詩人:どるとる | [投票][編集] |
ただそこにあるようで
それだけでいい
愛というものはそれだけで意味を成すのね
ただそこで微笑むだけ
それだけなのに
僕はただそれだけで元気が出て 頑張れるのね
愛というものはそんなものなのね
言葉じゃなく お金じゃなく 名誉や地位じゃなく 形のない見えない 何かが 愛にはあるのぬ
だから 僕は世界一あなたを愛せるのね
だから 君は世界一僕を愛しているんだね
ああ 愛というものは…
語り尽くせない
夜が明けても
百年過ぎても
歯がすべて抜けても
ああ 愛というものには
勝てないや
何気なく 木漏れ日の中 咲いたような 花なのに どうしてってほど愛してる
涙さそう月の夜
笑顔浮かべる星の夜
僕は並ぶ ベランダで 夜空見上げる
愛というものを 感じながら
愛というものに 包まれながら。
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不器用な二人は
愛というものの
意味さえ知らず
手をつないで
とりあえずどこまでも歩いた
歩き出した季節の
一歩は 落とし穴跨いだけど あとすこしのとこで水たまりにはまった
頬を濡らした月曜日
君に慰められたっけ
船を漕ぐように 訪れた週末相も変わらず競馬の予想は浅はかだ
つまらないことに悩んだ若かれし日々
全部まとめてゴミに出そう
思い出と呼ぶには
浅ましいぞ
さよなら 十代
さよなら 二十代
ようこそ はじめまして 三十代
これからはちょっと大変 三十肩に要注意 倦怠期が押し寄せる よけても 降りかかる運命さ
だけどね お世話さま
僕にゃ君がいる
めくるめく 日常のカレンダー 赤と青と黒じゃ足りねえな
七色に染まる 街並み 僕らの心は言い様もない 虫たちだけが知る 未知の色
ああ 予想どおり 競馬ははずれ
金をどぶに流したがそれ以上の価値ある君を手にしたよ
可憐だね 可憐だね
振り向いたその姿
風に凪ぐ 景色の中
そっと 咲いていた
僕のカレンダーの中
まるで最初からそこにいたかのような
そんな そんな
君だから
いまだかつて誓ったことのない愛を誓ったのさ
降り出した雨に
相合い傘で
帰る 月曜日
あの日のように
二人は不器用に
歩き出したんだ
だけどあの頃より
ちょっと
いじらしいほど
心だけ 心だけ
重なった
重なったよ
愛してる
囁くように
言った夜
しようか しようか
しようか 何を?
知ってるのに はぐらかした深夜零時
カレンダーは薄紅色に染まった
そして青春は繰り返す
君が笑うたび 君と手をつなぐたび
老いを感じないほど
若さは心にあり
さあ 愛し合おう
歌うように 自由に
さあ 感じ合おう
痛みさえも なめらかに
カレンダーの中
二人は生きる
時計仕掛けの日々の中 二人は生きる。
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離れてみるとさみしくて さみしくて
一緒にいた時間が長すぎたから
だけど 一緒にいればいたで 喧嘩して
いがみ合って 何かを取りあって
意地を張ってしまうんだね
遠くの空を眺め
あなたを思うんだ
あなたは元気かな?
一人で住むには
ちょっと広い
この部屋の片隅で
一人暮らし
一人で笑うには
なんにもない
この部屋の隅っこで
その日暮らし
いつかの嘘が
今 僕の中で
バレました。
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何でもあるようで
なにもないこの世界
いらないゴミばかりがあふれ 人々の欲望ばかりが膨らんでる
毎日起きる悲しい事件 動機のない殺人
それでもそんな暗い影の世界の片隅には美しい花がけなげに咲いている
何もないようで何でもあるこの世界
見渡せばほらありふれた毎日の中にも幸せが ほら 見えるよ
目をこらせばほら どんなくだらない毎日も 幸せに見えるよ。
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僕らは何万分の1の確率の末 生まれた奇跡の命だろう
そしてその奇跡はこれからもつづいてく
さも当たり前のように生まれ死んでゆく
そこらへんの小石のような命でも ほら間違いなく奇跡の命だろう
ほらね 君が刻んだ足跡がいつか その奇跡の意味を教えてくれる
胸の片隅 差し込む
暗い影を 消し去る
まばゆい光に照らされて またとない奇跡の中 僕らはまた奇跡を生み出す
まるで当たり前のように奇跡を起こす
何万分の一の確率さえも 僕らならばまるで 笑ったり泣いたりするように当たり前に 簡単にはじき出す
そんな僕らの毎日
まるで奇跡のよう
まるで奇跡のよう。
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なんでもないような
捨ててある空き缶のような毎日が どれだけ幸せか
世界中見渡せばわかるね
何気なく さりげなく暮らしているように見えても
誰かに必ず助けられ
救われてるから 生きていられるんだ
どんなに 悲しくても生きていることを誇らしく 思う自分が
時に肩を落とすとき
僕の存在はひどく曖昧に見えるんだ
それでも よくあることさと笑ってみせるんだ
くだらないようで
なんて素晴らしい
当たり前のようで
