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どるとるの部屋  〜 投稿順表示 〜


[3766] 幸福の窓
詩人:どるとる [投票][編集]


窓辺に佇み
ただ目を閉じ
瞼の裏に
明日を描く

幸福でした
昨日までは
誰かが死んだ
今日を知るまでは

世界巻き込む
不幸や災害も
昨日の僕らには
知る由もなく
仕方ないと
済ますしかない
僕らは
この窓辺で
ただ悲しみを抱く

見つめる先には
瓦礫の山と
誰かの涙の痕がある

幸福でした
明日が来なければ
誰かの死を
目の当たりにした
今日を知るまでは

ああ 今日はなんて日なんだ
ああ 今日はなんてついてないんだ

僕も君も何らかの被害者だ
責任からは逃れられない
弱い強いに関わらず
今日も傷つく民の中
幸福の窓から見える景色はいつでも残酷なほど美しい

今日という現実を突きつけられるまえの昨日まではね

今日見た地獄も天使が優しく微笑む天国のようだった。

2012/03/03 (Sat)

[3767] 透明ドア
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掛け違ったボタンをかけ直すように
僕はまたここから歩き出す
どれだけ時間がかかってもいいんだ
また始めよう 最初から

装うのは得意だ
嘘でごまかしゃ大丈夫

さあ 旅支度をしよう
僕は変わるんだ

このドアは開けるためにあるんじゃない
このドアは閉めるためにあるドアなんだ

だから開けよう
目の前の見えないドア。

2012/03/03 (Sat)

[3768] 平熱
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吸い込んだ冴えた空気
夜気を帯びた風
ほほをなでたらキスの時間
体温は多分平熱36℃

楽しくもないし
悲しくもない
空っぽ がらんどう
真っ白な気持ちで
僕は笑い 泣くよ
それだけ
ただそれだけで
世界は輝く

当たり前な日々
平熱36℃
変わらないから
幸せなんだ

気づいたよ
気づいたよ

平熱36℃の幸せに。

2012/03/04 (Sun)

[3769] ひびき
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目を閉じて 暗闇の中 見えない景色を眺めてる
目の見えない人は目が見えないなりに見えている景色がある
耳の聴こえない人は耳が聴こえないなりに聴こえる音がある

僕らの命をつなぐメロディ 一定のリズムで上下に揺れる波長
心音がふるえるほどに感じる幸せが ほら見えない景色の向こう側が光で満たされる

何も聴こえない
何も見えない
ただかすかな
心音だけで生きている
曖昧なひびき
タクトは秒針
なにもしなくても
僕らは日々命を削られる
それでも笑う
そんな不思議
抱いたまま
今日も風と戯れる

行き交う人の流れを
眺めてる僕と眺められてる人の視界に降る雨の違いに嘘はないはずだよ
見る人によればそれは冷たくもあって優しくもある
君にはどう映る?めのまえの景色
新しいひびきのなか
ひびきあう人と人
僕らは互いを憎まずに愛しあえるかな
さて さて

試される
目を閉じたあとのしずけさのなか
五感を研ぎ澄まし
生まれる未来
落ちたる先の結末は
落ちたる先の結末は

無音の叫びに気づけたら
透明なざわめきに気づけたら

ひびきはただのひびきから またとないひびきへと変わる。

2012/03/04 (Sun)

[3770] ラストワルツ
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おたまじゃくしが列をなし 跳ねる 踊る 回る 輪を描く

さいごの晩餐 平らげて 虹色のカーテン閉めたら ゆこう

もう誰も憎まずに
笑ってばかりいられる そんな世界へ

都合のいいハッピーエンド
連れて行こう
いつかの悲しみも
いつかの切なさも
やりきれずにいた
あの夜も流した涙も
泡となり消えたマーメイド 永遠はつかの間

ラストワルツでも踊ろうか
さいごのさいごでだだこねる
幼さがさよならを妨げる

楽しいふりして笑ったり
嬉しいふりしてごまかしたり
くだらないな 大人はみんなくだらない

ラストワルツでもかけようか
回るレコード 針落とす夕暮れ
チャイムの音に玄関へ 開けた扉の向こうには
まるで夢のような
生まれたての朝がある

ああ 死にたくないな
ああ まだ死ねないな

流した血より多くの涙を流す時
僕は生きる希望を見た気がした。

2012/03/04 (Sun)

