詩人:どるとる | [投票][編集] |
泣いたり笑ったりするだけの1日の中で
人は今日も変わらないいとなみを繰り返している
押し寄せてはまた引いてゆく 波のように飽きても あきれられても訪れる今日という1日
どんなに悲しい1日も過ぎ去るとやっぱり悲しくて
切なさが胸をさらってゆく
さよならも言えないままに僕はまたひとつ1日を通り過ぎた
夜が来ました 待ちに待った夜が来ました
何も悲しくなんてないのに泣きたくなる夕暮れ
変えようのないいとなみの中で 他愛もない会話の中で 人はまたひとつ歳をとる
そしてまたいとなみは繰り返される
花が咲き散るように
それはそれは静かに訪れる つかの間のさよならさ。
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平凡な毎日の中で
僕は繰り返すよ
涙も笑顔も
必要とあらば憎しみも交えて
目の前にある今というたった少しの偶然か必然かに助けられてまだしぶとく生きてる
僕が思ってる世界の全てとここから見えるかぎりの世界の一端とそれから
君が見ている世界をつなげたい
ここにあるものが全てとは限らない
目に見えないものの価値を計れ
そして見えたものが世界の全てだ
だが忘れるな 空より高い空はないことを
世界にただひとりの君という人も君ひとりしかいないことを
消えてしまえば悲しみだけが残る
悲しみながらも 嘆きながらも たまに笑える毎日もまたいいだろう
自転車があれば 大助かり 使い慣れたスニーカーがあればめっけもの
さあ より高い空より
より美しい空を目指せ
遠くからじゃわからない
近づいてみよう
あの雲に あの空に
もう少しで手が届きそうなんだ
だからもうちょっと待ってて。
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人には誰にも帰る場所があって きっと待っていてくれる人がいる
僕にもあなたにも
そして笑顔で迎えてくれる人がいる 家族で本当によかったなと思うような
瞬間がいくつもある
ただいまという言葉におかえりなさいという言葉がかえってはじめて僕の1日は終わる
ただいまという言葉は魔法の言葉さ
ただそれだけを届けるとね不思議に心があったかくなるから
いくつもの明かりを通り過ぎて
寒い風にも吹かれたりもして
ただいまという言葉を胸に 今日も誰もが家に帰る
たとえそこに誰も待っていてくれなくても いつかは君にも待っていてくれる人と出逢えるよ
あなたを待つ人は愛する妻でしょうか
あなたを待つ人は愛する子供でしょうか
今日もたくさん遊んだね
今日もたくさん働いたね
ごらん頑張ったから
パパは涙のあとがまた拭えてない
子供だって泥だらけのその手にはたくさんの夢があふれてる
ただいまという言葉が彼方此方から聞こえる 街の中
日が暮れて明かりが街に灯るころ
僕も家に帰るよ
だから、笑顔で
迎えてね
君たちの笑顔が僕の 私の元気さ
そしてまた頑張れる 力になるんだよ
ただいまのドアを開ければ そこにはいつも 幸せがある。
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君の瞳の中にも
また夜が来たよ
気持ちとは裏腹に
月は輝いてる
無理をして笑っても
悲しいからやめよう
何が悲しいのだろう
何におそれているのか
生きていくこと
その意味や理由
わからなくなってしまう
こんがらがってしまう
まるで迷路のような日々さ 出口は何処ですか?
誰の瞳の中にも 同じように夜が来て
それなのに それなのに このさみしさはみんなばらばら
さみしいような 悲しいような むなしいような 散らかったままの心 持て余してる
夜が来たよ 見なくてもわかるよ
夜が来たよ 言われなくてもわかるよ
気づかないうちに 朝になる 飲み干したのは涙じゃない。
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例えようのないさみしさに 包まれてしまったときは特別な言葉はいらない
人はただ目を閉じて雨がやむのを待つ
心さえも凍えるような寒さに おそわれたときにはへたな慰めはいらない
誰も自分の中の闇と独りきり見つめ合うだけだ
誰かを憎む気持ちや
誰かを怨む気持ちに
負けず 怯まず 脅えずに そこにある自分の悪や見えない愚かさに目をそらさずに 素直にそれを間違いだといえるなら
雨は静かにやんでゆく
そして雲と雲のあいだから光が差すでしょう
悪なる自分を またはその傷跡を 悪だと嫌い 忌むのもそれもまた正しき答え
それでもそんな自分も認めた上で 少しずつその悪を 優しさに変えてゆけたなら
なお素晴らしいとうなずけ
そう例えようのないさみしさに 包まれてしまったときや
心さえも凍えるような寒さに おそわれたときには
雨がやむのを待ちながら 静かに見つめよう 自分の中の綻びや誰かに見せたくない粗や小さな穴を
そして自分は完璧などと片付けず 言い切らず 自分はまだまだつぼみだと 素直にうなずけ
いいんだよ、どこかが欠けていたほうが 誰かに優しくできる
自分に優しくできる。
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五月雨のように
僕も夏を言い訳に
あなたの傍に居たい
五月雨のように
