詩人:どるとる | [投票][編集] |
思い出せない遠いあの日の日々が 今は深い深い意識の奥で何かをつぶやいてる
いくら叫んでも 届かない あの日には
ぬけるような青空がそこにあるだけだ
飛行機雲が浮かんでる 僕は寝ころんだまま 何かを思いだそうとしてる
さよなら さよなら
僕はこのまま 少しずつ消えて行くだろう
さよなら さよなら
誰もが今を抱えたまま ぬるま湯のような幸せに笑いかける
その様はまるであの青い空に浮かぶ雲のように 自由だった
古い町、昔ながらの建物あの日のままで止まったままの時間がそこにある
忘れ得ぬあの日の誰かの言葉 夕暮れ時の帰り道にそっと咲いた恋の花
飛行機雲が少しずつ消えるまで 僕は映画のエンドロール見送るように一人残されたまま
また会える日まで
僕はこのまま 何もしないで枯れてゆこう
生まれ変わる時まで
僕らはこの熱く燃えるような気持ち忘れないでいるから
「あの日をまだ覚えている」
そんな気持ちで またこの場所に生まれよう
心を見せ合って 重ね合って まだ同じだねと言えたなら
こうしてやがて 尽きる命にも 意味があることを 知るから
だからさよならの続きの続きのそのまた続きで 僕らは何度でも生まれ変わって
この青空の下で 飛行機雲を見つめて思うんだ
くだらないくらい
当たり前なことを。
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当たり前なこと
ありふれていること
それを特別にするのはなんだろう
何もない部屋に
家具が増えてゆく
椅子や机 本棚には無数の本が並んでる
窓のカーテンを開け放って
空気を入れ換えれば
夕暮れの風が部屋を包む
橙の空が 君の瞳を優しく 穏やかに染めるだろう
今日は今日しかない何かがあってさ
そして明日は明日しかない何かがあるよ
例えばあの空を空と呼んでも そこにはなんの疑問も生まれないように 僕らどんなに悲しくてもいつの間にか生きている
不思議にさえも目を向けずに ただ流れ行く日々を淡々と生きている
それが、不思議なことだって 気持ちは雲の上さ
あの空を空と呼ぶのなら 僕を僕と呼ぶ君も なんの不思議なこともないさ
ただ、ここにいるってだけであの夕暮れがきれいに見えているから
それでいい
それがいい
なんとなく思うんだ
僕はいつでも僕だから
なんとなく思うことは簡単なことばかり
だけれど少し 切ないと 気づくだけ
それでいい
それがいい
あの空を空と呼ぶのなら あの空はいつまでも空のまま
僕はただ思うだけ
きれいだなと見上げるだけ
お腹がすいた
家に帰ろう
ああ くだらないよ
悩むのはやめにして
ただ心にしたがおう。
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全ての人の 帰り道に
流れる メロディ
君もきいているだろうか あのメロディ
今日は疲れたな
お風呂先にしようか
お腹もすいたな
ああ夕飯何にしようか
電車で帰る人
歩きで帰る人
車で帰る人
いろんな人がいる
大人も子供も帰る場所がある
全ての人に一人一人違う帰り道がある
今日も帰るよ いつもの道を辿って
僕や君を待っている人のところへ
今日も帰るよ いつもの時間を時計が指したら
いろんなことあるけれど 帰る場所がある 待ってくれている人がいる
そんな幸せに笑いかけて ただいまと言うとおかえりって声がする
それだけで僕の1日はどこか優しくなる
特別なことなんて何もなくていいんだよ
ただ、穏やかで何事もなく 過ぎてゆく
それだけでいいんだ
君が幸せで僕も幸せで全ての人が幸せで
過ごせたならば 帰り道が涙で濡れても
帰る頃には 涙も乾いて ただいまとドアを開ける時には すっかり笑顔になってれば
それだけで…
ただいまの数だけ
帰り道があってさ
おかえりの数だけ
幸せが生まれるさ
早く帰っておいで
今、帰るよ
とびきりの笑顔で
ただいまとおかえりの歌
重なり合う時、響くだろう。
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君の1日が 例えば悲しい時間で終わるなら 僕がせめて楽しい夜を灯したい
流れ行く街の 家々はこんなに楽しい雰囲気なのに 切なくなるんだ
どうして僕は泣いているのか こんなに街は賑やかで楽しいのに 優しい時間に解け合えない
そして夜は更けてゆく
君と僕の夜が 全ての人の夜が。
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世界や人が変わるのを待つんじゃなく 自分自身が変わるんだ
変化を求めるのならば なりたい自分に変身してごらん
変わるのを待っていても何ひとつ変わらない
世界の見方を少し変えて 歩き方から変えてみよう
そしたら何かが違って見える
そしたら世界が違って見える
今日から何かが変わって見える。
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見た目だけは大人
