詩人:どるとる | [投票][編集] |
絶対の幸福を望むならスプーン一杯分の幸福でいい
無限の時間を望むくらいなら最初から生まれることさえなくていい
絶対的な幸福など邪魔なだけ
いつかは不幸に変わるから
知らなくてもいい明日は来なくていい
喜びは悲しみの中にこそあるものと書物が書き並べているように
僕もそのことに異論はない。
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ちょっとずつ 変わってゆく 街並みも僕らも
金汚さをおぼえたら悪魔にも見える
傷ついて 傷つけて
ふいの痛みに気づいたら伝える言葉など何もない
同じこたつに足をつっこんでいる
僕らは 離れるでもなく近づくでもなく
それなりの距離をとりながら生きる
同じ空の下を同じ条件で歩いてる
僕らは 憎みあうでもなく愛しあうでもなく
ただ前に進むことだけを考えてる
考えたらみんなそれぞれ違う営みを暮らしてても どこかで繋がっている部分がある
ほら重なり合う日々の中 違うものの中に同じものがあるよ
同じこたつに足をつっこんでいるのさ みんな 誰もが同じ温度を感じながら
違うもの見てても
同じ世界で 自分の存在を謳うように。
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窓の外は雨 僕の心も雨
ひとりでドアも開けられない
置いてけぼりの笑顔はどこだろう
今はもう追いかけても取り戻せないものばかりさ
耳をふさいで 目を閉じても
夜に逃げてもまた朝は来て
何も聞こえないふりしても無駄だよ
わかっているよそんなこと 最初からこの世界に振り回されて
生きることがそれほど正しいことに思えない僕なんだ
避けられない雨に
受け流せない涙に
濡れている君の
その夜があるなら
僕も同じ痛みを
感じながら生きるよ
重なれなくても
何も聞こえないその耳に
何も見えないその瞳に
届く光がある
明日から逃げないで
窓の外は雨 誰にでも同じように見えてる
何も聞こえなくても
届く光は同じだ
だから笑っていて
何も聞こえないその耳でも
何も見えないその瞳でも
とらえられる音や景色がある
触って そこにいる人のぬくもりを感じ
唇重ね合わせてみれば 一人じゃないことがわかるから
そっと君の闇に光を届けたい
何も聞こえない 何も見えない毎日だけど
あなたを思う僕がいる 誰かがいる
何も聞こえない何も見えないなんてもう言わせない
永遠に降り続く雨でも 僕が傍にいるからさ
明日を信じてみよう
開くんだドアを 二人で その先にあるさ
朝の光が 君にも見えるだろう
眩しいな 生きてる光さ。
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世界のどこにいても
同じ月を見てる時間がある
いま誰かを思う
帰り道の途中で
世界のどこにいても
何をしていても思いが重なる時がある
あなたは今何を
しているのかな
夜の向こう側
そっとあなたを想う
笑っていてほしい
幸せでいてほしい
僕がそうであるように
君もそうであってほしい
当たり前な暮らしの中
当たり前みたいに笑って
細々と でもめぐまれた日々を
大事な人と生きる
そんなイメージを重ねて 僕はあなたを想う
あなたは元気ですか?
