詩人:どるとる | [投票][編集] |
まぶたを閉じるたび
景色が変わる
まぶたを閉じたらもうそこにはさっきまでの景色は無いよ
代わりに新しい色が君を待っている
フラッシュ焚いて
焼き付けた景色
色とりどりの記憶
ほら見てごらん愚か者たちがなにかを言ってる、無視しよう
シャッターチャンスはいつでもあるさ
ここぞとばかりに
歩き出したけれど
そうでもなかった
そうでもなかったよ
僅かなお金であれを買い
僅かな喜びで心を満たして
僕はまたこっから
歩いてく
弱気は置き去りに
涙は風に流して
笑顔は空に向かって
君とまたこっから
生きてく
泣きながらでもいい
笑えるなら上等だ
涙は風に流して
笑顔は空に向かって
シャッターチャンスを逃すなよ 今か今かと待ちわびたあの日のような太陽が 君の顔をほころばせるまで
僕はずっと待っている
ここでずっと待っている
足踏みしながら待っている。
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今日もたくさん泣いただろう
明日もたくさん泣くだろう
今日もたくさん笑っただろう
明日は今日より笑えるかな
人の痛みや苦しみや悲しみが きこえる
心にきこえているよ
愛や優しさや単純な同情よりもずっと簡単な 音色がきこえる
耳にはきこえないリズムになって
目には見えない景色になって
僕の心にきこえているよ
君の心に届いているよ
傷もないのに 痛いのは 心が誰かの苦しみや悲しみを受け取ったからだ
きこえるよ きこえるよ
世界中が 泣いている
それが例えば喜びでも
それが例えば悲しみでも
笑うときも泣くときも必ずそこに何かが生まれる
それを僕らは受け取っている
きこえないリズム
見えない景色
心にだけきこえる
痛みのある 音色
心にだけ伝わる
色あせた 景色。
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誰かに似てる
何かに似てる
なにに似てるかはわからない
誰かに似てる
どこかが似てる
どこが似てるのかわからない
何もわからない
無学の砦を立てるだけ
恥をさらすだけ
それでもあなたに似せて 僕も優しくなりたいと思うんだ
それでもあなたに似せて 僕も人を愛したいと思うんだ
あなたのいいところを真似して 僕も真面目になってみたいよ
間違いだらけの人の中似て非なる 顔の中にただ一つの笑顔、そして涙
そうだよいくら似せても 僕は僕でしかないということ思い出す
そうだよどんなに似せてみても 僕には僕だけの 君には君だけの何かがある
似てるだけじゃだめなんだ
みんながそれぞれに
自分なりに優しくなって丸みを帯びて
争いのない未来を築け
いじめなど有り得ない安らぎを生め
似てる 似てる 何かに似てる
似てる 似てる どこかが似てる
似てる 似てる 誰かに似てる
似てる 似てる だけど違う
僕とあなたの違いなんて
本当にちっぽけなもの
些細な違い
それでも、あなたと僕とじゃ
何もかもが違う
似てるだけで違う
だから僕にはあなたができないことができる
そしてあなたには僕にはできないことができる
それが唯一似てないところ
あなたと僕の違い。
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いつか僕の心に昇った太陽は光を生み出さない
熱のこもらない つめたい太陽はなにも照らさない 照らせない
崩れ去った 間違いだらけの僕の理想
並べ立てた理論 全てばらばら
つめたい太陽が 照らせるのは 僕の孤独だけ さびしさは足枷
つめたい太陽が 輝くとき 全ての罪が白日のもとに曝される
悔い改めた 懺悔したその日には 十字架に磔にされた彼が あたたかい涙を流すだろう
何も信じないならばそれでも構わないさ
だけれど唯一 あなたには見せたい僕の全て
つめたい太陽が 照らしたのは 僕の未来 はじめて見た希望
つめたい太陽に 照らされて 浮き上がった影 そこに見る悦び
つめたい太陽が
つめたい太陽が
熱を冷ましてく
邪な夢から醒ましてくれる
つめたい太陽に
つめたい太陽に
熱を奪われていく
歪みきった邪念が吸い上げられてゆく
僕の希望さ まぶたの裏でまだ憶えているあの日見た太陽
僕の心にだけ昇る
ただひとつの太陽
もうひとつの太陽。
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空を見上げて何想う
大好きな人を思う
空を見上げて何想う
生まれ育ったふるさとを思う
空と空でつながった
心と心でつながった
僕は君と同じ空の下
生きる
そこにはなんのためらいも迷いもすれ違いも なにもない
