詩人:どるとる | [投票][編集] |
人はいろんな噂をする
身勝手に自由気ままに
人のいろんな噂をする
勝手な想像で
人は人の評価を下し
時には人を罵倒して
人より優位に立って
天狗になるんだよ
何様のつもりなんだろう
あなたは僕の何を知っていて
僕はあなたの何を知っているのか
本当のところは何も知らないだろう
家族にも隠してることがひとつやふたつあるくらいだから
他人と他人同士じゃ隠し事や秘密の数は山ほどあるでしょう
呆れてしまうほどに
噂に噂が呼んで
尾鰭がついて飛び回る 屋根から屋根へと
街から街へと
噂の期限も七十五日
なにを言われようが
それまで待とう
それまで耐えろ
あなたはあなたの本当を胸に刻み生きればいいさ
七十五日の噂まで。
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今日は飲もう 涙を飲もう
しょっぱい塩味のきいた涙を飲もう
悲しみは誰にでも 等しいものだと
人はえてして 言うのだろう
だけれど、人には人のそれなりの苦労や悩みがあるのだから
そんな言葉で全ての人の迷いや苦労をいっしょくたんにしてしまうのはどうかと思うよ
うなだれて帰る帰り道
空には夕暮れが
少しずつ 少しずつ
泣きたくなる
泣きたくなる
言い訳も文句、悪口ももっと言いたいよ
ため息つけばつくほどに元気がなくなってく
知っていても…
今日は飲もう お酒じゃなくて
涙を飲もう たんまり飲もう
飲むだけ飲んで
好きなだけ飲んだなら
今度は吐き出そう
飲むだけ飲んで
気が済むだけ飲んだなら
今度は泣き出そう
ふいに降り出す涙雨
やってられないぜ
男じゃないぜ
それでも飲もう。
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遮るもののない場所へ行きたい
ルールも掟もない場所へ行きたい
たどり着けるかなこのまま歩いていれば
安らかな眠りに
穏やかな明日に
風のない日の朝に僕はめずらしく早起きして空を見ていた
それはまるで蓋のない箱のように
開け放された自由な気持ちだった
もう人の悪口も世の中への文句も言わなくてもいい
そんな場所へ そんな場所へ 僕は行きたい
行ってしまいたい
ここにはまだ 輝くような何かがある
それがあるために僕らは行けない まだ
それはまるで蓋のない箱のように 遮るもののない場所なのに
いつもまるで見えない蓋が僕らの口や心をふさいで押さえつけているかのように自由とは言い難い日々なのだ。
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僕らは笑いながら
悲しみを見ている
僕らは泣きながらも
希望から目をそらせずにいる
それはまるで静寂の中にそっと生まれる
ざわめきのように
少しずつ満ちていく潮のよう
僕らは怒りながら
冷静な自分を抱く
僕らは落ち着き払いながら
憎しみだって抱いてしまえる
それはまるで行き場のない旅人が 繰り返す自分探しという名前の言い訳にも似通う 最後の悪あがき
それはまるで静寂の中にそっと紛れ込む
押し寄せる音色のように少しずつ形となり頭角をあらわす
砂の中の銀河
ざわざわと ざわざわと
ざわめき立つ感情のよう
感じるかい?
