詩人:どるとる | [投票][編集] |
たまに悲しくて
たまにうれしくて
思うより生きるとは切ない
切れかかった蛍光灯見つめ 手を伸ばすけど今の僕には紐さえ掴めない
通りに並ぶ木々が風が吹くたびに 揺れるのを見た帰り道
一枚だけ木の葉が 踏ん張っていたけれど
強い風に負けてしばらくしたら 枝から離れ 彼方に消えてった
なんのことはないのさ
ただたまに思うことが
少し胸の中散らかってるだけ
ごくたまに
空がとても遠く
見えるだけ
それだけでもう
会話を繋ぐ言葉もないんだ
ときに 悔しくて
ときに 迷ってる
自分がわからない
想像で描く自画像 描いてみたけれど鏡に映る僕とは描けば描くほどかけ離れる
夕日の赤さや空の青さに思う事 傷口から流れる血のように素直
例えば笑った顔の裏
例えば泣いてる涙の向こう 嘘や言い訳
人と向き合い見える闇 誰も抱える闇
笑い飛ばしてくれないか
僕が必死に生きる日々を
いっそ無駄だと気づかせて
ごくたまに
人の愚かさが
自分のことのよう
終わらぬパズル
あとひとつピースが足りないんだ
それだけでもう
生きてることが曖昧に思えるんだ。
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手を伸ばしても
届かない光
そこにあるはずなのに
どこにもない存在しない光
僕を照らしたまま
動かない頑固な光
いつ生まれたのかも
わからない光
遠い物語を背中に乗せて 僕に語りかけてくるよ 優しい声で
笑っていよう笑ってみよう
思い出はもう
遠い空の彼方
失ってもなお
老いさらばえてなお
輝きを増してゆく
そんな光
そんな光が僕をずっと見つめてる
照らされている
照らしている
あたためている
あたためられてる
したりされたり
やったりやられたり
繰り返す日々の中
暮らしの向こう側
遠いような近いような
距離も掴めない場所にある光
君にも見えるはず
目を凝らせばわかるはず
ほんの小さな優しさや ほんの小さな場面に横切る光
多くの傷跡や苦労を背負っているなんて
思わさせない君は
雨降る日にも疲れた日でも
まるでそんなこと
気にもせずに
変わらない優しさで
僕を照らしつづける
失いたくない
老いさらばえたなら
シワを数えてみる
どっちが多いか
少ないか言い合って笑いあう
守られている
守ってあげてる
愛されている
愛している
してもらってばかり
やってもらうばかり
気づくといつも
僕の瞳の中にいる
振り返る その先に
見える世界
見上げる 彼の果てに 映る星
見えはしない だからない
さわれもしない だけどある
気づくといつもここにある
遠い光 君という光
僕だけの光
誰の声も行き届かない闇に 明かりをくれる光 遠い光。
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陽射しの中 笑う君がいる
夕暮れ時の帰り道を歩く君がいる
僕の帰りを待っている君がいる
たくさんの君がいる
君は今ここにいる
そんな当たり前なことも特別に思うから
笑った顔も泣いた顔も怒った顔もぜんぶ
まとめて好きさ
悲しいときも雨風にさらされる日もいつだって変わらない
雨が降るなら 僕が君の傘になるよ
ひとりじゃ辛いなら僕が君の杖になる
君の全てになるよ。
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命尽きても 影は残るさ 命にも影はあるさ
揺れる命の灯火 自分じゃ見えない
明日をもしれない命かもしれない
百年さえかるくこえてゆく長生きができるかもしれない
それはその時にならないとわからない
病室の窓から見える
四角い空
広い部屋の大きな窓から見える庭
幸せは風の中 けっして選べず引き換えられれはしない
だから影はひとつひとつ違うように揺れる
悲しみにふるえるように
喜びにもだえるように
揺れる揺れる
影は誰の命にもあるさ
忘れないで あなたにもあるさ 命尽きても
影は残るさ 命には影があるさ。
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サンタはいなくても
プレゼントは届く
雪を待つ君のその瞳に
サンタはいなくても
パパやママがいるよ
飾り付けられたたくさんの光の中
お金じゃ買えない
幸せもいいけれど
やっぱり貧しさには
僕は笑えない
そこにあったはずの
サンタを信じる気持ちがいつかの昔話の中では全てだったはずなのに
いつからだろう
サンタがいなくても
笑えるようになったのは
気にしなくなったのは
大人になった瞬間
魔法が解けたように
僕はサンタを忘れた
そしてそこにあったはずの楽しかったはずのクリスマスなんてもうないことを知る
なんとなくさみしさが心包む 寒さが一層際立って ひとり夜空見上げる
そしてちょっとだけ
勝手なほどに信じたくなっていたよ
サンタがいることを
サンタがいることを
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僕らの知らない場所で 君は目を回してる
