詩人:どるとる | [投票][編集] |
照れくさくって
少し恥ずかしくって
伝えられない気持ちを心にしまってる
あなたが好きで好きで好きな思いが重いよ
今頃、街は 賑やかなもんだろう
誰もが笑って 過ごすのに僕はひとりなぜ寂しくしてる?
きっときっときっと
今夜は素敵な夜になるはずだって思うよ
だってだってだって
今夜はどんな願いも叶ってしまうような
年に一度のクリスマス
君に君に君に伝えなきゃ 届けなくちゃ
雪も解けそうな熱いこの思いを
サンタのおじさん 子供たちにソリにまたがりプレゼント配る
サンタは大忙し息をつく暇もないよ
そんなそんなそんな
今夜の主役は 世界中のあなただよ
こっち向いて さあ笑ってもっともっともっと 窓の外は星降る夜のクリスマス
鈴の音が聞こえるよ。
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言葉にならない
気持ちがあるよ
思いを追い越せない
言葉があるよ
あふれてる水しぶきのようにとどまることのない聞き分けのなさ この臓物を引き裂く
それは例えるなら
昼下がりの公園に漂う陰鬱のような
もっと簡単に言えば
平和にあぶれた人たちの惚けた顔のような
そんな、無防備な幸せが 僕には痛いほど この瞼を熱くする
なんでだろうか
なんでなのだろうか
あんなふうに笑うのなんて全く馬鹿らしいのに 素直に嫌えない
だからそれは昼下がりの公園に漂う陰鬱のような
誰もいない夕暮れ時の路地を吹き抜ける さびしさのような
それに似た孤独が匂う。
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僕は僕でなし
人は人でなし
ただ、肉を孕んだ
喋る肉塊
悪知恵の働く
喧しい肉塊
さえずるように
貪るように
生きる
喋る肉塊
肥え太り
夢に揺らぐだけ。
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木よ こたえろ 痛ましいその傷あとが
人間の邪悪を刻む
木よ 見つめよ 荒みきったこの枯れ野の死と引き換えに 煌びやかに瞬くあのネオンの街の灯火が
憎くて たまらないと
物言わぬ木よ
物言わぬその寡黙さよ
叫べぬ代わりに
少しずつ大地はひび割れ 氷は溶け
マグマは我らに近づく
地球はただ、耐える
我らの愚かさを 我ら自身が気づくときまで。
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昨日まで当たり前だった世界が どうして今日はこんなにも
色あせて見えるんだ
見当たらないよ 大切なあの人が 時の流れのその先で いつか当たり前じゃなくなる
写真だけ残されたまま懐かしい日々を映し出す
優しいイメージ浮かべてみても さびしさぬぐえず何度も雨の中 心は濡れる
浮かべてみるよ あなたの笑顔 そこに少しでも あの日の匂いがよみがえるのなら
寄せては返す波のような イメージのさらに先のイメージでもって 僕はあなたを思う
瞼の裏に描くんだ
また会いたい
そんな気持ちにならないように
当たり前を少しずつ
変えて行くんだよ
イメージをイメージするように 複雑な日々に のまれるように あの人もこの人も誰もが そうやって形のないものと向き合ってる。
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繰り返される毎日が
ただ、物静かに過ぎて行く 僕らの目の前を
誰かに合わせて笑ったり 何かにつけていらだったり そんなことをもう何度
今まで繰り返してきたのか
愛だの優しさだの必要なものは全て ここにある
何気なく眺めてる
景色がもう幸せという風景そのものだろう
だからあたりを探さなくても 一番大事なものはそばにある
ほら君が笑った
例えばそんな些細な出来事がそうだよ
ドアの外、部屋の隅
公園の昼下がり
幸せはどこにでも見える場所にある
夢だの希望だのいくら巡らせてもたどり着いた未来に 叶うのはたった僅か
それでも、笑うのは
ここでこうしてありふれていることが
僕が僕にできる一番の事だからだよ
ほら君が泣いてる
僕には何ができるだろう 長い夜になりそうだ
言葉のかけらを集めて 少しずつ伝えて行けたなら きっといつかわかるはずだよ
幸せがその時顔をのぞかせるだろう
窓の外 夕陽が落ちて夜が 我が物顔で空いっぱいに広がってる
僕は君にとって
ただ安らげる場所でありたいんだ
歌にして伝えたい
歌にして届けたい
明日の二人まで。
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テーブルの上に
夕飯が並んでる
独りきりの食卓
君の姿は見えない
湯気を立てるオムレツが甘く喉を滑るけど 君のあの笑顔がまだ忘れられない
空の上 眺めて 僕は問いかけてみる
君のいない部屋の片隅 転がるさびしさに悶える夜光虫
さよならも言わずに
消え失せる 大切な大切な人よ
おはようを言っても
返らない 君はもう地図をひっくり返して世界のどこ探しても…
伝えたいことがまだこんなにあったのに
届けたい歌がまだこんなに散らかってるのに
小さな明かりを見つけては 群がる虫みたいだな
アルバムの中にあふれてる忘れるには多すぎた思い出たち
今日も僕は
夕飯を食べている
独りきりの食卓
涙で光る夜光虫
君に会いたい。
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時計が半周して そろそろ1日も終わりに近づいてきたとき
街は秋の装いに身を包んで 香ばしい焚き火の匂いが香ってくる
きっと、目をそらしてちゃ見えないものばかりだな
ちゃんと目を凝らしていないとすぐに見失う幸せの見方
それ如何で全ては残酷なほど変わってしまうから
栗の木の下で 木枯らしにまかれてるような そんな見渡すかぎり秋色の日々
僕は一枚よけいに上着を足した
風が 目の前を 吹き抜けて行く
誰かの帰り道を ためらいもなく夕陽が照らした
腹の虫が鳴いたら
寄り道せずに
帰っておいで
君が開けるべき
ドアを開けたら
待ちに待った
夕飯の時間だよ
テーブルを囲むのは
よく知ってる
君の優しいファミリー
なんでも言いなさい
あなたの帰る場所でいつでもありたい
そんな人がそばにいること いつも感じていたいから
僕は今日も帰るのさ
この腹の虫が鳴いたら
わがままも苛立ちもくだらないプライドも全部捨てて。
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ドアを開けて 僕は小さな旅に出る
幼いころの夕暮れがまだ僕の中に広がってる
あの瞳の記憶が そっとよみがえる
映画のような その断片的な場面が ちらちらと見え隠れする
今まさに落ちる
夕日の彼方まで
さみしさはつづく
切なさはつづいてる
誰の瞳にも見える
夕日の彼方には
同じ雨の冷たさが
同じ刃の鋭さが
その胸に伝わる
さあ 悲しいと言ってみなよ 嘘はつかないで
時には負けを認めて。