君の中の脈動を。
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わざとずる休みした
木曜日、言い訳は適当
ちょっとそこまで行くつもりで
ちょっとだけのいたずらのつもりで
僕はちょっと自由手に入れるつもりで
ずる休みしたのに
僕の日々は空回り
くるくる 目も回る
めまぐるしいエブリデイ
おっちょこちょいでも不器用でもいいじゃない あいつよりはマシさ
そんな宙に浮いた気持ちで 笑えたらいいじゃない
言い訳も悪口も言えるうちが花さ 歳をとったらなかなか言えないんだ
ちょっとそこまで 行くつもりで 生きてゆけばいいんです
そのくらいの気持ちで歩いてゆけばいいんです。
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まだ 僕は 不完全
まだ 僕は 不明瞭
まだ 僕は 不器用
まだ まだ まだ
まだが多すぎる
でもそれも人らしさ
気にせず行こう
山をひと越え 夜を飛び越えて また僕はまだを知る
それでも僕は愛すべきそのまだを友と呼ぶ
まだがあるかぎり僕は生きている
まだまだ 僕は まだまだだ それでいい
不完全、不明瞭、不器用
何か欠けているくらいがちょうどいい
まだが 僕を人でいさせてくれるから。
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人の心を知れば知るほどにどうして こんなに悲しい気持ちになるんだろう
見えたり見えなかったりする 心の奥の闇だったり隠し事だったり
気にすると他人にどんなふうに思われてるかを思うとこわいんだ
心は傷つきやすいものなんだ
ガラスのように 落とせば簡単に割れてしまうよ
誰かの言葉ひとつで時に消えてしまいたくなるんだ
できれば誰かだけじゃなく 皆に等しく同じ心で向き合いたいのに それができない毎日だ
偽りの自分を演じて
嘘やお世話やつまらない愛想笑いで自分をごまかしてばかりいるんだ
時にこぼれ落ちる悲しみがビードロのように淡く切なく輝くから
なにも言えなくなる。
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僕らは引き合う
磁石のSとN
違う磁力同士だからこそまた巡り会える
たまには喧嘩もするだろう
行き違いや食い違いもあるだろう
だけどね僕らは磁石だから
どれだけ離れても離れられないんだ
悲しいときもうれしいときも
ざあざあ降りの雨の日も晴れた日も
君と僕はお互いを思い合う磁力でまた引き合うんだ
照れたように顔を赤くするのが君ならば
僕はおっちょこちょいになって顔が青ざめるほうさ
磁石になってね また巡り会うこと それはまるで奇跡のようなもの 言い過ぎかな大げさかな
だけど感じてるよ
君が僕を思う
磁力のような力を
僕は君を思い
君は僕を思う
それが磁力になって
離れ離れの二人を
また引き合わせるから
これは磁石の恋さ。
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僕はえんぴつ どこにでもあるHBのえんぴつ
珍しくもないさ
えんぴつも命がある
だから折れたら多分痛い
えんぴつだって個性がある
えんぴつだって生きている
短くなったら ゴミ箱に捨てられてしまう
芯がなくなったら 先を削られてしまう
でもそれがえんぴつだ
みんな同じ運命のように 僕らえんぴつも
生まれてはまた削られて 最後は捨てられる
それが僕らえんぴつだよ 悲しくないわけはない
それでも黙って 今日も僕を使う人の手に握られて 文字や絵を書き 役に立っているんだよ
少しでも助かっているならば 本望さ
えんぴつはカタカタと テーブルを笑うように転がる
えんぴつの気持ちになってみたら どこか優しくなった。
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せっかく 人に生まれて こんなふうに 笑ったり 泣いたり
できるのに わざわざ人を傷つける言葉や人を追い込み責めることをしないで
回る地球の片隅にそっと生まれたばかりの いつかの僕ならば もう少し 穏やかな見解を見いだせたろう
寒くなる 時代の風に
凍りつく 人の瞳 そして心
なにをするため人に生まれて
なにを果たすため人に生まれて
どこへ行くために人に生まれて
どこを目指すため人に生まれて
僕はいつか 消え去るのか
とにかく人に生まれて あんなふうに あがたりもがいたり
している毎日が時にむなしく思えるのは
人の心知れば知るほどに 闇を見つけてしまうから完全には人を信じれず好きになれず
見た目とは裏腹の真意
嘘や社交辞令 目の前の人は本当にあれが本当の姿なのか
なにをするため 人は生きているのか
どれだけの人を 人は傷つける気なのか
どれだけの過ちを 人は繰り返すのか
なにが目的で なんの理由で 人は人として今日というなんでもない1日の中で
人と顔を合わせて
心にもないお世話と愛想笑いで 話すのか
そして僕は、これから どうしようか
策もすべもすべて 失って 人を憎んだりうらやましがったりするだけの日々の中
なにが生まれるだろう
なにも生まれやしないだろう
人に生まれて 良かったのか 悪かったのか
僕には わからない
わからないんだ。