詩人:どるとる | [投票][編集] |
ふつうの暮らしの中で 毎朝起きて会社に向かう
うるさい大人たちに囲まれて若さが猛威を振るう
ほらね、あまりに人様をばかにしすぎて
ふつうの生活の中に幸せと呼べるものはあるか
不真面目で不器用な僕らは思いを伝えることが苦手で考えている間に
電車に乗り過ごすようにタイミングを逃す
逆上がりができたよ
後転ができたよ
テストの点数も少し上がった
きっと幸せは努力したぶんだけ未来に用意されてると思われてるけれど本当はそうじゃないのかもね
ふつうの生活の中で
僕らは僕らはどんなふうに
社会や人と向き合うのか考えている間に風は通り過ぎる
頭の上にある天国に抱く憧れや創造のように僕ら形のないものを愛せても…
そこにある真相に言葉をなくすだろう
だから、少し人と遅れて走るランナーになる、僕は。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
僕は独り いつも独り
振り返っても見上げてみても誰も僕のことを気になんかしやしない
影を引きずって 歩いて行く土手沿い アスファルトに映る僕の影は俯いてる
果てのない旅に出た
僕はもうこの世界にはいない がら空きの部屋 最終電車の一番後ろの好きな席
孤独の影を引きずって 歩き続けるのさ
このまま どこまでも果てしない宇宙に
抱かれて僕は朽ちて行くだけだ
幸福と違えないばかりの今日にたどり着く時僕は知るだろう
揺るがない希望が
差し込めば誰もが昨日を嘘と思うように
僕は忽ちいなかったことになるから
やがては誰もが
そこに揺れてても
誰にも見えない
孤独の影に変わる
そこにはどんな概念も入る隙はない
だから、言葉じゃわからない
僕はただ、目を伏せて君の名前呼ぶ。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
どんな美しい花も
やがて枯れるように
時は幾重にも
僕に降りそそぎ
人の歳を奪う
命を削ぐように
そっと静かに
しかし確かに
コトコトと脈打つ静と動があるように
全ての理は相反するものとしてここに在るのです
それを紐解くのなら僕は元からここにはいない人とも
ここに確かに存在する人ともいえよう
即ちそれは対になるものとして 僕やあなたの日々を司る縁の糸 手繰り寄せて知る運命の予感
なんとなくあなたの顔を見たくてここに来ました
南の窓開けてそっと優しく吹き込む風のように
たくましいお髭をたたえた白髪混じりの顔が物語る年月の経過に流れた時間の重さがしれる
ほらねそれでもまだ愛してる
誰よりも君を
例え重なれなくても
全てを分かち合えなくても心にはちゃんと温かい何かが流れ伝う
色あせた葉っぱに
小径歩けば出逢う
もう季節は秋だ
問わずとも見える
悲しい色に染まる
街並みはモノクローム
嗚呼 それだけを伝えたくて会いに来たよ
後ろから 手渡す 少し恥ずかしさ入り混じる不器用な心思(おも)い
僕は迷わず唇寄せる
そして何度でもいうよ 君が好きだよと
君だけ愛している、と。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
小さなことでもいい
誰かの役に立つことがしたい
ほんのちょっとでいい
誰かの心の傷跡癒せればいい
何かと忙しない日々の中で 人波は途切れることなく 蟻のように蠢くよ
僕ができること 探すけど なかなか見つからないから
黙ったままで 通り過ぎる 泣いてる人困ってる人を見つめてるだけの僕に気づく
僕にもできることがあるはず 言い訳しても意味はない
立ちつくすその背中に差す影を 振り払いそっと駆け寄る眼差しに重なる笑顔が見えたなら
それが何よりの宝物
抱きしめよう
僕ができること それはとてもちっぽけなことばかり
でもいつかそれが積み重なって芽を出し
花を咲かせるだろう
誰もがその苗を植える 担い手なんだ。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
深淵の奥より 現れる 闇をも喰らう獣なら その胃袋を満たすのは赤く滴る生肉に非ず 人の口より集められし嘘か真かも紐解けぬ 怪しき噺を束ねたる 数多の書物も凌駕する 怪異なる世迷い言戯れ言とは図らずも 人の口から人の耳へと渡り行く
形を持たぬ死の記録
それこそ即ち 口伝より出でる怪談と呼ばれし闇夜の囁き。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
涙をのんで たくさんのんで 強くなるんだ 君も僕も
悲しいことがたくさんある 生きていれば誰も彼にも
でも悲しくなったら
上を見上げよう
何がそこに見えるかい? 青い空が見えたらまだ希望はあるから歩いてゆこう
心優しく持って
人に優しくできたら
自分にも優しくできる 転んだって平気さ
君はもっと強くなれる とりあえず今はあの街まで 行こう
まだ少し 残ってる
何かが残ってる
だけど悲しくなったら上を見上げよう
そこに見えた青空に元気を分けてもらおう さあ今はじまる
新しい旅に 胸躍らせ君は昨日より前に進む。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
僕は傘を差す術を知らない
悲しみを目の前にして
僕は雨粒を受け流すこともできない
もしもの雨に降られたら
誰もが、目を伏せて
雨が止むのを待つだけ
詩人:どるとる | [投票][編集] |
君や僕が生まれたこの街の中に いくつものこれからがまた生まれたみたいだ
君や僕に与えられた数え切れないほどのたくさんのこれからがドアを開けて待ってる
その先に待つのは
一体どんな景色かな
ノブに手を掛け
開けてみる
未来という名の
これからの始まり。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
私は自分が誰か知らない
私は自分の性格を知らない
いや、もしかしたら知っているのに気づいてないだけかもしれない
私は自分の素顔を知らない
私は自分の趣向を知らない
否、もしかしたら知りたくないだけで本当は全て熟知しているのかもしれない
目の前には断崖絶壁
落ちたら最後、
命はない
そんなわかりやすい人生ならばこの先
何に悲しむことも迷うこともなくたやすく命など放り出せるというのに
そうできないのは
ただ、単純に
この心臓が
生きよと私に
脈絡のない
命を下すからなのだ
トレモロの脈拍、
リズムにならない
不規則な旋律、
静寂ののち再び
ざわめくこどう
この心臓の蠢くかぎり、私は知らない
自分が爪を切ることや窓の外を気にかける理由さえ。