詩人:どるとる | [投票][編集] |
テーブル越し笑いかける 朝の君の顔
少しずつ 少しずつ
時が経つたびに
僕らは命を削られるけれど 愛の重さは変わることなくこの胸にその重さを伝える
僕らいつか天に昇るまで 楽しい思い出をこの胸にきざもう
貧しくてもいい
君が笑ってくれるなら
豊かな日々でも
欲望に染まらずに
お金より大事なものをいつまでも見つめ続けられればいい
目の前にある時間を
僕らは 大げさな物差しで その長さをはかるけど 大事なのは時間ではなくどんな人生を歩んだからだろう
短い生涯でも 色濃く残るような 素敵な日々を生きて行こう
繰り返す ありふれた日々の中 美しいものは形のないものだから
ビューティフルデイズ
少しずつ色あせてゆく街並みを眺めて思う
僕らもいつまでも若いままじゃない
あの空のように黄昏時をむかえるんだ
せめて若さをなくしても心は変わらずに
お互いを大切にしよう
一分一秒と無駄にはできないけれど
ふいの風に包まれた時気づくんだ
ああ こんなふうに幸せな時は つかの間に過ぎること
それでも、そんな時間の中に 幸せは輝いているものなんだと
僕は見つめるんだ
君を見つめるんだ
そして今、思おう
目の前にいる君こそが僕の生きる証。
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新しいものに埋もれてゆく 古いものたち
色あせてゆく思い出とやけに光り輝く街明かり
流れてゆく時代に取り残されないようにするけれど 変わらないもの 探してしまうよ薄れてく記憶の中に
ベランダに植えられた小さな花や
博物館の片隅にある白黒写真
戦争が終わってもうだいぶ経つだろう
僕が生まれた時には
戦争のせの字も聞かないくらい 昔のことでした
積み上げてきた人たちの努力の頑張りの末に今の僕らがあるのにそれを僕らは知らない
今もいじめやつまらない犯罪を聞かない日はないよ
全くくだらないことばかりだ
変わらなくていいものも時間が経つだけで 変わってしまうのならせめて僕らは変わらないでいよう
笑ったり泣いたりするだけの毎日の中で
幸せにきっとたくさん気づける場面がある
変わりゆくものの中で変わらないものを見つめてる
戦争もずっと歴史の中にあって
いじめも犯罪もずっと残ってしまうから
せめてくだらないことの続きはやめにして 誰かを一途に思ったりする
そんな日々を歩んで行こう
日が沈む街 遠く眺めて 憂いに満ちた心透けて たくさんの嘘やたくさんの言い訳があの美しい夕日の前じゃ汚く見えてしまう
明日こそは今日の自分をあらためて
変わりゆくもの
変わらないもの
見つめて行こう
誰もみんな。
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昨日より 今日が輝いて生きれたら
無意味の中に 意味が生まれる
その今日より明日が輝いたら
無駄の中に 特別なものが生まれる
笑っていたよ
泣いていたよ
何ひとつ無駄なものや無意味なものがないように
僕の存在も
君の存在も
何かに守られ
生きているんだ
ここにいるよ
地面に影を落として
その笑顔がその涙が
その痛みがその苦しみが 昨日より今日より 確かな足跡を残すんだ
今日は雨で 明日は晴れるかな
気まぐれな天気に振り回されてる
雨を受け止める傘はあるけれど
悲しみを受け止める傘はない
少し人を憎んだよ
羨ましくて
自分と人を比べて
むなしくなった
それでも何かを
抱きしめているから
貧しさの中に豊さが生まれ豊さの中に貧しさが生まれる
お金や名誉や地位のあるなしで
天秤は傾かない
ここにいたよ
ずっとここにいたよ
雨の日も晴れた日も
僕は確かにここで生きていた
そんな日がいつか誰にでも来るから
後悔しないことも必要だけれど
昨日より今日より
明日を見つめて
歩いて行こう
今日がだめなら
明日があるよ
理想と現実の間で揺れる心よ 止まれ
もう少し 気楽にいこう。
