詩人:どるとる | [投票][編集] |
愛想笑いや苦笑いは笑顔の内には入らないよ
ほら笑えるもんなら 笑ってごらんよ 心の底からすっかり馴染んじまったその愛想笑いを涙で洗い流して
ああ心に毎日嘘をついてる大人たちの笑顔はほとんどが嘘さ
この世界には 希望はあるのかな
あるようで何もない
ゴミばかりあふれ
食いつなぐ日々
職をなくした人々が
集う街 カラスのようにゴミを漁る姿
鼻で笑った自分に気づいたら
心が腐ってしまいそうだ
幸せな人 貧しい人
境目なんてありゃしない
笑ってる人 泣いてる人
違いなんかありゃしない
死にそうな人 健康な人
特別な人なんか誰もいやしない
真面目な人 不真面目な人
嘘を交えたらわからない
何を信じ何を疑い
何に僕らは寄りかかり生きればいい?
笑顔ひとつ 見せられないと 苦しいから
嘘をついても 誰かの瞳の中で やさしく見つめられたいのかな
ああ 嘘ばかりが
あふれる世界だ
視界の端に咲く
愛や本当の優しさが惨めに見えてくるよ
ただ笑うしかないね
ただ笑うしかないよ
笑えば笑うほどに
悲しくなるんだ
嘘ついでまで笑うなら 心に素直になって膝を抱えて泣きたいよ
それも許さない
世界に 僕は 何を求めるのか
矛盾にあふれたルールに縛られた この世界の未来に何を 見てるのか。
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来た道を戻るように
僕は向かい風に逆らうように
記憶を遡りいつかの思い出をふと思い出すよ
いい天気だな
今日という1日は
くだらないことばかりのつまらない1日も 探せばあるもんだな 輝く何かが
さあ 逆走しよう
昨日の涙や笑顔を
昔話することはないさ
さあ 逆走しよう
例えば何年前
何十年も前のときめきは嘘じゃない
逆走しよう
風になるんだ
いろんな場所に
吹くように
始まる春に
何かを見てるから
さあ 逆走しよう
今 逆走しよう
昨日の涙や明日の笑顔は 何年先や何十年も先の涙や笑顔と同じさ
どれだけ走ろうが
どれだけ進もうが
何ひとつ変わらない
こことあそこぐらいなもんさ
大丈夫だよ 逆走しよう
たまには過ぎ去ったときめき思い出せ
さあ 逆走しよう
今 逆走しよう
ぬぐい去ったはずの涙や 忘れてしまった笑顔を今日取り戻すのさ。
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何かを 失って
何かを 手に入れた
何かを 忘れた
何かを 思い出した
ああ いつも 繰り返し その繰り返しさ
回る フィルム
1分の1の 夢
映写機は回るよ
昨日の涙や笑顔を
この心に焼きつける
映写機は映すよ
今日の涙と笑顔を
この瞳を通して
誰かを 庇って
誰かを 罵って
誰かを 憎んで
誰かを 愛して
ああ いつも似たような今日さ そうさ
終わるフィルム
巻き戻せない ルール
映写機は止まるよ
今日の涙や笑顔を
明日の僕の心に転送する
映写機は壊れるよ
今日の涙と笑顔は
今日だけの涙と笑顔
カラカラと 乾いた音を立てながら フィルムは 静かに 終わる
明日の僕や君の瞳の中 今日も 映るよ
つまらない出来事やとりとめもない会話さえ 映写機はとらえるよ
それが 僕らの永遠さ。
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人はどうして恋をするんだろう
魔法のように僕らはお互いに好きになる 好きになる
けんかのあとに気づくんだね
好きな人を悲しませたこと
好きな人をさびしくさせたこと
その愚かさに気づくんだね
人はどうして憎み合うのだろう
魔法のように僕らは他人ってだけで人とのあいだに距離をあける
戦争の終わらない国もある
いまだに戦争ばかりの国がある
日本に生まれた僕にはわからないことがある
当たり前な幸せに溺れたら 大事なことを忘れてしまうよ
魔法のように 好きな人に 好きと言えた今日は どんな悲しみも好きという一言で消えてしまう 不思議さ
不思議さ
そして夜は明けて
光に包まれる街が見える ほら 幸せを感じよう 誰かの涙は流れてもきっと悩んだって何ひとつ変わらない
