詩人:どるとる | [投票][編集] |
笑いたおしてしまおう 胸を抉る悲しみも
謝りたおしてしまおう 一生あってもはらいきれない罪さえも
終わりを告げた命に
用はない 用はない
死に神がいたら きっと多分命の終わりに少し箔がつく
ただのさよならなら飾りがついたほうがいい 意味のない涙も少しは輝く
葬式の夜は 長く長く続いた 彼の死に際に 僕は聞いた
楽しかった またあの世で酒を酌み交わそう
笑った顔が印象的だった
痛みもなく 逝ったから 良かったとだけ
親族に伝えたよ 本当の気持ちだけ
なぜか浮かぶ涙 橋の途中で 車を停めて
窓から 夜景を見た
彼がよく行ったあの展望台から 静かに浮かぶ街並みを見た
さよなら友達 まあ安らかに眠れ
さよなら友達 線香をあげる
それじゃまた
近いうち 遠いうち
元気だったら
来るから ここに
笑いたおしてしまおう 胸を抉る痛みも
遊びたおしてしまおう 金のなさ 情のなさ 全てもう振り出し
夜は 静かに 今日もやって来て 何も知らない人たちの 傍ら
泣いてる 意味を知らない人たちの 瞳に映る僕らはどんなに惨めでも 誰かを責めずにただあなた思う
それだけでいい。
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振り返れば 何もかもが輝いて見えるだろ
それはまるで万華鏡
思い出は万華鏡
のぞいてみれば何も
綺麗に見えてしまう
それはまるで万華鏡
過去は万華鏡
キラキラと光って
あなたを誘う
立ち止まれば
風はやむ
振り返らないで
前だけを見て
歩けるかい
振り返らないで
上だけを見て
生きれるかい
弱い心に風は試す
強い心に風は吹く
君の明日を
風がつれてくる
思い出はいつも
万華鏡のよう綺麗
だけれど振り返れば
それは万華鏡
綺麗なだけの万華鏡
過去にとらわれないで
今を見つめて
歩けたなら
今が万華鏡
明日が万華鏡
足元から一歩ずつ明日に向けて輝いていけ。
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くしゃみひとつ聞こえない 君はいない
君が居なくなって
ずい分いろんなことがわかった
洗濯物の干し方や
野菜の選び方
料理も覚えたよ
食べさせられないのが残念だけど
時計は止まったまま
あの日から動かない
面影だけが揺れている
ベランダに吊された
君が作った照る照る坊主
気持ちとはうらはらに笑ってる
君に会いたい さびしさが募る夜には
なぜだか 涙が出てくるよ
でももう会えない どんなにさびしくても
君は空の上 星になりましたとさ
あくびひとつ聞こえない 朝から雨
君と過ごした日々 ぼんやりと思い出してた
部屋は広い
君ひとりぶん 居なくなって がらんとしてる
ベランダに吊された照る照る坊主も うなだれてる おまえがそんなんだと僕まで悲しくなる
笑ってくれよ
悲しくなんかない 強がるけれど ああ
心は偽れない 今夜もだめだな
痛み走り抜ける 心の傷跡 雨音しみて
夢から覚めてもまだ信じられない
君に会いたい さびしさが募る夜には
なぜだか 涙が出てくるよ
でももう会えない どんなにさびしくても
君は空の上 星になりましたとさ
照る照る坊主はもう多分必要ないね
雨は止むことは この先もずっとないけど
君のぶんまで笑うから どうか見守っていて
星が ちらちらと瞬く夜 明日は晴れるかな
思い出に手を振るとき 僕は笑えるかな
照る照る坊主のように雨を止まして。
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そこから覗く世界は
全ての思想を裏返す
夜を包み込む光
瞬いて 煌めいて
あなたの瞳に届く
明日は雨でも
晴れだろうと
誰かの死が免れぬなら
何も望むことはない
鏡に映したような
世界が向かい合わせで明日を映す
僕の邪悪とあなたの純粋 足して2で割りやっと生まれる
誉れ高き心
夜を望遠鏡で覗いたら 何がそこに見えるかな
人の悪意も善意も全て混ざりあい 融けあって ひとつの光になればいい
夜を望遠鏡で覗いたよ 君の笑顔が見えたんだ
人の笑顔と涙は重なり合うようで ひとつになることはけっしてない
遠い声 遠い街 生まれる朝が 卵から孵った雛鳥のように
まだ目もあかないうちに 僕ら急かすように…
そこに描く 明日は
もうあなたの存在を認めないけれど
確かなものがあるとすれば それはあなたがいたという記憶を知る僕がいることだ
夜を望遠鏡で覗いたら 何がそこに見えるかな
人の悪意も善意も全て混ざりあい 融けあって ひとつの光になればいい
夜を望遠鏡で覗いたよ 君の笑顔が見えたんだ
人の笑顔と涙は重なり合うようで ひとつになることはけっしてない
夜が望遠鏡に映るけど 光と闇が区別できない
見えるものと見えない何か 光を放ちながらただ朝をめざす
時計が もとに戻って 散らかった部屋の中もいくらか片付く
泥だらけスニーカー
履きつぶして
見慣れた景色の中へ僕は 紛れる
昨日の寂しさも 癒えないままの傷跡も
夜の中へ 夜の中へ
置き去りのままさ
そこから覗く世界は
全ての常識を裏切る
そこから覗く世界は
全ての思想を裏返す
そしてまた夜を望遠鏡で覗いたら。
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空っぽの心 目を閉じて 闇に描く光
ぼんやりとしたイメージ 浮かべる
何を伝えたら あなたは笑うのかな
どんなふうに届けたらいいのかな
愛も平和も 夢も希望もありふれてるこの世界を 心から思うような眼差しで 僕は謳うよ
不思議だな あなたと僕は同じ耳を持つのに
心が違うだけで 言の葉ひとつだけでも
