詩人:どるとる | [投票][編集] |
流れる人ごみの中
何が本当で
何が嘘なのか
計る秤もないまま
信じた挙げ句騙され
見返りはちっぽけで
繰り返す季節の中
僕は人を疑った
混み合う電車の中
一番奥の車両で
壁際にもたれかかって 何か見ていた
人のまねをして
僕も悪さをした
迷惑かけたのは
自分以外の人たち
雨が降り出して
気づけば夜で
わけもなく
泣きたくなった夜
きっと多分この夜が明けたら 僕は死んでるだろう
そんなことばっか言って結局 逃げたいだけなんだろうな
何もかも面倒くさいな おっくうがって座り込んだまま
雑踏の中に 僕は馴染めず 救い求めるように空を仰いだ
はるか前のこと。
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君は見たかい?
あの夕陽の赤を
君は気づいたかい?
あの夜の静けさに
誰も皆ポケットに
隠している
切なさやむなしさを
本当はさらけ出してしまいたい
泣けない夜を
いくつも乗り越え
場違いなにぎやかさに
ついていけず
さよならの向こう側に消えてく人の影が
今日も少しだけ この瞳をかすめたみたい
さよならも残さずに歩いてく人の群れ
今日も少しだけ このほほを流れたようだ
さみしさに気づけない
せつなさを見透かせない
人は誰も皆 悲しいことに気づかれないように笑って生きる
それをただ嘘つきと罵っても自分も同じ嘘つきだから
鏡合わせで 悲しくなる
気づけば夜が 気づけば朝が そこにあって
いつの間にか いつの間にか 歳を重ねて
覚えなくてもいいことばかり記憶に残って
時の波がさらっていった誰かの大切な残り火みたいな最後のあの帰り道に見せた笑顔だけはなぜか思い出せないよ
僕は今 思い出からの帰り道だよ
帰路に着いたら
今日のことも忘れてるのかな
最後のバスが出る。
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どうして嘘をつかなきゃ 生きれないのか
大人はみんなそろいもそろって嘘つきさ
どうして愛想笑いして 心をごまかすのか
子供の僕にはわからなくて
ピエロだと言って笑った
自分が大人になってやっとその意味が分かった その時
悲しさがこみ上げて
悲しいのに笑っていた
僕もピエロになった
誰かの拍手 合いの手
もらうために 今日も舞台の上で おどける
だけどその姿は なんてかっこいいのかな
ほら優しいピエロの顔が今日も 帰ってくるよ
そして、ほら僕ら家族の前では 本当の涙や笑顔 見せてくれるよ
優しい嘘つきだね
ピエロは今日も 出かけて行く 悲しいことわかっていても
ピエロは今日も 笑わせる 持ち上げる よいしょする
自分でもわかってるさ その悲しさを
でもね ピエロはそれでも誰かのために
今日も 生きてるよ
強く笑う 強く笑う
それを 笑えるものなど いないでしょう。
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わけもなく 悲しくなる
僕の瞳にとりあえず今日も夜が来る
意味もなく 八つ当たりしてみる
離れてく人 孤独には慣れてる
その背中に抱えてる闇
目蓋の裏に焼き付いてる昨日
今日の涙嘘のように晴れていた空
それぞれの瞳に映る雨のような
誰の瞳にも同じように映る街並みも世界もその人次第でいろんなふうに見える
それはけっしてずるいことじゃない
だけど、晴れている空の下 泣いてる僕と笑ってるあなたとを隔ててる世界には見えない壁があるようで
少し胸が痛むんだ
それぞれの今日の中
それぞれの景色が映る
それぞれの瞳の中
見えてるものは同じなのに 見え方が違うだけで青い空にも見えない雨が降る
傘を差しても 屋根に隠れても 避けられやしないさ
悲しみは
それをただ運や仕方ないという言葉で片づけられずにいる
それだけで今日の僕の1日はどしゃ降りなんです。
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テーブルの上に置いてある 書き置きの手紙
千円札が置いてある
「これで、なんか買って」
忙しいのはわかるけどたまには一緒に食べたいな
ひとりの夜は淋しい
本当は泣きたいよ
ひとりの夕飯はまずい
みんなで食べたいよ
窓の外は雨
