詩人:どるとる | [投票][編集] |
流れる涙
君の流す涙
もしも癒せたらいいな
同じ重さの悲しみを消せたらいいな
僕の悲しみも
君の悲しみも
地球が抱える悲しみもすべてはいつか消えてしまう涙
僕らをこんなにも悲しませておいて
なんて勝手なんだろう
悲しみってやつは
僕らはこのまま
悲しみの雨に降られ身をひそめるアメンボウ
そしてやがて雨の降り続く中 いつの間にか僕らは消えて
そのあとの涙はどこへゆくのやら
流した涙
まだ僕の中にある悲しみ
流しきったわけじゃないから
地球の悲しみ
僕らの悲しみ
同じ地上に降り注ぐ
ほら悲しいってことは生きてる証
でも悲しいものは悲しいね
だから流れる涙
君も流す涙
僕も流す涙
理由はいつも悲しいから
たまに嬉しいから
こぼれ落ちた涙
挨拶もないままに
溶けて消えてゆく
ほら誰も知らない涙のふるさとへ舞い戻る。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
期待は時に裏切りを生む
希望は稀に絶望を生む
愛は時に嫉妬を生む
世の中無傷で生きるのは難しい
かならず生きていれば闇をかいま見る
光から生まれるのは光ばかりじゃない
優しさも愛も夢も希望も単なるつかの間の安らぎ
そういう場合もある
だから最後まで気を抜いてはいけない
影を生む光
牙を剥く女神
そんな未来を外さないで
いつかやってこないともかぎらないから。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
モナリザだって笑いたくて笑ってるわけじゃないだろう
ダビンチにああ描かれたから笑ってるだけだろう
だからあれは
モナリザの微笑みというよりも
モナリザの愛想笑いに変えた方が正しいと思う
あれこそが僕ら社会人を象徴する醜い笑いの原点だと絵を見た人をあっと言わせるから
ダビンチよ
悪いが今の時代には
モナリザの微笑みでは優しすぎる
だからこう呼ばせてもらうよ
モナリザの愛想笑いと
または
モナリザの苦笑いと。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
君の流した涙は
世界の何億 何兆と言われる人全員が流した涙と何も変わらないよ
悲しいのは同じ
切ないのも同じ
だけれどね
僕がわかってあげたいのは
その涙の中にある君にしかわからない痛い部分でその中に光る君の悲しさの理由で
僕はそれに気づけるまで多分ね世界のどんな人の涙より君の涙を愚かなほどいちばん尊く重い涙と言うだろう
いちばん僕にとって考えるべき涙だから
ああ 世界中の誰の涙なんかどうでもいいと言うのだろう
自分さえも差し置いて君がいちばん悲しいんだよね
だって君の痛みは君にしかわからないから
多分ね考えるに君の中では君の中では君の悲しみがいちばん悲しいはずだから
何億万人の涙なんて君の中じゃ小さいのも裏付ける
ああ だから僕はその涙 世界中の誰よりもぬぐいたい ぬぐいたい。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
雪は冬に降るものだろう
だから雪が降っているってことは
今が冬だっていう証なんだろう
もうそんな季節ですか
真っ白い街
少しずつ雪に埋もれてゆく道
ため息も真っ白
気づけば
君の髪も白髪混じり
雪降る冬の物語
今 始まったよ
ページを開けば
ほら 雪が降り
真っ白な街に
ほら 幸せが積もる
すべてを真っ白く染めるかのように
もうすぐサンタもやって来る
そんな気配すらする。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
僕はあきらめることに関してはプロ級
わずか数秒のうちに瞬く間にあきらめられる
だめだとわかったら
すぐさまサヨナラ
気づけばそんなんで二十歳も過ぎ去り
もうすぐ三十路にさしかかる男
そしてまた性懲りもなく退散と相成ります。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
期待を込めて開いた地図にはなぜか「未来」とだけしか書かれてなかった
何もかも自分自身で決めなきゃいけない未来
このままでこのままでいいのかどうなのか考えながら
未来の正解と不正解をそれぞれ探してる
旅をするように
僕は生きてゆくよ
君は果たしてどんな旅をするのだろうか
人のことばかり気になる僕は自分の未来からなぜか目をそらして都合よく笑ってる
それでも未来の地図にいつか夢という文字を書かなければならない日が来るから
どんな未来でも居場所を見つけないと生きられない
だから未来地図
描いているのだろう
目には見えない道順を日々書き足しながら
僕らは見えるはずもないゴールに向かって一本の線を引いてゆくのさ
あみだくじみたいに入り組んだ迷路のような日々を歩き続けても最後にたどり着く場所はたったひとつの未来だけ
ああ 僕の未来はどんな未来なんだろう
恥ずかしながらまだわからないけれど
描いてるさ
描いてるさ
こんな僕でも
未来に続く道のりを描いた 未来地図
いつか完成するまで描き続けるんだ
死ぬまで続く道のりを描く 未来地図。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
行きつ戻りつ
時間は進みまた戻りを繰り返してる
でも過去へは戻らない
違う日がただ何度でも続いているだけだ
現在進行形で膨らむ不安
現在進行形で増える悩み
吐き出した言い訳の数だけきっと満たされない思いがある
時間は進めど
僕だけは現在退行形で退化してゆくばかり
いずれアンモナイトに
そして小さなプランクトンになってしまうくらい いつも現在進行形で老いさらばえてゆく
僕の心
誰かへの憎しみか
僕を狂わせてるのは
はたまた
誰かへの苛立ちか
僕を壊していくのは
ああそれさえうまく判らないまま
現在進行形で膨らむ不安
現在進行形で増える悩み
ただ明日も今日も同じことの繰り返しなのにさび付いた思考回路
まるで今にも止まりそうな脆い歯車のようでたまに常識を逸脱して戻りだしたりする
キーキーと五月蝿い音を立てて進む時間とは逆方向にいつでも回っている
それもこれも僕を生み出したヤツらのせいだ
そんな卑屈を吐き出してもむなしくなるだけなのに言い訳でも吐き出さないと狂ってしまいそうな世の中だから
現在進行形であるが故
生きている限りは
退化するのを抑えきるのは不可能に近いです
だから僕の心は
ただただむなしくなるくらいの遽しいだけのサイクルで進ったら進む
呆れるくらいの遽しい日々は続くったら続く
現在進行形で
時々雨が降り
時々晴れる
そんな世界で
僕は常識の前
お利口なお座り
たまに目を盗み
立ち小便
そんな毎日です。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
くるくる くるくる
彼の世と此の世の境に流れる川のほとりで回る風車
気が滅入るくらい
くるくる くるくる
彼の世に向かう此の世の世情を悲しむように回る風車
風もないのに回る風車
誰のためなんだろう
風吹く前に風も無視して回る風車
何のためなんだろう
くるくる くるくる
回っているけれど。