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どるとるの部屋  〜 投稿順表示 〜


[4137] 夜が見る夢
詩人:どるとる [投票][編集]


長い夢から覚めたなら微睡みが拭えない

僅かにあいた隙間からのぞく小さな世界

どんな詩を 書こうか
どんな世界を築こうか
どんな場所を選ぼうか
夕暮れがもう見えてる

夜の中に 言葉は 静かに 消えてゆく
切なさも悲しさも痛みも苦しみも隠せずに詩になる

夜が見る夢は 眩い朝の夢 暗い場所でも独りでも明るい詩が書けたなら素敵だと思わないかい

だから僕は この胸を打つ切なさを のりこえて 闇の中へと光の矢を放つように
夜が見る夢に朝の匂いを 込めるんだ

夜が見る夢に朝の景色を 映すんだ

ほんの少し ほんの少しのざわめきだけで

夜にも 笑顔の代わりになるような
希望の光差し込む

怖がらないで、詩を書こう 夜の闇に描くのさ

暗い明るいに関係なく そこにあってどこにもない何かを見透かすのだ。

2012/08/12 (Sun)

[4138] もくじ
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当たり前なほど
ありふれているほど
それは幸せな毎日だ

貧しさの中にも
豊かさは生まれる
豊かさの中にも
貧しさは生まれる

お金も必要だ
住処も必要だ
衣服も必要だ
だけれど心の余裕がなければそれら全て持て余すだけ

見つめる先は
部屋の片隅
棚の隙間
瞼を閉じた暗闇の中

中身だけ良くても
だめさ つまらない
もくじから惹かれる
そんな人生を築こう

外見だけ美しくても
だめさ 愛せない
もくじだけでときめく
そんな人になろう

表紙をひらいたら
一言だけでいい

『生きよう』それだけ

歩こう この道がもうこれ以上 行けなくなるまではずっと 命は捨てずに はこんでゆくんだ

スタート地点にもどって 見渡す今まで

幸せは そうさ
何気ないところにあった

例えばそれはポケットの中にも。

2012/08/12 (Sun)

[4139] 風を呼ぶよ
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電車に揺られて
宛もない旅へ
出かけよう
行き先は決めずに

カバンには
夢と希望詰め込んで
悲しみは置いてゆこう

窓の外を過ぎる
景色は思い出になる
遠ざかるほどに
懐かしくなって
思い出せなくなる

涙を拭うハンカチがないのなら僕がその代わりになるから
後先のことあまり考えすぎずに 流れる時間に心をゆるそう

ほんのささいな出来事が幸せだってことに気づけたら
なんでもない今日もなんとなくどこかが特別な風を呼ぶよ

あとで考えたらなんでこんなくだらない記憶がっていうものほどきらめいて
なんでもない今日がなんとなくいちばん特別に思えるんだ

今すぐ出かけよう
難しいこと面倒なこと考えるより先に
風にさそわれて 僕はドアを開けるよ

発車のベルが鳴る
何か新しいことが待ってる そんな気がする
風を呼ぶのは僕や君だ

行こう 行こう
まだ見ない明日へ

風を呼ぶよ。

2012/08/13 (Mon)

[4140] はじまりのさよなら
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背中合わせの二人が
画面の端へ消えてく
流れる涙拭いもせず
僕らは消えてゆく

さよならの言葉呟いて エピローグを迎える二人の物語

映画のような恋をしたよ 終わりまで切なくて

小雨の降る 街路樹を二人は別々の道 歩いて行く

さよならは雨音にかき消され 聞こえなかったけれど

君との楽しかった日々を思いながら僕はこれからの日々を強く強く生きて行こうと思った

だからこのさよならははじまりに向かうためのさよならさ

悲しみに笑うよ。

2012/08/13 (Mon)

[4141] ビードロ
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行き交う人波の中に
僕は何を見ている
何がこの瞳に
映るだろう
人の心の奥まで
見えるだろう