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このてのひらで 誰かを庇うことができる
この口で 誰かを慰めてあげられる
この両手で誰かを抱きしめてあげられる
困っている人がいたなら その人の立場になれる頭もある
なにもできないんじゃなくて なにもしないだけなんじゃないかな
僕もあなたも
小さなことでいいんだ
少しずつでいいんだ
誰かの涙が 広がって 心の奥に 海をつくったら その海の底に沈んだあなたを 助けに行くんだ
絶えず人が行き交うこの街で 心携えて歩けないんじゃ悲しいだけだろう
だから持てる限りの血の通ったやさしさ持ち寄って
あなたに手をさしのべるんだ
このてのひらは なんのためにあるのかな
この口は この耳は
誰かを傷つけ 都合のいい声や音色にだけ笑うためにあるんじゃないだろう
だから誰かのためを思ってさ今日も生きるんだよ、当たり前だけど大切なことだろう
ある日このなんの変哲もないてのひらが誰かを助ける 素晴らしいてのひらになったらこのてのひらにもやっと人間らしさが生まれる
さしのべる手なら 二つもあるだろう
考えるまでもなく 誰かの涙に駆け寄って
その人の傘になろう。
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夕暮れ色に電車に乗って なくしたものを探しに出かけよう
数えきれないほどの涙の雨に降られてきたよ
旅から旅へ 渡る 渡り鳥のように いろんな思いであの空を眺めてきたんだ
笑っていても胸の中は本当は悲しみでいっぱいだよ
そんな顔で笑うくらいなら 恥ずかしさも捨てて泣きたいけど
時として人は我慢を知って 涙を押し殺してまで笑えなくちゃいけない時がある
夕暮れ色の電車に乗って 悲しみを捨てに行こう
瞳の窓から流れる景色が映る 美しいものばかりじゃないけど
たどり着いたこの夕暮れ時の空の下 あとで気づくんだよ
生きていて良かったと
夕暮れ色の電車と 色あせてくスニーカー
失ったものを指折り数えても笑えない
だからちゃんと前を向いて歩くんだよ
もう振り返られない
時の電車は止まらない
石炭はくべなくても
命を燃やしながら走りつづける 終点に向かって
今日もあしたも
夕暮れ色の電車に乗って 絶え間なくあしたをめざす
ただそれだけの旅をする 僕らは旅人さ
風に吹かれて 出かけよう
あとで気づくんだ
なんだかんだ生まれて良かったと。
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なんだか 悲しい
なんだか 嬉しい
なんとなく
生まれる 調和
とっても 悲しい
とっても 嬉しい
そんな日はまれさ
わだかまりがあるぶん少し安心
ふかふかのふとんを敷いて
日当たりのいい部屋で眠ろう
幸せなんてそんなちっぽけなもので充分だよ
調和がとれた 生活の中 目を向けてみれば 日常の片隅に ちゃんとある 満ち足りた幸せのかけら
調和のとれた 時間の中に 目を配ってみれば 見落としているだけでちゃんとある 当たり前の中にこそ
不安があって 悲しみがあって そして喜びもある
それが一番いいんだ
悲しすぎてもいけない
楽しすぎてもいけない
今が一番幸せなんだ
気づく前から ずっと誰もが当たり前な幸せに目をつむっていたこと
ちょっとだけ 心の目線ずらせば すぐに見えるのに。
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ある日少女は泣いていた
生まれてきたことへの喜びに
ある日少女は泣いていた
生まれてきてしまったことへの悲しみに
そんなことの繰り返しの中で 人は育つものだと誰かが言う
少女はまだ幼い瞳の奥に小さな世界の一部を見ていた
少女が見渡せる限りの世界には 悲しみも喜びも幸せもあるのに 欲望がそれを許さない
