詩人:どるとる | [投票][編集] |
気持ちを切り刻む
必要な言葉だけ
詩にする
難しいね
僕はまるでカマイタチ
あたりかまわず
めったやたら
切り刻み
詩を作ります
カマイタチ
今日も切り刻む
でもそんな
適当な所業の中でも
素晴らしい詩は生まれるよ
だから
僕はそうさカマイタチ
あたりかまわず
めったやたら
切り刻み
詩を作ります
いつか きっと
いつか きっと
世界にも轟く
詩を作ってみせるよ
メロディーをつけて
歌にしてみせるよ
だから
カマイタチのまま
僕は切り刻む
今日も 好んでしているんだ
ザクザク ザクザク
切り刻むカマイタチ
風を切って時間を割いてほらまた詩の出来上がり。
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空に描いた夢
今や遠く
されど消えない
あの日の気持ち
ほら今も
心のノートに
鮮やかにあるよ
色あせてはいるものの
消えない夢
目覚めればほら
見えるだろう
新しい一日の向こうに輝く太陽のその向こうに
夢の影が
まだ消えてないはずだ
追いかけよう夜が明けたら
餌みたいに世の中にばらまかれた夢を探しに。
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朝から晩までずっと
僕らは常識に体中縛られた生活を繰り返してる
幸いなことに心だけは縛れなかったらしくて心だけは自由だ
だから僕らは時に常識をはみ出している
獣道へとそれる
そんな未来が見えます
君のその麗しい瞳から目をそらして
法に背を向ける
アリジゴクに吸い込まれてゆく
僕は弱いアリでいい
もしも誰かを救えたらそれは奇遇だろう
アリジゴクに吸い込まれよう
笑ってやるさ その時は
無理なんかしてないさ
我慢なんかしてないさ
僕は逆らいたくて逆らっただけだ
きれいなままで生きていくつもりかい?
きれいごとばかり並べて結局誰かが作り出した常識というルールにとらわれたままの毎日をおもしろおかしく暮らすのかい?
僕にはできないな
それならかまわず
法を犯すだろう
常識からはみ出しただけで罪ならば
僕はもう数え切れないほどの翼を犯してる
ああ一番嫌いな言葉さ
正義や常識なんて言葉はきれいごとに過ぎない そう思う
アリジゴクに吸い込まれてもいい
そのまま僕はのみこまれながらもなにかをそこに残せたらいい
アリジゴクの中で
僕は生きて行こう
弱くても立ち向かうアリさ 僕は
今 新しい 夜明けに
誓うはさらなる挑戦と抗いの日々。
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泣いてばかりの弱虫ピエロ
今日も朝から晩まで泣きはらしていた
サーカスはそんなことを後目に今日も大盛況
お客さんで満杯
でもピエロはただ笑うだけ
笑うだけが仕事なのにそれが苦手なピエロだからいつも団長に叱られては泣いてる
それでもピエロは優しいからみんなにはとても人気者さ
君は優しいだけが取り柄のピエロ
みんなにはそのままでいいと言われているけれどピエロはピエロでなんだか複雑な気持ちだった
笑顔を浮かべても
作り笑いならば
お客さんに申し訳ない気がして
それを望まれてもなんだか自分的に悲しくてさ
ピエロのくせにお人好しで妙な勘ぐりをもつ
笑うことより泣くことが仕事のようなピエロは今日もサーカス小屋の中でひとり朝まで笑う練習
だけれどあまりに笑えないピエロに団長は呆れて言いました
君はもう笑わなくていいよ、泣いていなさいと
そしていつしかピエロはぎこちない笑いから素晴らしい泣き顔見せながら
曲芸をするようになりました
街中で人気のサーカス小屋は泣き虫ピエロを見るために何人ものお客さんが舞い込みました
そしてピエロは思ったのです
世の中作り笑いするだけが人生じゃない
悲しかったら泣くことも人生なんだとはじめて心から笑った
優しいピエロはみんなの人気者
みんなと肩を抱き寄せあいながらいつしかサーカスのまとめ役になりました
人の痛みがわかる優しい泣き虫ピエロ
今日もステージの上
見事なまでの涙で綱渡り 空中ブランコ 玉乗り
たくさんの曲芸を見せながらいつしか浮かべられていた笑顔でお客さんにお辞儀をした
ようこそ サーカスへ
僕はもう泣き虫じゃない
優しさはそのままだけれど
またおいでませ、サーカスへ
ピエロは高らかに笑った。
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悲しいことがあった日はなんだか眠りたくなくなる
