詩人:どるとる | [投票][編集] |
空が 空が オレンジ色に染まったら
君が 君が そろそろ帰ってくる時間だ
あのドアを開けて
少し疲れた顔でも
ちゃんと台所まで
聞こえるように
君は言うから
おかえりの数だけ
ただいまはあって
ただいまの数だけ
おかえりがあって
それぞれの帰り道が誰にでもあって
悲しいことも嬉しいこともたくさんあってさ
それでもみんな今を精一杯生きているんだね
おかえりなさいが聞こえたら僕はホッとするよ
心から 心から
帰ってきましたと
確かめなくても
わかるから
わかるから。
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時々悲しくて
時々うれしくて
たまに心は雨降りで
たまに気まぐれに晴れ渡る
何かが今日も
何かがいつも
わからない
わからないから
夜もすぐには眠れない
部屋の窓から見える
僕や君の住む街が
遠くからでも見える
少し見慣れた街並み
電柱の影 世間の影
鬱屈してる人々
憂いを抱いている
おはよう さよなら
ただいま おかえり
下らないことばかり
だけどそんな日々も
どこか幸せだと僕は知っている
最近涙は縦に流れるのだ
素直になった証かな
ほらまっすぐに伝わるよ痛みも安らぎも
君は今幸せなんだね
君は今満たされてる。
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何事もないように思えても
心は片付かないままだよ
溢れかえる人の中僕はつまらない嘘をまたついた
そして気づけばひとり 宇宙の片隅でただよう衛星のように孤独だった
なぜが増えてゆく
答えのない問いかけが頭を埋め尽くす
僕は現実を目の前にしているが この瞳の中には いつでも閉じた瞼の裏広がる闇を見つめているんだ
夜はいつでも僕を切なくさせる
聞こえるか 伝わるか 君にこの痛みや苦しみが
夜明けが来ても 朝も来ない僕には
歩いていけるか 立ち止まらずに 何もかもがこんがらがっている
絡まった糸 ほどこうとすればするほど余計に絡まるような
そんな今を 今を
抱えているよ
君も同じだろうか
あの夜の向こうにある同じ夜で笑う君も。
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気づかないところで僕は誰かを悲しませてるかもしれない
気づかないうちに僕は誰かに憎まれているのかもしれない
ないとはいえないしあるという確かな理由もない
人の波の中 僕はいつも耳をすまして 口に出さなくてもわかる
誰かの苦しみや痛みや助けての声に 心を開け放して 気づきの目安を計っている
だけど
そこには計算やつまらない細工は何もなく ただ誰かを思う気持ちだけが僕や君に働きかけてる
知らないところで僕は誰かの障害になっている
知らないうちに僕は誰かを傷つけている事だってある
意味を持たず過ぎてく日々の中覇気のない顔が目立つ
糸を紡ぐように 僕ら日々を手繰り寄せて悲しみも喜びと同じように抱きしめる
おかしな様を見てるようだけど心はちっとも晴れてはいない
だから
そこから少しずつでも笑えるように 歩けるように ただ素通りするように見逃す小さな花にも似た幸せに気づけるように
泣いている人に気づくこと
困ってる人に気づくこと
迷ってる人に気づくこと
なにが言いたいのか
気づくこと
ありがた迷惑でも
おせっかいでも
気づくことから
何かが変わる
何かがわかる
だからさ
そこには計算やつまらない細工は何もなく ただ誰かを思う気持ちだけが僕や君に働きかけてる
働きかけてる。
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今君の名前を呼ぼう
愛すべきあの人の名前を呼ぼう
闇の向こうへ 夜の向こう側へ僕は行きたい そして消えてしまいたい
嘘もまやかしも何ひとつ通用しないのなら 本当のことだけ
今君の名前を呼ぼう
そして愛してると叫ぼう
今君の名前を呼ぼう
何度でもあの人の名前を呼ぼう。
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特別恵まれてるっていうことはないけど
何不自由なく毎日暮らせるということは
つまるところ幸せっていうことで
それをくだらないだとかありふれているからだとかいうことは贅沢だと思うんだ
