詩人:どるとる | [投票][編集] |
人と人を比べてみても ばからしい
僕らは誰もがみんな人で誰もが平凡な人
だから 人と比べてみても 意味がない
だけれど僕とあなたとじゃ 何もかもが違うよ 見た目ももちろん 中身も生まれた場所でさえ 歩んできた人生も だけれど何ひとつ比べても 違うところはなくみんな一緒だ
障害を持って 生まれた人も
そんな障害を持って 生まれた人をばかにするあなたも
みんな一緒だよ みんな一緒なんだよ
悲しいことに 生まれる前のことは動かしようがないから
選べないけれど
同じ人をばかにするってことは自分をばかにするってことだ
恥ずかしいからやめなさい
できればみんな一緒に 足並みそろえて
不器用でもいいから
生きてゆくのが一番いいにきまってるのにね
ばかがばかにするってことくらい ばかなことはないってこと
そろそろ気づくべきだ
アングルを変えれば なんて悲しい世界だろ
それでも、このからだに血潮がめぐってるように優しい世界もあることを知ってる
だからこそ あなたを僕は信じたい
いつか みんな一緒に手をつないで同じ人として 笑いあえる
そんな日がくればいいと信じてる。
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なんで 人は人と比べるの?
同じ人じゃないか
いわば どんぐりの背比べ 意味がない
なんで 人は人と順位を競うの?
ばからしいじゃないか
ものを覚えることや頭の良さ 比べたってしかたない
どんぐりみたいに その辺にいくつでも転がってる命さえ
いつかは腐って土の中 悲しくない筈はない
それでもそれさえ当たり前 知れ渡ってからは当たり前
朝がきて 夜がきて
腹を満たすためごはん食べて
ただそれだけの繰り返しの中で 僕らは
人を憎むことや人をうらやむことに時間を割いたりする ばからしい
そんな暇があるなら昼寝をしろよ
そんな暇があるなら歌でも歌えよ
僕らはどんぐり どこにでもあるようで
みんなそれぞれちょっとずつ違いがある
それでもそこはどんぐり どんぐりはどんぐり どんぐり同士比べあっても どんぐりはどんぐりでしかないのさ
だから僕とあなたは比べれば そりゃ何かが違うけど
だけれど僕とあなたは 人という点じゃまったく同じ
どんぐりがどんぐりであるように
違いを探すだけ くだらない
いいじゃない どんぐりはどんぐりで
比べて悲しくなるならば 比べず互いを認めあう
それだけで世界は明るくなるはずだ
それだけで心はやさしくなるはずだ。
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すれ違う人や
たまたま
隣に座った人の
これからの人生を
僕は知らない
その人がもしも
明日命を落とすとしても僕には関係のない世界
悲しいかい? 裏の世界のぞけばニュースでは伝えきれない闇の現実
いじめもなくならない
戦争もなくならない
なんのわけもなく人を傷つける人だらけ
平和がある国でも
完璧な平穏はない
完全な安らぎはない
前の駅で降りたあの人のこれからを僕は知りたい
どんな笑顔で どんな涙を流すのか
どんな服で どんな場所にゆくのか
どんな人と どんな家に住むのか
これからたくさんやりたいことがある
これからたくさんやれることがある
そう考えただけで
僕やあなたの明日は広がる
これからのドア 開けばその先は無限大。
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長い長い坂道を 汗かき自転車でのぼる
君は笑いながら 蝉しぐれの中 僕に何かを言うけれど 何も聞こえない
それはそれは8月の暑い真夏の日のことでした なんにもない日曜日 通りに咲くあじさいがきれいに咲く なんにもない日曜日
「暑中見舞い申し上げます」とあなたが言うだけで僕の夏はやって来る
暑いねと繰り返し こぼす 午後の途中で
テーブルの上のコップの中の氷が鳴って
少しずつ少しずつ
暮れかかる空に 蚊取り線香がやさしく香る
待ってました 花火の夜 二人浴衣で 寄り添いながら
線香花火が落ちるのをじっと見つめてた
ほらね、暑いけれど
その暑さも過ぎれば
あとには切なさだけが残るだけ
不思議に恋しくなる
「暑中見舞い申し上げます」と君と声をそろえ言うだけで
僕らの夏は何度でも懐かしい香りをはこぶ
懐かしい景色を見せる
懐かしい景色で魅せる。
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なんにもないさ
探したって
心の中は空っぽ
がらんどう
どこにもないさ
見渡したって
頭の中は真っ白
夢心地
とりあえず行けるところまで 歩いてゆこうか
とりあえず今やれることだけ やっておこうか
散らかすだけ 散らかした日々 老いが若さを追い抜いてゆく
たちまち 僕はしわだらけ 振り返ってしまうよ 昔の僕を
ペンキ塗りたてのベンチを思わせる 近づく者は誰彼構わず傷つける
それはまるで色のない絵のよう 見た目からでもわかる雑な仕事
だけどそれが少しずつ味わい深い何かを生み出すんだ
色のない絵を つまらないととらえるか
色のない絵を 味わいがあるととらえるか
