつかない 世界の中で 朝と昼
そして夜を行き交う振り子のような毎日を送るよ
そしてまた 残像のように君の姿がまぶたの裏に 浮かぶ
暗闇の中にも君の 笑顔が浮かぶ
まばたきの合間にだけあらわれる 理想の人なんて 忘れてしまうくらい 君はそれを通り越すほど美しい人だ
そうか 長年 頭を抱え 愛という哲学を解こうとした哲学者は間違っていたんだ
愛は哲学じゃない
根本的に間違っていたんだ
愛は形のないものだから 哲学や理論の型にはまるわけもないんだ
だから僕は いつも
理論や哲学の届かない
常識からはみ出したところで君に 救われ
そして愛されている
資格などあるかどうかなんてわからない
けれど間違いなく
思うよ
僕は君がだいすきだ。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
遠い昔 どこぞやの国に扉職人がいました
木の扉 鉄の扉 紙っぺらの扉 なんでもござれの職人さん
だけどある時何もない空間に扉があって通り抜けたところとは違う世界に行ける扉があったらいいなって思ったんだ
あれ何かの漫画のようだね 扉をくぐったら そこは 不思議な別世界
さあ 扉職人に頼むとしたらそんな扉をつくってほしい
どこにでも続く扉
扉職人は 言いました
夢みたいなこと言ってないで
あんたも 自分の一軒家に続く扉を頼めるくらいの 財を持ちな
皮肉を言われちまったよ
所詮僕の家の扉は
小さなワンルームへと続くアパートの扉。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
目覚めたときから僕は僕だったのか
目覚めるまえから僕は僕だったのか
わからない
目覚めたときには僕は僕だったのか
目覚めたあとから僕は僕になったのか
わからない
それはうたかたの夢
神のみぞ知る事実
すべてはパンドラの箱の中へと 消えた
アダムとイブが食っちまった 僕の中の悪意が DNAに絡まり合って あとに生まれる人のからだに流れていくように
それは 遺伝というメッセージ
うたかたの夢だから
忘れてしまう
知らなくてもいいから 忘れてしまう
はじけた泡のように
今はもう宇宙の彼方
永遠の謎さ
うたかたの夢。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
愛という愛おしい重力が 僕のからだに負荷をかける
インスピレーションの無さが 生んだ すれ違いも 僕の安い言葉でまた笑いあえるんだ
ふたりの隙間は 優しさですぐ埋まるから
面倒なことは考えずにただ 向き合うことだけ大切にしよう
愛という重力が 僕の林檎ほどの小さな心を やさしく包み込むように 愛おしい重力が 負荷をかけるよ
重たいけど その重たさが なんて嬉しいのかな
離れられない運命という名前の引力で また 僕らは同じ場所で出会えるさ 何度でも愛し合える
もっと僕に
もっと僕に
君の重力を
感じさせてよ
フル稼働する
五感のすべて
奮わせて
僕は愛という重力を
心で受け止める
受け入れるんだ
さあ 僕の胸に飛び込んでおいで
タイミングなら いつでもいいよ
愛という重力で 僕の心は満たされてる
背負ってるよりも
いつも 救われてる
助けられている
君にも僕の重力がかかっていて
僕にも君の重力がかかっていて
ふたりぶんの重力がお互いを 支えてる
ほら ちょうどいい具合に愛という重力がかかってる
幸せなどこの手の中
この手の中さ。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
右中間をぬけた
ボールいまだ行方知れず
大気圏の彼方に
見えた幻
ゆらゆら揺れて
遠くから光を放つ
蜃気楼のように
それは形を持たない
未知なる生命体
計算なんかじゃ到底
割り出せない答え
さあ 僕らは 目の前の真新しい世界に
それぞれの理想を重ねてみる 絶望と失望に打ちひしがれるだろう
それでも僕らは笑うんだ
すべてのことがうまくいかないことくらい
最初からわかっていたから
