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どるとるの部屋  〜 投稿順表示 〜


[3957] 今日は誰のためでもなく
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名画と名高き
モナリザの微笑みさえもかき消える
悲しみひとつ手のひらに乗せてその重さの度合いを量る
大したことはないな

窓の外を流れる河川は僕らの生き様うつすように時には表情を変え 僕らのように悲しみも喜びもその流れにあらわす

ああ なんのため笑いましょうか
ああ 誰のため泣きましょうか

今日は誰のためでもなく始まり
今日は誰のためでもなく終わる
そして
明日はなんのためでもなく訪れ
明日は誰のためでもなく消える

そしてやがて僕らは時の彼方で 心身とも老い 死するのさ

まるで無意味な苦労のようで それでも何かの意味がありそうな 曖昧な理由抱きしめて ここにいるよ

ああ なんのため生まれたのか
さあ 誰のために歩きましょうか

今日は誰のためでもなく
ましてやなんのためでもなく

僕はただわけもないままにあの河のように流れるように
宛もなく果てを目指して。

2012/05/04 (Fri)

[3958] たどり着くべき未来
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神様も仏様もいないこの世界では
僕ら人間が我が物顔で神を名乗る

常識や秩序が大切にされない世界では
虐待やいじめが日常的に起きるだろう

ポイ捨てされた煙草の吸い殻 道端に放置された空き缶
それだけでもモラルのない行為 言い訳は見苦しいぞ

大人のくせに 子供みたいにきれいなものを平気で汚す
頭ばかりよくてさ 心の中は体に見合わない空っぽさ

当たり前なこと
ありふれたこと
たどり着くべき未来は単純なのに

見つめるべき明日はその瞳には映ってない

知るべき真実はその頭にはみじんもない

いろんな情報に惑わされ なにが真実かなにが嘘かもわからないこの世界の矛盾や理不尽に覆い尽くされ

たどり着くべき未来からだんだん離れていく日々に救いはあるだろうか

踏みつけられたその足元のきれいな花はいずれもか弱くけなげな子供たちなのに

見本となり大切なことを教えるべき大人が子供以下では話にならない

たどり着くべき未来は通り過ぎたんだ

たどり着くべき未来はきっと新しさに埋もれたんだ

ほら、例えば古臭い誰かの汗や情けの上に ビルが建ったように。

2012/05/04 (Fri)

[3959] きたるべき未来
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地震や戦争 くだらない他国からの脅し

そんな毎日の中 テレビは今日も中身のないバラエティーばかり写す

大切なものはあるかい? それに命をかけられるかい?
きたるべき未来に備えて僕は 目を閉じる

何もできないんじゃないさ
何もしないだけなのかもしれない
だけれど僕らができることといえばただふつうの毎日を楽しく生きることくらいさ

きたるべき未来というならば
戦争やいじめや犯罪のない世界ならいい
きたるべき未来があるならば
きっと世界平和を願うよ 誰もが幸せになることを祈るよ

争いからは何も生まれない
ましてや人の命を奪う戦争や人の存在を軽んじるいじめなどなんの意味もない

僕らは 一人一人
その頭や心でもって
考えてゆくべきだ

きたるべき未来は今だよ

新しさの中に埋もれた昔からあるはずのほころびにはもう気づけるだろう
途方もない時間と時代が流れたよ

これ以上命も時間もお金も費やすな

きたるべき未来はもう来てるよ。

2012/05/04 (Fri)

[3960] 雨上がりと夜明けの唄
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うまれる 朝が
今日もまたひとつ
硬い殻をやぶって
そのまばゆさを
僕らの瞳に届ける

うまれる 夜が
今日もまたひとつ
朝を食べて
その胃袋におさめて
腹一杯になったところで月を太陽の代わりに昇らせる

悲しみも喜びもあるだろうさ
だけどさ 必ず降り出した雨はやむから
訪れた夜は去り朝がやって来るから

そう気を落とさないで
そう肩を落とさないで

雨上がりと夜明けの唄
一緒に口ずさもう

ほらね、簡単だろ
笑えばいいんだよ
泣きやんだらね

すべりこみセーフで
どうにか間に合う
そのくらいでいいよ
そのくらいがいいよ

生きてる気持ちがする

そしてまたうまれる朝が今日もまたひとつ。

2012/05/04 (Fri)

[3961] にわか雨
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今まで聞き逃してきたことや見過ごしてことが今さら問われる

そんな時代に置き去りにされた大切なものや大事なこと
僕らはえてしてそれを当たり前と鼻で笑うだろう

本当に本当に大切なものなんて
くだらないことだろう
だけれど忘れたら
あとがない 心は腐るよ

僕は笑うように泣いて
降ってもいない雨に濡れて
機械仕掛けの街の中
定められた時刻に眠り目覚める

腐るほどあふれる人ごみの中 迷わぬように僕は僕という存在を守るように庇うように
この街の色と混ざらないように 何かに逆らい生きる

損をして また何か失って それでもまだまだ生きる

得はないさ 生きてても 失うばかりだ 悲しいばかりだ

それは多分今だけの苦しみ たとえるならばにわか雨
天気予報にもない突然の訃報 誰かの死のように それは予想もできない瞬間に訪れて 人の記憶の中から静かに消えてゆくのです

何をもってそれは愛だの人と僕らは語るのか
おこがましさや
浅ましさに
僕らは寝込みを襲われる

もうこの雨は死ぬまでやまないだろう
それでも僕はそれをただ悲しみとは思わない

泣いてても いつの間にか笑ってる

そういうもんだと思っているから

取り決められたようなつまらない概念は最初から死んでいる

僕は歩みを止めない
雨の中でも光は消えない

僕は闇に紛れても
自分を見失わない
誰かの呼ぶ声がするよ

ほら、雲と雲の隙間から陽が差したよ。

2012/05/06 (Sun)