僕らには見えない場所で地球が回るように
ドア一枚隔てるともう 向こうの世界は別の世界
音を絶てばそこにはもう 何一つ重なるものはない
例えばそれはさみしくて
例えばそれは悲しくて
例えばそれは切なくて
百や千じゃきかない沢山のあなたの瞳に
同じようで違う世界を映しているなら
それぞれの世界をそれぞれが愛せばいい
ならば、笑おう
明日が雨ならば
少しでも笑おう
そうだ、歩こう
どうせ死ぬならば
急がないで行こう
手のひら 手の甲
裏と表 光と影
直立不動で語る間違ったモラトリアム
ああ わからない
わからなくなってきた
僕は何を言いたいんだろう。
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僕は塵になりたい
気持ちよく昇りたい
今までしてきた悪事
その全てにごめんなさい
僕は雲になりたい
気持ちよく浮かびたい
今までもらった助け
その全てにありがとう
何から何までごめんなさい
何から何までありがとう
全てに感謝感激
これ以上言えないし
これ以上は言わない
忽ちちっぽけになるから
あなたの思い出も
あなたとの日々も
そして今やこれからも
流した涙から
浮かべた笑顔まで
だから僕はへりくだって
ちょっと下手に出るよ
そして少しだけ
あなたが優しくしてくれたなら あしたもたのしいだろう。
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1日が終わって
日が沈んで
夜があたりを
包み込んだら
月明かりを背にして
あなたが帰ってくる
おかえりなさいを言う準備は整ってるから早く帰って来てね
ドアの前に笑顔がひとつ
でも少し不安げさ
ただいまの声に
心がほぐれたら
ほら今度は私がおかえりなさいを言う番だね
少しタイミングがずれたよ
おかえりの声に
あわせて言った
つもりのただいまの声はちょっと小さめ
だけどあなたに届いたみたいさ
ああ今日もまた
こうして1日が終わるんだね
誰もがこうやって
日々を歩くんだね
日々を生きてるんだね
だから言うのさ
ただいまの声に
おかえりなさいを
おかえりの声に
ただいまを
ドアの数だけ
人の数だけ
今日も聞こえる
あなたは聞いてる。
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人は誰も罪深い生き物だ
生まれたその瞬間から人は自由を手に入れるから
心に枷をするけど
時にわがままに人を傷つけ殺める
僕らは 僕らは どうしてこんなにも汚くなれるんだろう
僕らが 僕らが いつでも誰かが笑えるように 明日の君が笑えるように 日々考えて生きなくちゃ悲しいのに
時折道を外れるように生き方を間違えるんだな
あなたがあなたを笑っているよ それはきっとただあなたには似合わないことだよ
少しでも誰かの痛みに気づけたなら 鏡に映るあなたの姿に醜さを見たなら
振り返ってごらん
今からでも間に合う
長い夢を見ていた
悪夢にうなされてた
でも今やっとなんとなくわかったんだ
僕は間違っていたんだね
誰かがもう笑えなくなるまえに 気づけるといいね
僕らは 僕らは いつも都会の隅っこでひっそりと根を張る雑草のように
僕らが 僕らが 僕らの愚かさに気づくその時、自分というものの醜さが暴かれる
笑えるはずもないんだよね そこに泣いている誰かが1人でもいるなら
どんな世界でも
どんな今でも
そんなふうに
人を傷つけてまで
得られるものはない
ただひとつだけ思うこと
いうまでもない当たり前なこと
今さら僕は気づいた。
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お母さんのその手は何をする手なの
お母さんのその手は子を抱くためにある
だけど時に厳しく子供の間違いを諭すためにあるのよ
お父さんのその手は何のためにあるの
車のハンドルを回すためにあるの
重たい荷物を持つためにあるの
だけど家族たちを守るために少し大きくできているの
僕はどうしてここにいるんだろ
そして僕の手は何のためにあるの
小さな手だけど
君を守りたい包みたい
その肌に触れて
ぬくもり確かめたい
力はそんなにないけど
愛する人をこの手で感じたい
そのわがままも
時に見せる笑顔も全て僕は
長い長い夜も猫の額ほどの広い広い日々の向こう側も
君の助けをかりながら歩いて行ける
たまにありがとう
言うから
たまには恥ずかしがらずにキスもしよう
あんまり頭のいい歩き方できなくても
君の手と僕の手が描く明日はきっとたのしいものになるだろう
僕の手と君の手
誰かの手やすれ違う知らない人の手
えらい人の手
もう会えない人の手
色んな人の手から手へと伝わる 見えない愛が 思いがほらあるように
僕にも君の手握る僕の手から思いを伝えるよ
愛してる 大好きさ
だから離さない
だから離せない
この手は 僕の手は
ずっと君のものさ
君の手を握ったままさ。