詩人:どるとる | [投票][編集] |
君のほほを濡らす涙が
君の悲しみのほどを伝えてます
たまには喜びが君のほほに涙を伝わせます
今日はどんな涙があなたのほほを伝うかな
明日はどんな悲しみがあなたのほほを濡らすかな
僕にはなにができるだろう
こんなにもこんなにも悲しい世界で
こんなにもこんなにも生きる喜びに出会うけれど
涙は僕から 離れない
涙は君から 離れない
目を閉じても せき止められない
生きる不思議と 人を愛する不思議
たくさんの不思議の中に生まれる当たり前
理由もなく ここにいて
理由もなく 消え去ってゆく
そんな宿命と向き合って
涙ももう百を越え千を通り過ぎ
一体どこまで増えるかな
涙は今日も伝います
あなたのほほに そして僕のほほにも
世界中の全ての人のほほに伝います
悲しみだったり喜びだったりするけれど
あなたのほほに伝う涙を拭えたら
どんなにいいかと 僕は考える
行き着く岸辺は夢からの目覚め
もう、苦しまずに生きなくていいんだよ そんな言葉が欲しいのさ
そんな人と寄り添っていたいんだ
僕は心のままに
間違えて
心のままに
向き合います
正しいことなどあるものか
全ては涙が教えてくれる
形のあるものほど馬鹿らしい
意思も感情もない涙にこそ答えは灯る。
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十年経っても
二十年、三十年
経っても
今と変わらない気持ちでプロポーズするよ
「君のことが好きです」
なんのひねりもなく言ったあの夜
僕はあの日、君を抱いたんだ
柄じゃないさと笑っていたけど
大切なものを守る使命ができた気がして誇らしくなった
何歳になっても
記憶途切れがちになって 歯も髪もなくなっても 同じ気持ちでプロポーズするよ
「君のこと愛してます」
特別なことは何もないから 愛を込めて言うよ
プロポーズするたびなんだか 大切なもの得ているような 強さがこみ上げる
まだまだ若いだなんて言ってるうち いつかは跡形もなく消えてしまう
だからこそ限りある時間の中で どれだけ愛を伝えられるかな
どれだけ笑いあえるかな
涙流すくらいじゃないと生きてる気がしない
痛いほどに抱きしめて死んでも忘れられないくらいの記憶を刻もう
「君のことが好きです」
なんのひねりもなく言ったあの夜、まだおぼえてる?
僕はあの日、君を抱いたんだ
柄じゃないさと笑っていたけど
大切なものを守る使命ができた気がして誇らしくなった
そしてまた変わらない気持ちで
プロポーズするんだ
あなたが好きです
あなたを愛してます
その時こそ二人の愛が証明されるよ
時をこえても変わらない愛があることが。
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感情は時に邪魔になる
感情があるために醜く争い誰かを憎む
それでも感情があるおかげで人を愛し
人を思いやれる
それはいつも紙一重
人を守れるか 人を傷つけるか
それだけで感情はあなたの人間性を明確にあらわす。
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ケンカしたら仲直り
仲直りするのが当たり前
世の中で起きてる戦争やいじめもそんなふうに単純な考えがあればきっと…
ケンカしたら痛み分け やったやられた
これでおあいこ
じゃんけんであいこになるように ほらね、全て忘れて つけあった傷跡さえ 昔話 笑い話
時間が変えてくれるさと
時間が消してくれるさと
どうして思えない
どうして思えない
またまた僕らあいこでしょ
ケンカするたび
世界は互いにね
引き分け ドロー
また明日
でもね、ケンカには人の命は関わらない
それだけは それだけは忘れないで
たいせつなことさ。
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世の中はくだらないことが多すぎる
だけれどくだらないだけにそれは尊くもある
例えばふいに浮かべるあなたの笑顔
その奥の喜び
僕にはそんな当たり前なものが一番この世界の財産だと思うし
唯一僕にのこされた財産だと思う。
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ぬっぺぽう ここに取り出しましたる巻物に 目鼻なき妖在り
肉の塊と思しきその容姿 醜い中に愛らしさ在り
果てしなき時経ち古寺に 鳴るはずもない鐘在り
月も雲に隠れる怪しき晩 のそりのそりとあらわれて 人ぞ脅かしゃ ゆさゆさと躯揺らして わらってる。
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朝ぼらけ、庭のあたりに妙な音
誰ぞ 箒で掃くような それに似通う妙な音
しゃっしゃっと音は聞こえど姿は見えず
ただただ音のみ 幽霊の如く彷徨う
その妖の名は
誰がつけたか箒神
神ともいえど用心めされ いまだ誰も 見ておらず 箒、音(ね)だけが 木ノ葉ぞ揺らす。
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山を旅する旅人が岩に腰掛け一休み
ふいに見上げた 山の頂 大きな影が 我ぞ見上げる
世にも不思議
見上げるほどに背が伸びる 果ては空を覆うほど巨大
思い出したる噂のなかに 祝詞にも似た言霊在り
「見上げ入道 見越した」と三べん唱えりゃ忽ちのうちに影消えり
それが世に聞く 妖の大将名高き 見上げ入道。
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年老いし猫 化けたる姿が猫又ぞ
尾、二又に分かれ
世にも奇妙な声を出し 屋根の上から誰ぞ構わず 飛びかかり
その喉元に食らいつき 生き血を啜る
怪しき獣。
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草木も眠りし江戸の晩 商人、道をたずねし人 笠の下より見えたその顔 大きなひとつ目 ぎょろりとのぞかせ 幼子のようないでたちなれど 身につけしもの異形なる装束なり
江戸の人 是をひとつ目小僧と名付けたり。