好きの気持ち 残したまま 僕はあなたを照らす月と同じ月の光を浴びながら 歩く。
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汚い字でも一生懸命書いた字のように
君のことをずっと好きでいたいのさ
一番にはなれなくても何かに向かって一生懸命走るように
君を愛していたいだけ
この思いはきっと
道端に転がってる
誰かが捨てた
空き缶や吸い殻に似て相手にもされず邪魔くさい
それでもあなただけはそんな僕でも愛してくれるね
いくつもの眼差しの中 ただひとつの愛がある
いくつもの足音の中に ただひとり優しい音色立てて 僕を抱きしめる人がいる
こんな気持ちははじめてだよ 心から人を好きになれた
ありがとう うれしいな
ずっと前からね こんな気持ちになりたかったのさ
君だけに伝えたい
君だけに届けたい
運命なんて大げさな気持ちにのせて歌いたい
はじめての愛のうた
躓きながらも
まっすぐに君をめざして この声は思いとなって ただひとりこの世界で 僕が愛すべき人のために
奏でよう 響かせよう
生まれて はじめての愛のうた
所々にある 間違いや傷跡さえも 愛してくれる君になら 捧げられる
目いっぱい不安がりながら自信のない歌声でも
僕はうたを歌うから
君が好きだ
ずっと一緒にいたい
単純な気持ちだけど
聞いてね 受け取ってね。
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いつもの朝 いつもの夜
窓の向こうに 広がる1日が 顔を出して笑って
君や あなたの無事を祈ってる
何もなくてもいいんだ 本当は
やたら幸せだと欲張りになるから
特別なものなんてなくていいんだ
あるものだけでお腹も心も満たせたら
まだ知らない道の向こうにあるさ
夕暮れの空 自転車が走ってゆく その背中に映る君の明日が
僕には見えないけれど平穏無事を祈るから
どんなにありふれたことも振り返るとなんだか
何もかもが幸せだった そんな気がする
不思議さ
窓の向こうに 1日が顔を出して 泣いている
悲しみに暮れるその背中に雨は降って
それでも 太陽は昇るから きりもなく 立ち上がって また僕ら笑うから
ねえいつまでも悲しい世界じゃないよ
窓の向こうに つづいてる果てしない空のそのまた向こうに
見える まだ見ない明日が ほら君を呼ぶように きれいな夜明けを その瞳に映してる
もう怖いものなんて
何もないと思う
ギターひとつ 抱えて 歌歌うように流れにまかせただよう日々
窓の向こうに 悲しみも喜びも 放り出して ワンツースリーで世界をひとつに閉じ込めよう
君がめざす明るい未来 描くのはその心
さあ 行こう 最高の明日まで
扉を開いたら そこはいつも知らない世界。
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飴色の空の下
冷たい風に吹かれ
君は自転車転がし
家へと向かい
さみしささえ
引きずって
君は涙押し殺し
何も言わない
夕暮れ帰り道
少しずつ描き足されていく景色
だいだい色の空に
白い絵の具垂らして
君はそっと笑うんだ
悲しみのあとには虹が出る
ただそういつまでも信じていたいよ
悲しいこと
嬉しいこと
繰り返す日々の中
いつの間にか
嘘をついていた
悲しいのに
笑っている
そんな自分がいるよ
鏡に映したように
同じ人ばかりだ
夕暮れ帰り道
家路はなんだか
いつもより遠くて
思わず悲しくなる
黄昏てしまうよ
悲しいこと
嬉しいこと
尽きない痛みは鈍く
知らないうちに
大人になろうと
無理矢理に
自分自身を
掟で縛っていたんだ
馬鹿だったね
笑ってしまうよ
夕暮れ帰り道
ひとり佇む
丘の上 見上げる空
軋みながら
回る物語 明日へ
もう、振り返らない
ただ心のまま
描かれる今日を
僕は生きる
たったそれだけのこと いつもそれが悲しかったり嬉しかったりするからね
身構えてしまうのさ
だけど荷物をそろそろおろしてもいいかな
ほら すべては
明日わかるよ
夜が 夜が 明かりを連れて気づくと あたりは真っ暗け
ああ帰ろうか
言葉もないままに
押し流されていく
今日があるよ。