少しずつ朝に向かってやむ予報だ
だけどね
僕の心は雨なのさ
明日も引き続きね
温めもせずに
そのまま食べる弁当の味はやたら濃くてまずい
ひとりの部屋は広い
本気で泣けてくる
夕飯残らず平らげるころにはもう雨はやんでた
たったひとつの夜が今、遠くで 朝に変わるまで僕は…僕は…起きてようかな
その夜にはとても夢なんか見られなかった
何も喋らなくても
何も楽しくなくても
あなたがいてくれる
それだけで救われることもあるのに
夜はひとりじゃ
けんもほろろ
淋しさも丸裸
心の寒さが身にしみる。
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二人の夜を 繋いでる電話ボックス
いつものあの場所
あの時間にかけるのさ
30分だけの会話
君の声がする
君の顔が浮かぶ
愛してるよ
大好きだよ
電話ボックスで
今夜も君と話そう
今夜も君と話そう
愛してるが言えるかな
今日も言えるかな。
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もう君とは会えないのかな
さよならの時が来たら
僕はもうここにはいない君とはおしゃべりさえできない
面影だけが陽射しの中揺れてるだけだ
君と過ごした日々は
あまりに美しすぎて
さよならする時が来るなんて思わなかったから
忘れることなんて今更できない
ベイビーアイラブユー
愛していた
心すべて捧げていた
愛し続けていたい
でももうさよならなんだね
運命だって思っていたのにね それは僕の悲しい早とちりだったのかな
それでもこの思いは永遠に死ぬまでこの胸の中をさまようよ
ああオーマイラブ
君だけを愛してる。
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人の痛みが伝わるとなぜか泣きたくなるのさ
なんでだろう 涙が止まらない 君は今悲しいんだね
大人だって泣くくらい生きることは辛く悲しいものだから
時には嫌になって自棄になって 命さえ投げ出したくなるよね
簡単に言うことはできないよ誰にも
それぞれの今がすべて輝いてるとは限らないから…
幸せの隣には不幸が座っていて
喜びの隣には悲しみが座っていて
晴れてる場所があればどしゃ降りの場所もある
この世界はね
どんなに強がっても悲しいときは悲しい
どんなに嬉しいことがあってもふと気づくとやっぱり人生は悲しいものだから
いつも笑っては歩けないんだよね
心配しなくていいさ
他人ごとだと笑っておくれ
背中丸めて 夜に紛れ込む 孤独な人の独り言が ぽつり 瞳に小さな明かり ともす
明日は晴れるかな。
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悲しいとき
嬉しいとき
笑顔じゃ
収まらない
気持ちが生まれると
なみだになる
大人も子供もなく
みんな心ふるえたら
優しい気持ちこみ上げてなみだがそのほほを流れる
無理矢理じゃないよ
お芝居でもないよ
心から 心から
いつの間にか流れる
それがなみだ
どうしていつの間にか心が温かくなって
人は悲しみ喜びに出会うとき
しぜんになみだが流れるのだろう
君の悲しみや喜びが
伝わって とどいて
少しずつひもとかれる
誰かの痛みや苦しみ
それがなみだになってこのほほを 川のように 流れて
いつの間にか いつの間にか ほら、怒っていた人の瞳にもなみだが移っている
君の瞳にもなみだが移っている
夜が少し 朝に手を伸ばす
そして 君は昨日より強くなる
なみだを流したら
なみだを流せたら。
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朝が夜に少し 手が届く そして訪れる夜
月の光を頼りにして
僕は家をめざす
明かりは君の優しさでいい
それがあれば何も怖くない
帰っておいで
帰っておいで
怪我しないようにね
ただいまって言うから
お帰りって言ってよ
愛してるって言うから
私もって言ってよ
なんのために生きるとか
なんのために生まれただとか
そんなことさえどうでもよくなるほどに 今が幸せだから
僕は君に 会いに行く
今日も 今日だけの君に会いたい
今日は 今日だけの君を愛したい
そこにある朝を
そこにある夜を
特別にしてくれる
今日の君に会いたい。