それほど 悲しいとは思わないんだよ
だけれど頬を伝う涙
隠したのは手のひら
しばらく一人にさせておくれ
悲しみを昔話に変えられるまで。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
僕の鼓膜を震わせる
よく通る君の声
素敵な素敵な 歌を奏でるよ
北風吹きすさぶ冷たい 時代に 人と人のあいだを縫うようにして生きるのさ 蛇行して言い訳を並べ立てて僕は進むのさ
さびしさを胸に
風に吹かれて
僕は生きる
口笛を吹いて
たまにゃ空見上げ
もの思いに耽れば
たちまち日々は怒涛に過ぎてく
振り返れば思い出と名付けられた記憶たちが頭の中で あの日の笑顔や涙を何度も巻き戻して観せる
南風吹く 僕の国には涙は必要はない
悲しいことなんて何ひとつありはしないんだから
僕の中で回り続ける
映写機が映し出した
あの日の僕の涙が今さらぶり返されるように 僕は泣いた
涙などもはや同情の枠には入らない 無情な時代の中で
人々の涙は美しくこんなにも輝くのに
せつなさを胸に
あふれる涙拭い
僕は歩いてく
途方もない旅へ
人にからかわれて
たまの休みには
行き先も告げずに
どっかへ出かけて
物憂げに窓辺に座り
思い出話のひとつでも語れば泣きたくなる
さびしさを胸に
風に吹かれて
僕は生きる
口笛を吹いて
たまにゃ空見上げ
もの思いに耽れば
たちまち日々は怒涛に過ぎてく
せつなさを胸に
あふれる涙拭い
僕は歩いてく
途方もない旅へ
人にからかわれて
たまの休みには
行き先も告げずに
どっかへ出かけて
物憂げに窓辺に座り
思い出話のひとつでも語れば泣きたくなる
泣きたくなるんだ
わかるかい?
風の子だって 心までは 着込むことはできないさ
寒さはしのげても
悲しみやせつなさは
しのぎようがない
ああ 並木道の向こう馴染みの喫茶店ボレロが潰れた
まわれ右で街に戻っても行き場はなく
僕はまっすぐ 家に帰る 仕事へ行く以外は冬眠するように 部屋に閉じこもり
世界の情勢を見守るふりしてふて寝する。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
神様のつくった筋書きの中で 僕らは最初から決められていたとおりに生きている
そんな仮想が浮かんだ
神様のあらすじの中では僕はどうやら頭の悪い人間の役のようで
神様のせいにすればどんな言い訳も通ってしまう
神様のあらすじの中で僕は僕という人間を殺すんだ
あらゆる可能性を信じずに 信じきれずに神様のせいにして すべて放り投げてしまえば楽だから
神様のあらすじの中で僕は神様がつくった筋書き通りの人生を演じるだけ
神様なんか最初からいやしないことはわかってるのに
神様のせいにして
今日もいもしない神様のあらすじにしたがって生きているんだ
神様は僕だった
あらすじは僕がつくった筋書きだった
それでも神様のあらすじは逆らえない
明日も 僕は頭の悪い人間のまま 間違いをやらかすよ
自作自演の日々はつづいていく
世界をつくった神様が自分でつくった世界の中で生きる
僕の人生は鳥かごの中で始まり鳥かごの中で終わる
ちっぽけな人生。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
いつも どんな
悲しみからも
僕をかばうように
雨をしのぐ屋根のように
優しさという 傘を差し出してくれる人よ
ありがとう
こんな言葉しか浮かばないけど
僕も優しさを手繰り寄せて 愛する喜びも愛される喜びも 知っていきたい
人には誰も
優しさを蓄えられる心があるはずだから
誰にだって大切な誰かがいるように
僕にも君という大切な人がいるから
いつまでも
その優しさを忘れないように
優しさという屋根の下で僕は 誰より近くで 君のことを見つめるよ 汚れのない瞳で
いつまでも
いつまでも
ふたりは寄り添いながら 同じ空を見つめ同じ夢を抱き
共に幸せになろう
悲しみなど 笑い飛ばせるさ
愛があれば
愛があれば
雨など 振り払えるさ
優しさがあれば
優しさがあれば。