[3771] 詩人のあはれ
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特別でもなければ
当たり前でもない
言葉を探して
唄う人

言葉は楽器
如何様にも奏でられる

貶されたっていいさ
わがままだっていい
描きたいことを描くだけ
認められなくてもいいさ
へたくそだって構わないさ
ただの詩人でいたいのさ
浅はかな愚か者でいたいのさ

だからこれからも。

2012/03/04 (Sun)

[3772] はつこい
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涙がほほに わけもなく 伝う時は
言葉はまるで役に立たない 慰めも雑音に聞こえてしまう
せっかくの君の優しさも ごめんね

投げたボールが地面に落下する 会話のキャッチボールがうまくいかない
好きだよとさえ言えないよ

はつこいの甘い夢に
身も心も滅ぼし
おぼれてる 愚かさ若さを 言い訳に 僕は君を傷つける

青春の風景

ほらね、舞うような風の中
約束したのに 果たされない未来

君はもうアルバムの中だけの人

幻のよに

はつこいのよに

見えない桜 散るよに。

2012/03/04 (Sun)

[3773] こんな時代に
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人を人と思わぬ
こんな時代に
足りないもの
数えたらきりがない

人が人に見えない
こんな時代に
目に余るもの
上げたらきりがない

僕はただ立ち尽くす
こんな時代に
僕はただ従う
こんな時代に

やわらかな風の中
戸惑いながらも
笑う君を
ただ愛する

夜は優しく僕らを包み込む

汚れきった世界の中
美しいものは本当に美しい

こんな時代でもしんじられるものがある幸せかみしめてこんな時代に生きていく

こんな時代になにかをまだ求めてる

こんな時代だからこそ変えられる何かがある

ほら光はまだ消えちゃいない

僕らの中にある
その可能性
人の痛みに気づけたら こんな時代にも希望はある。

2012/03/04 (Sun)

[3774] 満たされる
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当たり前に満たされる
くだらないという概念が生まれたら
僕らは幸せのなかにいる

抑鬱に満たされる
他人と自分を比べたら
きりがない現実に気づくのさ

欲望に満たされる
欲しい 欲しい
足りない 足りない
あとで気づけば むなしさだけが腹を満たす

心の満腹感
得たいなら
有無を言わず
死ねばいい
満たされるとは
命がけ

無の空間に
何かを求めても
何ひとつ生まれない

無の空間に
何かを描きたいなら
持ち寄りなさい
形あるもの

方法はただひとつ
生きなさい
その先を知りたいなら

希望に満たされる
絶望に満たされる

何かで満ちていれば
悲しみさえも穴を塞ぐ栓になる

涙さえも 無を満たす

満たされている
悲しみに 喜びに
満たされている
他人に 自分に

すべてに僕らは
満たされている

満たされる今日も
満たされぬ今日も

空っぽの空間に
何かで満たしさえできれば僕らは満たされる

勝手なものさ
人間なんて
狂ってる
人間なんて

満たされるだけで 満たされる。

2012/03/05 (Mon)

[3775] 雨樋
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泣いたって 泣いたって
晴れない悲しみもある

笑っても笑っても
まだまだ足りない

それでも 泣くんだよ
それでも 笑うんだよ
めのまえのたいせつな人に

泣いたって 泣いたって
明けない夜もある

笑えば笑うほどに
むなしいときもある

それでも泣くんだよ
それでも笑うんだよ

心がうなずくままに
生きたいから

涙を流して 早く 笑えるように

今はただ悲しみの中 空が晴れるのを待つ

雨宿りする人。

2012/03/05 (Mon)
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