[3962] 一日一笑
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生まれたときから
あるこの足で
どこまでも
歩いて行くのだ
時には雨にも降られて
時には夏の暑さにうなだれて
時には悲しいことにぶち当たって
落ち込むような日もある

だけれどいつまでも落ち込んでいても仕方ないからね
とりあえず泣きやんだらもう昔話と 顔を上げて
いつもの調子で歩いて行こう

悪いことばかりじゃないからね 今日はたくさん笑うのだ
泣き虫 弱虫 腹の虫
いろんな虫があるけれど 少しずつ少しずつ笑えるように
太陽昇る地平線の彼方 目指して 歩いて行こう

ゆっくりでいいさ
何も急ぐことないさ
君はそんなに
できた人間じゃない
だけれど悪い人間じゃない
そうさ人生は山あり谷あり
いい日もありゃ悪い日もある
だけれど それでも歩いて行くのだ

とりあえず一日一笑
自分との約束さ。

2012/05/06 (Sun)

[3963] 暗闇と無音の中で
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あなたは目を閉じても大事なものが見えるかい?
あなたは耳をふさいでも大事なことが聞こえるかい?

目にも 耳にも頼らずに生きたことがあるかい?
大事なことは目も耳もつかわなくてもきっとわかるはずなんだよ だってそれはいつも笑っちゃうくらいに当たり前なことなんだから

暗闇と無音の中でも見えるものはあるよ
聴こえる音があるよ
例えば誰かの産声や
例えば誰かの温もり
暗闇と無音の中にも
生まれるものがある
感じることがあるよ
例えばあなたの笑顔
胸にしまわれた記憶

目を閉じても耳をふさいでも
忘れない 忘れられない
悲しいこと うれしいこと いろんなことがこの胸の中にはある

人の心を見つめるためにはいくら目を凝らしてもわからない
人の本心を探り当てるにはいくら耳をすましてもわからない

本当に見つめなきゃいけない景色や場面
本当に聞き取らなくちゃいけない音や声
それはまぶたの裏に
それは心の奥にあるものなんだ

もう一度目を閉じてみてごらん
もう一度耳をふさいでみてごらん

あなたはさっきよりも人の心が わかるようになっているはず

暗闇の中や無音の世界でも 人の悲しみや痛みや苦しみに 敏感になってるはず

そして今日も感じてる
暗闇と無音の中で
あなたの心の奥で渦を巻く不安や焦り
そしてあたたかな優しさ

ほらね、あなたはもう言葉などなくても
手触りだけで なんとなくわかるだろう

心のまぶた ゆっくりひらいて 訪れた夜明けに 僕は笑うよ。

2012/05/07 (Mon)

[3964] 唯一の旅
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この世界でただひとりの愛する人に
たったひとりだけの人に永遠を誓いたい

唯一の人と
唯一の時を歩む

それは唯一の旅
一度の行き帰り
僕は戻らない
戻れない

これは唯一の旅
さよならのあとには
きっと何もない
何もない。

2012/05/09 (Wed)

[3965] ただそれだけで
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「だめな人間だな」なんてばかなこと言うなよ
人間みんなそれぞれに何かしらいいところや個性があって
今日もそれを生かしながらひたすら何かを頑張っている
勉強、お仕事、家事炊事 それは人それぞれに
そりゃ生きてれば苦労話もあるだろうさ
だけれど時には大人だって 子供みたいに声を上げて泣きたくなるような世知辛い世の中なんです

生きている
ただそれだけで
本当は十分なんだよ

笑えていた
そんな自分が今日はどれくらいいたかな

思い返してみると
本当にくだらないことが幸せだった
そんな気持ちがするんだよ

きっとただそれだけで 人なんて悲しいこともいつの間にか風のように目の前を吹き抜けて 通り過ぎてゆく

流れゆく街の人ごみの中に 紛れ込み何かを宛もなく 探してるふりをしてる

悲しみや喜びや憎しみや 積み重なる苛立ちもいつの間にかそんなこと忘れて ただ忙しなく毎日を送る
ただそれだけで 時間が過ぎてゆく

生きていた
ただそれだけの
人にいつか変わるけど

生きていた
ただそれだけで
誇れるような人生ならば

特別なことは何も起こらなくていい
当たり前な日常の中に幸せはいくらでもあるさ

生きている
ここで生きている
ただそれだけで
えらいよ 大したもんだ

そういうことにしてもいいじゃないか

今日の日の悲しみ
今日の日の喜び
明日への不安と期待
いろんなものを背負い込んで歩いて行くのなら

僕らはただそれだけで素晴らしい。

2012/05/10 (Thu)

[3966] おばあちゃんの唄
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おばあちゃんが丹精込めて漬けた漬け物
おいしい漬け物 今日もせっせと漬けるよ
ニンジン ナス 大根 白菜 キュウリ どれもよく漬かっているよ
おばあちゃんの長年の知恵と努力が生んだおいしい漬け物

そのしわくちゃな両手にはいくつもの優しさと愛情がしわとなって あらわれているよ

あまり泣くことがないおばあちゃんが泣いたのは おじいちゃんに先立たれてしまったからだけど
きっときっときっと
おばあちゃんはおじいちゃんのぶんまで長生きするだろう

またあのおいしい漬け物食べさせてね
またあの素敵な笑顔見せてね おばあちゃん長生きしてね。

2012/05/12 (Sat)
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