僕は暑さを言い訳に
あなたの瞳に降っていたい
五月雨のように
日の長さをいいことに
あなたとの時間をもう少し味わいたい
汗の流れるままに
白いその足を
僕はただ見つめているだけでそこに夏を感ずる
花火や提灯 祭り囃子に夜店に 蝉しぐれ
そんなもの何ひとつなくたって 誰もが夏の訪れに気づくのは浴衣姿のあなたを見たからじゃなく
つり下げられた風鈴が風に揺れたからじゃなく
あなたが夏の薫りをはこんでくるからなんだ
ほら、縁側差し込む眩しい夏の陽に 隠れて 踊る 君の影
淡く ほろ苦く 映るから 好きだというのも言いそびれ 今日もただ胸に秘めた恋心
線香花火のように ひらり闇に落ちてく
夢幻のごとく 現れては消えゆく夏のように
陽炎のごとく 近づくほどに遠ざかる そんな人だから
僕は追いかけることさえ哀しくて日陰に立ち止まる。
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どうしたものかと 首捻り
答えも出ぬまま 夜(よ)は更けて
走り出したる汽車に乗り 降りた駅にて見失う 問いたことさえ忘れ去り
足跡だけがぽつりぽつりと 頭の隅にあるだけで ほかに見えるものは無し
昨夜未明の出来事と思えばこそ 現に近しきその記憶
幻とは言い難く 現だとも言い難し 懐に忍ばせた財布の中の小銭なら 酒に消えたとわかるのに
このさみしさはなんなのか
このむなしさはなんなのか
解せぬ、判らぬ
紐解けぬ
昨夜未明の出来事。
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あしたが晴れでも雨でもいい
共感なんていらない
ましてや慰めなんていらない
たったひとりでも
強くぶら下がる
みの虫のように
意地を張りながらも
冷たい風にも吹かれよう
僕の瞳にも夜がやって来て
月が心よりきれいに輝くから
僕は何も言えなくなる
持て余した心 はみ出したまま
あしたが世界の終わりでも
あしたが僕の最後でも
そこに少しでも希望があればいい
旅に出よう あの空の彼方へ
誰もまだ行ったことのない地平線の果てへ
みの虫になって
世界を見つめよう
いろんな場所にぶら下がって
孤独と寄り添い
いろんな空の下で
雨の冷たさや
陽射しのあたたかさに
包まれて
眠るときさえ優しさを忘れてしまわずに
めのまえのおせっかいやちょっとした幸せを愛そう。
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あしたが晴れでも
どこかで誰かが
嘆き悲しむなら
雨でも変わらないな
あしたがあなたにとってかけがえのない日でも
誰かにはただ悲しいだけの1日なのかもしれない
戦争は絶えず 今こうしてるあいだにも尊い命が失われ
くだらない理由で誰かが誰かを虐めてる
虐待する親に わけもなく人の命を奪う若者 この世界はいつからこんなふうになったんだろう
頭の善し悪しじゃない
人間性じゃない
言い訳をするのなら
過ちを犯すまえに自分と向き合うべきだったろう
家族の笑い声や
他愛もない友人との会話
がら空きの電車の中
気持ちよさそうに眠る誰かの幸せそうな寝顔
安い給料とそれを物語る軽い財布
いくらでも微笑ましく笑えることは沢山ありそうなものなのに
僕らはなんだってこんなに人を傷つけ
誰かの命を時に蔑ろにしてしまえる
立ち込めた暗雲が
今にも唸りをあげそうに ほら君の瞳の中で 雨が降る予兆のように 不安をかき立てる
そうだ、自分が幸せだって 他人にはその幸せはもしや見えてないこともあることを知るべきだね
あなたにとって今日が晴れでも 誰かには嵐かもしれないから
安易な慰めは傷跡に塩をぬる行為かもしれない
孤独を拭い去れぬばかりにさみしさが僕に「自滅」をちらつかせるけれど
まだやるべきことがある気がして歩みを止められないんだ
あなたにとって今日が人生で最高の日になることを 祈りながら過ごすのもいい
たとえ生きる気力が尽きそうになっても希望ってものを僕も信じようと思えるから
まだ楽にはなれない
あしたが晴れでも
どこかで誰かの
血が流れるならば
こんなに悲しい今日はない
それでも間違いなく
笑ってる僕には
その血の滴る音さえ
聞こえないし気にすることもない
それがいいのかわるいのかはわからないけれど
それを知ったところで僕には何もできない。
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寝ても覚めても
感覚は曖昧なまま
輪郭だけを伝える
無駄な詮索は
先々の道を複雑にする
標を見失い
僕は迷子のようにだだこねる
真っ昼間にみる
白昼夢のように
そこにはただ
曖昧な世界の構図があってその全てを曖昧に曖昧を重ねて
「かもしれない」や「もしかしたら」などといういい加減な言い回しで僕らを欺き通す
生まれた日の朝に
飲み干した涙
わけもなく浮かべた
意味深な顔
どうでもいいさ
世界の行く末
大切なことは
もう手のひらの上
開いたり閉じたりしてきりもなく
変わる時代の中 新しいものも古いものも混ざり合って いつの世も 見えてるものが今になる
聞こえてるものが今になる
目覚めたら 僕はもうここにはいない
育ててくれた人の記憶さえ 忘れて
雲の上
今はただ、それが不思議でならない
はっきりしすぎて
夢だなんて思えない
よくできた幻だな。