どこか特別なエブリデイ
ため息で曇る明日
どこまで走れば
たどり着けるだろう
全てを 愛せるだろう
吐き捨てられた
ガムのように
飲み干して
捨てられた
空き缶のように
僕は空っぽさ
それでも何かができそうな
だからこそ何かがやれそうな
そんな僕らは昨日と変わらない 暮らしの中 今日も吹けば消えそうなちっぽけな命 背負いながら 歩くのさ
つまり生きるとは
笑うことであり泣くことさ
つまり生きるとは
喜ぶことであり悲しむことさ
それが僕らに課せられた死ぬまでつづくエブリデイ
くだらないようで
なんて素晴らしい
当たり前のようで
どこか特別なエブリデイ
ばかばかしいようで
なんて素晴らしい
絶望的なようで
どこか希望にあふれたエブリデイ。
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生まれない
生まれる
二分の一の確率で
生まれた僕らは
たいしたことない
生きる
死ぬ
二分の一の選択肢
前者を選んだ僕らは
まだ死なない
ミクロのような
ちっぽけな命の重さは 地球より重い
ミクロのような
ちっぽけな命の輝きは ダイヤよりまばゆい
明日の行方は風に聞け
わからないなら わかるまで 明日を追いかけていけ
無能で役立たずの民の群れ ミクロのような絆を繋ぎミクロとミクロが集えば
大きな大きな力を発揮する
スキップ刻めば
寂しささえも
笑顔に隠れて
見えないよ
ミクロの涙じゃ
見えないよ
ちっぽけな
ちっぽけな
ミクロが笑っても
ちっぽけな
ちっぽけな
花が咲くだけ
でもほらね
たくさんのミクロがいっせいに笑えば
大きな大きな虹が架かる
さあ ミクロの群れは進む 明日を追いかけて進む
僕も行こう
笑おう 泣こう
たまにゃ怒ろう
明日からまた明日へとミクロの旅はつづくのさ
跡形もなく 消えていく そんなさだめのミクロの旅はつづくのさ。
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何も言わずに 喜びを詩にしよう
何も聞かずに 悲しみを詩にしよう
その喜びや悲しみを言葉という詩にしよう
無音の中 目を閉じて感じる 暗闇の向こう側にある景色
ただ呼吸を繰り返し
生きていること
当たり前なことにさえきっと意味はある
さあ 五感をふるわせて めのまえの花や水や空や形のない感情さえ 詩にしよう
見えない景色のそのまた向こう側に
見える 涙や笑顔
形などあるわけがないさ 言葉は空いた穴を埋める一時しのぎ
涙はそこから流れる
笑顔はそこから消えていく
だから 詩に変えて
紛らす 今日さ
だから 詩に変えて
はじめて見える景色さ
見えない景色を絵にしたら きっときれいな景色だね
でもね言葉ならば無限大になるんだよ
だから 絵じゃなく
詩にしよう
憎しみ 妬み 恨み
悪なる感情さえ
詩にしよう
その中に その中に
自分はいるんだから
答えがあるんだから。
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なんて 素敵な
なんて ずぼらな
1日なんでしょう
形容しがたい時間
がらくたを捨てに
部屋を空けたのさ
自転車に乗って
あの場所まで
宛てなんかないけど
宛名なんかなくても
悲しみは届くのさ
だけど悲しみが届くのなら喜びや幸せも心に届くだろう
バカみたいに笑おう
愛想笑いや苦笑いは笑顔の内には入らないよ
さあ 笑ってごらんよ 心の底から
がらくたのような
記憶を捨てに
年期がかった
自転車に乗って
山あり谷ありの道のりを行こう
がらくたびよりだ
金はない夢はない
能なし 体力もない
何もない 何もない
自分まで 捨てて
生まれ変わろう
そうしよう
がらくたのような
昨日にサヨナラ
がらくたのような
今日におはよう
瞳の中で 回る
記憶の映写機
今 またひとつ
終わった。
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名前のないものに
名前をつけたら
涙も強さに変わるかな
色のないものに
色をつけたら
幸せさえも鮮やかに見えるかな
目には見えないものに影をつけたら
命にさえも 生命が宿る
耳には聴こえないものにリズムをつけたら
絵に描いた音符さえ
楽器がなくてもひとつの歌にもなる
目が見えない人や
耳が聴こえない人にはきっと目や耳が見えてたり聞こえてても大事なものを聞き逃したり見過ごしたりしてる僕らにはわからない音色や景色があるんだ
目がいくらよくても
見えないものがある
耳がいくらよくても
聴こえないものがある
それは誰にもわからないよ
生きているという音が刻むメロディ
それは僕や君にしかわからないよ
笑っている泣いている ただそれだけで歌になる 景色になる
だから聴こえないメロディでも ちゃんと君の耳に届いてる
悲しいことも嬉しいことも ちゃんと心に聴こえている
だから ほら 耳が聴こえなくたって
目が見えなくたって
メロディはいつでもまぶたの裏に 景色が広がり 頭の中でリズムは鳴り続ける
それは愛だったり
憎しみだったりするけど 数え切れないたくさんのメロディに包まれながら
知らないあいだに
僕らは 音になる 色になる 景色になる
ひとつの世界になる
それがメロディだ
誰も 知ってて
誰も 知らない
メロディだよ。