中身はまるきり子供
態度だけは一人前
中身は悪い大人の寄せ集め
人類は逆方向へと
進化をたどり
退化の先を行く
名付けよう
アダルトチルドレン
またはチャイルドチルドレンと。
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有り余るほどのお金を持ってる人もいれば
今日の生活さえままならない人もいる
多種多様なこの世界
貧困にあえぐのは弱い立場の人たち
そんな人たちほど優しい心とまっすぐな瞳を持っている
だけどそんな人たちほど街の隅っこで小さく生きてる
都会の駅の傍で誰かが歌っていた
「自由を僕にください。本当の自由はどこですか?」
幸せの定理はいつでも変わらないはずなのに自由を求めて行き着く場所には
いつでもお金や地位や名誉が何よりものをいう
自由になりたくて
歌を歌うそんな人たちの声は忙(せわ)しない街の喧騒にかき消され聞こえない
僕が生きている場所を例えば光だとするならば
君が生きている場所を例えば影だと呼ぶのなら
誰だって光と影の狭間を生きてる 誰一人その繰り返しの中でそれぞれの幸せを見つけてる
今あるこの居場所は最初からあったわけじゃない
いつか君にだって見えると思うんだよ
ビルとビルに囲まれて陽射しの差さない都会のちょっとした緑の中にも花が咲くように
悲しいだけじゃない
辛いことばかりじゃない
歩き出してごらん
歩き続けてごらん
影の先に光がある
もがきあがいてごらん
そのまま生き続けてごらん
雨雲の向こうに晴れ間が見える
それが、君の光
全ての人に差す光
あの歌歌いが歌っていた自由の花。
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この窓から見える景色は瞳が見ている景色 嘘の入る隙はない 全てが本当のこと
遠い異国の窓辺には
今も戦争が見える
くだらない理由で
今日も人がその命を奪いあう
僕の部屋の窓からは
退屈な昼下がりが
ほら見えているよ
幸せというには
あまりにもわかりやすくて穏やかな毎日がいつか崩れ去ると疑ってしまうよ
僕の瞳が窓の外の景色を 美しいものは美しいと醜いものは醜いと嘘偽りなく心に伝えれば
ただの退屈も幸福に思えるから
何ひとつ不満はなく
ただのひとつさえ僕にはこれ以上何かを望むことさえできない
そこにある平和という価値のない宝石のような毎日と
遠い異国の人たちの思う幸せとを結ぶのは違いすぎる思い違い
僕らは真顔で嘯く
幸福とはお金や贅沢をすることだと
窓の外に広がる
充実した日々を呪う
これが本当の幸福だとしても絶え間なく僕らは欲張って
戦争のない国でも
つまらないことで
人を憎み 美しいものを美しいと思う当たり前な心さえどこかに置き去りにしてきたような
幸福の窓辺から 見える瑠璃色に輝く世界をそのまままっすぐに美しいと肯けない
僕らには二度と見えない景色だ。
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欠伸が出るほど
ああ つまらない
毎日だな
だけどその中にも
幸せは確かにある
世の中には当たり前な
そう当たり前な暮らしにさえ困る人もいるらしい
僕らが思う当たり前なんて通用しない国もある
贅沢な人ばかり
欲張りな人ばかり
あれが欲しい
これが欲しい
どうしてこんなにも
僕らはこれ以上ないほど幸せなのに
ふつうの幸せ 平和な毎日じゃ心満たされないんだ
欠伸が出るのは
幸せだって証
本当だよ
恵まれてないって思うのは気のせい
欠伸が出るほど
ああ つまらない
毎日でも
必ずどこかで幸せに気づけるよ
小さなことだけど
なんとなく思うんだ
お金持ちじゃなくても心の貯金箱ははちきれるほどの幸せで満たされてる
少しずつ なんとなく たまに思うこと
くだらないほどありふれた誰もが見向きもしない ちっぽけな毎日が きっと僕にはふさわしい
メソメソ ハラハラ ワクワク ドキドキ
明日は何があるかな
とりあえずは笑おう
欠伸が出るほど
つまらなくてもいい
明日も明後日も
欠伸が出るくらい退屈な日であれ
裏を返せばそれは幸せってことだから
僕はそっとひとりでそんな幸せに笑うよ
欠伸が出るたびに
幸せになれるよ。
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他人を通して自分が見える
他人の不幸を望む悪い自分がいる
他人の行いがまるで自分のことのよう
他人は自分を映す鏡に見える
自分のことをいつでもわかっているようで
自分のことが一番わからなかった
自信満々で描いた自画像は僕には少しも似ていない
自分のことが一番わからない 誰も皆、同じ
他人を通してはじめて気づくんだ
他人の瞳に映った自分が自分も知らない本当の自分だと
描き直した自画像はぎこちなさそうに笑いながら どこか悲しい目をしてる だけど本当を語っている
悲しかった
嬉しかった
その全ては他人が知る
自分も知らない悪や善が
光と影のように入り交じる
そこに本当の自分がいる。