詩人:どるとる | [投票][編集] |
夜が僕の心の隙間にそっと入り込む
君はお茶を啜る その音だけが聞こえる
少し残したお茶と食べかけの和菓子
それだけが僕がこの部屋にいる理由なんだ
飽きたなら飽きたでもいい
それでも僕は言葉を紡ぎ誰のためでもなく何のためでもなく
遠慮もせずに余ったお菓子とお茶のような
何かを一人探してる
訪れた夜に 似合うさみしさの中にも光る優しさのような
そんな そんな言葉をため息の代わりに
吐き出すんだ
五月雨よ そろそろ降り止め
こんな夜に 恨み言を綴らずとも よいだろう
さらけ出したな その恥は 美しく夜の闇の中じゃ 逆に目立って丸裸
丸裸だよ。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
時計を持たずに
散歩に行こう
孤独を遠ざける
愛と手をつないで
時間を気にせずに
さみしさ捨てに行こう
頷く人と無視を決め込む人や文句ばかりの人 いろんな人がいるものだ
僕はというと
勝手気ままなもんだよ
いいんだよ 少しだけ ほんの少しだけ 夜が長く感じれたら
君と歩くこの道が猫の銅のように長い
君と歩くこの道はありふれているが特別な匂いがする
散歩道 散歩道
てくてく のろのろ
単純な思考が築く
幸せ 明日へ飛ぶ
だらだら せかせか
人の中でも頭ひとつぶん浮いた人
ちょっと変わった生き方で
ちょっと違った行き方で
散歩道を歩きましょう
人生は散歩のようなもんだと言い切ろう
それくらいじゃないと夜さえ さみしさで埋め尽くされてしまうから
静かな中に確かなざわめき 聞こえているよ
その声 なんて不思議 こみ上げてくる安らぎ
今日は僕から誘います
散歩へ行こう
時計も持たず
道順決めず
散歩に行こう
ちょっとそこまで
どこまでも。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
独りじゃ抱えきれないさみしさは 誰が拭ってくれるのか
独りじゃ背負いきれないかなしみは 誰と分け合えばよいのかな
わからないことが多すぎる
時間に埋まる記憶
思い出などはもう
風に消えた
難しいことが多すぎる
こんがらがる頭
思い出ほど美しいものはないはずなのに
独りじゃ 笑ってもつまらない
独りじゃ 食べてもそっけない
独りじゃ 遊んでもつまらない
独りじゃ 部屋もだだっ広い
独りじゃ 独り言にしかならない
独りじゃ 生きてる喜びは見えない
だから 少しでいい
独りじゃわからない
喜びをおしえて
ほんの少しでいい
独りじゃたどり着けない場所に連れて行って
人を愛することや
人を思えることを
心から、今したい。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
君のはじまり 僕のはじまり それはほんの小さな偶然の出来事
風が連れてきた木の葉のように 気まぐれなはじまり
翻弄されている
弄ばれている
望んで
はじまりのうた口ずさめば何度でも産声上げて 小さくなれる 無邪気になれる
僕らはみんな。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
君を見ているよ この窓から
誰かが誰かを見ているよ
心配するように訝しむように
瞳に映る人の流れ雲の流れ そして日々の流れ
レコードが回る部屋
ご無沙汰とベルを鳴らすあの人とテーブルを囲み
スローモーションで費やしてゆく時間
僕らは気にせず目の前のご馳走を食べるのに夢中さ
なんのことはない
窓の外は青い空
眩しい陽射しが
アスファルトを熱する
出かける気すらしないけれど
こんな日もいいね
いつの間にかなくなっていたご馳走が過ぎる時間のはかなさを教えるけれど
僕は泣くどころか笑ってた。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
なんとなくでもいい
誰かに優しくしてみよう
なんとなくでもいい
誰かに親切にしてみよう
心から 向き合えば
人からも
心から 向き合ってもらえる
ありがた迷惑、恩が仇になる
そんな現実はいつでも拭えない
それでも誰かに優しくすれば不思議と自分にも優しくできると思うんだ
いらいらしてても仕方ない
尖ってばかりじゃ悲しい
だから心から 向き合うんだ
鏡合わせで見えてくる醜さや悪意に恥じてみれば いかに自分がおろかだったのかを知るよ
水彩画のような街の中 付け足すように
笑顔を描こう そのためにはまず君が笑わなくちゃだめさ
心から 心から