空を見上げて何想う
同じ空を見ている
ただそれだけでいいという安らぎに満たされている
空を見上げて何想う
同じ場所に立っている
ただそれだけでもうそれだけで何もかもが許されて散らかった現実も片づくような
空を見上げて何想う
星を数えて何想う
空を見上げて何想う
虹を探して何想う
空を見上げて何想う
雲に憧れ何想う
空を見上げて何想う
雨足去ったそのあとに
僕らは空っぽになって
僕らは真っ白くなって
ただ目の前に ただ瞳の奥に映る あの空をただ空と 思うだけ
ただ目の前に ただ映る空を 心の中に映る空と重ねてみるだけ
空を見上げて想うことなんて何ひとつ無い
ただそこに空があるだけ
それだけでいいから
君が笑うだけで
ただそれだけでいいのと同じように
そこにはなんの意味も理由もなにもない
なにもない。
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空白の1ページ
今日は晴れやかな
どこまでも
どこまでも
真っ白な1日
雲足を追いかけて
あと少しのところで
見失う せつなさ残る旅でした
中身のない世の中で
表向きだけは艶やかな
散りばめられた宝石も
中身の無さをあらわして
まったくもってがらんどう
意味のない日々、悲しいや
言葉は喉の奥に引っ込んで 肝心なときほど出てこない
ああ、つまらない日々、むなしいや
まったくもってがらんどう
世界も僕もあなたも全て 表と裏ではだいぶ違う 180度行き違い
まったくもってがらんどう
まったくもってがらんどう。
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法律がなかったら
僕は人を殺めている
抑制されなかったら
僕は金を盗んでいる
そして誰もいなくなる 人が人を互いになにしたら
もしもの世界には安らぎも幸せもない
もしもの世界では太陽は昇れども平穏はない
裁かれないのなら
僕は簡単に人を傷つける
咎められないなら
僕は平気で人を傷つける
それを悪いことだとも思わずに
そして、ひとりもいなくなる
心はだんだん冷えてゆく
愛や優しさの価値は下がる
もしもの世界には 命より金が重くなる
もしもの世界では 人間らしさは消え失せる
慈愛も慰めもない
殺意がわいたら 即実行
カチンときたら即暴行
そんな世界に生まれなくて良かった
僕は優しくいたいから
自由じゃなくて良かった
もしもの世界になくていいもしもがなくて良かった。
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さびしさはまるで風のように この胸を吹き抜けてく
置き去りにされた人のように 悲しさだけが絶え間なくあふれているのです
かかしのように田畑に立って 僕も何かを成し遂げたい
カラスをよけるだけの役目でも構わない
かかしのように口をへの字に 僕は世の矛盾や理不尽を忌み嫌う
かかしだって 素晴らしい
かかしだから 素晴らしい
カラスを追い払うだけでも
ちゃんと人の役に立てている
人はみんな誰でも役割があるけれど
僕にはなんの役割があるんだろう
まだまだわからない
いつかはわかるのかな
そしてまた目を閉じてつかの間の夢に吸い込まれてく
さびしさはまるで風のように この胸をただ吹き抜けてくだけ
吹き抜けてくだけ。
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涙が出そうなときにゃ我慢しないで 涙を流してしまおう
涙の水たまりできた
よくできました
笑うだけじゃ見えないものがある
子供はよく泣く
泣くのが仕事
毎日っていうほど
子供はよく泣く
今日も泣いている
だけど大人だってたまには泣きたい
だから大人だって泣いたっていいじゃない
夜も朝でも どんな季節でも涙は一年中 僕たちの友達
仲良くしよう。
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誰かのために泣くこと
それを弱さというのなら
きっとそれは間違えだ
強い人の間違えだ
何かに耐えて泣くこと
それも弱さというのなら
きっとそれも間違えだ
逞しい人の間違えだ
夢を諦め泣く人や
生きる哀しみに嘆く人
人のずるさや冷たさに少し苛立ち覚える人を弱い人だというのなら
それはそれは間違えだ
人なら誰でも持つ心
それを単なる弱さと呼ぶだけならば簡単だろう
だけど弱いだけじゃない 弱さの中には果てしない強さがある
勇気がある
だから僕たちはまたひとつ強くなるために泣くんだよ
強くなるために泣くんだよ
それを弱いという人は自分の弱さを知らない人
それを弱いという人が本当に弱い人だから。