めのまえの幸せに笑うことも 当たり前
誰かを思いやることまた当たり前さ
魔法のように 生まれては時間をかけて 消えてく命に 僕らはなんの迷いもなく向き合うのさ
魔法のような この時間の中で 笑ったり泣いたり 生きること
それは 不思議な 不思議な時間さ
魔法のように 僕も消えていく さびしくないといえば嘘だ
だけど 魔法のように また 太陽が昇れば 涙なんて乾く
ほらまた 君が笑う
僕はまた君に恋をする
恋をする
魔法のように 仲直り
魔法のように 幸せが手のひらの上 生まれる命 生まれる命
悲しむことはないさ
繰り返すことさ。
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いつか この場所に
咲いた日のことを
まだ覚えている
あの日の記憶が心に咲いている
小さな優しさと
ほんの少しの狡さ
抱きしめて
受け止める
今日という雨上がりの朝
命にも影がある
存在するもの全てに影があるように
君の心にも影がある
ほら揺れている
陽射しの中 またひとつ影は消えるけど
命の影は何度でも
陽射しの中咲くよ
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色鉛筆のように
人にも色があるんだ
様々な色をしてる
僕も君も同じようで違った色をしている
僕にはない色を君は持っている
君にはない色を僕は持っている
彩り豊かな人の色
染まって 褪せて
また染まって
また褪せて
繰り返す季節
擬態するように
嘘をつけば
嘘と同じ色に
心は染まる
誰かを愛せば
あたたかな色に
心は染まる
僕は今、何色だろう
君は今、何色だろう
雨の中 太陽の下
暗い 路地裏の中
どこにいても何をしてても僕は染まるよ
鮮やかに 時にしめやかに 隠れるように 目立つように 僕は暮らすよ
24色じゃおさまらないたくさんの色の中
いろんな色が混ざらず 重ならず それぞれの色が 際立つように 生きる世界の中
僕らは 群れをなす魚のように荒波の中でも 美しい色彩
七色に輝くのさ
彩り豊かな人の色
染まって 褪せて
また染まって
また褪せて
繰り返す季節
擬態するように
嘘をつけば
嘘と同じ色に
心は染まる
誰かを愛せば
あたたかな色に
心は染まる
いろんな色がいろんな色に染まる 染まる
春なら 春の色に
夏なら夏の色に
秋なら秋の色に
冬なら冬の色に
ほら 寒さの中にもあったかい愛があるように たくさんの色が 心を埋めつくすだろう
色鉛筆がつかえばつかうほど先がすり減り短くなるように
僕らの命にも限りがあるけど だからこそ素晴らしい
限りある時間の中
美しく咲く僕らの色
どんな誰でも
今日も明日も鮮やかに 染まる色彩
老いるほどに褪せてゆく色彩
褪せてもなお輝く色彩
ほら歳を重ねても
色褪せない心の色
さあ 染まろうじゃないか あの日のように 誰かを愛するように
誰かを思うように。
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きこえるだろう
銀河のうねる音
鼓膜をふるわせる
泡沫のメロディ
古い時計の針が
その時を指せば
僕らは跡形もなく
消えてしまう
それが運命
憂うつな午後
穴ぼこだらけの今日もほら幸せは君の胸の片隅生まれてる
このさびしさはため息のようにほら元気まで奪ってゆく
木の葉さえ舞い上がらない かすかな風にさえふるえる頼りない日々よ 永久に眠れ
夜明けとともに汽笛をあげて走り出す汽車は 虹のトンネルをくぐり抜け
星から星へと渡り歩き
宇宙の果てまで行くように さびしささえ風に乗せ この世の全てを手に入れたようにまほろばの夢の中笑うのさ
目を閉じれば
見えるだろう
遠い記憶の中のあの景色が 何もない暗闇に光を灯す
壊れたラジオから
流れる昨日の言い訳が ごまかしきれずに叱られた 誰かを守る嘘さえ 叩かれる世の中に吹く風はつむじ風
それでも忘れない優しさだけは
誰かを愛すときのため 僕は捨てないよ
このさびしさはため息のようにほら元気まで奪ってゆく
木の葉さえ舞い上がらない かすかな風にさえふるえる頼りない日々よ 永久に眠れ