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手のひらに 生まれる 愛があるとしたら
それは 我が子を抱きしめるという愛だ
手のひらに 生まれる 邪悪があるならば
それは 銃を構えること 刃を握りしめること
考えたら わかること 戦争もいじめも 同じ土俵の上で繰り返される茶番劇
手のひらを 広げてごらん そして誰かを痛いほど 抱きしめてみてごらん 伝わる熱が 伝わるぬくもりが
心に 何か 届けるさ
手のひらを 翳して 一度でも 誰かを叩いたことがあるならば
その痛みが 叩いた誰かの涙で 融かされて
心に優しさ 伝えるさ
手のひらから 手のひらへと 繋がってゆく物語
あなたが生んだ この僕の手のひらで また愛する誰かを叩いたとき 愛する誰かを抱きしめたとき
何かがそこに生まれるのさ
何もないこの世界で
見えないものが光って見えたら きっと幸せなんて手のひらの上に生まれるよ
手のひらに 生まれる 命があるとしたら
それはあなたの手のひらの上にも いつかは生まれるものさ
涙や 笑顔 憎しみさえ 手のひらを伝って 誰かを生かし時に殺す
手のひらひとつで全ては 壊れて 築かれて
誰かを殺める誰かの冷たい瞳に人の心が戻るのなら
思い出せ いつかの愛
手のひらを 広げてごらん そして誰かを痛いほど 抱きしめてみてごらん 伝わる熱が 伝わるぬくもりが
心に 何か 届けるさ
手のひらを 翳して 一度でも 誰かを叩いたことがあるならば
その痛みが 叩いた誰かの涙で 融かされて
心に優しさ 伝えるさ
世界に 明日を運ぶさ。
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僕の欠伸のひとつ
終わるか終わらないか
その瀬戸際そのあと
消える命もあるさ
せっかく生まれてきて 申し訳ないけれど 消えてもらうしかありません
了解もないままにおろされる子供の瞳にはまだ青い空さえ映ってない
簡単に命を見誤ったら きっと命の重さなんて 尊厳も何もなくなって そこらへんに落ちてる空き缶や吸い殻と同じになってしまう
命と命が重なり合って 新しい命がそこに生まれる
例え生まれる場所や授かった境遇は違っても 同じように愛されるべきだ
同じように見つめられるべきだ
何かが間違っている世の中だな
不意の痛みならきっと何も思わない
その痛みを耐えてまでも産み落としたから 命はきっと尊く重たく魂に深く突き刺さるように この身に負荷をかけている
命は命でも引き換えにできない 命があなたの胸に抱かれるまで
例え世界が滅び去ろうと 変わらない眼差しで瞳の中にあるから 愛しようと腕を伸ばすけど 無垢なその白い心には僕の邪悪が映る
それでも優しく微笑む命に 僕は何かを感じたから
平和だ愛だと謳うのに 世界はいまだ昔と変わらずに 馬鹿な茶番を続ける 争いは命を無碍にするだけで
捧げる言葉もないままに銃器の前に 人はただ紙屑のように散る
ああ あなたの小さな胸の中に
生まれてきて本当に良かったと刻んであげたい
当たり前なことさえわからない大人に命をどうこうし得ることなどできるはずもなく 悲しみがあとからあとから生まれるだけ
命と命が折り重なって 新しい命がそこに生まれる
例え生まれる場所や授かった境遇は違っても 同じように愛されるべきだ
同じように見つめられるべきだ
遠い異国の誰かの死
同時刻生まれる命
始まりと終わりをはらんだまま 同じ世界で命は交錯してはすれ違う
あなたの足元で
踏みつけられた花に重ねる 命の在りし姿。
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闇を突き抜け その先へつま先を灯りにさらす 切なさに似て綺麗 星が光ってる
悲しいことなど何もない
いつまでも回る
頭の中の今日の出来事
忘れたはずなのに
悲しいことほど
永遠に消えない
傷跡に成り代わって
僕を追い立てる
何も見えない
何も聞こえない
そのほうがいっそ
何倍かマシ
見えない心の奥
疚しさでいっぱい
のぞけない心の奥
卑しさでいっぱい
盲目の世界には
僕の涙など
ぼんやりとも映らない
水面をただよう
時の波に揺られ
ブラウン管の中
僕の顔が浮かぶ
眠れない夜だ
つづく。