けっして同じイメージは持たない
不思議だな あなたと僕は同じ瞳を持つのに
頭が違うだけで 景色ひとつだけでも
それぞれ感じることは違うんだ
やさしい闇に語りかけて そこに生まれる光を描く
やさしい闇は語りかける あなたの思ったように動く
朝に移り変わる
街の色は光を取り戻し少しずつ少しずつ
閉じていた瞼を開く
そして映る世界は
今日という名の
明日の世界
描き上げた 朝のイメージ 見比べても重ならない
どれだけの言葉を並べても 届かない世界がある
それでも謳う人のために 夜はあって
暗闇のキャンバスに描く朝のイメージ
命などと笑う人と同じ世界に 今日も悲しみは降る
それでも、描くよ
限りなく 幸せな明日 それは今日だよ
君が描いた朝のイメージ
少しくらい半端でもたどり着いた
イメージの世界さ。
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僕は空気と変わらない
街の流れとこのだらけた空気
混ざり合って 溶け合ってやがて誰かと同じになる
たどり着いたこの部屋の中 散らばってる退屈を 卑屈を並べては崩すゲーム
続けても意味はない
壊れたように 笑って プログラムされた毎日を 機械のように暮らす 僕に選択肢などない
この思いは 色鮮やかに染まって 君のその邪悪を包み込んで 食らいつくして やがて空気と変わらなくなる
この身を 操る 見えない神様の糸を 断ち切って 僕は空気じゃないと叫ぶから
無意味ははじめて意味を持つのさ
言葉の端 つまんで闇を引きずり出して
僕は 存在の定義を思考する
僕は空気と変わらない
窓の外に浮かぶ雲の形と腐りかけの夢
戯れに遊びながら何をするでもなく僕は
己に酔う
甘噛みのようだ
僕は許されている
いろんなことが。
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一輪の花に いつかの僕を重ねて 揺れ動く世界の片隅にいる
僕は誰かの代わりになれないし あなたも僕の代わりにはなれない
至極当たり前なことを並べ立てては崩して 目の前の常識を絶対的だと言っても
たまに裏切って
僕は上手く泳げない
魚じゃないから
僕は上手く話せない
詩人じゃないから
僕は何になれるだろう あなたの何に
僕は誰のためになれるかな ここにいるだけで あなたの笑顔の種になれるなら
無意味じゃないと気づける
ここにあって どこにもないもの 探しながら 迷いながら 悩みながら 紡ぐ糸
日常とでも呼ぼうか
ああ くだらない。
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僕は脈絡もない
空気と同じだ
なんの意味もなく
道を歩く
四肢に夢を担いで
枷は己を縛る鎖
魂さえ動けない
意味を伝えるために
理由を話すために
僕はここにいない
ただ存在するため
泣いたり笑ったり
怒ったり 柄にもなく黄昏たり それは全てあらすじのない
例えるならば夢物語
文略もなく 改行も道筋も立たず 頼りなく移り気な夢物語
とある掟で囲う世界
それがどんなに
くだらないか
語っても意味は生まれない
御前にもわかるはずだ
舟はただ進む
それだけ。
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目の見えない人にも 耳の聴こえない人にも同じように伝わる痛みがある
あなたの心に 深く突き刺さるように届くだろう
夜空に浮かぶ月も朝を照らす太陽も
流れゆく人の波に浮かぶように
揺れるいつもの景色の中 当たり前のように何かが崩れた
昨日まで 当たり前だと思っていた世界が
ある日突然当たり前じゃなくなった時 僕は果たして平気でいられるのかな
まわる まわる 世界
悲しみを乗せながら
喜びをはらみながら
うごく うごく 世界
人は破壊を楽しみ時に自然や命を慈しむ
矛盾だらけの 世界
光と影に隔てられて
口を開いて愛を謳う
愛し憎むべき 世界
人を思い人を憎むことはき違えぬよう
あなたの耳に 聴こえるものが例え 何も伝えぬとも 僕は存在を叫ぶだろう
ここにいるって そして見つめているって
あなたの瞳に映る世界がやがて 無惨に崩れても 瓦礫の下にも花は咲くって
恥ずかしいほど ここに存在していたいと
この残酷で許されざる世界の片隅で
僕なりの哲学を説いて 抱きしめる
まわる世界が僕の中で回転を止めるまで
まわる世界で僕の命は必死に生を訴える。
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人が 虫けらみたいに散る 私腹を肥やす人の傍ら
あくびをしている僕と同じ時間に 誰かは必死で生死の境を生きる
それでも それでも
僕が言い訳しているあいだにもどこかで
誰かが言い訳する暇もなく生きる
それでも 地球はまわる
それでも生活は変わらない
今日も人はぜいたくばかりして 貧しさなどわからない
ゴミに埋もれながら
ちっぽけな暮らしの中 輝く幸せ
ビー玉握りしめ
宝物と呼ぶ人
テレビのずっと
奥に見えない
現実があること
モザイクかけるように届かない声
それでも それでも
僕は繰り返すんだ
僕が快楽を貪っている間に小さな体震わせてる人がいる
この世界は理不尽だな
この世界は不条理だな
僕なんかに楽をさせて 誰かにぜいたくを許さない
それでも 無能ははびこる
それでも 現状は変わらない
今日も僕らは幸せに酔って本当の幸せも本当の悲しみも知らない
価値のある苦しみと
価値のある努力や頑張りと
僕らの名ばかりの
功績と足跡を
量ったら命にさえ比例して
きっと差が出るよ
だから僕らには思っているほどの意味はないんだ
だってそれでもって言葉でまた 心を隠すから。