人を憎んでなにが生まれるものか
人を傷つけてまでなにを得られるのか
なにもないのは最初からわかっていた
だから心から 向き合って 互いの邪悪に気づくのさ
ふいに差し込む陽射しの中に浮かび上がる君の顔 少しずつでいい
笑ってごらん
なんとなくでもいい
つられる形でもいい
優しくしたいと思ったら
優しくいたいと感じたら
変わってしまうよ
心から
変わってゆくのさ
心から
何かが色あせてく代わりに
何かが色鮮やかに染まってゆく。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
滲んでゆく ぼやけてゆく街並みが見える
嬉しいのかな 悲しいのかな その答えはまだ出ない
戯れに描く 絵の中に幸せを閉じ込めて
笑うあなたの横顔を僕はこの瞳で見つめるんだ
確証のない日々の努力や頑張りに 期待はしても希望は生まれない
それでも、この街は何かを 奪う代わりに何かを 与えてくれる
それはまるで 水彩のように少しぼやけた淡い心模様
水彩の街は水の下に隠れて 何ひとつ見えない わからない
本当のことはいつまでも闇の中に 身をひそめて 声さえ聞こえないよ
確かな輪郭をなぞるようなその指先が描く明日に 僕はなんの疑いもなく幸せという題をつけるだろう
希望が無いのならこの指先で描いて行こう
なにもない静かな夜に ほんの少しざわめきを生み出すために
たださみしいじゃ終わらない 日々だから この街をもっと
好きになれるように
あなたが変えてゆく
この街がこれからどんな顔を見せてくれるかな
それがひどく楽しみでしかたないよ。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
近いような 遠いような 距離をとって
僕は今と未来を見つめている
星の瞬きに 心奪われて 言葉さえ出てこない そんな夜には
必要以上の言葉はいらない ただ、君がそばで笑ってくれれば
幸せなんてすぐにこのてのひらに生まれるんだよ
近いような 遠いような 距離をあけて
僕は近づくわけでもなく遠ざかるでもなく あなたに視線を送る
近くにあるものが遠くにあるような
そんな感覚
僕を惑わす
少しせつなくて
半ば安らいで
遠近法のような
この距離と距離で
二人はつながってる。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
世界は鏡のよう
人を映す鏡のよう
人の醜さを
人の美しさを
映す鏡のよう
回る地球の片隅に
生まれた命たち
ばらばらに
散らばって
別々の場所に
芽を出す
生まれてから
消えてゆくまで
僕らはそれぞれの
日々の中
泣き笑い過ごす
人の生き様を
誰も笑えない
泥にまみれ
汗を流し
それでも輝く
今日も生きる
僕らは
あがいてもがいて
転がりまわって
人の波にのまれて
流行りに振り回され
何が正しくて
何が間違いなのかよりもビードロのような透明な心で見つめるべきものを見つめてる
それだけで本当は何もかも 捨て去れるのに
余りある欲望が感情がざわめいてしまう
それでも、この透けた心の奥に映る誰かを大切にしたい
本当に大切なものを見つめる瞳は心にあるのだから
そこに映った大事なものから僕はけっして目をそらさない
笑いかけて 一緒に明るい未来をめざそう
この夜を この激動の時代を乗り越えた先にあるおだやかな場所にたどり着こう。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
なぜだか 悲しくて
涙が止まらないんだ
何もないのに 生きているだけで
なぜだか胸が痛い
笑いが止まらないよ
当たり前な日々の中
生まれる調和
蝉しぐれの中を ひとり僕は行く 長い長い坂道をこれからいくつもむかえる
ほんの少し ほほに流れ伝う汗をぬぐって
ふと日陰に逃げ込み
吹きつける風の中
目を閉じて 見えないものへの興味や聴こえないものへの感心をひくんだよ
泣きそうな声で 笑い出しそうな表情で 僕は全身全霊で 生きる喜びや悲しみを受け止める
いいさ、誰にも僕の全てわかってもらえなくても
日が落ちてゆく
空が橙に染まり
やがて、訪れる夜
うつせみさ
まぼろしさ
このからだ灼く陽射しも絶え間なく流れる汗も
嘘のように消えてゆく
僕らは夢を見てる
幻のような夏だね
でもまだ見始めたばかり
蝉たちが歌う歌が聞こえなくなるまで
暑さもあのアスファルトに見える逃げ水も朝昼晩とつづく冷や麦もしばらくはつづく
幻のような夏だったね
そんな心に変わるまで。