そしてまたこの瞳に夜が来る
夢のように汽車は駅を出る
朝が来れば 昨日までの幻は全て消え
涙さえも 冷たくて
幸せさえも 闇の中
肌を貫く 痛みや
胸をくすぐる 切なささえも現実という言葉の前に跪く
そして僕は瞳をそらす
さびしさが風のように頬の川の水面をたゆたいながら流れてる
あとにはただ遠ぼえのような風が吹いていただけ 吹いていただけさ。
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目を閉じると 浮かぶよ あの日の景色がまるで映画のように映るよ
四番目の感情が 目を覚ませば 浮かび上がる 生まれる前 見た気がする 母親のお腹の中で見た夢
第六感で 見通す明日は 単純な頭で見つめるだけで 悲しみさえも そのあとに待つ喜びの輝きで 見えないね
瞳はいうなればスクリーン 頭の中の映写室で見た夢よ
第六感で見通したように 見えない景色の向こう側に 広がれ
待ちわびたあの未来よ
待ちわびたあの未来よ。
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そうさ美しすぎるから
汚れやすい人の心は
まるで卵白のよう
黄身と混ざれば 汚れてしまう
だけど汚れていくのは悪いことばかりじゃない
生きていくことは切磋琢磨働くこと
働けば汚れるよ
汗を流せば汚れるよ
だから僕らは美しいとは言い難い
だけど心はいくらでも美しさを保てるよ
誰かを 憎む時でさえ きっと憎しみがなければ生まれない反省という名の光差し込む夜明けがある
大丈夫さ
罪を償える心の潔さがあればもう誰も傷つけない
畏れを抱き
進め 若き魂よ
列をなして
並ぶ松明が
森を焼き払うまで
僕は何かの終わりをこの目で見届けるよ
本当は美しい世界に僕らのしてきた愚かさとその傷跡がほらあなたの濁った目にもはっきり見えるだろ
僕らが美しいのではなく 僕らの心が美しいことや
見えるものや価値ある宝石よりも見えざる心が美しいこと
僕は忘れない
ずっと忘れないよ
無色透明だった心はやがてこの世界のように美しさをなくし
汚れきった
だけどそれは僕らのいい加減な行いの結果だ
無色透明だった心はやがて過ちを省みる心さえ忘れてしまったようさ
辞書にも聖書にも大事なことは何ひとつ書いてない
大事なのは僕らが心を持ち合わせながらも腐らせることだ
煙草のポイ捨てから人殺しにいたるまで
全ての悪を悪と認められる心を持ち続けるこだ
当たり前なことがないがしろにされてる世の中だ
無色透明だった心はついにここまできてしまった
誰かの嘆きの声は 聞こえるだろうか
理由もなく 僕らは殺され 理由もなく傷つけられる
そんな理不尽な世の中が ある今が悲しい
悲しいばかりさ
僕の中にもそんな悪意があるのかな
どれだけ正義を気取っても無色透明とは言い難い
そんな無色透明だった心 不意のずるさに歪んだ。
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電車の中で 僕は見た
学校の中でいつか見た
悪意はどこにでもある
ルールの中でも違反はある
法律があっても犯罪はなくならない
悪意が人を殺させる
人を殺せと導く
あっても意味のないルールは意味はない
だけど秩序がなくてはもっと意味がない
ルールがなくちゃ人は悪意を隠さない
ルールがあっても悪意があるから犯罪は消えない
どんなに善良な人もルールを犯せば悪人になる
悪人だって人を愛せる 人を守れる
だけど善良さを装ってる人もいる
会社の中で 僕は見た
いつもの道で僕は見た
犯罪はどこにでも起こる
ルールの中にも無秩序は生まれる
少し歩けば 棒に当たる
少し歩けば 穴に落ちる
全くこわい世の中だ
全く危ない世の中だ
少し歩けば 嘘にだまされる
少し歩けば 憂さ晴らしに殴られる
落ち着かない毎日だ
安らがない世の中だ
愛する人の膝の上のような 安らげる場所はないものか
空を見上げて
考えた
僕は僕を詰るように
自分の犯した罪を恥じる
棚に上げた自分をおろす
少し歩けば 自分が見える
少し歩けば 他人が見える
もっと歩けば 世界が見える
もっともっと歩けば 全てが見える。