心の中の悲しい記憶が僕を眠らせない
そういってしまえばそれまでだけれど
悲しいことがあった日だから眠れないんだろう
違うんだ きっと
違うんだ
僕が眠りたくないのは眠ってしまうと夢にまで悲しみが入り込んでしまうから
その日は眠らないよ
ずっと夜が明けるまで僕は眠らないのさ
涙 こぼれ落ちて
ぴしゃんとはじけた
その音にさえ気づかないくらいの気持ちの沈み様
沈没船みたいにさ
ほら心は深い深い海の底で沈んだまま
僕はずっとそこから抜け出せないでいる
自力では自力では這い上がれない距離
だから君に慰めてもらうのさ
やがて夜は明けて
太陽が昇ったら
僕はそこではじめて眠りに落ちるんだ
そこから見る夢にはもう昨日の悲しみは入り込む余地はない
かすかな涙の音にも気づいてくれる
君の優しさと果てしない愛に包まれて生きていることの幸せ
抱きしめながらね
僕は涙を流すんだ
熱い熱い涙を
ああ 窓の外に輝く月
僕もあんなふうに君を照らしてあげたい
そんな柄にもないセリフをたばこの煙と一緒に吐き出したら
今日はいい夢見よう
今日はいい夢見れる
悲しいことはなにもなかったから
生きてるだけで悲しみを目の当たりにしてしまうけれど
人の群れから外れればつかの間だけど安らぎの時間が訪れる
ほら 土日の奇跡
魔法のように僕ら包む
心なしかお互いはまるで輝きあう月と太陽みたいだねとうれし涙で喜びを分かちあう
そんな夜
ふたりは口づけと相成りました。
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時々生きていることがねとても悲しいことに思えて仕方なくなるのさ
人生って楽しいものだと子供のころは思っていたのに
今では悲しいことにばかり時間を割いてやりたいことなど少ししかできないよ
幸せを見失ったみたい
心は雨模様
当分やみそうな気配はない
君はどうしてそれでも生きてるの?
道すがら 立ち止まってショーウィンドウに映る自分に問いかけた
この世界から悲しみを消してください
そう願う声が悲しく響くだけの部屋に僕はひとりぼっち
帰って寝るだけの毎日にどうか光を
せめてください
愛などいらないから
僕に光をください
明けない心の空に夜明けを呼びかけてください 神様
はじめて願ってみた
ああ 心に夜明けを
ただそれだけで僕はきっと笑えるから
もう生きていくことさえなんだか苦しいよ
早く夜明けよ来い
僕に光よ降り注げ
星さえ輝かない
ただ真っ暗な僕の心の空に夜明けよさあ
いつまでも待つから
心に 心に 夜明けを
もう悲しみだけのせいにするのも他人のせいにするのも疲れ果てたから。
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夢は時間が経てば経つほどにふくらんでゆくものなのさ
明日 明後日 明明後日と
時間が流れれば流れるほどに夢に近づいている そういうものさ
明日には今日よりも
明後日には昨日の今日よりも
明明後日には昨日の昨日の今日よりもきっと夢は立体感をもちながら現実味を帯びているだろう
手を伸ばせばほらつかめるほどにね
明日 明後日 明明後日と
時間は僕の夢を叶えてくれる
頑張り続ける
気持ちにこたえるように不思議な力が僕を導いてゆく
まばゆい未来へ
光あふれ 鳥たちは歌い 波はおだやか
そんな楽園にも似た毎日が僕を頑張ったぶん待っているよ
明日 明後日 明明後日ころには。
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名前のない街に棲む
名前のない人たち
名前がないからみんな誰かを呼ぶときも自分を呼ぶときも「おい」とか「ねえ」とかで名前を言わずに呼ぶのです
名前のない鳥が飛び
名前のない花が咲き
名前のない建物が建ち並ぶ
名前のない一日に名前のない朝が来て
名前のない夜が空を黒く染める
名前のない人たちは名前のない夢を見て
名前のない時間の中で眠る
名前のない日々はただ名無しの運命に突き動かされて名前もないまま進む
名前のない悲しささえも当たり前だと
名前のない人たちは平気な顔で今日も名前のない一日の夜明けに大きなあくびをするのさ
窓から見える一面の雪景色
それにさえも名前はない
名前をつけようとさえしない
名前のない飲み物を飲み
名前もない場所で働いたり勉強したり
名前もない教科を学び名前もない学校に進学したり名前もない仕事に就いたり