少女にはやがて恋人もできて 世界中を旅をして たくさんの人に巡り会ううちに少女の中の世界は広がった
そんな少女の人生は
つかの間のうちに終わるけれど 少女はきっと忘れない
だから僕も笑おう
生きる悲しみを背負いながらも懸命に生きていた少女のように
なぜか少女は目を閉じて
いつまでも言葉をしまったまま
なにも言わない
そうだね、天国へ旅立ったんだ
残された僕は少女の生きた半生をなんとはなく思いながら
生きる悲しみや
生きる喜びに
涙を流すだろう
だけれどけっしてどんな辛いときでも
僕は生きることだけは忘れない
少女がそうしてきたように
僕も懸命に生きるから。
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どちらでもない
それが答えだよ
青でも緑でもない
その真ん中だよ
言いたいのは
選びたいのは
中間色のような
定まらない世界
どちらともなく
僕は好きだよ
甲でも乙でもない
その真ん中だよ
叫びたいのは
抱きしめていたいのは
中間色のような
割り切れない世界
矛盾の中のさらなる矛盾が見えてくる
人の表と裏 てのひら返せば人の悪意が見える それでも人のぬくもりややさしさを知ってるから
僕は人との関係を断ち切れやしない
中間色のような
定めなき世界で
中間色のさらなる
中間色に染まろう
どちらかを
選ばなきゃいけない
そんな理由はない
そうだろう?
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例えば 目の前やすぐそばに困っている人がいたなら その人の助けになってあげる
例えば 誰かの涙を見たときには その人の涙の理由だけでも聞いてあげる
そして慰めてあげる
それだけでいい
人と深く関われば
人の中の悪に気づく
人の中のずるさに気づく
かといって人とつき合わなければわからなかった人の優しさや思いやりに気づけない
だから例えば人と寄り添って生きるなら
近づきすぎず 離れすぎずちょうどいい距離をとって 寄り添うんだ
例えばそれが愛や友情ならば 自分の中にない価値観でも見覚えのない景色でも その人の世界を時には理解してあげなきゃならない時もある
だからたまにはその人の世界を認めてあげることも必要なんだろう
例えば1人しか世界にいなかったとしたら きっと毎日はつまらない
だから1人が2人 2人が3人 少しずつ数を増して 人と人がお互いに手をつなぐことの大切さを僕らは知る
例えば 悲しい悲しい夜なら 楽しい楽しい話をしよう
例えば 悲しいときこそ 明るい話をしよう
例えば そんな心の余裕があったなら
例えば そこにあなたを理解してくれる人がいたならば
その人と たくさんの話をしよう
そして 例えば 何年何十年先の未来でもその人と一緒にいたいと思う気持があるなら 例えばの話持ち出して 例えば 愛し合おう
例えば 愛し合おう。
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あなたのくれた言葉が 僕の胸に熱く灯る まるでランプ
理解を超えた場所で単純な気持ちひとつ掲げ 愛してる
それだけであしたの僕ら 笑える
簡単な言葉ほど 不思議と胸に残る
あなたのくれた言葉が僕の胸をふるわす
まるでランプ
幾つの夜をこえて 幾つの朝をむかえてもわからないことばかりあるけれど
この幸せだけは ずっと変わらないよ
朝、カーテン開けたとき
差し込む斜光のように
当たり前なことがいつも幸せだってこと
忘れないよ 忘れないでいるよ
あなたのくれた言葉だけが 打ち寄せる波が今日をさらったあとでも 心の奥で 美しい余韻のように聞こえている
誰もいない 部屋の中
テーブルの上 つい作りすぎてしまったひとりぶんの夕食
ふたつの椅子 目の前には 誰も座っていない椅子
面影だけがそこでいつまでも笑っているだけさ
この手をのばしても掴めるのは 空気だけさ 空をきる手が 切なくて 涙に濡れる夜
涙に濡れる夜。