元来幸せというものはもともとそういうものだと知ってる
それを考えたら何も僕ら貧しくなんかないよね
十分僕ら幸せなんだ
気づかない人は気づかない 通り過ぎる道端の片隅に咲いてる小さな花の美しさに 君の目は何を思うだろう
知らないうちに幸せだった 気づく前から恵まれていた
ただいまやおかえり言い合える家族もいるし帰れるお家もあるし 時には喧嘩もできる友達だっているじゃないか
それだけでもう
それだけでもう
僕は満たされている
そう思わなくちゃ
普通でいられることやありふれていられることの何が幸せであるものか。
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星たちとダンスするように 僕は一人で月明かりをスポットライトに踊るよ
何ひとつ怖いものなんかない夜さ
見えるもの聴こえるものすべて愛らしい
衛星が地球を何周もして たどり着くこの夜に何を君は思うのかな
どうぞ僕だけの
お姫様よ
お手をとって
よろしければダンスでも
どうぞ僕だけの
ヒロインよ
永遠という長い時間を旅しませんか
旅しませんか
せめて、今宵だけでも僕にその役目を果たさせて
シャルウィダンス
シャルウィダンス
君だけに捧ぐ
シャルウィダンス
シャルウィダンス
優しい夜の唄
優しい夜の唄
ただようさみしさも
つかの間の苦しみも
君とならば素敵な時間に変わる。
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春の陽射しのようなあたたかなまなざしが僕を見つめる
君の愛のこもった声が優しく頬をなでるそよ風みたいなんだ
特別なことなんて何もなくたっていい
ただ大好きな人と毎日過ごせるだけ
それだけで
僕はここにいるよ
君のすぐ隣に
君の存在を象るように僕の存在はあって
僕の存在を肯けるように君はここにいて
いつも変わらずに
二人は二人だけの恋人 いつまでも
庭に並べられた君が育てていた鉢植え
置いてけぼりのまま花を咲かすこともなく枯れた
部屋中に飾られた写真 そこに映る君の姿 今も僕の中にたくさんの思い出がある
消えないよ
君はどこにいるの
僕の頭の上
君の居なくなった部屋は広すぎるよ
まだまだ君に伝えたいことがあるのに
波が引いてゆくように 君は影も残さず消えました
それでも変わらず
僕は今も君だけの恋人だよ ずっと
ほら窓の外で今日も夕日が沈む
もうじき夜が来る
明日こそは晴れるかな。
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どんなに待っても
家は建たず
どんなに待っても
墓は出来ず
ただ時間が流れるだけ
遠い異国の戦争や
誰かも知らぬ
人の死が
僕にもたらす影響は
きっと何もない
たぶん何もない
新聞の隅にも載らないだろう
テレビにもかすりもしないでしょう
例えあなたが居なくなっても例え今日が最後でも あなたの終わりを知るのはごく少数の人だけ
それでもいいのさ
僕は笑うよ
それでもいいんだ
君と笑うよ
そこにどんな概念が紛れ込もうと
微熱にうなされるように
寝返りもきついくらいに
僕はまだまだ醒めない夢の中
手探りで明日を探していたいから
君に知っていてもらえればいい
そんなふうに笑ったこと
こんなふうに泣いたこと
蛇の胴のように長い長い夜
例えば茶柱が立った朝
そんな記憶をずっと君は覚えていて
なんとなくでいい
あるかないかの境
微熱のような思い出をなんとなく大切にしていて
例えそれがなんの役にも立たなくても
君の中にいたい
いつ僕がどうなってもいいように
いつ誰がどうなってもいいように
そのために
誰かが誰かの足跡にならなくちゃ。
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くるくると生まれた
DNAの螺旋階段上ってきた
お腹の中からこんにちは
産声が病室に響いた
はじめて笑った日
はじめて泣いた日
はじめて歩いた日
色んなはじめてが
今まで何度でも
僕をドキドキさせた
君をウキウキさせた
そしてたどり着いた
岸辺で魚釣り 当たりが来るのを待ってる
まだまだ釣れない
そろそろ釣れるか
浮きは沈まない
夕日も沈まない
はじめての日だ
はじめてが増えたよ
今日君をはじめて
抱きしめた
そして愛を知りました
いつかのお母さんが僕を抱いたように
僕は父になりました
君は母になりました
そして産声が病室に響いた。