人の醜さや
人の愚かしさに
気づいてしまった
僕はもうあの頃のような無邪気な幼さはない
今の僕には歪んだガラスのような汚れた美しさがあるだけ

誰かを憎むことと
誰かを愛すことは
とても似ている

それはまるでビードロ
知れば知るほどに
人の中の闇が見える
人の中の悪が見える

そういうものだ。

2012/08/13 (Mon)

[4142] 僕の中での世界の全て
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この世界の端から端まで全てを解き明かすことは難しい

ならば僕は君という小さな世界を理解しよう

僕の中での世界の全ての君の全てを

不器用でもいい
危なっかしくてもいい

愛は生まれるさ
君との僕が結んだ小指にも 時折流す涙にも

未来は生まれるさ
通り過ぎた駅にもつまずいた階段にも
凪いでいる海にも

そう笑えばいい
困ったときは
ごまかすように

最初から たどり着いていた 僕らの行きたかった世界の果てに

今、立っている

僕の中での世界
君の中での世界
その果てに。

2012/08/13 (Mon)

[4143] まわるせかい
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長い長い夜が明けて
朝がやって来ました

泣いていた子供も
泣き止んで
また笑うでしょう

たくさんの矛盾があふれた部屋の中に誰もがそれぞれの迷いを抱えて 見つめてる 今という名の世界を
どんなに 悲しくても必ず 朝はやって来て
必ず 夜は明けて
いつもの顔が食卓に並んで 僕はトーストをかじるんだ

待ち望む人にも
待ち望まざる人にも
必ず今日はやって来て
街も人であふれて
にぎやかな声が広がって

そんなふうにまわるせかいの中で僕もたくさんの音の中の
たくさんの色の中のひとつになる

なんとなく思うんだ

ああ 僕は生きている
それだけを感じる
ただそれだけで

なんとなくうれしくなる。

2012/08/14 (Tue)

[4144] ほのか
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飲み干した昨日が
通り過ぎた駅が
ほのかに残り火のように煙っている

懐かしい匂いがする
泣きたくなるほどの
僕は目蓋を閉じて
暗闇の中泳いで
そこに見つけた光に抱きしめられた

なんでだろう 過ぎた日々ほど 素敵に見える 懐かしさをさそうよ

ほのかに香る あなたの匂い
部屋の片隅に 差し込む光

ほのかに香る 思い出の一場面
目を閉じてもなお鮮やかに映る。

2012/08/14 (Tue)

[4145] 終わりじゃないさ始まりだよ
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影も形もなく
跡形もなく消えても
その人の笑い声
その人の匂いがする

瓦礫の街
アスファルトに
手をあてれば
なんとなく
わかる

あなたが笑ってた場所
あなたが泣いていた場所
あなたがよく通った道
あなたがよく行った公園
あなたが住む家
あなたが好きな景色が見える丘

またここから築いて行こう
またここから始めていこう

終わりじゃないさ始まりだよ

種からまた育てればいい

花はいつか咲く。

2012/08/14 (Tue)

[4146] 題名のない映画
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彼のことをペテン師や偽善者という人もいる
中には恩人や親切な人として見る人もいる

彼の正体を知る人はいない
彼の本心を知る人もいない
彼を知らない人は孤独で暗い人としてしか見ない 彼のことを

彼を好きな人もいれば
彼を嫌いな人もいる
全ての人が彼を好きになることはないし
かといって全ての人が彼を嫌いになることはない

彼が笑う彼が泣く
彼がたまに見せる
小さな表情の違い

僕はただひとりしか
いない彼の一生は僕の一生でもありあなたの一生でもあると思う

なぜなら全ての人の人生は似たような場面があるから
あり得る一生さ

題名のない映画の中
カメラは死ぬまでまわる
どんな悲しみもくだらない場面もおさめる
記憶というフィルムが心の中の棚を埋め尽くす

さあ今日も彼という映画がはじまるよ
他愛ない会話も
くだらない昼寝も
数えきれない失敗も
犯した罪も過ちも
負った傷跡も
全てが映画の中の大事な場面になる

彼の過ごした日々はやがて永遠になる
題名のない映画 誰もが主人公さ

死ぬまではね
まわり続けるカメラのレンズにあなたの世界が映る。

2012/08/14 (Tue)
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