ずっと名前もない人生の中で名前もない人たちは名前すらなくただ人間ってだけの存在でこの街で生きる
ただひとつ名前があるのは人々のからだの胸でリズムを刻む心臓だけだ
なぜかそれだけはハートとみんな呼ぶ
それぞれの名前はないのにねそれだけは名前があるらしい
そんな不思議な街で生きる人はみんななぜか幸せそうだ
名前がなくても
名前を呼ばれなくても
きっとそれぞれの中でその人にしかない特別な光でこの人が誰か区別できるから
名前がなくても結局はその人は世界にひとり
名前のない街に棲む人たちは今日も名前のない一日の中で
名前もない幸せに名前もない笑顔を浮かべ時に名前もない涙を流す
幸せってきっとそんなものなんだろう
具体的なその人をあらわす名前がなくてもそんな世界ならばきっと笑えるはずだね
空は空、太陽は太陽
海は海、花は花
一つしかないもの
たくさんあるもの
たとえだぶってしまってもきっと名前がないことでその人にしかない識別箇所があるから。
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今日も走る暴走列車
心の中にのびるレールをガタゴトと
音を立てて走る 走る
欲望は僕はどこまでも駆り立ててゆく
いつまでも終わらないあふれる欲望に
心はいつしか支配され
この世界にばらまかれた金の延べ棒にも匹敵する夢を探しに旅に出た
吹きすさぶ風を受け
時折、波に流され
猛吹雪に凍えそうになりながらもやがて訪れる優しい春の季節に舞う桜を見て笑うのさ
季節はいつでも僕らを運ぶいわば列車のようなものなのさ
今日も少しずつ僕らは今いる季節から次の季節へとこうしている間も進んでいるんだ
雨が多いな
やたら暑いな
それなら今は夏だね
でもやがて寒い冬が来て
と思いきやあたたかい春が来て
季節はめくるめく速さで変わりゆくよ
時間という風に急かされながら
季節という名の列車に乗り込んでいるよ
僕はもう降りられない
乗り込んだら最後
もう死ぬまでなんらかの季節の中
寒がったり暑がったり眠くなったりしんみりしたり
感じたり思ったりしなきゃいけないらしいんだよ
この前、桜吹雪の中
列車は走っていた
そして
この前は猛暑の中を列車は走っていた
そして今はもう寒い寒い冬の中を走っている
これからもっとこの寒さはきびしくなる
いつまでも秋だからなんて言ってられないのさ
季節という名の列車に乗ったからには
終電までつきあわなきゃあとは途中下車するように自ら死ぬしかないらしい
なんて言ってみたりして…
今日も列車は走る 走る
命という薪を燃やす代わりに時間を与えて貰いながら僕は暮らしてゆくんだ
季節という名の
時間という名の
魔法仕掛けの
列車に押し込まれたときから僕はこうなる運命だった
ほら 今日も
走りつづける列車の中で嗤いもするし泣きもする
そんなあたりまえなようで特別な日々を誰もがみんな生きてる
それぞれの事情の重さに潰されないよう命を支えながら。
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人生は想うほど嫌なことばっかりじゃない
ほらね生きていればわかるはずだろう
どんなに悲しくたっていつまでも雨も降ってはいない
かならず時間が経れば青空が顔をのぞかせる
太陽も輝くよ
人生はいわゆる
坂道という人がいる
僕もまったくその通りだと思うよ
上がり下がりの激しい坂道だ
気持ちも同じくらい上がり下がりを繰り返すよ
そこに人の営みがあるかぎり悲しみは人から離れない
だから
大波小波のこの日々を逆手にとりまして
楽しもうよ 楽しもう
どうせ 悲しみが消えないならば その悲しみごと楽しもうよ
少し勇気がいるよ
僕もまだできちゃいないけど 共にそんな気持ちになれたらいい
そうさ
大波小波 上ったり下がったり 本当に疲れるね それでも生きていく僕はもう狂ってるとしか思えないよ
他人の吐き出す 愚痴と文句と癇癪の中
まるで台風の目の中にいるような 気怠い日々の中 なぜか思うよ
こうして生きていくことでさ
いつしか大切な何かを見つけられたらいい
せっかく生まれられた人生だ
割に合うように
最後まできっちり
生きなきゃ損だよ
さあ 大波が僕を飲み込む そして少しずつまた波は穏やかになり油断してたらまた大波が
ああ
一難去ってまた一難
世の中に叫びたいことが山ほどある
それでも僕よ負けず
進め
世の中の荒療治に勝つために
ほら ほら ほら
正しさの神髄を
追いかけてゆこう
世の中の灰汁を
残さずすくい上げよう
大波小波で揺られまくりの日々のその中で。