それだけでこれからの日々は輝くよ
それだけでこれからの僕らは変わるよ
色はなくても 鮮やかな絵を描こう
色はなくても 明るい絵を描こう
色のない絵でも 色を思わせるような毎日を。
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明るい場所にも 闇は生まれる
暗い場所にも 明かりに代わるものはある
笑ってる人の片隅には 誰かの涙がある
誰かの涙の側には 誰かの笑顔があるように
それは対をなす
光と影の世界
隔たりを生むのは
僕らの価値観
身勝手で自由気ままな都合
点灯をしよう こんな暗い世界なら
明かりに代わるものを探そう
なければ生み出すまで
花を植えよう こんな殺風景な世界なら
笑顔に代わるものを見つけよう
消えそうな命 つなぎ止めて
闇をぬぐい去るような強さを 授かったよ。
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同じ顔の中 何ひとつ重なるものはない
同じ街の中 何ひとつ同じ形はない
唯一の人だから
唯一の声と
唯一の心と
そしてその瞳
全て似てるようで
違うものなんだ
退屈な毎日だ
だけれど恵まれてる
それでも戦争もない国に生まれたはずなのに人はすぐ争いを起こすよ
明日なにがあるのかわからないから面白い
悲しいことも嬉しいこと予測できない
どんな日になるだろうと楽しみにしてる
そんな気持ちの半分は不安でいっぱいさ
それでも、生きてゆくのが僕ら人ならば
「またあした」と言い交わし あしたも泣こうよ笑おうよ
なにが間違いでなにが正しいかなんてわからない世界
確かめながら 時々転んでしまうくらいがいい人生なんじゃないかな
だからゆこう 果ての果てまで
だからゆこう 宛もないあしたへ
あしたがあなたの
あなたがあしたの
特別な日になる
そんな気がするから
生きていくんだよ。
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表の裏には闇がある
普段は隠れて見えないから時に垣間見えたとき人は焦りをおぼえる
人の心の裏
その裏の裏
街の中の路地裏
ちょっとした闇
気づくとき
そこに裏が生まれる
政治の裏
お金の裏と表
心も裏返せば
闇も見えたり
悲しいかい?
うれしいかい?
誰かのこと
信じられなくなる
時がある
一人一人の裏表
素顔はいい人
一見いい人
影ではずる賢い人
本音と建て前
使い分けがうまい人
街の人の中
道を歩く人の中
裏表のない人を探すことは難しい
裏表のない人なんかいないよ
だから僕も気づかずに人を傷つけ
知らないあいだに人にうらまれてる
裏表を見せびらかして
代わる代わる繰り返して
心の隙をみせてる
心の闇をみせてる。
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周りの速さに合わせて誰もが同じようにしか見えない
変わり映えしないつまらない街
とにかく急がなくちゃと
なんとなく走らなくちゃと
まるで何かに追われてるように今日も人々は同じ方向に向かって歩いているよ
その先にはきっとなにもないのに
自信もなくて
笑う気力さえなくて
一歩踏み出す勇気さえなくて
流れる川のせせらぎに刃向かわずに流されてる石ころでいられる人ばかりが肥え太りふんぞり返れる世界
大人は大人らしく
子供は子供らしく
そんな言葉を履き違えて 大人はいつから働くだけの人になり
子供は素直さをなくし遊びと称していじめ抜く
そんな世の中になり果てて 気づけばほらまたどこからか届かないSOSが煩い街の雑音にたやすく消された
この言葉がもしも
今のあなたを傷つけるなら 言葉は凶器にしかならないよ
だから言葉などいらないよ 黙ったままで抱きしめよう それが愛だというものだ
そうさ言葉はいらないよ 言葉よりもぬくもりで 教えぬくのだ 良い悪いの区別
あなたに見えている光が必ずしも全ての人に見えてないことを
もっと僕らは知るべきだ
あなたが見ているであろうその闇が僕には見えないのと同じように
そこにあるのにないものという概念が邪魔をする
朝がきても明けない夜がここにある
あなたの瞳に浮かんでるその涙のわけは
言葉などでは語れない
言葉はいらない 意味がない
傷の痛みが伝える凍りつくような現実はその人にしかわからぬ 届かぬ 通じない
他人に慰め求めようものなら 他人というだけで距離を置かれて 相手にされず
曖昧な世の中は
あらゆる矛盾を投げかけて 答えぬままに背を向ける
だから余計な言葉はいらないよ
きれいごとばかり散らかして
「なんとかなる」とは言ってはみても
期待、希望は腐り果てあしたの目処さえ立ちやしない
だから言葉はいらないよ
こんな冷えた時代には。
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希望という名の舟に乗り 漕ぎ出したる夜明けの空に 昇る朝陽は赤々と燃ゆる炎と重なって そこはかとなく騒ぎ立つ この身に纏える 情熱は
彼の朝陽にも負けじと燃えて 頼もしい
船出は今と声の帆揚げて
突き進む舟 希望の名にふさわしく
煌びやかに輝いて夜明けの空に 勇ましく発つ。